【解説】売上増につながるAmazon Pay|メリットと自社ECへの導入方法

最終更新日:2023.05.03
EC開発
鍋山亘
AmazonPay
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目次

はじめに

こんにちは。Wakka Inc.の鍋山です。当社ではフルスクラッチEC開発のご依頼をいただくことが多いのですが、追加のご依頼でAmazon Payの導入についてご相談されることが当たり前になってきました。

日本国内で生活しているとAmazonは本当に便利で、Prime加入されている方も多いと思います。今回は、みなさんが利用しているAmazonの登録情報を使って、自社ECでも初期購入のハードルを下げることが可能になるAmazon Payについてご紹介していこうと思います。

Amazon Payとは

Amazon PayはAmazonユーザー向けに提供されている決済サービスのことで、Amazon以外でのECサービスでも、Amazon Payが導入されている場合はAmazonのアカウントを利用して購入・決済が可能なため、Amazon同様の安全性や利便性を利用してECでの購入行動が可能です。また、Alexaが搭載されている端末では、音声ショッピングでも同様にAmazon Payが利用できるようになっています。

Amazon Payはなぜ普及したのか

EC事業者にとって、実はこうしたAmazonのようにサードパーティが提供する決済連携サービスは以前から存在していました。

・Paypal
・Yahoo!ウォレット
・楽天あんしん支払いサービス

などです。しかしながらこうした決済連携のサービスには、EC事業者が導入するにあたって様々な障壁も存在しました。
まず大きかったのは、ECでの登録情報の他に、連携する決済サービスで再度住所の入力が必要になるなどの、フォーム入力の手間が挙げられます。今やこうしたものを解決させるためにAmazon Payのような連携サービスがあるわけですが、これらのUI・UXが黎明期はまだ未熟でした。

また、連携サービスが保有するユーザー数の問題です。Paypalは米国ではebayの決済を行っていたこともありシェアも大きなものでしたが、日本国内ではそうでもなく、他サービスも幅広い年代・層にリーチできていたかというと少し疑問がありました。

こうした問題をクリアし、圧倒的なスピードでシェアを伸ばしたのがAmazon Payです。

Amazon Pay導入の具体的なメリット

前述の通り、Amazon PayはAmzonのアカウント情報を利用して決済することが可能になるサービスです。そのためシンプルに配送先住所やクレカ情報をECサイトごとに入力することなく簡単にお買い物が可能です。

また、セキュリティはAmazon同様に24時間365時間の不正監視を行っているので、ECサイトのセキュリティも向上することになります。

ユーザーのメリット

利用するユーザーからするととにかくお買い物が簡単になります。
Amazonアカウントの情報を利用することでの各種フォーム入力が不要になり、ECサイトごとにIDやPASSの管理をしなくてもAmazonアカウントでの購入が可能です。ECサイトでの新規登録が面倒で購入をやめてしまった、という経験は誰しもがあるのではないでしょうか。Amazon Payがあればこうした面倒から開放されます。

EC事業者のメリット

EC事業者がAmazon Payを利用するメリットは大きく2点

1. 新規顧客の獲得(CVR向上)
2. セキュリティ強化

新規顧客の獲得(CVR向上)

まさにこれが一番の理由でしょう。やはり新規顧客の獲得ハードルが下がります。

ユーザーのメリットでもある、フォーム入力がAmazonアカウントが連携することにより不要になります。このため、カゴ落ちといった購入に至るラストワンマイルのCVRが飛躍的に向上する事例が多数生まれています。

EC運営におけるマーケティング施策としても、「会員登録」「メールマガジンを購読」といったアクションも購入時に同時に行うことができるため、顧客情報を取得しCRM施策を実行することが可能になっています。

セキュリティ強化

EC事業者側では、不正取引があった際の対応を常に想定する必要があります。
Amazon Payでは、Amazon側での常時監視によって不正注文についてはキャンセルすることで事前にEC事業者側の被害を抑えるように運営されています。この点はEC事業者にとって大きなメリットになるのではないでしょうか。

Amazon Pay導入方法

法人であればAmazon Payの公式サイトからお申し込みいただき、導入することが可能です。ただし同じECといってもその種類は多く、いわゆるフルスクラッチでのEC開発の場合とASPやクラウド・パッケージなどのECカートを利用している場合で実装方法が異なります。それぞれ簡易的に導入方法について以下にまとめています。

