フルスクラッチでWebサイト構築!4つの開発手法と選び方を徹底比較
こんにちは。Wakka Inc.のWebディレクターの安藤です。
新たにWebサイトを制作することになったとき、まずはどうやって構築するかを決めなければいけません。
「Webサイトを制作するならこの方法でしょう」と決めている方もいれば、「どのような構築方法があるか全部は知らないので、比較してどれがよいか選びたい」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、Webサイトの構築方法で現在の主流となっている4つの手法をくわしく紹介し、それぞれの特徴を比較しながら解説します。
自社に適した開発手法を選ぶために、ぜひともご参考になさってください。
Wakka Inc.ではフルスクラッチ開発を得意としています。
フルスクラッチ開発のちょっとした疑問から お見積もり依頼までお気軽にお問い合わせください
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Webサイトを構築する4つの方法
Webサイトを構築する方法はいくつかありますが、現在では次の4つが主流です。
- フルスクラッチ開発による構築
- CMS(WordPress)による構築
- HTML/CSSで静的サイトを構築
- ホームページ作成サービスによる構築
まずは全体を把握するために、それぞれの特徴を比較表にまとめました。
構築方法 | 導入期間 | 構築費用 | メリット | デメリット | オススメのケース |
---|---|---|---|---|---|
フルスクラッチ | 半年~1年以上 | 300万~1,000万以上 | ・自社の業務やサービスに適合した独自のシステムを構築できる ・機能追加や改修などの保守対応がやりやすい | ・開発費用が高額・開発期間が長期になる・高い技術力が必要 | ・自社の業務やサービスに合わせた独自のWebサイトが必要・開発費用と期間に余裕がある |
CMS(WordPress) | 1か月~半年 | 30万~300万円程度 | ・プログラミングの知識や技術スキルが不要・デザインを意識しなくても、Webサイトに統一感を出せる ・豊富なテンプレートと拡張機能が用意されている | ・Webサイトに悪意ある攻撃を受けるリスクがある・独自の機能拡張をするには、プログラミングのスキルと、CMS(WordPress)の仕様に関する知識が必要 | ・低予算でオリジナルのWebサイトを制作したい・CMS(WordPress)による開発を得意とする発注先がある |
静的サイト | 2週間~3か月 | 10万~100万円程度 | ・(サーバーの処理能力が低くても)ページの表示が高速で、大量アクセスに強い | ・HTML/CSSの知識とプログラミングスキルが必要・更新に手間がかかる | ・Webサイトの更新頻度が低い・(少ないリソースで)大量アクセスに耐え、表示速度の高いWebサイトが必要 |
ホームページ作成サービス | 3日~1か月 | 5万~30万円程度 | ・プログラミングの知識やスキルがなくても、手軽にコンテンツを作成できる ・豊富なテンプレートが用意されている | ・機能の拡張に制限がある・月額料金がかかるため、長期的には運用費が増える | ・すぐにWebサイトの開設が必要・オリジナルのデザインや機能にこだわらない・Webサイト制作にかける労力と費用をおさえたい |
Webサイトの構築にかかる期間と費用は、制作するWebサイトの種類によって幅があります。
たとえば、企業のコーポレートサイトを制作するのと、豊富なバックエンド機能を備えたECサイトを制作するのとでは、かかる期間も費用も大きく違ってくるのです。
上の表で示す導入期間、構築費用はあくまで目安としてご参考にしてください。次のパートからは、フルスクラッチ開発を中心に、各手法のメリットやデメリット、選び方のポイントをくわしく解説していきます。
フルスクラッチ開発による構築
フルスクラッチ開発とは、既存のテンプレートやサービス、部品などを利用するのではなく、システムの機能をゼロから構築するオーダーメイドの開発手法です。
フルスクラッチ開発のメリット・デメリットを見ていきましょう。
フルスクラッチ開発のメリット
フルスクラッチ開発では、システムの機能をオーダーメイドでゼロから構築するため、システムの仕様やデザインを自由に決められます。
したがって、自社の業務やサービスに適した独自のシステムを構築できるのがメリットです。既存の仕組みにしばられることがないため、画面や機能のカスタマイズも自由にでき、制約がありません。
また、完成したシステムを運用していく中で改善したい課題が出てきたときに、機能追加や改修など保守対応がやりやすいこともメリットの1つにあげられるでしょう。
フルスクラッチ開発のデメリット
システムの機能をゼロから構築するフルスクラッチ開発は、開発費用が高額になりやすいのがデメリットです。ある程度の規模を持つシステムをゼロから構築するためには、開発期間も半年~1年以上と長期になってきます。
