【必見】ベトナム赴任・駐在準備の基礎知識を大公開

2022.08.04
ベトナム情報
中垣圭嗣
【必見】ベトナム赴任・駐在準備の基礎知識を大公開
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みなさんこんにちは、Wakka Inc.ラボマネージャーの中垣です。
コロナ禍でテレワークの普及や海外出張の凍結など、ビジネス環境で大きな変化があった2020-2021年。おそらくみなさんの中にも事業計画に遅れが出たよ、という方がいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな中、私のまわりでもこれまで止まっていた人事異動が2022年3月からすこしずつ動き出してきており、これからベトナムに初めて赴任するという方も増えそうな気配です。弊社でも2022年4月頃からベトナムの入国に関する問い合わせが増えてきました。
そこでベトナム赴任後、ではなく赴任前に知っておくと「安心」だよといった情報をいくつか厳選して紹介していこうと思います。

Wakka .Incではベトナム赴任が決まっている方に向けて、赴任渡航前(2ヶ月〜直前)&海外引越し前(2ヶ月〜直前)の項目がすぐに分かる『チェックリスト』を提供しています。

目次

ベトナムの住みやすさについて

駐在員が住みやすい・働きやすい海外居住地のランキング「エクスパット・インサイダー(Expat Insider)」2021年版によると、ベトナムはランキングにある59ヵ国中第10位となり、7年連続でトップ10入り。日本は54位という結果となり、ベトナムは日本よりも上位にランクインしています。
さまざまな要因が存在する前提のランキングではありますが、温暖な気候、物価のやすさ、食事の評価などは私個人としても非常に住みやすい国だと感じていますし、そうした部分が評価され世界中から見た時の住みやすさは日本を凌ぐということだと思います。

※このランキングは、186か国・地域で生活する174国籍の外国人1万2240人を対象として、生活の質、定住の容易度、海外勤務、個人収支、生活コストの5項目・37指標を評価して点数化したものです。

ベトナム駐在前に最低限準備すべきチェックリスト

駐在前に最低限準備すべきチェックリストを用意しておくと便利です。
より詳しくチェックするためには、赴任渡航前チェックリストを準備してご活用ください。

主なチェック項目
☑ 予防接種
☑ 日本の緊急連絡先と現地大使館/領事館の連絡先の準備
☑ パスポートの準備
☑ ビザ(査証)の確認
☑ 航空券の手配
☑ クレジットカード&紙幣の準備
☑ 海外旅行保険への加入
☑ 携帯電話・スマートフォンの設定確認
☑ 引っ越しの準備

ベトナム駐在前に準備しておきたい5つのこと

さて、それではチェックリストの中身について解説していきますが、駐在前チェックリストから5つの事柄に絞ってご紹介します。

1.予防接種について

東南アジア滞在に限らず、多くの国での駐在・滞在ではしっかりと予防接種を受けることが重要です。
特にベトナムへの駐在で気を付けたいのは「破傷風」「A型肝炎」「B型肝炎」「日本脳炎」「狂犬病」の5つで、最低限これら5種の予防接種をすませておけばある程度安心して滞在することができます。
予防接種の費用については所属先企業が負担してくれるケースが多いですが、ご自身の身体のことですので赴任前に必ず接種時期や申し込み方法について自分で確認しておきましょう。
また、ベトナムではデング熱が流行る時期がありますが、デング熱については予防接種や予防薬は存在しません。そのため長袖を着たり虫よけスプレーをするなど、虫に刺されないようにすることが最善の予防方法です。
当社の駐在員のなかにもデング熱に罹ったことがあるスタッフが存在しますが、症状は重かったり、軽い発熱だけの場合もありますが、復帰までかなりの日数を要します。場合によってはデング出血熱という重症病態になることもありえますのでヤブ蚊に常時気をつけるというのは非常に難しいのですが十分に注意して滞在しましょう。

