スタートアップの成功に欠かせないPMFとは?手順や検証方法も解説

最終更新日:2025.04.28
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Wakka Inc. メディア編集部
スタートアップの成功に欠かせないPMFとは?手順や検証方法も解説
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

スタートアップの事業に関するキーワードとして、PMFの視点に注目が集まっています。
「PMFとは何か知りたい」「PMFを達成する方法が知りたい」と考えている担当の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、PMFの基礎知識から達成するための準備やプロセスを詳しく解説します。
PMFの達成度を測る方法や支援する企業・団体もあわせて解説するので、PMFに関して興味がある方、スタートアップの経営を成功させたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

目次

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PMFとは

PMFとは、「Product(製品)」「Market(市場)」「Fit(適合)」の頭文字を組み合わせた言葉です。
製品やサービスが特定の市場に受け入れられている状態を表します。
特にスタートアップのビジネスを成功させるためには、PMFを達成する必要があるとして注目されている考え方です。

PMFは、アメリカの実業家マーク・アンドリーセン氏が提唱した考え方です。
以下2つの条件を同時に満たすことが重要であるといった考え方であり、スタートアップの成功に必要な要素として日本以外の多くの国においても重要視されています。

  • 顧客の課題を解決する製品・サービスであること
  • 適切な市場を選択し、受け入れられていること

まずはPMFの基礎知識として、以下の3つを解説します。

  • PMFが注目されている背景
  • PMFとPSFの違い
  • PMF達成に役立つフレームワーク「フィットジャーニー」について

PMFが注目されている背景

PMFが注目されるようになった背景には、2022年に日本政府が掲げた「スタートアップ育成5か年計画」と経団連が掲げた「スタートアップ推進ビジョン」があります。
どちらも日本経済の成長にはスタートアップの事業が重要であるとし、投資や支援を行うとしました。

官民を挙げてスタートアップの推進を図るには、事業を成功させるためのノウハウを共有する必要があります。
その中で、重要な指標になり得るPMFにも注目が集まりました。

参照:スタートアップ育成5か年計画|経済産業省
参照:スタートアップ推進ビジョン|一般社団法人 日本経済団体連合会

PMFとPSFの違い

PSFとは、「Problem(課題)」「Solution(解決)」「Fit(適合)」の頭文字を組み合わせた言葉で、顧客が抱えている課題を解決する方法を提供している状態を表します。
顧客の立場からすると、課題を解決する製品・サービスはこれしかないと思っている状態です。

どちらも顧客の獲得や売り上げの増加を目的とした考え方ではありますが、PSFはPMFの前段階に位置しています。
課題の解決策を探ることでPSFを達成し、課題の解決策が市場と適合するかを探ることでPMFが達成されるといった流れです。

PMF達成のプロセスにはPSFの達成が含まれています。

PMF達成に役立つフレームワーク「フィットジャーニー」

フィットジャーニーとは、PMFの達成だけでなく事業を成功させるプロセスを明確にするフレームワークです。
以下6つのフェーズを順に達成することで、効率的に事業を進められます。

CPF(Customer Problem Fit)顧客の課題を検証する
PSF(Problem Solution Fit)提供する課題の解決策を顧客が求めるかどうかを検証する
SPF(Solution Product Fit)課題の解決策を製品・サービスとして提供できるかどうかを検証する
PMF(Product Market Fit)製品やサービスが市場に受け入れられているかどうかを検証する
GTM(Go-to-Market)製品やサービスをどのような方法で顧客に届けるかを検証する
Growth売り上げや顧客数を増やして事業を成長させる

PMF達成前に準備すべき4ステップ

PMFの達成には、以下2つの要素の達成が必要です。

  • CPF(カスタマープロブレムフィット)
  • PSF(プロブレムソリューションフィット)

CPFは顧客が本当にその課題を抱えていることを検証し、その課題を明確に定義できた状態であり、PSFは顧客の問題・課題を解決できる製品を提供している状態を指します。

PMFの達成にはCPF、PSFの順に達成することが必要条件です。
本章では、PMFの前段階であるCPF・PSFを目指す4つのステップを解説します。

ステップ1.解決すべき問題・課題の特定

ステップ1は、市場のリアルな考えや意見をリサーチし、問題・課題を特定してCPFを目指します。
アンケートをはじめとした手法を活用し、情報を収集・分析しましょう。

自社が感じている課題ではなく、アンケートなどを通して得られる消費者側、顧客側からの意見が重要です。
市場のリアルな考えや意見を中心に考えることで、ニーズの大きさを把握できます。