また、オーダーメイドでオリジナルのシステムをゼロから構築するには、高い技術力がないと難しいでしょう。
パッケージ製品や、後述するCMS(WordPress)、ホームページ作成サービスは、あらかじめ高い技術力を結集して開発したシステムが使われているため、利用する側には技術力が求められません。
しかし、フルスクラッチ開発ではCMSやホームページ作成サービスにあるような、テンプレートや既存の仕組みを使わずゼロから構築するため、高度な知識と技術スキルが必要なのです。
フルスクラッチ開発がオススメのケース
フルスクラッチ開発をオススメしたいのは、自社の業務やサービスにあわせた独自のWebサイトが必要なケースです。とくに、
- データベースにデータを登録する
- 必要な情報を検索機能で取り出す
といった高度なデータ管理が必要な場合は、フルスクラッチ開発以外では難しいケースもあるでしょう。
ECサイトや予約システムなど比較的メジャーな機能であれば、パッケージ製品やCMSのプラグイン機能で対応できることもありますが、独自にデータ管理の仕組みを構築するには、フルスクラッチ開発が適しています。
また、
- 高額な開発費用
- 長期にわたる開発期間
- 高度な技術力
などのフルスクラッチ開発のデメリットであげた要素が受け入れられるなら、フルスクラッチ開発の自由度の高さを活かせるので、オススメできます。
ここまで、フルスクラッチ開発のメリット・デメリット、オススメのケースについて解説してきました。
▼フルスクラッチ開発のメリット・デメリットについては、下記の記事もご参照ください。
フルスクラッチ開発を選ぶポイント
メリット・デメリットのパートでお伝えしたように、フルスクラッチ開発は開発費用が高額で開発期間も長くなるため、開発手法に採り入れる際は十分な検討を重ねておきたいものです。
では、Webサイト構築にフルスクラッチ開発を選ぶうえで、どのような検討が必要でしょうか?このパートでは、フルスクラッチ開発を選ぶ際に検討しておきたいポイントについてくわしく解説します。
自社のオリジナルな機能が必要か?
フルスクラッチ開発を採り入れると、開発費用がかさみ、開発期間も長くなります。
すべての機能をゼロから設計して構築するのですから、小規模の開発であっても3か月~半年、大規模になると1年以上かかることも稀ではありません。
ここは重要なので重ねて強調しておきたいのですが、開発期間と費用の投資に見あうだけの効果を得られるかどうか、十分に検討してください。
具体的には、「自社のオリジナルな機能は本当に必要か?」ということです。
「自社だけのサービスで競合他社とは差別化したい。そのためにはフルスクラッチ開発を採り入れるべきだ」
そう考えてフルスクラッチ開発に決めてしまう前に、
- 自社のサービスに適合するパッケージはないか?
- CMSのプラグイン機能で必要な機能が提供されていないか?
- ホームページ作成サービスの拡張機能で実現できないか?
といった情報を、十分リサーチしていただきたいのです。リサーチしつくしても自社にあうサービスや機能が見つからなかったときに、はじめてフルスクラッチ開発を視野に入れて検討するのがよいでしょう。
ましてや、開発するシステムを新規ビジネスやサービスのために導入するのであれば、独自性にこだわるのではなく、まずはビジネスを軌道に乗せるまでのスピードを重視すべきでしょう。そのためには、フルスクラッチ開発以外の手法に目を向けてみることも大切なのです。
パッケージで実現できないか?
自社の業務や提供しているサービスは独自のものだと思っていても、意外とパッケージ製品で対応できる場合があるものです。
ぴったりそのまま使えるものでなかったとしても、業務やサービスの内容を少し変更するだけで使えそうなら、パッケージの導入も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
また、パッケージは決まった仕様にもとづいて開発された完成品ですが、多少はカスタマイズできる場合が多いです。カスタマイズ開発を前提にして、自社で使えそうな製品をリサーチしておいて損はないでしょう。
パッケージを導入してカスタマイズ開発が少なく済めば、フルスクラッチですべての機能をゼロから開発するよりも、費用をおさえられる可能性が高くなるからです。
他の構築方法で代替できないか
後述しますが、フルスクラッチ開発以外の3つの構築方法も検討してみる価値はあります。
高度なデータ管理の機能が必須であれば、フルスクラッチ開発は有力候補ですが、それほど豊富な機能が必要でなければ、フルスクラッチ開発以外の方法でも対応可能かもしれません。
バックエンドにデータベースを使って、データ登録や検索機能を実装するのでなければ、フルスクラッチ以外の方法で対応できる可能性もあるので、まずは検討してみてください。
データ管理の機能が必要であっても、たとえばECサイトのようなメジャーな機能であれば、CMSのプラグイン機能で対応できる場合もあります。ホームページ作成サービスにも、拡張機能を使ってECサイトを構築できるものもあるようです。
フルスクラッチと他の構築方法を組みあわせられないか?