2.日本の緊急連絡先と現地大使館/領事館の連絡先について

ベトナムに限らず、海外の渡航の際にはスマートフォンの紛失や盗難の危険性がある為、渡航前には日本の緊急連絡先(家族や親戚や恋人など)と現地大使館/領事館の連絡先を必ずメモしておくなどの準備が必要となります。
また、パスポート紛失など何かしらの大きなトラブルが起きた場合には、まずは現地大使館/領事館へ連絡をするようにしてください。
連絡先情報は、在ベトナム日本国大使館駐日ベトナム大使館外務省海外安全局などのホームページでご確認ください。

3.海外旅行保険への加入について

予測不能な突然の病気・事故に備えて、ベトナム駐在前には必ず医療保険や海外旅行保険に加入しておきましょう。
日本では健康保険加入によって医療費の負担額が少なく済みますが、ベトナムにおいては、保険未加入の状態で病院での治療を受けた場合、高額な医療費を請求される場合があります。例えば風邪を引いただけでも処方箋で日本では考えられない高額の医療費がかかることがありますし、怪我などで1日入院しただけでも約10万円近く請求されることがあります。
通常、保険料は所属企業が負担してくれるケースが多いですが、駐在前に必ず医療保険の加入方法について所属先企業の対応や自分の保険について確認しておきましょう。
企業によっては滞在先の国で展開している日系企業保険サービスを利用している場合があります。こうした保険サービスには、現地での日本語窓口を用意したり、通院時・入院時に通訳フォローが付くといった内容の保険も存在します。海外旅行保険はなにかあった時の支えになる大事なサービスですのでしっかりと確認・検討しておきましょう。

4.ベトナムでの生活における治安情報について

当たり前のことですが、海外駐在前には赴任先の治安情報を知っておくことが大切です。治安情報を調べる上で基本となるのは外務省の海外安全ホームページになると思います。危険情報の掲載だけではなく、感染症の状況やスポット・広域情報、現地の日本大使館・総領事館からの安全情報が閲覧できます。
大使館からの安全情報には直近で邦人が直面した詐欺被害といった細かいものから、大使館・領事館の休館情報といった情報まで幅広く掲載されています。
それではベトナム治安はどうなのかというと、海外の中ではベトナム自体は比較的安全な国といわれています。
参考に犯罪総数で見てみると2016年のベトナムの犯罪発生件数は
54,511件
同年、日本の犯罪発生件数は
996,120件

このように総数で見ると日本よりも少ないというのが特徴です。
もちろん日本とベトナムそれぞれの国が公表しているデータなので、一概に比較はできませんが、比較的犯罪は少ないということが分かります。
ただし、大きな犯罪は少なくても、軽犯罪の件数は日本より多く『スリ、置引き、ひったくり、賭博』などの犯罪には十分に注意しましょう当社駐在員のなかにもスマートフォンをバイクに乗った2人組にひったくられた者もいますし、数は少ないですが現地駐在の中にはひったくりに倒されて大怪我をした日本人なども存在します。
ベトナムに限った話ではありませんが、こうした軽犯罪に巻き込まれないようにするためには、貴重品やスマートフォンを無防備に扱わない、知らない人に容易についていかないなど基本的な対策や所作が重要です。

5.ベトナムへの引越しの準備について

荷造りや手続きなど、ベトナム引越しにはなにかと準備が必要です。一般的に引越し準備は2〜3ケ月前から始めることが推奨されています。
昨今、ベトナムへの引越しを行っている日本の業者は多数ありますので、まずはWebサイトなどで情報を調べ比較検討してみましょう。
調査をしてみると、各社海外への引越に対応したサービスを展開していることがわかります。ベトナムにおいても現地でサービスを展開している日系企業が存在しますのでこうした引越業者さんからアドバイスを貰いながら当社でも用意している引っ越しチェックリストを利用して準備を進めていくとスムーズに進めることができるかと思います。

主なチェック項目
☑ 日本での電気・水道・ガス・電話などの解約。
☑ 荷物を仕分けする1:持っていく物・残す物・処分する物。
☑ 荷物を仕分けする2:船便・自分で持ち込み。
☑ ・・・・・・・
☑ ・・・・・・・
☑ ・・・・・・・

ベトナム駐在前に検討したいこと

クレジットカードやデビットカードの準備

駐在前に日本国内で有効期限が十分にあるクレジットカードやデビットカードを所有しておけば安心です。ベトナム国内でクレジットカードやデビットカードをあらたに作成することも可能ですが、作成条件が厳しいこともあり、所属先企業からの労働許可書、収入を証明する書類などをカード会社や銀行から求められます。
こうした煩雑なやり取りを省略するうえでも日本の銀行から引き落とされるクレジットカードやデビットカードを持ってくることをお薦めします。
ベトナムで加盟店舗数が多いのは、「Visa」「Mastercard」などのクレジットカードカードですが、同様にデビットカードも利用できます。
旅行会社、レストラン、大型の食料品店は一般的に国際的なデビットカードやクレジットカードを利用できますので買い物や決済で困ることが減ります。

日本のインターネットバンキングについて

みなさんすでに持っているとは思いますが、駐在前にインターネットバンキング開設をしておきましょう。
インターネットバンキングを開設しておくとベトナムで口座開設後に、オンラインで海外送金ができるようになります。
オンライン海外送金には、Wise」といった送金サービスがあります。
こうしたサービスでは、実際の為替レートと格安の手数料で日本の銀行より安く海外へ送金できるといった特徴があります。本人確認を含む送金手続きは全てオンラインで完結できるお手軽さもありますし、他にもオンライン海外送金サービスは多数あるので、必要があればご自身にあったものを赴任前にご検討いただくと良いかと思います。
もし、滞在が長期になればなるほどこうした手数料の安い送金手段を持っておくと節約ができます。

海外転出届について

長期駐在する予定であれば、お住まいの市町村窓口へ海外転出届の提出を検討する必要があります。転出届を提出すると日本では「非居住者」扱いとなります。この「非居住者」扱いになる場合は注意点があるのでその一部をご紹介します。

除票となる

現住所での住民票は「除票」となり、住民ではなくなります。
住民税の支払い対象外となりますので、まずは赴任期間をふまえてお勤め先の総務・人事部へ事前にご確認ください。

海外転出届提出その他の影響

税金(住民税)や年金などさまざまな分野に影響が及びます。
住民票と紐づいているマイナンバーは必然的にその期間失効するので、充分に注意が必要です。また、転出届を提出するにあたって持って行かなければいけない書類関係も色々ありますので、余裕をもって、赴任2ヶ月前ぐらいから「お住まいの市町村窓口」へご相談することをおすすめします。

住居の準備

赴任後の住居は大事なトピックのひとつかと思います。まずは所属先企業で住居のご用意があるか確認しましょう。
独身の方や単身赴任の方と、家族帯同で赴任される方の場合で住居の形態が大きくかわることになりますが、ベトナムでの駐在員の多くがコンドミニアムかサービスアパートを利用していますが、稀に一軒家などを借りて住んでいる方なども存在します。所属企業の福利厚生やルールに従う必要はあるかと思いますがさまざまな選択肢がありますので事前に現地の日系不動産仲介会社などに問い合わせをしておくとスムーズに探せるはずです。

ベトナム駐在準備タイムライン

駐在前に準備すべきチェック項目や検討すべきチェック項目を纏めています。
以下のタイムライン表を参考にしてみてください。

まとめ

ここまでベトナム赴任・駐在準備の基礎知識としてあくまで基礎的な情報を書いてきましたが、所属先企業や業界、その時の状況によって駐在や赴任にはさまざまな注意点などがあるかと思います。大変なことも多い海外赴任ですが、みなさんが新たな土地で素晴らしい出会いや経験に恵まれることを祈念しております。
今後もベトナム赴任や情報について発信していくつもりですので、公的機関の情報とあわせて安全で確実な準備ができるようにぜひブックマークしていただけますと幸いです。
公的機関の情報については、『【随時更新】ベトナム入国情報まとめ|コロナ禍における最新の入国制限は?』で詳しくまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください。

また、Wakka Inc.ではベトナム視察を目的にしたIT企業さま向けに、無料でオフィス案内をしております。これまでのべ50社以上の視察を受け入れて参りました。ベトナム現地のIT企業の活動を間近に体験していただけますのでぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

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この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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