ソフトウェア開発・システム開発にはどんな手法がある?各開発手法のメリットとデメリットを紹介

2022.04.27
ラボ型・オフショア開発
中垣圭嗣
ソフトウェア開発
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開発手法とは、ソフトウェア、ITシステムの開発工程を構造化し、計画・制御するための枠組みのことです。

案件ごとに開発手法はさまざまで、手法によって開発工程は大きく変化します。

そこで、ソフトウェア開発やシステム開発の現場で使われている主な4つの手法であるウォーターフォール型、アジャイル型、プロトタイプ型、スパイラル型の特徴を紹介します。

Wakka Inc.のラボ型開発では最適な開発手法で開発可能な優秀な人材を低コストで確保するラボ型開発サービスを提供しています。
ラボ型開発に興味がある方は「【保存版】成長企業が導入するWakkaのラボ型開発」に詳しいサービス内容を掲載しているのでご覧ください。

目次

ソフトウェア開発・システム開発における4つの手法

ソフトウェア開発・システム開発における主な手法について、それぞれの特徴を紹介していきます。

<4つの主な開発手法>

  1. ウォーターフォール型
  2. アジャイル型
  3. プロトタイプ型
  4. スパイラル型

ウォーターフォール型

工学的な開発手法をそのままシステム開発に適用した手法です。要件定義、設計、実装、テスト、導入の各工程を上流工程から下流工程へと一方向で行っていきます。

ひとつの工程が終わったら次の工程に進むというフローが滝の流れのようであることから、ウォーターフォールという名前が付けられました。

ウォーターフォール型は各工程を順番に行っていくわかりやすい開発手法で、計画どおりに開発が進めやすいのが特徴です。

仕様変更を考慮しないシステムや、後戻りが容易でない大規模なプロジェクトに適しています。

アジャイル型

変化の激しいビジネスニーズに対応しやすい手法として注目されているのがアジャイル型です。

アジャイル(Agile)とは「素早い」という意味で、プロジェクトを小単位で区切って、設計→実装→テストの工程を反復していきます。

開発工程を小さくまとめる分、「スピード重視のシステム開発」に向いています。仕様変更や追加機能の要望に柔軟に対応できるため、Webサービスやスマホアプリ開発などに適した開発手法です。

プロトタイプ型

開発の途中段階で試作品(プロトタイプ)を作り、クライアントのチェックをもとに評価・検証してもらいながら仕様を決めていく手法です。

途中で完成品をイメージしやすいため、全体の開発工数を減らせます。完成品のイメージが漠然としているクライアントとの認識のズレを防ぐことができます。

スパイラル型

アジャイル型と同様に、小単位で設計からテストまでを反復しながらシステム開発の品質を上げていく手法です。

「まだ品質が保証されていない段階」でクライアントに試作品を披露するという点では、プロトタイプ型に似ています。問題を修正しながら開発を進めていくため、システムのクオリティを高められます。

4つのソフトウェア開発・システム開発手法のメリットとデメリット

前項に挙げた開発手法のメリット・デメリットについて、詳しく説明していきます。

ウォーターフォール型のメリット

  • 進捗管理がしやすい
  • 導入が容易
  • 手戻りを最小限に抑えられる
  • 全体的な計画を立てやすい
  • 必要な人材を確保しやすい

ひとつの工程が終わってから次の工程に進むため、プロジェクトの進捗管理がしやすいのが特徴です。

また、計画どおりに進めやすく、費用や人材を確保しやすいメリットもあります。ウォーターフォール型は多くの開発現場で採用されている手法のため、慣れているエンジニアも多く導入も容易です。

品質を確保できた状態で次の工程に進むため、基本的にはミスや不具合を最小限に抑えられます。

ウォーターフォール型のデメリット

  • 変更が生じた時の負担が大きい
  • クライアントの意見が取り入れにくい
  • 前工程の失敗が後工程に影響しやすい

最初に仕様や各工程の流れを決定してからスタートするため、テスト段階までクライアントの意見が反映しにくいことがデメリットです。

もし、開発の途中でクライアントから仕様の変更や要望を追加された場合、前工程から見直すなど、全体のスケジュールを変更する必要が出てきます。

そのため、ウォーターフォール型は、柔軟な対応が難しい手法と言えます。変更が後ろの段階であるほど開発側の負担が大きく、納期の大幅の遅れや予算オーバーにつながることもあります。

アジャイル型のメリット

  • クライアントの要望を取り入れやすい
  • 修正工数が少ない
  • 開発途中にやり直しができる
  • 短期間で納品ができる

プロジェクトを小単位で区切ってテストを繰り返すため、クライアントの要望を反映させやすい特徴があります。

途中で問題が発生しても、やり直しがしやすく修正工数も少なくすみます。最初に厳密な計画を立てずに開発に着手するため、短期間で納品できることもメリットです。

アジャイル型のデメリット

  • スケジュール管理や進捗管理がしにくい
  • 方向性がブレやすい

小単位で開発を繰り返すため、全体の進捗管理が難しいのがデメリットです。

計画段階で厳密に仕様を決定しないで開発がスタートするため、途中で変更・追加を繰り返していくと開発の方向性がブレやすいという欠点もあります。

プロトタイプ型のメリット

  • 柔軟に対応しやすい
  • 初期段階でクライアントが完成品をイメージしやすい
  • 大きな手戻りを防げる

早い段階で試作品を提供できるので、クライアントが完成品をイメージしやすいことがメリットです。

クライアントと開発側で認識の確認ができるため、問題を早期に発見しやすく大きな手戻りを防ぐこともできます。

プロトタイプ型のデメリット

  • 当初の目的と違うものが完成するおそれがある
  • 作業計画や作業見積もりを出すのが困難
  • 開発側の負担が大きくなる
  • 試作品を作るのに時間や費用がかかる

何度も仕様の変更・追加をしていくことで、当初予定していたものと目的の違うものができ上がるおそれがあります。

クライアントの要望を途中で取り入れながら進めるので、工程や工期が決まりにくいと作業見積もりを出せません。また、試作品を作るために時間や費用がかかるため、開発側の負担が大きくなる可能性もあります。

スパイラル型のメリット

  • スケジュール変更に対応しやすい
  • 仕様変更に対応しやすい
  • 手戻りを最小限にできる
  • 流行を反映させやすい
  • 質の高いシステムを作り上げることが可能

小単位ごとに開発を進めるため、仕様変更やスケジュールの変更に対応しやすいのがメリットです。

試作品を見せながら修正を繰り返していくため質の高いシステムを作れます。

スパイラル型のデメリット

  • 初期の想定よりシステム仕様が肥大化してしまう
  • 開発側の時間・コストの負担が大きい

計画段階で細部を詰めずにスタートしてクライアントの要望に応えていくため、目的とかけ離れたシステムが出来上がってしまうおそれがあります。

何度も修正・改変していくと開発期間の長期化や、コストの負担が大きくなることもデメリットです。

オフショア開発と相性の良い開発手法とは?

一般的に、海外企業に委託するオフショア開発は、開発しながら要件定義をしていくプロジェクトに向いているとされています。

今回紹介した4つの手法のなかでは、「アジャイル開発」がオフショア開発でよく採用されている手法です。

アジャイル型は開発の途中で仕様の変更や追加に柔軟に対応できるため、オフショア開発と相性が良いと言えます。

特に、アジャイル開発は一定期間、専属のチームで一緒に開発を行っていく「ラボ型オフショア開発」とマッチしやすく、多くの現場で用いられています。チームで意見を交換し、クライアントのフィードバックをもらいながら開発を進めていくため、より質の良いシステムを作り上げることも可能です。

その結果、顧客満足度といったユーザビリティが高まりやすい特徴があります。

また、ラボ型オフショア開発は、契約期間内であれば仕様変更など柔軟な対応が可能なため、発注側にとってコストを抑えやすいこともメリットと言えます。

まとめ:自社の開発案件にマッチした手法選びを

ソフトウェア開発・システム開発に適した主な4つの手法とメリット・デメリットを紹介しました。

それぞれの特徴を理解して、自社の開発案件にマッチした手法を選んでみましょう。オフショア開発を行う際には信頼できる企業選びも重要です。

また、ラボ型開発について詳しく知りたい方は「【ラボ型開発】その特徴とメリット・デメリットは?|分かりやすく解説」をご覧ください」もご覧ください。

オフショア開発について少しでも気になることがあれば、以下リンクからお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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