パッケージ製品や他の構築方法でも実現が難しい機能が必要な場合は、フルスクラッチ開発を採り入れることになるでしょう。
ただし、フルスクラッチ開発が必要な場合でも、開発対象のWebサイトすべてをフルスクラッチで開発しなければならないわけではありません。
中にはフルスクラッチでなくても、他の構築方法で十分対応できる機能があるかもしれません。少しでも開発費用をおさえるためには、フルスクラッチ開発以外の手法をなるべく採り入れたいところです。
開発したい機能の中で、フルスクラッチ開発でないと対応が難しい部分と、フルスクラッチ開発以外の手法でも対応できそうな部分に切り分けてみましょう。
たとえばCMSをメインに使用して、CMSの機能やプラグインでも対応が難しい部分のみ、アドオン(※)でスクラッチ開発するのもひとつの方法です。
※アドオン・・・ソフトウェアへ新たな機能を追加するためのプログラム
信頼できるパートナー会社に相談する
ここまでお伝えしてきた内容をすべて自社で検討し、判断できるようであれば問題ありません。
しかしもし不安があるなら、フルスクラッチ開発やCMSを使ったWebサイト制作が得意な開発ベンダーに、構築の相談をしてみるのもよいでしょう。
自社で必要と考えているWebサイトの機能がどのようなものかイメージを伝え、さらにくわしいヒアリングを受けながら相談を進めていくことで、自社に適した構築方法を提案してもらえます。
ただし、開発ベンダーによって得意分野はさまざまです。
Webサイトの構築手法に関してくわしいパートナー会社とつながっていればよいのですが、そうでない場合は、さまざまなWebサイトの制作手法にくわしく、信頼できる会社を探すのがオススメです。
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CMS(WordPress)による構築
これまで、フルスクラッチ開発によるWebサイト構築について解説してきました。ここからは、他の構築手法についてもそれぞれの特徴を解説していきます。
まずはCMSから。CMSとはContents Management Systemの略で、作成したWebコンテンツをシステムで管理するものです。
代表的なCMSは、世界的に有名で、全CMSの中でも圧倒的なシェアをほこるWordPressです。
このパートでは、CMS(WordPress)を使用してWebサイトを制作する場合の、メリット・デメリットについて見ていきましょう。
CMS(WordPress)を使用するメリット
Webサイトは、Webブラウザを使って画面を表示する仕組みです。Webブラウザが理解できる共通言語として、HTMLが使われているのはご存知の方も多いでしょう。
CMSは管理画面からコンテンツを登録することで、コンテンツをデータベースへ登録して、データとして管理しています。
ユーザーからリクエストを受けると、CMSはリクエストを受けたコンテンツの情報をデータベースから取り出し、HTML形式に成型してレスポンスを返します。CMSでは、この一連の流れがシステム化されているのです。
したがって、CMSの利用者には、コンテンツを作成するのにHTMLやCSS(スタイルシート)のくわしい知識は求められません。
Wordなどの文書作成アプリを使用する感覚で、文章を書いたり画像を貼付したりしてコンテンツを作成できるのです。
また、CMSではテンプレートを使用してサイトのデザインを統一するため、とくにデザインを意識しなくても、制作したWebサイト全体に統一感を出せます。テンプレートの種類は豊富に用意されているので、完成のイメージに近いデザインが見つかるはずです。
また、拡張機能が豊富に用意されているのもメリットの1つです。
とくにWordPressは、オープンソースのCMSで世界的なシェアも高く、世界中の技術者がプラグインなどの拡張機能を競うように開発しているため、豊富な機能がそろっているのです。
CMS(WordPress)を使用するデメリット
CMSのメリットでご紹介した
- オープンソースであること
- 世界的にシェアが高いこと
この2つは、逆にデメリットとして働くこともあります。
つまり、WordPressで構築されたWebサイトは、悪意ある攻撃を受けるリスクが高いのです。リスクを少しでも減らすためには、十分にセキュリティ対策をしておくべきでしょう。
セキュリティ対策に利用できるプラグインや外部サービスなどの導入も、慎重に検討しなければなりません。
もう1つのデメリットとして、プラグインが豊富に用意されている分、使いこなすためにはある程度の知識とスキルが必要な点があげられます。
