深刻なエンジニア不足の原因4つと先端IT人材を採用する対策まとめ

2022.10.13
ラボ型・オフショア開発
中垣圭嗣
深刻なエンジニア不足の原因4つと先端IT人材を採用する対策まとめ
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こんにちは。Wakka Inc.ラボマネージャーの中垣です。
「エンジニア採用がうまくいかずに、自社の開発リソースが不足して困っている。」
「採用や開発にかかるコストが高いので、自社にあった改善方法を知りたい。」

この記事では、そんな方に向けてエンジニア不足の現状や原因、不足を解消する対策を詳しく解説します。
たしかにエンジニア不足は深刻です。しかし自社の課題を正しく分析し、しっかりと対策をすれば、優秀なIT人材を獲得することは決して不可能ではありません。ぜひ貴社のシステム開発力の向上にお役立てください。

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エンジニア不足は嘘?ホント?

エンジニア不足の原因や対策をお話しする前に、まずは簡単に、「エンジニア不足は嘘という声も聞かれるが、実際のところはどうなのか?」についてデータを交えながら詳しくご紹介します。
エンジニア不足の現状を知れば、適切な対策の必要性について、より理解が深まるはずです。

2030年に79万人のエンジニアが不足する

「2030年に79万人のエンジニアが不足する。」というお話は、もしかすると、IT業界に関わりのない方でも一度は耳にしたことがあるかもしれません。
79万人というインパクトのある数字は、経済産業省の統計により算出された数値です。
平成28年6月10日に発表された『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』(PDF)の中で、詳細にまとめられています。
2016年なので少し古い情報にはなりますが、政府が主導で進めたアンケート調査にもとづく、信頼性の高いデータ(マクロ推計)です。

資料の7ページ、IT人材の「不足規模」に関する推計結果の項目では、将来の市場拡大の見通しによって、

  • 高位シナリオ
  • 中位シナリオ
  • 低位シナリオ

の3つのシナリオが描かれています。このうち、市場の伸び率を2~4%程度に設定した高位シナリオにおいて、2030年に約79万人が不足すると推計されているのです。
ちなみに同調査によれば、中位シナリオで約59万人、低位シナリオでも約41万人が不足すると算出されています。
79万人というとイメージが沸きにくいかもしれませんが、静岡県静岡市(719,188人)や岡山県岡山市(701,923人)の総人口よりも、はるかに多い人数です。(参考:厚生労働省『市区町村の人口規模別一覧』)
いずれにしても、大変な数のITエンジニアが不足する未来は、どうにも避けられそうにありません。

先端IT従事者が不足している

マイクロソフトの元社長で現HONZ代表の成毛眞氏は、とある転職サイトのインタビューの中で「今のエンジニアの大半は、10年後には食えなくなる。」という衝撃的な指摘をしています。
インタビューの要点をまとめると、

  • レガシーシステムからクラウドシステムへの移行が終われば、自社運用する企業が増える
  • ゼネコンシステム(いわゆるITゼネコン)がなくなって、SIがいらなくなる
  • エンジニアの活躍の場がSIerからユーザー企業へ移る

つまり、旧来型のエンジニアの仕事は徐々になくなり、人材は余るだろうと提言しているのです。

出典:「10年後、大半のエンジニアは食えなくなる」マイクロソフト元社長・成毛眞が示す“日本衰退の未来”への備え – エンジニアtype | 転職type

出典:経済産業省『IT 人材需給に関する調査 』(PDF)

また経済産業省が2019年に発表した調査においても、2020年代後半には、従来型IT人材の不足数は限りなくゼロになると試算されています。
オックスフォード大学准教授のマイケル・A・オズボーン氏が、野村総合研究所と共同でおこなった分析によれば、「日本の労働人口の49%がコンピューター技術に代替される可能性が高い。」という結果が得られたそうですが、この49%の中には、従来型のIT人材も含まれるのではないでしょうか?

