オフショア開発の単価を国別に徹底比較!コストパフォーマンスに優れた国はどこか?

2022.04.27
ラボ型・オフショア開発
中垣圭嗣
オフショア単価
目次

はじめに

オフショア開発に期待することは、開発力や開発効率、優秀な人材の確保などさまざまですが、やはり一番気になるのは利益に直結するコストです。システム開発において、コストの大半を占めるのは人件費です。

となれば、ITエンジニアの人月単価はプロジェクトの成功を左右する重要な要素となります。

オフショア開発の委託先としてよく名前の挙がる各国の人月単価は、現在どのような状況なのでしょうか。

今回はオフショア開発における各国の状況と人月単価の比較、今後オフショア開発で目指すべき方向などについて解説していきます。

オフショア開発における各国の状況

オフショア開発における人月単価を紹介する前に、各国の特徴と状況を確認しておきましょう。

ベトナム

現在オフショア開発の委託先で人気No.1となっているベトナム。社会主義国家でありながら、ドイモイ政策により市場経済を導入したことで、近年は著しい経済発展を遂げています。

また、ベトナム政府が積極的にICT関連の人材育成や企業育成に関わっていることもあり、毎年多くの人材を輩出し、ICT関連企業も急増しています。

国外から多くの開発案件が入ってきているため人月単価(平均人月単価は)は上昇傾向ですが、国内のIT人材は豊富でまさにオフショア開発の普及期と言えます。

開発コストとパフォーマンスのバランスに優れた委託先です。

バングラデシュ

オフショア開発において、ポストベトナムの最有力候補といわれているのがバングラデシュです。

1991年の民主化以降は国策としてICT産業の育成に注力し、企業誘致や人材育成も積極的に行われています。

その結果としてIT人材も豊富になりつつあり、オフショア開発先として今後の成長が期待されています。

人月単価は比較的安価(平均人月単価は)ですが、インターネット環境や都市交通などインフラの整備にはまだ課題が残っています。

ミャンマー

バングラデシュに次いでポストベトナムと言われているのが、ミャンマーです。

国民性は勤勉で日本人との相性も良く、特に女性がとても優秀なことで知られています。オフショア開発における人月単価は比較的安価(平均人月単価は27万円程度)なのですが、ミャンマーの大きな問題は政情不安です。

ミャンマーは2010年に総選挙が行われ実質的に民主化されましたが、2020年には軍事クーデターにより再び軍事政権となりました。

ミャンマー国内にあった日本企業は多くが撤退しており、オフショア開発に関しても稼働はしているものの今後が見通せない状況となっています。

人材の育成やインフラ整備にも課題を抱えていますが、何より政情の安定がミャンマーには求められています。

フィリピン

英語でのコミュニケーションが可能で、日本企業も多く進出しているのがフィリピンです。

フィリピンは現地の言葉であるタガログ語のほかに英語が公用語となっており、ほとんどの国民は義務教育の段階から英語の教育を受けています。

この影響でフィリピンには以前から日本企業を含む海外企業が多く進出しており、人月単価としては平均で35万円程度と若干ベトナムより高くなっています。

また犯罪の発生率は低下傾向にあるものの、重要犯罪(殺人、強盗等)の発生率は依然として高いとも言われています。

IT人材の数やインフラ整備などに問題はありませんが、都市部でも治安に不安が残るのがフィリピンの弱点と言えます。

インド

欧米企業のオフショア先として、インドは十分な実績を持っています。

1990年以降、インド国内では多くのIT企業が創業し、経済が自由化された2000年にはすでにIT大国と呼ばれていたほどオフショア開発では歴史のある国です。

高い技術力を持ち、人材も豊富。その背景には、13億人以上と言われる人口があります。平均人月単価は35で地域による差がありますが、ジョブホップが多いのが弱点と言えます。

中国

2000年頃から、それまでオフショア開発で人気だったインドを猛追、2010年頃にはオフショア開発先No.1となっていたのが中国です。

IT人材の技術力はとても高く先端技術開発も委託できるのが中国の特徴ですが、国民性としては自己主張が強く協調性に欠ける面があるとも言われています。

人口も多く(約14億人)人材は豊富ですが、インド同様ジョブホップが多くオフショア開発を依頼した際にメンバーの入れ替わりが激しい可能性があります。平均人月単価は35万円〜40万円程度で、内陸部(成都、武漢等)と沿岸部(上海、北京、大連等)で差があります。

オフショア開発の動向や、ベトナムがオフショア委託先の人気No1となっている理由について知りたい方は「検討中なら知っておきたいオフショア開発の動向!人気No.1はどこの国?」もご覧ください。