フルスクラッチEC(自社開発EC)での導入方法

まずはAmazon Payに申込をしておきます。独自に開発しているECサイトでは、Amazon Pay Checkout v2 の実装を行います。

実装資料:https://developer.amazon.com/ja/docs/amazon-pay/intro.html?ld=NSGoogle

都度払い・継続払いと2種の決済方法があり、これを利用しているECサイトで実装していきます。当社ではこのような独自ECサイトでの実装経験が豊富なのでご不明点などあればぜひお問合せください。

カラーミーショップ

カラーミーなどのASPでは、基本的にお申し込み審査を通過すれば比較的かんたんにAmazon Payの実装が可能です。月額+決済手数料は以下URLからご確認ください。

カラーミーでのお申込み:https://shop-pro.jp/?mode=amazonpay

ec being

パッケージ型EC大手、ec beingでももちろんAmazon Payがご利用いただけます。https://www.ecbeing.net/lp/amazon_loginandpayments.html

パッケージベンダーとしては国内初のテンプレート提供を開始しています。

STORES

無料型EC構築サービスのSTORESでもAmazon Payをご利用いただけますが、AmazonPayを利用する場合は、スタンダードプラン(有料)に切り替える必要があります。
https://stores.jp/amazonpay?ld=APJPLPADirect

AmazonPay導入における注意点

次にAmazonPayを利用する場合の注意点についてです。ECサービスにはさまざまなASPやパッケージ、クラウドサービスが存在しますので、より細かい点については都度ECサービスごとにお問合せをしてください。ここでは基本的な注意点や、独自開発のECについて記載していきます。

法人であること

これはお申し込み時点の最初の条件ですが、法人としてのお申込みであることが条件になっています。特に無料系のカートを利用している個人の方などは注意が必要です。また、ご利用には事前審査が必要になることから、実装前には10日〜数週間程度の審査期間があることを忘れてはいけません。

手数料発生

Shopifyなどでは、Amazon Pay導入時にはShopify Payを同時に有効化しないと毎回手数料がかかるような注意があります。こうしたECサービスごとに存在する手数料での注意点については返金不可規定も多いのでご留意ください。

独自開発ECへのAmazon Pay実装

オープンソース系ECや独自開発ECでの実装では、Amazon PayのAPIを利用して開発を行います。Amazonには設計用のサンプルやインテグレーションガイドも存在しますが、大規模な独自開発のECでは、決済まわりの実装ということもあり、思ったよりも大きな工数や開発規模になることが多々あります。

それでもAmazon Pay導入によるCVR改善や新規顧客獲得率の上昇実例を見れば導入しない理由にはならないのですが、十分な予算と工期を確保しておくことが重要です。

大型の独自ECであれば、開発ベンダーがパートナーとして存在すると思いますので、ぜひ確認をしてみてください。

まとめ

ここまでの内容をまとめるとまず、Amazon Payの導入によるCVR向上や、カゴ落ちの防止効果、新規顧客獲得では大きな効果を発揮することがわかりました。やはり世界はもちろん日本国内でも大きなシェアを誇るAmazonのアカウント情報を利用しない手はありません。

そして導入にあたっては、利用されている各ECサービス、または開発ベンダーへ確認してください。一般的なASPやパッケージではすでにテンプレートが存在するため、審査後スピーディに導入することが可能です。

また、最近では新しくWeb接客型Amazon Payもリリースされており、Webチャット上でのAmazon Pay利用も可能になっています。Web上の接客ツールとしても導入が可能になっています。

こうした幅広いECでの実装が可能になってきたAmazon Payですが、当社ではフルスクラッチの大規模ECにて実装する事例があります。みなさんのECでのAmazon Pay実装や新規でのEC構築などでご不明な点などあればお気軽にお問合せください。

この記事を書いた人
鍋山亘

日系オンラインリサーチ会社のCTOとしてベトナムチームを立ち上げ、Wakka Inc.のテクニカルマネージャーとして参画。現在はベトナム拠点で開発チームの標準化や社内のインフラ管理・ITプロジェクト統括をやっています。モットーは『みんなで頑張りましょう』

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