ステップ2.解決策の検討

市場のニーズを把握した後は、顧客が抱える課題の解決法を検討しましょう。
調査結果から顧客がどのような課題を抱えているのかを分析し、解消する打開策を考案します。

具体的には、製品・サービスを試作し、再度アンケートやヒアリングを通して顧客の意見を取り入れながら改良を重ねましょう。
製品・サービスは課題を本質的に解決できるのか、顧客の理解を得られるかどうかなどを繰り返し検討することが大切です。

解決策を検討するときは、以下3つのポイントを大切にしましょう。

  • 特定した問題・課題を解決できるか
  • 「必ず欲しい」と思えるレベルか
  • 提示する解決策は市場の理解を得られるか

提示する解決策が適切かどうかは、アンケートやヒアリングの結果をもとに判断できます。
「必ず欲しい」と思えるほどでなく「あったら嬉しい」程度の機能まで解決策に提示してしまうと、顧客の課題を解決できる手段が見えにくくなってしまいます。

解決策は数多く提示すれば良いというものではなく、課題解決に必要な手段を厳選することが大切です。

同時に、自社がどの程度のスキルや経験があるのかを確認します。
自身や企業が有するスキル・経験を把握できれば、提案できる解決策の絞り込みに活用できます。

ステップ3.賛同者・協力者を集める

課題や解決策を明確に決めたら製品化に向けて協力してもらえる賛同者・協力者を確保しましょう。
製品化に向けた協力者は、プロトタイプ(試作)のプロダクトインタビューを実施するうえで重要な存在です。

市場調査を行う際は、課題の解決を望む協力者を確保するとより効率的にヒアリングが進められ、協力者が多ければより多面的な検証を実施できます。

賛同者を獲得するには、丁寧で粘り強く説明する姿勢が大切です。
可能な限り専門用語の使用を控えて、分かりやすく、熱意を持って説明しましょう。

ステップ4.製品・サービスの価格をリサーチ

製品・サービスの適切な価格は、市場のリサーチで把握できます。
市場での競合製品の価格や、顧客がその製品・サービスにどれだけの価値を感じているかを調査します。

さらに、新たに販売する予定の製品・サービスの内容を踏まえて、適正と思える仮の価格を算出しましょう。

価格が妥当と感じるかどうかは、数人へのヒアリングといった定性調査だけでなく、多数の意見がとれるアンケートなどの定量調査も活用します。
協力者への定性調査だけでは同じサービスや製品に興味を持つ、つまり、同じ考え・価値観を持っている人ばかりの意見が偏ってしまう可能性があるためです。

新しい製品、サービスを適正価格と捉えるかどうかは、協力者でない消費者の意見も拾い上げることが必要です。

PMF達成までの4つのプロセス

PMFはプロダクトの完成度を高めることで達成できます。
そして、プロダクトの完成度を高めるには、検証と分析を繰り返してニーズへの対応力を高める必要があります。

本章では、PMF達成までのプロセスを解説します。

プロセス1.MVPの機能を特定

MVP(最小実行可能製品)とは、市場のユーザーに価値を提供するために、必要最低限の解決策を持った製品・サービスです。
消しゴムにたとえると「文字を消す」という機能がMVPに該当します。

ただし、単に機能が少ない製品やサービスがMVPとなるわけではありません。
機能を最小限に絞った上で、競合にはない優位性や価値を提案する必要があります。

MVPには以下のような種類があります。

MVPの種類特徴
プロトタイプ製品・サービスの原型や試作品を開発する
コンシェルジュ機能を自動化せず、手作業でサービスを提供する直接フィードバックをもらえる点が特徴
ランディングページ試作品の概要をまとめたWebページを作成する
オズの魔法使い開発リソースを抑えてユーザーの反応や需要を検証する

上記の種類を参考に、自社が求めるMVPの機能を洗い出しましょう。

なお、MVPの機能を特定するときは、いかにして細かくスピーディなPDCAを回すのかがポイントです。
ユーザーからのフィードバックを参考にして、仮説立てと検証を繰り返します。

プロセス2.プロトタイプを開発

特定したMVPの機能を実装した製品・サービスのプロトタイプを開発します。
理由としては、製品化に向けたMVPの検証を、よりスムーズに進めるためです。

MVPをもとにしたプロトタイプ(試作)の開発には、製品の具体的なコンセプト資料やモックアップが必要です。
プロトタイプの設計図となる存在があることで、検証を繰り返しながら開発できます。
スピーディーな進行のために、近年で注目されているノーコード開発技術も必要に応じて活用しましょう。

プロセス3.MVPのPMFを検証

完成したMVPプロトタイプが、市場にどの程度受け入れられているかを検証します。
検証する手法は、市場にリリースする方法と、見込み顧客でテストする方法の2つです。

テストを実施する際は、PSFの調査と同様に、いかに多くの顧客から意見を集められるかを重要視しましょう。
以下のポイントに注意しながら、情報を収集すると、改善点や強みを把握できます。