さらに、プラグインを使っても対応できない機能を拡張する場合は、高度なプログラミングのスキルと、WordPressの仕様に関する知識も必要です。
CMS(WordPress)がオススメのケース
あまり費用をかけずに、見た目に統一感があってシンプルなオリジナルのWebサイトを制作したい場合には、CMSはオススメの構築方法の1つです。
ただし、後述するホームページ作成サービスも候補にあげられるので、各手法のメリット・デメリットを慎重に比較して、より適した方を選ぶのがよいでしょう。
CMSを使って高度な機能拡張に対応するには、CMSに対する豊富な知識と高いプログラミングの技術スキルが必要です。
しかし、CMSを使った開発が得意で信頼できる発注先があれば、オリジナリティの高いWebサイトの制作も難しくはありません。
つながりのある開発ベンダーでCMSを得意とする企業がなければ、得意そうな会社を探すこともできます。最近では、CMS(WordPress)に関する技術的なノウハウを、独自のメディアを使って発信している企業も多いです。
発信されている情報をチェックして、技術レベルが高く信頼できそうなところがあれば、相談してみるのがオススメです。
弊社でもWordPressに関する技術的なノウハウを発信しておりますので、ほかの記事もぜひご参考になさってください。
HTML/CSSで静的サイトを構築
次にご紹介するのは、HTML/CSSを使用して静的サイトを構築する方法です。
現在では多くのWebサイトの制作方法が広まっていますが、インターネット黎明期の1980~90年代には、Webサイト制作といえばHTML/CSSを直接書くしかありませんでした。
原始的な方法ですが、Webブラウザが理解できるHTML/CSSという言語で、直接プログラムを書いてWebサイトを制作します。
プログラムを直接書くという意味で、HTML/CSSを使用して静的サイトを制作するのも、フルスクラッチ開発の一種といえなくはありません。
Webサイトには、大きく分けて動的サイトと静的サイトがあります。動的サイトとは、
- アクセスするユーザーによって表示する情報を変えられる
- データの登録や検索といった高度なデータ管理ができる
このようなサイトを指します。静的サイトは、ユーザーからのリクエストに対して決まったページを返すだけで、いつ誰がアクセスしても同じページしか表示しません。
このパートでは、静的サイトを構築する方法の特徴を見ていきましょう。
HTML/CSSを使用した静的サイトのメリット
HTML/CSSを使用して直接プログラムを書くことで構築した静的サイトは、他の方法で制作したサイトと比較して、動作が非常に軽いのが特徴です。
フルスクラッチ開発やCMS(WordPress)を使用して開発したWebサイトでは、ユーザーからリクエストを受けるたびに、バックエンドの処理が稼働してレスポンスを返しているので、サーバーにかかる負荷は無視できません。
しかし静的サイトの場合は、サーバーに置かれているHTML/CSSのプログラムを、ユーザーが使用しているブラウザに返すだけなので、画面の表示スピードが速いのです。
また、動作が軽くサーバーにあまり負荷をかけないため、大量のアクセスに強いのもメリットといえるでしょう。
HTML/CSSを使用した静的サイトのデメリット
デメリットは、Webサイトを制作するのにHTML/CSSの知識とプログラミングのスキルが必要な点でしょう。
難しいプログラム言語ではないので、プログラミングの専門知識がなくても慣れればすぐに覚えられますが、習得するには数週間~1か月程度の勉強期間が必要です。
さらに、企業のコーポレートサイトやポータルサイトを構築するとなると、それなりの品質が求められます。
高品質なサイトを制作するには、プログラム言語の知識だけではなく、システム開発のノウハウも求められるでしょう。
また静的サイトの場合は、更新が発生すると対応に手間がかかります。
表示する情報を動的に変更できないため、変更が発生するたびにHTMLを更新して、ページそのものを書き換える必要があるのです。そのため、頻繁に更新が発生するWebサイトは、静的サイトで構築すべきではありません。
もし静的サイトにするのであれば、自分でメンテナンスができる程度のスキルは手に入れておいた方がよいでしょう。
静的サイトがオススメのケース
静的サイトがオススメできるのはまず、更新頻度が低いWebサイトを制作する場合です。
