PMF(プロダクトマーケットフィット)とは?スタートアップやビジネスを成功に導く手順や検証方法も解説

最終更新日:2025.09.26
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Wakka Inc. メディア編集部
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

スタートアップの事業に関するキーワードとして、PMFの視点に注目が集まっています。
「PMFとは何か知りたい」「PMFを達成する方法が知りたい」と考えている担当の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、PMFの基礎知識から達成するための準備やプロセスを詳しく解説します。
PMFの達成度を測る方法や支援する企業・団体もあわせて解説するので、PMFに関して興味がある方、スタートアップの経営を成功させたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

目次

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PMFとは

PMF(プロダクトマーケットフィット)とは、「Product(製品)」「Market(市場)」「Fit(適合)」の頭文字を組み合わせた言葉です。
製品やサービスが特定の市場に受け入れられている状態を表します。
特にスタートアップのビジネスを成功させるためには、PMFを達成する必要があるとして注目されている考え方です。

PMFは、アメリカの実業家マーク・アンドリーセン氏が提唱した考え方です。
以下2つの条件を同時に満たすことが重要であるといった考え方であり、スタートアップの成功に必要な要素として日本以外の多くの国においても重要視されています。

  • 顧客の課題を解決する製品・サービスであること
  • 適切な市場を選択し、受け入れられていること

まずはPMFの基礎知識として、以下の3つを解説します。

  • PMFが注目されている背景
  • PMFとPSFの違い
  • PMFのフレームワーク「フィットジャーニー」について

PMFが注目されている背景

PMFが注目されるようになった背景には、2022年に日本政府が掲げた「スタートアップ育成5か年計画」と経団連が掲げた「スタートアップ推進ビジョン」があります。
どちらも日本経済の成長にはスタートアップの事業が重要であるとし、投資や支援を行うとしました。

官民を挙げてスタートアップの推進を図るには、事業を成功させるためのノウハウを共有する必要があります。
その中で、重要な指標になり得るPMFにも注目が集まりました。

参照:スタートアップ育成5か年計画|経済産業省
参照:スタートアップ推進ビジョン|一般社団法人 日本経済団体連合会

PMFとPSFの違い

PSFとは、「Problem(課題)」「Solution(解決)」「Fit(適合)」の頭文字を組み合わせた言葉で、顧客が抱えている課題を解決する方法を提供している状態を表します。
顧客の立場からすると、課題を解決する製品・サービスはこれしかないと思っている状態です。

どちらも顧客の獲得や売上げの増加を目的とした考え方ではありますが、PSFはPMFの前段階に位置しています。
課題の解決策を探ることでPSFを達成し、課題の解決策が市場と適合するかを探ることでPMFが達成されるといった流れです。

PMF達成のプロセスにはPSFの達成が含まれています。

PMFのフレームワーク「フィットジャーニー」

フィットジャーニーとは、PMFの達成だけでなく事業を成功させるプロセスを明確にするフレームワークです。
6つのフェーズを順に達成することで、効率的に事業を進められます。

CPFのフェーズでは、ビジネスの基礎となる顧客に対する観点から考えます。
どのような顧客を対象とし、どのような課題を解決するのかを分析・明確化します。

PSFのフェーズでは、顧客が抱える課題の解決策を検討します。
顧客が感じている課題の切迫度がどれほど高いかが、検討の重要なポイントです。

些細な課題に対して高度な技術で対応しても、大きな価値は生まれにくいでしょう。
顧客が抱える課題の大きさや切迫感を把握することで、より適した解決策を提案できます。

SPFのフェーズでは、課題解決策をプロダクトとして提供できるかを検討します。
顧客の課題が既製品で十分に解決できる場合は、新たなプロダクトとして提供する意義が薄れます。

顧客が抱える課題に対して適した形のプロダクトを提供できるかは、実現可能性のほかに、どれだけの価値を見込めるかも含めて検討することが大切です。

PMFでは、顧客が抱える課題の解決策としてのプロダクトが、市場に受け入れられる状態になるのを目指します。
さまざまなデータを活用し、安定した顧客獲得・利益獲得が見込める状態になるようプロダクトの改善に尽力しましょう。

なお、新規事業の立ち上げについては下記記事をご覧ください。

GTM(Go-to-Market)

GTMのフェーズは、PMFを達成したプロダクトをどのように市場に届けるかを検討します。
ターゲット市場を絞り込み、プロダクトのポジショニングや販売チャネルを選定します。

また、GTMのフェーズには価格設定・販売・サポートなども含まれ、競合他社との差別化を図ることも大切です。

Growthのフェーズは、売上増加を果たして事業の成長を図るフェーズです。
Growthのフェーズで注意すべき点は、一時的な成長ではなく、持続可能な成長を目指す必要があるということです。

長期にわたって計画的かつ戦略的に、持続的な拡大を目指すことで、将来性を秘めた事業へと成長できます。

PMF達成前に必要なCPF(カスタマープロブレムフィット)

PMFを達成する前に必要なステップとして、CPFがあります。
CPFは、顧客からの反応を通じて、「プロダクトに対価を払っても良い」と感じるほど切実な課題が存在するか、またその課題に対してプロダクトが適切な解決策となり得るかを検証する重要なステップです。

本章では、CPFについて解説します。

PMFを達成するためには、前述したCPFのほかに、PSFを検証する工程も大切です。
本章では、PSFの検証について解説します。

PMFはプロダクトの完成度を高めることで達成できます。
そして、プロダクトの完成度を高めるには、検証と分析を繰り返してニーズへの対応力を高めなければなりません

本章では、PMF達成までのプロセスを解説します。

1.MVPの機能を特定

MVP(最小実行可能製品)とは、市場のユーザーに価値を提供するために、必要最低限の解決策を持った製品・サービスです。
消しゴムにたとえると「文字を消す」という機能がMVPに該当します。

ただし、単に機能が少ない製品やサービスがMVPとなるわけではありません。
機能を最小限に絞った上で、競合にはない優位性や価値を提案する必要があります。

MVPには以下のような種類があります。

MVPの種類特徴
プロトタイプ製品・サービスの原型や試作品を開発する
コンシェルジュ機能を自動化せず、手作業でサービスを提供する直接フィードバックをもらえる点が特徴
ランディングページ試作品の概要をまとめたWebページを作成する
オズの魔法使い開発リソースを抑えてユーザーの反応や需要を検証する

上記の種類を参考に、自社が求めるMVPの機能を洗い出しましょう。

なお、MVPの機能を特定するときは、いかにして細かくスピーディなPDCAを回すのかがポイントです。
ユーザーからのフィードバックを参考にして、仮説立てと検証を繰り返します。

2.プロトタイプを開発

特定したMVPの機能を実装した製品・サービスのプロトタイプを開発します。
理由としては、製品化に向けたMVPの検証を、よりスムーズに進めるためです。

MVPをもとにしたプロトタイプ(試作)の開発には、製品の具体的なコンセプト資料やモックアップが必要です。
プロトタイプの設計図となる存在があることで、検証を繰り返しながら開発できます。
スピーディな進行のために、近年で注目されているノーコード開発技術も必要に応じて活用しましょう。

3.MVPのPMFを検証

完成したMVPプロトタイプが、市場にどの程度受け入れられているかを検証します。
検証する手法は、市場にリリースする方法と、見込み顧客でテストする方法の2つです。

テストを実施する際は、PSFの調査と同様に、いかに多くの顧客から意見を集められるかを重要視しましょう。
以下のポイントに注意しながら、情報を収集すると、改善点や強みを把握できます。

  • ポジティブな意見だけでなく、ネガティブな意見や改善点を集める
  • 定量的に回答できる質問を用意して分析ツールを活用する
  • 可能な限り生の声を聞いて本音を拾い上げる

MVPの目的は、製品やサービスを競合他社よりも早く市場に投入してユーザーの反応を得ることです。
多くのフィードバックを獲得できれば、製品やサービス、機能が市場に受け入れられるかを検証できます。

どちらの手法が合っているかは製品・サービスによって異なりますが、いずれの場合もフィードバックをもとに検証を進めましょう。
リリースしたMVPプロトタイプは、Product/Market Fit Survey・NPS・エンゲージメントデータなどをもとに検証することが一般的です。
複数の観点から検証を進めることで、より詳細なMVPの状態を把握できます。

4.プロダクトの完成度を向上

長く利用される製品・サービスを提供するには、PMFを高める取り組みが大切であり、そのためにはプロダクトの完成度を向上させなければなりません。
なぜなら、ニーズは流動的に変化し続け、製品・サービスもそれに合わせた変化が必要だからです。

PMFが達成できない場合は、上記のプロセスを再度繰り返してMVPを改善する必要があります。
試作品のリリースとフィードバックの集計を繰り返して仮説を再立案して、市場に受け入れられる製品・サービスに近づけましょう。
分析結果を比較する前提で、検証のデータをまとめるのがおすすめです。

