PMBOKの10の知識エリアとは?第6版と第7版の違いも徹底解説

最終更新日:2026.03.24
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Wakka Inc. メディア編集部
PMBOKの10の知識エリアとは?第6版と第7版の違いも徹底解説
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プロジェクトマネジメントを実現するためには、PMBOKの10の知識エリアを押さえておくことが大切です。
PMBOKでは、プロジェクトマネジメントにおいて注意するべきポイントを10の領域に分割しています。

プロジェクトマネジメントに必要な知識が体系的に整理されているため、10の知識エリアについて理解を深めていきましょう。
本記事では、PMBOKの10の知識エリアについて詳しく解説します。

PMBOKにおける5プロセスと、第6版と第7版の違いもあわせて解説するため、ぜひ最後までご覧ください。

なお、2025年11月に英語版で刊行された第8版では、第7版の考え方を引き継ぎながら、6つのコア原則と7つのパフォーマンス領域を軸に、より実務で使いやすい構成へ整理されています。
日本語版も、2026年中にリリースされる可能性が高いです。

目次

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PMBOKとは

まずはPMBOKの基本について解説します。
より深く知るためにも、PMBOKの概要やメリットを把握しておきましょう。

PMBOKの基本

PMBOKは「Project Management Body of Knowledge」の略称であり、「ピンボック」とも呼ばれます。
プロジェクトマネジメントの知識体系をまとめたガイドであり、PMI(プロジェクトマネジメント協会:Project Management Institute)が作成しているものです。

1987年に初版が発表され、2021年に第7版へと改良されました。

これまでプロジェクトマネジメントに関する知識は統一されておらず、企業によって意味合いや範囲が異なることも珍しくありませんでした。
そのような状況に対し、PMIは初めてプロジェクトマネジメントの知識を体系化し、世界標準のガイドとしてPMBOKを生み出しました。

PMBOKは世界10以上の言語で発行されており、スケジュール・人材・予算・品質など、プロジェクトをマネジメントするうえで不可欠な要素が整理され、まとめられています。
内容は改訂するたびに更新されており、新しい版が発行された際には内容を確認しておくことが重要です。

PMBOKは、プロジェクトマネジメントの知識の体系化だけでなく、「プロセスをマネジメントする」といった考え方の普及にも貢献しました。
プロジェクトを立ち上げるうえで、PMBOKは非常に役立ちます。

PMBOKを学ぶメリット

PMBOKを学ぶメリットは以下の通りです。

※表は、横にスクロールできます

メリット詳細
プロジェクトをうまく進められる・QCD(品質・コスト・納期)を効率的に管理するうえで必要な知識を学べるので、プロジェクト管理に応用できる。
・自社にない知識を取り入れることでスキルアップにつながるうえに、新しいマネジメント方法を見出すきっかけになる。
トラブルを減らせる・PMBOKを通じてプロジェクトのプロセスを明確化することにより、管理するポイントを把握でき、トラブルの予防につながる。
・トラブルが発生しても対処すべき方法を把握できるので、損害を最小限に抑えられる可能性が高まる。
PMP試験対策に役立つ・PMP試験の出題範囲にPMBOKが含まれているため、資格取得を目指すうえで必須になる。
・資格を取得すれば、プロジェクトマネジメントの技術や知識の客観的な証明が可能。

より良いプロジェクトマネジメントを実現するうえで、PMBOKは非常に有用です。
プロジェクトマネジメントの基本的な知識を体系的に学べるため、スキルアップにつながります。

また、プロジェクトの重要なプロセスを可視化してくれるため、トラブルの予防や業務改善にも役立つ点が魅力です。

なお、上記の表にあるPMP試験とは、PMIが認定する国際資格です。
プロジェクトマネジメントの理解度を図るものであり、PMBOKが出題範囲に含まれています。

PMP試験は、プロジェクトマネジメントの技術や知識への理解度を客観的に証明できるだけでなく、従業員がさらなるキャリアアップを図るうえでも役立つ資格です。
PMBOKを導入する際は、PMP試験の受講を推奨してみましょう。

PMBOKにおける10の知識エリア

PMBOKによって定められた「プロジェクトマネジメントにおいて押さえておくべき10の知識エリア」には、重要な知識がまとめられています。

PMBOKにおける10の知識エリアは、次の通りです。

  1. 統合マネジメント
  2. スコープマネジメント
  3. スケジュールマネジメント
  4. コストマネジメント
  5. 品質マネジメント
  6. 資源マネジメント
  7. コミュニケーションマネジメント
  8. リスクマネジメント
  9. 調達マネジメント
  10. ステークホルダーマネジメント