デメリットのところでもお伝えしたように、静的サイトを更新するにはHTMLを直接修正することが必要で、更新頻度が高いとメンテナンスの手間が大変だからです。
更新頻度の低いWebサイトといえば、たとえば企業のコーポレートサイトやランディングページなどが該当するでしょう。
コーポレートサイトは頻繁に更新されることがなく、更新される場合もごく一部の場合が多いです。
ランディングページは集客用に1ページで完結するWebサイトで、こちらも一旦完成してしまえばあまり更新されることがありません。
また、表示速度やアクセス負荷がシビアなWebサイトを制作する場合も、静的サイトを候補の1つと考えてよいでしょう。大量のアクセスを集めても表示速度が損なわれないサイトであれば、ユーザーの離脱率を下げられます。
ホームページ作成サービスによる構築
最近では、ホームページ作成サービスもかなり増えてきています。ひと昔前は、ホームページビルダーなどのホームページ作成ソフトが主流でした。
ホームページ作成アプリの機能を継承して、クラウドサービスとして展開されているのがホームページ作成サービスです。
ホームページ作成ソフトでも有名だったJimdoをはじめ、Wix(ウィックス)、ペライチなど、さまざまなサービスを提供されています。
このパートでは、ホームページ作成サービスを使用してWebサービスを制作する方法の特徴を見ていきます。
ホームページ作成サービスを使用するメリット
前身であるホームページ作成ソフトもそうだったのですが、ホームページ作成サービスは、直感的でわかりやすい画面操作でWebページを作成できるのが特徴です。
パワーポイントなどのプレゼンテーション資料作成アプリを使用する感覚で、テキストや画像を自由に配置してページをデザインできます。
裏側ではHTML/CSSが自動的に生成される仕組みになっているのですが、操作しているユーザーは、HTML/CSSのプログラミングをまったく意識する必要がありません。
専門知識やプログラミングのスキルがなくても手軽にコンテンツを作成できるのは、ホームページ作成サービスの大きなメリットの1つです。
また、サービス内には多彩なテンプレートがあらかじめ用意されているため、初心者でも本格的なデザインのWebページを制作できます。しかも短時間で構築できてしまうため、ストレスなくスムーズなサイト公開が可能です。
また、あくまで労力をかけずにWebサイトを完成させたい場合には、有料での制作の依頼もできます。
ホームページ作成サービスを使用するデメリット
ホームページ作成サービスは、あらかじめ多彩なテンプレートや拡張機能が用意されていますが、機能を自由にデザインできるのは、サービスで用意されている範囲に限られます。そのため、
- 自由にオリジナルのデザインで制作したい
- 自社のビジネスにあった独自の機能を追加したい
といった希望は叶えられない可能性が高いです。
また、初期費用なしでWebサイトを制作できるサービスもありますが、構築したサイトの公開には、サーバーの維持費用をふくめた月額料金が発生します。
つまり、運用費として毎月固定の金額がかかるため、長期的な視点で見ると、割高になってしまう恐れがあるのです。
ホームページ作成サービスがオススメのケース
ホームページ作成サービスは、専門知識がなくてもスピーディにWebサイトを制作できるので、とにかく急いですぐにWebサイトを開設したい場合にはオススメです。
掲載する文章や画像、会社のロゴなどの素材があれば、最短1~3日程度での制作も不可能ではありません。
また、オリジナルのデザインや機能にあまりこだわりがなく、Webサイトの制作にかける労力とコストをできるだけおさえたい場合も、候補に入れてよいでしょう。
最適な構築方法を選んで理想のWebサイトを作ろう
今回は、4つのWebサイト構築方法について、それぞれのメリット・デメリット、オススメのケースを紹介してきました。自社でWebサイトを制作するにあたって、まずは目的と優先順位を明確にしておきましょう。
目的と優先順位が明確になれば、4つの構築方法からどのメリットが活かせるかが見えてくるからです。自社にとって理想的なWebサイトを作るために、この記事がお役に立てましたら幸いです。
ヘッドレスCMSの選定にお悩みの方へ。
自社に必要なヘッドレスCMSがわかる下記資料もぜひご確認ください。
独自選定の代表的なヘッドレスCMSの特徴をもとに、誰でもヘッドレスCMSの選定ができるポイントを押さえた資料を作成しました。
学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。