また、PMFは一度達成したところで終わりではありません。
市場の変化に伴って環境は変化するため、PDCAサイクルを回してMVPを改善し続ける必要があります。
製品・サービスの検証を定期的に繰り返し、さらなる高みを目指しましょう。

PMFを達成するための5つのポイント

PMFの達成には下記5点のポイントに注意しましょう。

  1. ペルソナを具体的に設定する
  2. PMFは多角的な視点で分析する
  3. PMFの測定期間に留意する
  4. 製品を迅速にリリースする
  5. マーケティングへの投資は慎重にする

新規開発にかけられる時間が限られている場合にも、上記5点に留意すれば、PMF達成の近道になります。
PMF達成に向けた取り組みを、よりスムーズに実施するために活用してください。

1.ペルソナを具体的に設定

ペルソナを具体化することで、MVPの特定や市場リサーチの精度が向上します。
ペルソナとは製品利用者の典型的なユーザー像を指し、年齢・性別・職業・役職などをもとに、ユーザー像を具体化できるものです。

ペルソナを設定するタイミングは、活用するシーンを想定する初期段階が適切です。
初期段階でペルソナを設定することで、開発を進める中での軌道修正も効率化できます。

2.PMFは多角的な視点で分析

PMFの検証方法は複数ありますが、中には数値が低い状態でも問題ない場合があります。

一例としては、顧客ロイヤリティを測定する指標であるNPSです。
NPSはPMFの検証に有効な方法として知られる一方で、数値が低くてもPMFを達成している製品もあります。

そのため、PMFは多角的な視点で分析・比較しましょう。

3.PMFの測定期間に留意する

PMFが達成できているかどうかを検証する方法は、数多く存在します。
測定・検証する際は、事業の内容や検証項目などに応じて適切な期間を設けることが大切です。

例えば、BtoCで製品を販売する場合は、短期間で成果が出ます。
先行指標と呼ばれるProduct / Market Fit SurveyやNPSでも、PMFの達成度合いが検証しやすい点が特徴です。

逆にBtoBでサービスを提供する事業の場合、遅行指標を活用するとPMFの達成度合いを検証しやすくなります。
適切な期間を設定した上でPMFを測定しましょう。

4.製品を迅速にリリースする

PMFを達成するには、試作品を開発して顧客に使ってもらい、評価を測定するプロセスが必要です。
特にスタートアップの事業であれば、顧客や市場に関する情報を集めることが重要なため、できるだけ早く製品をリリースしましょう。
製品やサービスが完成していない状態でも、顧客の評価に合わせて改善を重ねることでPMFの達成に近づきます。

ただし、顧客のニーズを検証せずに製品をリリースすると、開発費が無駄になる恐れがあります。
PMFを達成するには、PSFの達成を前提とし、市場が存在することを確認した上で評価を検証しましょう。

5.マーケティングへの投資は慎重にする

PMFを達成していない状態で営業やマーケティングに投資しても、成果は上がりません。
逆に、Webサイトの設計や広告に改善の余地がある状態だとしても、PMFを達成できていれば売上につながる可能性は高いと言えます

また、事業がうまくいかない場合は、営業やマーケティングへの投資を増やす前にPMFの達成度合いを見直しましょう。

PMFを達成するメリット

PMFを達成すれば、スタートアップビジネスで成果を上げやすくなり、さまざまな業務の効率化にもつながります。
PMFを達成するメリットは、以下の3つです。

  • ビジネスが成功するプロセスが明確になる
  • マーケティングに投資しやすくなる
  • 事業撤退の基準が明確になる

それぞれ解説します。

ビジネスが成功するプロセスが明確になる

PMFを達成すると、どの市場に製品・サービスを供給すべきかが明確化できます。
また、PMFの達成度合いを検証すれば、顧客の課題を解決できる製品・サービスであるか把握できます。

近年では、生活スタイルや価値観の多様化により市場が細分化されているため、特にスタートアップの事業ではPMFの視点で分析することが重要です。

また、PMFの活用により投資家に対して戦略を説明しやすくなるといったメリットもあります。
顧客の課題をどのように解決できるのか、どのような市場に受け入れられるのかを説明することで、スタートアップの事業が成功する道のりを明確にできます。

マーケティングに投資しやすくなる

PMFの達成により、どのような市場に受け入れられるかが明確になれば、マーケティングに投資しやすくなります。
顧客のニーズを調査・分析して広告や宣伝を行うマーケティングの方向性がはっきりするため、投資しやすくなるのです。
PMFを達成していることで、より納得感を持って投資できるといった側面もあります。

逆に、PMFの視点を持っていないビジネスはいくらマーケティングに投資しても売上につながらず、顧客の満足度も低下してしまいます。

事業撤退の基準が明確になる

PMFの視点で事業を分析することで、撤退の基準が明確になる点もメリットのひとつです。
顧客数や満足度の低下でPMFの達成度も下がるため、撤退すべきかどうかの判断材料として活用できます。

PMFを達成する見込みのない事業を長く継続すると、企業にとって深刻な損害を出す恐れがあります。
PMFの達成度合いを基準にして撤退できれば、リスクを最小限に抑えられるのです。

スタートアップの事業に躓いたとしても企業として存続できていれば、経験を活かして次の事業に取り組めます。

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PMF達成基準・検証方法

事業を成功させるには、PMFが達成できているかを検証して製品・サービスを改善し続けることが大切です。
PMFの達成度を検証する方法を4つご紹介します。

  • Product / Market Fit Survey
  • NPS
  • CSAT
  • リテンションカーブ
  • エンゲージメント

これらの検証方法を適切に活用し、PMFを達成してスタートアップの事業を成功させましょう。

Product / Market Fit Survey

Product / Market Fit Surveyは、起業家であるショーン・エリス氏が考案したアンケート式の検証方法です。
「もしも製品が使えなくなったとしたら、どのように感じるか」といった趣旨の質問に対して、4つの中から選択してもらいます。

  • 非常に残念
  • やや残念
  • 残念ではない
  • 該当しない(製品を使用していない)

40%以上の顧客が「非常に残念」と回答すればPMF達成の基準を満たし、今後も顧客を獲得できる可能性が高いです。
「残念ではない」と回答した人にはその理由をヒアリングし、改善につなげられます。
Product / Market Fit Surveyは顧客満足度を定量的に測れる調査であり、立ち上げたばかりの事業で活用できる先行指標でもあります。

NPS

NPSはNet Promoter Scoreの略で、顧客のロイヤリティ、つまり愛着を測るアンケート調査です。
ビジネス戦略家であるフレッド・ライクヘルド氏が考案しました。

「企業や製品を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいあるか」といった趣旨の質問に対して、0から10までの11段階で回答してもらいます。
回答結果を以下の3つに分けて集計し、推奨者の割合から批判者の割合を引いてNPSスコアを算出する方法です。

0~6批判者
7~8中立者
9~10推奨者

NPSは事業との相関性が高い先行指標であるため、スタートアップの事業でも活用できます。

リテンションカーブ

マーケティングの分野におけるリテンションとは、維持や継続を表す言葉です。
また、顧客が製品を継続して使用する割合をリテンション率として表します。

リテンションカーブとは、リテンション率、製品をリリースしてからの期間をそれぞれ縦軸と横軸に設定してグラフで表す指標です。
遅行指標であり、半年や1年以上の期間に渡って事業を継続している場合に役立つ手法です。
これを活用すると、製品がどの程度の顧客に継続して使用されているかが可視化できます。

リテンションカーブが横ばいの状態になれば、顧客を維持できていることが分かる仕組みです。
逆にリテンションカーブが下降する場合は離脱している顧客が多いため、改善していきましょう。

エンゲージメント

エンゲージメントとは、ユーザーが製品やサービスをどの程度利用しているかを調査したデータを指す言葉です。
提供する製品・サービスに応じて以下のようなデータを集計し、定量的に分析します。

  • ユーザー数
  • ユーザーの利用率
  • ユーザーの購入頻度
  • 継続期間や継続率
  • 購入・契約しているユーザーの属性

事業内容や検証するデータに合わせて適切な期間を設定すれば、エンゲージメントの高さを分析できます。
先行指標のため、スタートアップの事業でも活用しやすい方法です。

【スタートアップ企業向け】PMFを支援する3つの企業・団体

スタートアップ企業にとって、PMFの達成は大きな目標です。
その一方で、自社の力だけでは結果を出せなかった場合に対する不安を抱えるケースもあります。

本章では、PMF達成を支援する4つの企業・団体を解説します。

北九州市が運営|「スタートアップSDGsイノベーショントライアル」

スタートアップSDGsイノベーショントライアルは、期間内に公募し、プレゼン審査や採択通知を経て実施されるプログラムです。
プログラムは「プロダクトの社会実装」と「PMFの達成」の2種類があり、目的に応じて選択します。