各知識エリアを確認して、プロジェクトマネジメントを実施する際に活用しましょう。

1.統合マネジメント

統合マネジメントは、プロジェクト全体の方向性を定めて、各プロセスの調整や管理を行う知識エリアです。
プロジェクトマネジメントにおけるほかの9つの知識エリアを総合的に管理し、スムーズにプロジェクトを遂行できるよう目標やプロセスを調整します。

2.スコープマネジメント

スコープマネジメントは、プロジェクトのスコープ(範囲)を定めて、目標達成のために必要なタスクと成果物を定義する知識エリアです。
顧客ニーズを満たす成果物を定義し、要求や要件をもとに成果物の内容を明確化します。

10の知識エリアの中でも、プロジェクトに必要なタスクと成果物を決定するプロセスになるため、プロジェクトの成功に大きく影響する重要なプロセスです。
顧客ニーズを読み取れずスコープが曖昧に設定されると、目標達成に向けたプロセスを構築できず、プロジェクトが難航する可能性があるので注意しましょう。

3.スケジュールマネジメント

スケジュールマネジメントは、タスクや所要時間を算出しプロジェクトを完了させるスケジュールを決定する知識エリアです。
プロジェクト完了日に向けて、どのようなタスク・流れでプロジェクトを進めていくか、全体のスケジュールを調整します。

プロジェクト進行が遅延した場合は、迅速な対応により納期までに成果物を仕上げなければなりません。
そのため、できるだけ効率的に成果物を作成できるよう、業務の効率化と適切なスケジュール調整を実施する必要があります

4.コストマネジメント

コストマネジメントは、プロジェクトにかかる予算を算出し、設定した予算内で成果物を納品できるようコスト管理を行う知識エリアです。
予算オーバーしないよう各プロセスで発生する費用を管理する必要があります

万が一、予算をオーバーしてしまった場合は、プロジェクトにかかるコストをカットするために、予算を見直すか、「ECRS」と呼ばれる手法を活用します。
「ECRS」は、次の頭文字を取った略語で、業務改善を実現するための手法です。

  • Eliminate(排除)
  • Combine(結合)
  • Rearrange(入替、代替)
  • Simplify(簡素化)

上記の要素を意識することにより、適切なコストカットが実現できます。

5.品質マネジメント

品質マネジメントは、プロジェクトの各プロセスや成果物における品質管理を行う知識エリアです。
成果物の品質だけでなく、プロジェクトの進め方における品質確保が求められます。

高品質なプロジェクト進行、高品質な成果物を実現するために、品質管理における次のポイントを意識することが大切です

  • ベースラインの目標値を高く設定しすぎない
  • COQ(品質コスト)を適切に管理する
  • 新QC7つ道具を活用する

COQとは「Cost of Quality」の略称であり、品質を担保するために発生するコストを意味し、品質を確保するために発生するコストを管理する考え方です。

新QC7つ道具とは、品質管理における7つの手法を指し、実施することでプロジェクトと成果物の品質管理を適切に実行できます。
QCは「Quality Control」の略称であり、品質管理を意味する用語です。

新QC7つ道具には以下の手法が該当します。

※表は、横にスクロールできます

手法内容
親和図法関係者のアイデアや共通の考えを整理し、カードに書き出して分類、全体像を明確にする手法
連関図法モノとコトを結び付け、両方向のつながりから分かる関係性を分析する手法
系統図法トップダウンのツリー構造で目標を実現するために必要な手段・ゴールを明らかにする手法
マトリックス図法行と列で構成された表(マトリックス)を作成し、行と列それぞれの項目の交わり方をチェックして対象の特性を明らかにする手法
マトリックス・データ解析法大量のデータ(主に数値データ)の関連性やパターンを見出す手法
PDPC法プロジェクトを進めるうえで想定されるリスクやトラブルを予測し、実施すべき対処法を決めておく手法
アロー・ダイヤグラム法各タスクの進行状況を明らかにし、それぞれの依存関係を明らかにすることで最適な進め方を見つけ出す手法

上記の手法を活用すれば、プロジェクトをよりスムーズに進められる可能性が高まります。

6.資源マネジメント

資源マネジメントは、プロジェクトを成功させるために必要な人的資源と物的資源を確保し、管理する知識エリアです。
人材育成や物的資源の使用状況を管理し、プロジェクトを円滑に遂行できるよう資源を管理します。

人材のモチベーション向上やチームワークの強化、十分な資源の獲得などが資源マネジメントに求められます。

7.コミュニケーションマネジメント

コミュニケーションマネジメントは、ステークホルダーと円滑にコミュニケーションを取るために、会議の計画や情報共有の仕組みを整える知識エリアです。
ステークホルダーに必要な情報を共有し、関係者間で情報を理解したうえでプロジェクトを進められるよう、適切なコミュニケーションの場を設定する必要があります。

なおコミュニケーションマネジメントには、チームワークを強化する役割は含まれていません。
コミュニケーションを通じてチームワークを強化する役割は、資源マネジメントの領域に含まれます。

8.リスクマネジメント

リスクマネジメントは、プロジェクトを進めていく過程で発生するリスクを管理し対処する知識エリアです。
リスクをただ回避するだけでなく、リスクは機会損失を防ぐケースもあることを想定して、発生し得るリスクを事前に予測することが重要です。

事前にリスクを想定しておき、実際にトラブルが発生した際にはどのように対処するべきか対応策をあらかじめ検討しておきましょう。

9.調達マネジメント

調達マネジメントは、プロジェクトに必要な製品やサービス、資源を外部の仕入れ先から調達し、管理する知識エリアです。
仕入れ先の選定や納品の進捗管理・検収など、調達に関わるすべてのアクションを管理します

調達マネジメントでは、業務を外部機関へ外部委託する場合に、調達意思を示す入札文書や、調達の進め方を定めた調達マネジメント計画書などを作成する必要があります。
その他にも必要な書類がある場合は、事前に調べて用意しておきましょう。

10.ステークホルダーマネジメント

ステークホルダーマネジメントは、顧客やチームメンバーなど、プロジェクトに関わる利害関係者(ステークホルダー)を管理する知識エリアです。
ステークホルダーごとにプロジェクトへの関与度を分析し、貢献度を最大化できるよう調整する役割を担います。

プロジェクトへの関連度を分析する際には、ステークホルダー関与度評価マトリクスを活用し、下記の5段階でステークホルダーを振り分けます

※表は、横にスクロールできます

段階関与度
指導プロジェクトを指揮する
支援型プロジェクトを指示する
中立プロジェクトに対して抵抗も支持もしていない
抵抗プロジェクトを邪魔する
不認識プロジェクトの存在を認識していない

ステークホルダーの関与度を分析し、望ましい数値まで調整することが、ステークホルダーマネジメントの役割です。

PMBOK第6版と第7版の違い

PMBOKは、2017年に発行された第6版が主流でしたが、2021年に発行された第7版で大きく内容が変わりました
主な変更内容は、次の通りです。

  • プロセスベースから原理・原則ベースへ変更
  • プロジェクトマネジメントをシステム思考の観点から捉える考え方へ変更
  • テーラリングに関する内容を拡張
  • プロジェクトマネジメントにおけるモデル・方法・作成物のグループ分け

参照:PMBOK ®ガイド 第7版の紹介|一般社団法人PMI日本支部

さらに第6版で中心となっていた「10の知識エリア」に代わり、第7版では「8つのパフォーマンス領域」という新しいフレームワークが導入されました。
また、第7版では「12の原理・原則」が提示され、プロジェクトマネジメントの考え方も大きく変化しています。

最新のプロジェクトマネジメントを実施するために、PMBOKの10の知識エリアとあわせて、第7版で改良された内容を確認しておきましょう。

PMBOKにおける5プロセス

PMBOKでは、プロジェクトマネジメントのプロセスは次の5つのプロセス群で構成されています。

  • 立ち上げプロセス
  • 計画プロセス
  • 実行プロセス
  • 監視・コントロールプロセス
  • 終結プロセス

立ち上げから終結までに、PDCA(P:計画・D:実行・CA:監視)が含まれており、プロジェクトを遂行するために必要なプロセスが揃っています
各プロセスの概要を確認して、PMBOKにおけるプロジェクトマネジメントを実現しましょう。

立ち上げプロセス

立ち上げプロセスは、プロジェクトを成功させるためにステークホルダーを特定するプロセスです。
プロジェクトを立ち上げる前に、目的や目標・予算・成果などを定めて、基本的な骨格を作成します

計画プロセス

計画プロセスでは、プロジェクトを成功させる計画を立案するプロセスです。
立ち上げプロセスで定めたプロジェクトの骨格をもとに、各フェーズの作業計画を立てて、一連の流れを計画書に書き出します

実行プロセス

実行プロセスは、計画プロセスで作成したプロジェクト計画書をもとに、プロジェクトを実行するプロセスです。
計画に基づいて資源や人材を調達し、作業を進めていきます。

監視・コントロールプロセス

監視・コントロールプロセスは、計画と実際の進行状況に差異がないかを確認するプロセスです。
作業進捗を都度確認しながら、必要に応じてスケジュール調整や計画の見直しを行います

終結プロセス

終結プロセスは、プロジェクトが完了したことを確かめて、クライアントに成果物を納品するプロセスです。
ただプロジェクトを終結させるだけでなく、各フェーズで得たノウハウを次のプロジェクトに活かせるよう、知識やスキルを残すよう意識しましょう。

10の知識エリアとあわせて、第7版で導入された新しい考え方を確認しておきましょう。

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プロジェクトマネジメントのメリット

そもそもプロジェクトマネジメントを実施する目的は、次の通りです。

  • QCDの向上
  • 利益の最大化

QCDを向上させて企業の利益を最大化するために、PMBOKを活用してプロジェクトマネジメントを実施します。
さらにプロジェクトマネジメントを実施することで、次のようなメリットを得られます。

  • 組織内の状況把握を円滑化できる
  • マネジメントを効率化できる
  • 業務効率を向上できる

各メリットを確認して、プロジェクトマネジメントに必要な知識やスキルを身に付けるべきか検討しましょう。

組織内の状況把握を円滑化できる

プロジェクトマネジメントを実施することで、組織内の状況を把握しやすくなります。
プロジェクトにおける全体像を把握するために、各工程におけるタスク量や進捗状況が共有されるため、組織全体の状況把握をスムーズに行えます。

プロジェクトを一元管理できるため、問題の早期発見・解決を行うことにより、QCDの向上が可能です

マネジメントを効率化できる

プロジェクトマネジメントは、マネジメント業務を効率化できるため、管理者の負担を軽減できます。
プロジェクト全体の状況把握を円滑化できるため、各フェーズにおける進捗状況やリソースを瞬時に把握できます。

そのため空いているリソースを不足しているフェーズにまわし、タスクを振り分けて業務の遅延と品質低下の防止が可能です

業務効率を向上できる

プロジェクトマネジメントによって、各フェーズのタスク・進捗状況を把握できれば、業務効率を向上させる施策を実行できます。
作業を行っているメンバー本人では気づけない無駄や改善点も、第三者の目から見ることで発見が容易です。

俯瞰した体制でプロジェクトを管理できるため、作業手順の改善やタスクの振り分けにより、業務効率を向上させられます

PMBOKを活用する際の注意点

PMBOKを活用する際には、次のポイントに注意しなければなりません。

  • PMBOKに依存しすぎない
  • ヒューマンスキルを別途学んでおく
  • 中小規模のプロジェクトには不向き

プロジェクトマネジメントの実現に向けて、各注意点を押さえておきましょう。

PMBOKに依存しすぎない

PMBOKではプロジェクトマネジメントの基本的な知識を学べますが、依存しすぎてはいけません。
あくまでプロジェクトマネジメントを適切に実施するためのガイドとして活用することが重要です。

例えば、PMBOKに記載されていないイレギュラーな対応が求められる際に、依存しすぎると、自社のノウハウやマニュアルだけでは対応できない事態に陥る可能性があります。

PMBOKは非常に有用なガイドですが、すべての状況に適用できるとは限らないうえ、内容は常に変化していくガイドブックです。
プロジェクトマネジメントを実施する際の資料として活用しましょう。

ヒューマンスキルを別途学んでおく

プロジェクトマネジメントを実施する際には、PMBOKの知識エリアやプロセスだけでなく、管理者のヒューマンスキルが重要です。
管理者のヒューマンスキルが不足していると、チームメンバーをまとめられずプロジェクトマネジメントが難航します。

あくまでプロジェクトマネジメントを実施するうえで重要になるスキルは、コミュニケーションを円滑化しチームワークを強化するヒューマンスキルです
PMBOKの知識エリアだけにとらわれず、ヒューマンスキルを磨き、より実効性が高いマネジメントスキルを身に付けましょう。

中小規模のプロジェクトには不向き

PMBOKは、プロジェクト全体を一元管理しスムーズな遂行を実現するガイドとなるため、小規模なプロジェクトでは、PMBOKのすべてのプロセスを適用すると管理が複雑になりすぎる場合があります。
そのため、プロジェクトの規模に応じて必要な要素を選択して活用することが重要です。

そもそもPMBOKは大規模なプロジェクトに対応するよう標準を定めているため、小規模なプロジェクトで適用するとリソースが不足する可能性があります

プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKですが、スケールが合致しない場合は、あくまで参考程度に留めて自社の事業規模に適した管理を行うことが大切です。

よくある質問(FAQ)

本章では、PMBOKについてよくある以下の質問について解説します。

  • 知識エリアは第7版でも必要ですか?
  • PMP試験ではどこまで出ますか?
  • アジャイル開発でも使えますか?