ベトナムにおけるオフショア開発の人月単価

ベトナムの平均人月単価は32万円程度ですが、IT開発における役割別の人月単価はどのようになっているのでしょうか。

ここでPM(プロジェクトマネージャー)、SE(シニアエンジニア)、ブリッジSE(ブリッジシステムエンジニア)、PG(プログラマー)の単価を見てみましょう。

実際には現地企業の経営状態や需要と供給のバランス、為替相場などによっても変化するので、あくまで目安と考えてください。

  • PM 65万円前後
  • ブリッジSE 50万円前後
  • SE 45万円前後
  • PG 40万円前後

役割別の人月単価は、先述のようにさまざまな要因で大きく変化します。なかでも大きく影響するのが需要と供給のバランスで、人材が少なければそれだけ単価は高騰してしまいます。

ベトナムの現在の傾向は、PM以外の人月単価が上昇傾向にあることです。特にSEとPGの上昇幅が大きく、これは実際の設計やコーディングに関わる人材が不足していることを表しています。

日本のIT人材不足の影響でオフショアの委託量は増加傾向ですが、毎年5万人程度と言われるIT人材の供給をどこまで増やせるかがベトナムの課題となっています。

ベトナムと他国の人月単価を比較

それではベトナムとベトナム以外の国では、人月単価はどのように違っているのでしょうか。

こちらも同様にあくまで目安となる単価ですが、バングラデシュ、ミャンマー、フィリピン、インド、中国の各国と比較してみましょう。

人月単価

出所:オフショア開発.comなどを参考に筆者作成

  • バングラデシュ

今回比較している国のなかで、PGとSEの単価が最も低いのがバングラデシュです。一方でブリッジSEやPMは不足しており単価は上昇傾向にあります。

上位設計を自国、もしくは他国で行い、設計・実装に関わる開発をバングラデシュに委託することでコストメリットを発揮できます。

  • ミャンマー

バングラデシュ同様、PGとSEの人月単価が低いのがミャンマーの特徴です。

また、人材育成が進んでいるせいか、ブリッジSEとPMの単価は下降傾向にあります。IT人材はほとんどの役割が潤沢になりつつあると考えられます。

  • フィリピン

今回比較したなかでは、中国に次いで各人月単価の上昇率が高いのがフィリピンです。先述のように英語を話す人材が豊富なので、もともと単価の高い欧米からの案件が多くその影響を受けて人月単価が上昇していると思われます。

また、日本語を話せるブリッジSEは稀少と言われており、単価が高く採用時には注意が必要です。

  • インド

中国に次いでPMやSEの単価が高いのがインドです。ただし総合的な技術力は高く、コストパフォーマンスで見ればベトナムやフィリピンに負けていないとも考えられます。

高い技術力を要求される案件や、開発チームへの統率力が問われる大規模案件の委託に向いていると言えます。

  • 中国

すべての役割で人月単価は他国を上回っており、また年々上昇傾向にあります。

技術力は高いのですが、コストを優先するようなオフショア開発の委託には適さなくなっています。

人月単価の動向と今後オフショア開発で目指すべき方向

上記の人月単価表でもわかるように、ベトナムの人月単価は東南アジア・南アジアのなかで最安ではありません。

ただし役割による人月単価は各国とも上昇しつつあり、IT人材の過不足に大きく影響を受けます。

単に人月単価の安さだけでオフショア先を決定するのではなく、高い能力を活かして工数をかけずに開発することができれば、結果としてコストメリットが得られるという考え方も重要です。

オフショア開発における各国の状況でも触れたとおり、それぞれの国には政治や政策による事情が存在しています。

政情や治安、IT人材の豊富さ、人月単価のバランスが取れているベトナムが、やはりオフショア開発では一番のおすすめになります。

ベトナムにおけるIT産業の特徴、魅力について詳しく知りたい方は、【オフショア拠点】ベトナムでのIT開発が一番おすすめできる理由とは?もご覧ください。

まとめ:大切なことは人月単価だけに目を奪われないこと

プロジェクト全体の管理を任されている立場なら、人件費も含めたコストが気になるのは当たり前のことです。

ただし短期のプロジェクトならまだしも、長期にわたるプロジェクトでは開発効率がコストに大きく影響してきます。オフショア開発では人月単価だけを気にするのではなく、トータルのコストパフォーマンスで委託先(国)を選んでいきましょう。

ベトナムのオフショア開発に興味をお持ちいただいた方は、こちらのリンクからお問い合わせください。

この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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