スタートアップSDGsイノベーショントライアルでは、資金面のサポートも実施しています。
PMF達成に対する不安のほか、資金繰りに悩みを抱えている企業にとって心強い存在です。

多様なサービスで中小企業を支援|「大阪産業産創館」

大阪産業産創館は、公益財団法人大阪産業局が運営しており、経営相談・セミナーや展示会の開催・商談会などのサービスを提供しています。

大阪産業産創館は、多くの支援機関と連携し、経営課題を解決できるサービスをワンストップで利用できるのがメリットです。
大阪産業産創館には、セミナー・研修などに活用できる貸出施設も充実しているため、PMF達成以外の目的でも活用できます。

グローバルスケールを培う|「JETRO(J-StarX)」

JETRO(日本貿易振興機構)のJ-StarXは、アメリカを中心とした実地研修プログラムを実施しています。
実地研修プログラムでは、PMF達成の足がかりとなるような体験や学習が可能です。

過去に開催した「海外パートナー探索プログラム」は、PMF支援が目的でした。
起業後にグローバル展開を検討している企業は、チェックしましょう。

PMFの事例

PMFの事例を知ることで、自社がどのようなポイントを検証すべきか、どのようにPMFを達成すべきかが見えてきます。
本章ではPMFで事業成長を成功した5つの事例を解説します。

株式会社FLUXは、AIとデータを活用したメディア・マーケティング支援サービスを提供する企業です。
Webメディアやアプリでコンテンツを発信し、ユーザーを呼び込むことで広告収益を得ています。

株式会社FLUXは、ソリューションが日本市場に受け入れられるか、スケーラブルな事業として成立するかに絞って検証を行いました。
初期段階では5社に限定してプロダクトを導入し、再現性を高めながら継続的な改善に取り組んだ結果、PMFに到達しました。

株式会社HERPは、タレント管理プラットフォーム「HERP Hire」を提供する企業です。
PMFの到達点として、「機能」と「コンセプト」の双方が市場にフィットした状態でプロダクトを提供することを目指しました。

顧客からのフィードバックをもとに、採用フローの一部を自動化するソリューションは、採用コンサルティングを提供していた顧客企業から大きな反響を呼びます。
細かなPDCAサイクルを継続的に回した結果、わずか数カ月で650社からの問い合わせを獲得する成果につながりました。

顧客からのヒアリングを重ね、機能やサービスにおける言葉遣いを中心に改善を進めた結果、PMFを達成しています。
PMF達成後に、保育園がICTシステムを導入する際に支給できる補助金制度が始まったため、勢いに乗って事業の成長に成功しています。

画像引用:株式会社タイミー

PMFの到達点は、「30%の手数料を払ってでも、タイミーを全店舗で導入したいと考える企業が現れたとき」と定義されており、リリースからわずか3カ月で達成されました。
どのようなターゲットに、どのようなコアバリューを届けるべきかを徹底的に考え抜き、継続的な改善を重ねたことで、短期間でPMFの達成につながりました。

画像引用:株式会社プレイド

株式会社プレイドは、ユーザーの行動や状態を可視化し、そのデータによって顧客企業のアクションを後押しするサービスを提供している企業です。
当初はグラフやチャートによってデータを可視化していましたが、顧客にとってその価値が伝わりにくく、潜在的な課題の把握には至りませんでした。

顧客へのヒアリングを重ねる中で、ユーザーごとの動きを直感的かつリアルタイムで把握できるように仕様を変更しました。
その結果、インターネット上のユーザーの行動が可視化できるようになり、多くの顧客企業を獲得するまでに成長しています。

PMFを達成してスタートアップを成功させよう

スタートアップの事業を成功させるためには、PMFを達成することが重要であり、定期的に評価を検証し続ける必要があります。
PMFの重要性を理解し、スタートアップの成功に向けて事業を進めていきましょう。

PMFを達成する準備や手順を確認した上で、PDCAサイクルを回して改善を繰り返すことが大切です。
PMF達成度の測り方や検証方法は、さまざまな種類があるので、自社が設けた基準をクリアできるように改善を繰り返しましょう。

新規事業やスタートアップでのプロダクト開発を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてPMFを達成してください。

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この記事を書いた人
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