PMBOKに関する疑問を解消する際にお役立てください。

知識エリアは第7版でも必要ですか?

第6版から第7版に更新されるにあたり、知識エリアが削除されたことは先述した通りですが、それ自体の必要性が低下したわけではありません。
そもそも、第7版の変更に伴う知識エリアの削除はPMBOKの方向性の変化に伴うものです。

第6版までのPMBOKは「QCDの達成」を目標としており、ハウツー本として利用できるものでした。
しかし、第7版からは「価値の提供」に重きを置いた、原則や価値観を示すガイドとして作成される方針に切り替わったため、知識エリアの構造が採用されなくなりました。

つまり、知識エリアの必要性が低下したわけではなく、PMBOKの方針が変更されたために削除されたのが実情です。
そのため、より実践的なプロジェクトマネジメントを学びたいのであれば、知識エリアは依然として有用です。
実際、企業によっては第6版のPMBOKを利用しているケースがあります。

PMP試験ではどこまで出ますか?

PMP試験の主題範囲はPMBOKが含まれていますが、具体的には以下の領域で出題されます。

・人(PEOPLE):42%
・プロセス(PROCESS):50%
・ビジネス環境(BUSINESS ENVIRONMENT):8%

PMP試験は上記の範囲を踏まえたうえで勉強しなければなりません。
加えて、PMP試験は230分の試験時間に対し問題数が約180問と、設けられた時間に対して問題数が非常に多い点が特徴です。
1問あたり1分程度しか時間がないため、少しでもスピーディーに問題を解くことが重要です。
1問でも詰まってしまうと時間切れになる恐れがあるので注意しましょう。

なお、PMP試験は受験資格も厳格です。
PMP試験は学歴によって必要なプロジェクトマネジメント経験が異なります。
また、35時間の公式研修の受講も必要です。

・高卒・短大卒の場合:60カ月のプロジェクトマネジメントの経験があること
・4年生大学・GAC accredited programを除く大学院卒の場合:30カ月のプロジェクトマネジメントの経験があること

上記の通り、PMP試験はプロジェクトマネジメントの実務経験が求められます。
さらに実務経験は英語で記載しなければならないうえに、証明する第三者の連絡先の記載が必須です。

アジャイル開発でも使えますか?

PMBOKはアジャイル開発でも活用できます。
そもそもPMBOKが第6版から第7版に移行する過程でコンセプトを大きく変更させたのは、開発手法の主流がウォーターフォール開発からアジャイル開発に移ったことが影響しています。

アジャイル開発はプロダクトの開発プロセスを最小単位に分け、それぞれを計画・設計・実装・テストのサイクルで実行している開発手法です。
スピーディーかつ柔軟に開発を進められるうえに、変化やフィードバックを取り入れることで常にユーザーに合った価値を提供できる点が、アジャイル開発の特徴です。

PMBOK第7版は、アジャイルやハイブリッド型の開発手法を前提とした内容へと大きく変化しています。

一方で、「10の知識エリア」に代表されるような、PMBOKの第6版までの内容がまったく役に立たないわけではありません。
むしろ、アジャイル開発と第6版までのPMBOKを融合したハイブリッド型の開発手法を実践するケースもあります。例えば、プロジェクトのプロセスの捉え方はPMBOKの通りに行い、開発や設計部分をアジャイル開発の方法で実施するといった方法です。

いずれにせよ、アジャイル開発においてもPMBOKは非常に有効です。
自社の状況に合わせて適切に利用すれば、プロジェクトマネジメントをブラッシュアップできます。

PMBOKを活用してQCDを向上させよう

PMBOKを活用すれば、QCD(品質・コスト・納期)を向上させ、企業の利益を最大化することにつながります。
プロジェクトマネジメントを実現するためには、PMBOKの10の知識エリアを理解し、5つのプロセス群に沿ってプロジェクトを管理することが大切です。

ただし、PMBOKは第6版から第7版への改訂により、プロジェクトマネジメントの考え方が大きく変更されました。
第6版で採用されていた「10の知識エリア」は、第7版では採用されなくなり、原理・原則を重視したフレームワークへと移行しています。
そのため、PMBOKは絶対的な基準として扱うのではなく、プロジェクトの規模や状況に応じて柔軟に活用することが重要です。

また、プロジェクトの成功には管理者のヒューマンスキルやチームの連携も大きく影響します。
PMBOKの知識だけに依存するのではなく、自社の状況に適した方法でプロジェクトマネジメントを実施することが求められます。

本記事で紹介した注意点も参考にしながら、PMBOKを適切に活用し、プロジェクトマネジメントスキルの向上につなげていきましょう。

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