  • ポジティブな意見だけでなく、ネガティブな意見や改善点を集める
  • 定量的に回答できる質問を用意して分析ツールを活用する
  • 可能な限り生の声を聞いて本音を拾い上げる

MVPの目的は、製品やサービスを競合他社よりも早く市場に投入してユーザーの反応を得ることです。
多くのフィードバックを獲得できれば、製品やサービス、機能が市場に受け入れられるかを検証できます。

どちらの手法が合っているかは製品・サービスによって異なりますが、いずれの場合もフィードバックをもとに検証を進めましょう。
リリースしたMVPプロトタイプは、Product/Market Fit Survey・NPS・エンゲージメントデータなどをもとに検証することが一般的です。
複数の観点から検証を進めることで、より詳細なMVPの状態を把握できます。

プロセス4.プロダクトの完成度を向上

長く利用される製品・サービスを提供するには、PMFを高める取り組みが大切であり、そのためにはプロダクトの完成度を向上させなければなりません。
なぜなら、ニーズは流動的に変化し続け、製品・サービスもそれに合わせた変化が必要だからです。

PMFが達成できない場合は、上記のプロセスを再度繰り返してMVPを改善する必要があります。
試作品のリリースとフィードバックの集計を繰り返して仮説を再立案して、市場に受け入れられる製品・サービスに近づけましょう。
分析結果を比較する前提で、検証のデータをまとめるのがおすすめです。

また、PMFは一度達成したところで終わりではありません。
市場の変化に伴って環境は変化するため、PDCAサイクルを回してMVPを改善し続ける必要があります。
製品・サービスの検証を定期的に繰り返し、さらなる高みを目指しましょう。

PMFを達成するための5つのポイント

PMFの達成には下記5点のポイントに注意しましょう。

  1. ペルソナを具体的に設定する
  2. PMFは多角的な視点で分析する
  3. PMFの測定期間に留意する
  4. 製品を迅速にリリースする
  5. マーケティングへの投資は慎重にする

新規開発にかけられる時間が限られている場合にも、上記5点に留意すれば、PMF達成の近道になります。
PMF達成に向けた取り組みを、よりスムーズに実施するために活用してください。

ポイント1.ペルソナを具体的に設定

ペルソナを具体化することで、MVPの特定や市場リサーチの精度が向上します。
ペルソナとは製品利用者の典型的なユーザー像を指し、年齢・性別・職業・役職などをもとに、ユーザー像を具体化できるものです。

ペルソナを設定するタイミングは、活用するシーンを想定する初期段階が適切です。
初期段階でペルソナを設定することで、開発を進める中での軌道修正も効率化できます。

ポイント2.PMFは多角的な視点で分析

PMFの検証方法は複数ありますが、中には数値が低い状態でも問題ない場合があります。

一例としては、顧客ロイヤリティを測定する指標であるNPSです。
NPSはPMFの検証に有効な方法として知られる一方で、数値が低くてもPMFを達成している製品もあります。

そのため、PMFは多角的な視点で分析・比較しましょう。

ポイント3.PMFの測定期間に留意する

PMFが達成できているかどうかを検証する方法は、数多く存在します。
測定・検証する際は、事業の内容や検証項目などに応じて適切な期間を設けることが大切です。

例えば、BtoCで製品を販売する場合は、短期間で成果が出ます。
先行指標と呼ばれるProduct / Market Fit SurveyやNPSでも、PMFの達成度合いが検証しやすい点が特徴です。

逆にBtoBでサービスを提供する事業の場合、遅行指標を活用するとPMFの達成度合いを検証しやすくなります。
適切な期間を設定した上でPMFを測定しましょう。

ポイント4.製品を迅速にリリースする

PMFを達成するには、試作品を開発して顧客に使ってもらい、評価を測定するプロセスが必要です。
特にスタートアップの事業であれば、顧客や市場に関する情報を集めることが重要なため、できるだけ早く製品をリリースしましょう。
製品やサービスが完成していない状態でも、顧客の評価に合わせて改善を重ねることでPMFの達成に近づきます。

ただし、顧客のニーズを検証せずに製品をリリースすると、開発費が無駄になる恐れがあります。
PMFを達成するには、PSFの達成を前提とし、市場が存在することを確認した上で評価を検証しましょう。

ポイント5.マーケティングへの投資は慎重にする

PMFを達成していない状態で営業やマーケティングに投資しても、成果は上がりません。
逆に、Webサイトの設計や広告に改善の余地がある状態だとしても、PMFを達成できていれば売上につながる可能性は高いと言えます

また、事業がうまくいかない場合は、営業やマーケティングへの投資を増やす前にPMFの達成度合いを見直しましょう。

PMFを達成するメリット

PMFを達成すれば、スタートアップビジネスで成果を上げやすくなり、さまざまな業務の効率化にもつながります。
PMFを達成するメリットは、以下の3つです。

  • ビジネスが成功するプロセスが明確になる
  • マーケティングに投資しやすくなる
  • 事業撤退の基準が明確になる

それぞれ解説します。

ビジネスが成功するプロセスが明確になる

PMFを達成すると、どの市場に製品・サービスを供給すべきかが明確化できます。
また、PMFの達成度合いを検証すれば、顧客の課題を解決できる製品・サービスであるか把握できます。

近年では、生活スタイルや価値観の多様化により市場が細分化されているため、特にスタートアップの事業ではPMFの視点で分析することが重要です。

また、PMFの活用により投資家に対して戦略を説明しやすくなるといったメリットもあります。
顧客の課題をどのように解決できるのか、どのような市場に受け入れられるのかを説明することで、スタートアップの事業が成功する道のりを明確にできます。

マーケティングに投資しやすくなる

PMFの達成により、どのような市場に受け入れられるかが明確になれば、マーケティングに投資しやすくなります。
顧客のニーズを調査・分析して広告や宣伝を行うマーケティングの方向性がはっきりするため、投資しやすくなるのです。
PMFを達成していることで、より納得感を持って投資できるといった側面もあります。

逆に、PMFの視点を持っていないビジネスはいくらマーケティングに投資しても売上につながらず、顧客の満足度も低下してしまいます。

事業撤退の基準が明確になる

PMFの視点で事業を分析することで、撤退の基準が明確になる点もメリットのひとつです。
顧客数や満足度の低下でPMFの達成度も下がるため、撤退すべきかどうかの判断材料として活用できます。

PMFを達成する見込みのない事業を長く継続すると、企業にとって深刻な損害を出す恐れがあります。
PMFの達成度合いを基準にして撤退できれば、リスクを最小限に抑えられるのです。

スタートアップの事業に躓いたとしても企業として存続できていれば、経験を活かして次の事業に取り組めます。

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PMF達成度の測り方・検証方法

事業を成功させるには、PMFが達成できているかを検証して製品・サービスを改善し続けることが大切です。
PMFの達成度を検証する方法を4つご紹介します。

  • Product / Market Fit Survey
  • NPS
  • リテンションカーブ
  • エンゲージメント

これらの検証方法を適切に活用し、PMFを達成してスタートアップの事業を成功させましょう。

Product / Market Fit Survey

Product / Market Fit Surveyは、起業家であるショーン・エリス氏が考案したアンケート式の検証方法です。
「もしも製品が使えなくなったとしたら、どのように感じるか」といった趣旨の質問に対して、4つの中から選択してもらいます。

  • 非常に残念
  • やや残念
  • 残念ではない
  • 該当しない(製品を使用していない)

40%以上の顧客が「非常に残念」と回答すればPMF達成の基準を満たし、今後も顧客を獲得できる可能性が高いです。
「残念ではない」と回答した人にはその理由をヒアリングし、改善につなげられます。
Product / Market Fit Surveyは顧客満足度を定量的に測れる調査であり、立ち上げたばかりの事業で活用できる先行指標でもあります。

NPS

NPSはNet Promoter Scoreの略で、顧客のロイヤリティ、つまり愛着を測るアンケート調査です。
ビジネス戦略家であるフレッド・ライクヘルド氏が考案しました。

「企業や製品を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいあるか」といった趣旨の質問に対して、0から10までの11段階で回答してもらいます。
回答結果を以下の3つに分けて集計し、推奨者の割合から批判者の割合を引いてNPSスコアを算出する方法です。

0~6批判者
7~8中立者
9~10推奨者

NPSは事業との相関性が高い先行指標であるため、スタートアップの事業でも活用できます。

リテンションカーブ

マーケティングの分野におけるリテンションとは、維持や継続を表す言葉です。
また、顧客が製品を継続して使用する割合をリテンション率として表します。

リテンションカーブとは、リテンション率、製品をリリースしてからの期間をそれぞれ縦軸と横軸に設定してグラフで表す指標です。
遅行指標であり、半年や1年以上の期間に渡って事業を継続している場合に役立つ手法です。
これを活用すると、製品がどの程度の顧客に継続して使用されているかが可視化できます。

リテンションカーブが横ばいの状態になれば、顧客を維持できていることが分かる仕組みです。
逆にリテンションカーブが下降する場合は離脱している顧客が多いため、改善していきましょう。

エンