オフショア開発に英語は必要?コミュニケーションのコツを解説

2024.03.04
ラボ型・オフショア開発
Wakka Inc. メディア編集部
オフショア開発に英語は必要?コミュニケーションのコツを解説
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

オフショア開発とは、海外の企業に開発や保守運用を委託することにより、コストを削減できる開発手法です。
昨今はシステムを開発する際に、オフショア開発を利用する企業が増えています。

しかし、海外の企業とビジネスをするうえで、課題となるのがコミュニケーションです。
オフショア開発をするとなれば、「英語が必須ではないか」と感じる方は多いでしょう。

本記事ではオフショア開発における、英語の必要性や、コミュニケーションを円滑に実践するコツなどについて解説します。
実際にオフショア開発に取り組む際の参考にしてください。

目次

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そもそもオフショア開発とは?

まずは、オフショア開発に関する基本的な事柄についておさらいしましょう。
オフショア開発にはさまざまなメリットがあり、成功すれば低コストでのシステム開発を実現できます。

また、本章ではオフショア開発の現状についても解説します。

オフショア開発の概要

オフショア開発とは、日本よりコストが低い企業に開発や保守運用を委託する開発手法です。
人件費のようなコストを抑制しつつ、質の高いグローバル人材や開発リソースを活用できるため、システム開発の分野で多用されています。

そもそも、昨今の日本は人件費の高騰が続いているうえに、IT業界は慢性的な人手不足が深刻化しています。
そのため、国内の環境だとスムーズに開発が進まないケースは珍しくありません。

国内の状況の変化を受け、多くの企業が目を向けたのが海外です。

近年はアジアの国々の経済成長が著しく、ITの分野でも成長が目覚ましい国が増えてきました。
なかには、人件費が安いにも関わらず、日本と遜色がない開発リソースを活用できる国もあります。

加えて、現在はインターネットの普及で、海外の企業との連携のハードルが下がっており、以前よりもオフショア開発を実践しやすい環境です。
その結果、規模に関わらず、積極的にオフショア開発に乗り出す企業が増加しました。

オフショア開発のメリット

オフショア開発の主なメリットは以下のとおりです。

  • 優秀な人材を活用できる
  • 開発コストを削減できる
  • 納期を短縮できる
  • 業務の幅を広げられる
  • 自社専用のチームを作成し、ノウハウを蓄積できる

人件費や各種コストが抑えやすい海外の企業を利用することで、コストを削減できる点が最大のメリットと言えます。
加えて、オフショア開発は自社専用の開発チームの作成も実現します。

いうなれば、オフショア開発は海外企業に委託する形で、別の開発チームを作る行為です。
自社にチームを作る場合と違い、開発を委託した企業は解散しないため、何度も作業を依頼できます。

そのため、オフショア開発ならノウハウやスキルが蓄積されやすくなり、フィードバックを通じた品質や技術の向上が期待できます。

オフショア開発の委託先国

2023年版の『オフショア開発白書』によると、委託先となる国のランキングは、以下のとおりです。

  1. ベトナム
  2. フィリピン
  3. インド
  4. バングラデシュ
  5. 中国
  6. ミャンマー
  7. ウクライナ

参照:オフショア開発白書

オフショア開発が導入された当初は、中国が最も人気でしたが、昨今は人件費の高騰が著しいため、ベトナムやフィリピンなどに委託する企業が増加しています。
とりわけ、ベトナムは優秀な人材が豊富なうえに、日系企業が多いことから人気が高く、オフショア先となる国のなかでも、圧倒的に高いシェアを誇ります。

オフショア開発に英語は必要?

一般的に、オフショア開発は、海外企業に開発を委託するため、英語が必要なイメージがあります。
実際、多くの企業が英語で開発を委託するケースは珍しくありません。

一方で、最近は日系企業や、オフショア開発の受け入れに特化した企業が増加しています。
そのため、日本企業でもオフショア開発を導入しやすい環境になりました。

ただし、委託先の企業の選択肢を増やしたり、より高度な開発の依頼を考えたりしているなら、英語を活用できる方が有利です。
オフショア開発による事業の拡大を検討しているなら、一定以上の英語力は身に付けておくべきでしょう。

オフショア開発で英語を活用するメリット

昨今は、英語に不慣れでもオフショア開発を実践できるようになりました。
しかし、オフショア開発での英語の活用には、さまざまなメリットがあります。

本章では、オフショア開発で英語を活用するメリットについて解説します。

委託先の選択肢が広がる

オフショア開発で英語が利用できるなら、委託先の選択肢を広げられるでしょう。

昨今は、日本語でもオフショア開発を引き受けられる企業が増えていますが、高度なシステムの開発となると、すべてのプロセスを完璧に日本語でやり取りできる企業の数は多くありません。

そのため、英語を避けるあまり、日本語対応できる企業のみをピックアップしていると、理想的な委託先を逃がしてしまうリスクが高まります。

なかでも、インドやマレーシアのようなIT分野に強い国は、公用語が英語です。
もし英語対応ができなければ、現地のスキルやノウハウを活用しにくくなるでしょう。

もちろん、英語力に自信が持てないうちは、英語を使わないオフショア開発も選択肢に入ります。
しかし、より高度なシステム開発に着手したいなら、英語の活用をするだけでも、プロジェクトが実現する可能性を高められます。

良いエンジニアと出会える確率が上がる

委託先の企業と同様に、現地のエンジニアが日本語が堪能とは限りません。
むしろ、優秀なスキルを持つと同時に、日本語が問題なく話せる人材は、どの地域に目を向けても、見つけ出すことは困難でしょう。

もし日本語対応に固執すると、かえって優秀なエンジニアを逃してしまいかねません。

対して、英語を話せる優秀なエンジニアは珍しくありません。
英語で発注できるだけでも、依頼できるエンジニアが増えるため、より有効的なオフショア開発を実践しやすくなります。

コミュニケーションが円滑にできる

委託先とのコミュニケーションが円滑になる点も、英語を活用するメリットです。
そもそも英語は、世界的に使用者が多い言語であり、地域を問わず使用できます。

英語のように、互いに知っている言語を使っている方が、齟齬が生まれにくくなるため、スムーズなコミュニケーションが可能です。

また、IT分野で使われる用語は英語を基にしたものが多い傾向があります。
そのため、海外のエンジニアと開発について具体的に話す際は、日本語より英語の方が意思疎通がしやすいでしょう。

効率的な連携で品質の向上が期待できる

英語を活用できる企業であれば、委託先との効率的な連携が実現し、システムの品質向上につなげられます。

スムーズにコミュニケーションができれば、委託先のエンジニアとの認識のすり合わせがはかどるため、齟齬が発生しにくくなります。
その結果、自社の要望が伝わりやすくなり、アクシデントが発生した際も互いに連携して対応できるでしょう。

英語を使ったオフショア開発における4つのポイント

英語を利用してオフショア開発に取り組む場合、成功させるにはいくつかのポイントに留意する必要があります。
本章では、英語でオフショア開発を実施する際、押さえておきたいポイントを4つ解説するので、ぜひ参考にしてください。

最低でも中高生レベルの英語力を身に付ける

「英語でビジネスをする」と聞くと、高度な英語力が必要なイメージがありますが、実際は異なります。
オフショア開発の場合、最低でも中高生レベルの英語力を身に付ければ、十分対応が可能です。

とりわけ、委託先として人気があるベトナムやミャンマーのようなアジア圏は、英語が公用語ではないため、ネイティブに匹敵する高度な英語力は求められません。
中高生が学ぶレベルの英語さえ身に付いていれば、十分意思疎通は可能でしょう。

また、システム開発の場合、開発に関するやり取りは技術的なトピックが中心です。
そのため、互いが作成したコードや、利用したプログラミング言語があれば、上手く英語が使えなくても、ある程度意思疎通ができます。

オンライン英会話や英英辞典などで勉強する

英語力に自信がないなら、オンライン英会話や英英辞典などを利用して勉強しましょう。

通話ソフトの普及により、最近は自宅でも英語の学習ができるサービスが増えています。
オンライン英会話は、仕事の合間や休日に気軽に活用できるため、多忙な人でも英語力を向上させたいときにおすすめです。

加えて、昨今はアプリを使った英語学習も広く普及しています。
英語学習のアプリは、スマートフォンがあればどこでも勉強できるため、すき間時間に活用すれば、効率的に英語力を鍛えられます。

加えて、単語を調べる際は、英和辞典より英英辞典を利用しましょう。
少しでも多く英語に触れる機会を作れば、ボキャブラリーを蓄えられます。

テキストベースの英語のやり取りに慣れる

オフショア開発では、コミュニケーションの大半はメールによるテキストベースで行われます。
テキストベースの英語のやり取りに慣れておけば、委託先とのコミュニケーションがスムーズになるでしょう。

テキストベースでの英語のやり取りは、口頭でのコミュニケーションと違い、発音やリスニングが必要ありません。
そのため、対面でのコミュニケーションが苦手な人でも、気楽に対応しやすい点がメリットです。

ただし、テキストベースでも単語や英文法を理解していなければ、上手く対応できない恐れがあります。

もし英語の読解に自信がなければ、日ごろから英語のテキストに慣れておきましょう。
ITをテーマにした技術系のドキュメントや、英字新聞の記事を読むだけでも、読解力は鍛えられます。

ボキャブラリーや英文法を見直すきっかけになるため、ぜひ実践してください。

英語が不安ならツールも活用する

どれだけ勉強しても自身の英語力に自信が持てない場合は、ツールを活用しましょう。

例えば、テキストベースでのやり取りなら、Google翻訳のような翻訳ツールが役立ちます。
翻訳ツールは無料で使えるものが多いうえに、最近はAIの進歩もあって、高精度で翻訳できるものが増えました。

適切に活用すれば、英語力を補完できるでしょう。

ただし、翻訳ツールを使用する際は、必ず翻訳結果を確認しましょう。
精度が高まっているとはいえ、翻訳ツールだけだと、出力した文章の誤字や脱字が混じっていたり、文法がおかしかったりします。

翻訳ツールで文章を作成した後は、細部まで見直し、伝えたい内容と合致しているか確認しましょう。

英語力が不安な際にオフショア開発を成功させる3つのコツ

オフショア開発に着手したくても、英語力に不安を覚える企業は多くあります。
もし、英語力に自信がない状態であれば、工夫してオフショア開発に取り組まなければなりません。

本章では、オフショア開発を成功させる3つのコツについて解説します。

受託型のオフショア開発を実施する

英語力に自信が持てないなら、受託型のオフショア開発を実践しましょう。
受託型とは、支援サービス企業の仲介を受けながら、開発を現地の企業に依頼する手法です。

受託型のオフショア開発では、基本的に日本語で対応できる支援サービス企業を介してやり取りをするため、英語を使う場面がありません。
加えて、支援サービス企業が委託先に指示を出して進めるため、手間がかからないうえに、低コストかつスピーディーな開発が見込めます。

しかし、支援サービス企業が間に入る以上、受託型は委託先とのコミュニケーションにタイムラグが生じやすい傾向があります。
そのため、アクシデントが発生すると、対処が遅れる可能性が高い点には、注意が必要です。

ラボ型のオフショア開発を実施する

ラボ型のオフショア開発は受託型と違い、委託元・支援サービス企業・委託先の3つがそれぞれ人員を出し合い、ひとつのチームを形成する点が特徴です。
互いに役割を持ったチームとして開発に取り組むため、受託型のオフショア開発よりも、円滑にコミュニケーションが取れます。

また、ラボ型は支援サービス企業が委託元と委託先をつなぐ形で開発に参加するため、受託型と同様に英語が使えなくても開発が可能です。

ただし、ラボ型のオフショア開発は、まずチームの構成からスタートする手法です。
チームの構成に時間がかかる場合があるため、プロジェクトによっては、スピーディーな開発が難しくなります。

ベトナムやミャンマーを委託先にする

オフショア開発で英語を避けたいなら、委託先の地域を慎重に選びましょう。
日本語でオフショア開発を実行するうえで、おすすめの国はベトナムです。

とりわけベトナムは、親日国であるうえに、小学校から高校までの必修科目に日本語を採用している学校が多くあります。
現地に多数の日系企業が拠点を構えているため、日本語でオフショア開発がしやすい環境が整っている国です。

英語力についても、日本と同程度のレベルであるため、ネイティブと同等の英会話力を求められるリスクも少ないでしょう。

英語を活用すればオフショア開発が成功する確率を高まる

昨今は、英語を使用しなくても、日本語だけでオフショア開発に取り組める環境が整っています。
そのため、オフショア開発において、必ずしも英語は必須ではありません。

しかし、日本語だけでなく、英語も活用できるようになれば、委託先やエンジニアの選択肢が広がり、円滑なコミュニケーションが取りやすくなります。
その結果、オフショア開発が成功し、品質の高いシステムを開発できる可能性が高まるでしょう。

英語の活用はハードルが高いイメージがありますが、決して難しくありません。
基本的なレベルの英語ができ、英文に慣れていれば、十分オフショア開発に対応できます。

ぜひ、英語を活用してオフショア開発にチャレンジしてください。

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