出典:オックスフォード大学 准教授 マイケル A . オズボーン氏×野村マネジメント・スクール 学長 福井正樹(PDF)

具体的な職種でいえば、たとえば

  • 運用・監視
  • テスター
  • プログラマー(PG)

このような業務は、人工知能やロボットにより自動化される可能性が高いでしょう。
端的にいえば、エンジニア全体が不足しているのではなく、クラウドやAIをはじめとした先端技術に通じたITエンジニアが不足しているというのが実際なのです。
※SI・・・システムインテグレーション:システム開発における元請負企業

世界と日本のエンジニア不足の比較

日本のエンジニア不足、特に先端技術分野において深刻であることは、お分かりいただけたでしょうか?
ところで、日本と比較して、世界のITエンジニアの実情はどうなのでしょう?やはり海外でも、ITエンジニアは不足しているのでしょうか?
世界には現在、約2137万人のITエンジニアがいると推計されます。
このうちもっとも人数が多い地域は、中国やインドを含むアジア・オセアニア地域で、約811.6万人。
ついで北米(アメリカ)の約477.6万人、イギリスやフランス、ドイツなどを含む西ヨーロッパの約295.9万人と続きます。

これに対し、日本のIT技術者の数は約109万人。国別に見るとアメリカ、中国、インドにつぐ第4位ですが、人数はアメリカの約2割、インドの約半数ほどにとどまっています。
世界的に見てもエンジニア不足が深刻な地域は少なくないのですが、海外に目を向けるだけで、優秀なIT技術者を獲得できる可能性は一気に何倍にも膨れあがるのです。

エンジニアが不足する分野と職種

エンジニアが不足する深刻な現状については、ご理解いただけたでしょうか?ここからは、

  • 現状エンジニアが不足している
  • 今後エンジニアが不足すると予測されている

分野や職種について、詳しく解説していきます。

ビッグデータ解析分野

現在、日本でとくに不足しているといわれる分野のひとつが、ビッグデータ解析です。ビッグデータ解析は、大量に収集されたデータを整理・分析して、新しいビジネスモデルやサービスを生み出すのに役立ちます。
あらゆるものがデータとして蓄積される現代においては、非常に重要な分野として注目が高まっています。ビッグデータ解析をおこなうのは、データサイエンティストと呼ばれる職種です。
データサイエンティストは、いわゆる先端IT従事者のひとつであり、今後ますます需要が拡大していくと見込まれています。

出典:一般社団法人データサイエンティスト協会『データサイエンティストの採用に関するアンケート調査結果』(PDF)

ところが、一般社団法人データサイエンティスト協会が2019年11月におこなった調査によれば、データサイエンティストが1人以上在籍している国内企業は、全体のわずか29%に過ぎません。
なぜデータサイエンティストが不足しているのかといえば、

  • 国内でデータ分析を専門に学べる教育機関が非常に少ない(少なかった)
  • データサイエンティストの需要が急増している
  • そもそも職種の歴史が浅く、経験者が少ない

ことなどがあげられます。ビッグデータ解析は、海外との教育ギャップがとくに大きい分野のひとつであるため、海外の人材を積極的に登用する企業も珍しくありません。

AI分野

現在、非常に注目されているテクノロジーのひとつであるAI(Artificial Intelligence:人工知能)や機会学習エンジニアリングも、将来にわたって人材が不足すると予測されている先端IT分野です。

出典:経済産業省『AI人材育成の取組

経済産業省の『AI人材育成の取組』という資料には、次のような指針が示されています。

AI等を使いこなして第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手となる高度IT人材の育成が急務。

AI等を使いこなし、新ビジネスを創造する新たな人材像を再定義するとともに、経済成長を牽引していくトップ人材の育成の拡充、ミドル人材のスキル転換、ITリテラシーの向上や教育現場の底上げ等を進めていく 引用:経済産業省『AI人材育成の取組

また政府は2019年に、人工知能(AI)の本格導入などに向けた『統合イノベーション戦略』を閣議決定し、2025年までにAIの基礎知識を持つ人材を年間25万人育てる目標をかかげました。
さらに各省庁が一体となって取り組む、AI人材育成のための教育改革も進められています。

出典:未来投資会議 構造改革徹底推進会合『AI人材育成について』(PDF)

ひと口にAIといってもその業務内容は幅広く、エンジニアやプログラマーだけでなく、アナリストやプランナーとして活躍するAI人材も求められています。
いずれにしても高度な知識や技術は必須であり、線形代数などの数学の深い知識も欠かせません。一長一短で育つものではないため、AI人材の獲得は、企業としても腰を据えてじっくりと向き合うべき課題といえるでしょう。

情報セキュリティ分野

兵庫県尼崎市で、全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーが紛失した事件は記憶に新しいですが、ITが発達して取り扱うデータ量が増えるほど、情報セキュリティの重要性も増していきます。
いくらセキュリティ技術が発達しても、人間が介在する限り、情報漏えいのリスクを完全に断ち切ることはできません。

だからこそ、情報セキュリティの高度な知識と技術を有するセキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントは、企業にとって必要不可欠な存在なのです。
しかしセキュリティ分野は、他の分野と比較しても情報の流れが非常に早いです。セキュリティエンジニアとして活躍するには、システムやネットワークに関する膨大な知識や経験を必要とします。業務そのもののハードルが高く狭き門であることも、セキュリティ分野の人材不足に拍車をかけているのでしょう。

ロボット分野

ロボット開発は、すでに大変引き合いが多い分野です。中小企業を中心に、今後ますます需要が拡大していくと予想されています。
最近では、ファミリーレストラン大手ガストでの、ネコ型配膳ロボットの導入も話題になりました。

  • 介護ロボット(医療・介護)
  • 工程間の搬送用ロボット(物流)
  • サービスロボット(飲食、観光ほか)

など、さまざまな分野での活躍が期待されていますが、その分エンジニア不足も深刻です。

出典:『robot digest

産業用ロボット専門メディア『robot digest』の調査によれば、自社のロボットシステムエンジニアの過不足感について、

  • やや不足 58.6%
  • 非常に不足 39.3%

あわせると約98%が不足していると回答しました。

インフラ関連

インフラエンジニアは、システム開発には欠かせない縁の下の力持ちのような存在です。花形の先端エンジニアと比べるとどうしても地味な印象があり、慢性的に人材が不足しています。
たしかに、オンプレミス型だけを扱うエンジニアの需要は減りました。

  • サーバーの部品交換
  • 保守切れやリプレースによる更新
  • 定期点検

など、企業に物理的なサーバーを設置するオンプレミス型が主流だった時代の定例業務は、クラウド化により激減しています。
しかしシステムを支えるインフラ業務自体がなくなることは考えにくく、クラウドサービスを利用したインフラの構築案件は、今後ますます増加すると想定されます。
ネットワークエンジニアやクラウドエンジニアも含めて、インフラ関連は非常に需要の高い分野といえるでしょう。

フルスタックエンジニア

フルスタックエンジニアとは、特定の分野をあらわす言葉ではありません。システム開発や運用に関する複数のスキルをもつITエンジニアを指します。
オールラウンダー型の開発者で、マルチエンジニアと呼ばれることもあります。フルスタックエンジニアを雇用すると、企業には、

  • 多数のエンジニアを抱える必要がないため人件費を削減できる
  • 分業と比べ、ワンストップでスムーズな開発が実現できる

といったメリットがあるため、とくに中小企業やベンチャー企業を中心に、フルスタックエンジニアに対する需要は高まっています。
しかし、複数分野の専門家であるフルスタックエンジニアは、求められる知識やスキルのレベルも破格です。

  • プログラミング言語
  • OSスキルやミドルウェアの知識
  • AWSやAzureなどのクラウドサービスの知識
  • フロンドエンドとバックエンドの横断的なスキル
  • アプリ開発の知識

など幅広く、一長一短で身につけられるものではありません。高いスキルをもったフルスタックエンジニアは、企業にとっても大変希少な存在といえるでしょう。

IoTエンジニア

IoTとはInternet of Thingsの略で、モノのインターネットといわれる分野です。従来のインターネットは、コンピューター同士を繋げるためのものでした。

  • パソコンとパソコン
  • パソコンとサーバー
  • スマートフォンとスマートフォン

しかし技術の発達により、インターネットはあらゆるモノに接続できるのが当然になりつつあります。

  • スマートメーターで電気やガスのデータを自動化する
  • テレビや冷蔵庫、エアコン、洗濯機などのスマート家電をスマートフォンから操作する
  • 自動車を運転中、ボタンひとつで緊急のサービス要請をする

などは、すべてIoTにより実現する先端技術です。IoTの必要性を感じている企業も大変多く、日経XTECHの調査によれば、63.4%の企業が「会社としてIoTに取り組むべき」と回答しています。

出典:日経XTECH

ひと言でIoTエンジニアといっても、その役割は企画・戦略立案からシステムの開発・運用、プロジェクト運営まで多岐にわたります。とくにネットワークやクラウド、AIに強いIoTエンジニアは不足しているようです。

プロジェクトマネージャー

エンジニアと同じかそれ以上に人材不足が深刻なのがプロジェクトマネージャー(PM)。企業のあらゆるプロジェクトの進行を管理するPMも、人材不足が叫ばれる職種のひとつです。
プロジェクトマネージャーの業務内容は、

  • 企画立案
  • 進行管理
  • 検証
  • 報告

などがあります。

これらの業務をおこなうためには、高いマネジメント力や技術者としての経験が不可欠ですが、実際にはスキル不足を感じながら働いているPMも少なくありません。
求められるスキルが抽象的で、育成が難しい点がPMのネックであり、またPMを育てられる優秀な人材が少ないことも、PM不足の一因となっています。

エンジニア不足の原因

ここまでは、先端IT技術者を中心に、今後エンジニアが不足すると推測されている具体的な分野や職種をご紹介しました。ここからは、エンジニアが不足する原因についてまとめます。

市場の拡大・急速な技術革新

エンジニア不足の主たる原因は、IT業界そのものの性質によるところが大きいです。
市場の拡大や技術革新のペースが早すぎて、変化に対応できるエンジニアの供給が追いついていないのです。
国内におけるIT市場の規模は、ほとんど毎年拡大を続けています。

株式会社矢野経済研究所が2021年におこなった調査によれば、IT市場の規模は、予測も含めて次のように推移しています。

  • 2020年度 12兆9,700億円(前年度比0.6%増)
  • 2021年度 13兆3,300億円(同2.8%増)
  • 2022年度 13兆6,400億円(同2.3%増)
  • 2023年度 13兆8,800億円(同1.8%増)

IT市場の拡大は、他の複数の機関による調査でも予測されるところであり、市場規模は今後も伸び続ける可能性が高いでしょう。
5GやAI、IoTの普及はもちろんですが、とくに近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)需要の拡大が大きな注目を集めています。

「DX 推進指標」における「DX」の定義
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること 引用:経済産業省『「DX 推進指標」とそのガイダンス』(PDF)

DXの推進にはAI人材が欠かせないといわれますが、高度なスキルを持ったAI人材は著しく不足しており、企業もAIをうまく採り入れられていないのが実情です。

少子高齢化

現代の日本は、少子高齢化が深刻です。厚生労働省の人口動態統計によれば、令和3年に生まれた子どもの数(出生数)は過去最少の約81万人で、想定より早く少子化が進むと推測されています。

出典:厚生労働省「人口動態調査

少子高齢化が進むことは、裏を返せば、労働力人口(15歳以上で働く能力と意思のある者)が減少することを示しています。エンジニアをはじめとしたIT人材も高齢化しており、経済産業省の2016年の統計によれば、

  • 2019年をピークに供給人材数が減少し、2030年には86万人を下回る
  • IT人材の平均年齢は2020年には40歳を超えて2030年まで上昇していく

という予測が立てられています。

実際に開発の現場には、40代50代のミドル、シニア世代のベテランのITエンジニアも多く、若者のIT業界離れも進んでいるといわれます。「IT業界=若い人だけが活躍する」という図式は徐々に崩れつつあるようです。

技術職のためハードルが高い

エンジニア不足が深刻な一方で、「エンジニアになりたい」という人は非常に多いです。巷にはエンジニア募集やIT業界の求人があふれています。
なぜこのようなギャップが生まれるのでしょうか?

エンジニアは技術職のため、なるまでのハードルが高いことが、原因のひとつとしてあげられます。
エンジニアになりたいと思ってプログラミングスクールに入学したり、独学で勉強をはじめたりする人は大変多いのですが、ほとんどが途中で挫折してしまいます。
「プログラミングの挫折率は9割を超える」なんて噂もあるくらいです。
さすがに9割は言い過ぎのような気もしますが、実際に手に職をつけるまでの高いハードルが、人材不足を後押ししているのは間違いなさそうです。エンジニアという仕事はまた、なってからのハードルも大変高いといわれます。

目まぐるしく変化する技術革新についていくため、エンジニアには常に勉強することが求められます。ところが実際には、日々の業務に忙殺され、勉強どころではありません。
そして忙しさを理由に勉強を怠っていると、あっという間に取り残されてしまいます。
社内の温室でじっくりと育てられるような企業は稀で、エンジニアは常に厳しい環境にさらされているのです。

キャリアアップしにくい

技術的なハードルと関連して、キャリアアップがしにくいことも、エンジニア不足の一因となっています。

  1. プログラマー
  2. システムエンジニア
  3. プロジェクトリーダー(PL)
  4. プロジェクトマネージャー(PM)

エンジニアは一般的に、上記のような流れでキャリアアップしていきます。下流工程から上流工程へと続くキャリアパスは一見シンプルに見えますが、実際に上流工程までのぼりつめられる人はごくわずか。
プログラマーの仕事がつらくて挫折したり、離職してしまったりする人も少なくありません。
技術の進歩により、職種自体の仕事内容や働き方も多様化しています。どのようなキャリアを描くかによって収入やライフスタイルにも大きな差が出るため、キャリアプランで迷ったりつまずいたりしやすいのも、エンジニアという仕事の特徴です。

エンジニア不足への対策

ここまでは、市場の拡大や急速な技術革新、少子高齢化、業務のハードルの高さが、エンジニア不足の原因になっているとお話しました。ここからは、エンジニア不足を解消するための、具体的な対策をご紹介します。

待遇の改善

現在雇用しているエンジニアの待遇に問題はないでしょうか?労働者の待遇の改善には、企業を成長させる一定の効果が期待できます。
エンジニア業界には昔からネガティブな労働環境のイメージがあり、3K(キツイ・帰れない・給料が安い)などと揶揄されることがあります。
エンジニアの労働環境や就労条件を改善することで、人材の流出を防ぎ、長期的には企業イメージの向上にもつながるかもしれません。

求人採用の強化

エンジニア不足を解決する対策として、とくに効果が目に見えやすい方法のひとつが、求人採用の強化でしょう。終身雇用が崩壊した現代では、

水が溜まると淀むように、社員も溜まると淀んでしまう。
会社の中に水の流れを作れば、泳ごうとしない人間は流されていくから、会社は常に変わり続けて成長する。

という風に人材の流動性を肯定的にとらえ、積極的な採用活動をおこなう経営者も少なくありません。そのような経営者の声にこたえるように、採用の窓口も実に多様化されており、従来の求人サイト以外にも、

  • SNS採用
  • クラウドソーシング
  • SES、転職エージェント
  • リファラル採用

などに力を入れる企業も増えてきています。なかでも最近のトレンドはSNS採用(ソーシャルリクルーティング)

  • YouTube
  • TikTok
  • Instagram
  • Twitter
  • Wantedly(ビジネスSNS型求人サイト)

など、中小やベンチャーを中心に多くの企業が力を入れはじめています。求人採用で大切なのは、採用したい人材の人物像(ペルソナ)を、具体的に設定することです。
ペルソナのイメージが具体的であればあるほど、ターゲットを絞った効率的な採用活動がおこなえます。

社内での人材育成

社外のエンジニア採用が難しいのであれば、社内で育てるのも有効な対策のひとつでしょう。
即戦力を採用できるならそれに越したことはありませんが、慢性的な人材不足を乗り切るためには、ある程度長期的な視点での対策も必要です。
技術力や実務能力だけでなく、思考力やコミュニケーション能力、リーダーシップなども含めて育成していけば、会社の中枢をになう優秀な人材を獲得できます。
転職や離職でなかなか会社に根づかなかったり、そもそも育成のためのリソースが足りなかったりといった問題もあるかと思いますが、

  • 自社のエンジニアスキルを可視化したスキルマップの活用
  • 現場で社員の指導を受けながら実地でおこなうOJT研修
  • エンジニア同士の交流を深める社内勉強会
  • 研修やセミナー参加の奨励
  • 書籍購入費用の負担

など、自社にあった方法を試しながら、人材育成とじっくり向きあっていきましょう。

海外人材の活用

国内での採用活動にこだわらず、海外の優秀な人材に目を向けてみるのも有効です。アメリカや中国はもちろん、

  • 2023年には人口が世界最多となり、世界中の企業がエンジニアを奪いあうIT大国インド
  • ベトナムやフィリピン、インドネシアをはじめとしたIT化が著しい東南アジア諸国

など、世界に目を向ければ、優秀なIT人材を採用できるチャンスは大きく広がります。また海外の優秀なエンジニアを活用する方法は、直接採用に限りません。
IT技術者の不足を解消する手立てとして、近年注目されているのがラボ型開発です。
ラボ型開発とは、システム開発などの業務を海外企業、または海外の現地法人などに委託し、子会社化する開発手法で、下記のようなメリットがあります。

  • コスト削減(ITエンジニアの人件費や開発期間の削減)
  • リソース確保(高度なIT教育を受けた優秀な海外エンジニアの確保)
  • スキルやノウハウの蓄積

エンジニア不足の時代を乗り切るために

今回は、エンジニア不足の現状や原因、不足を解消するための対策をまとめました。
本記事でご紹介した内容はあくまで一般論であり、課題や有効な対策は、企業の規模や状況によっても大きく変わります。
やはり、 まずは貴社のニーズを、システム開発に精通した専門家に相談するのがよろしいのではないでしょうか?

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この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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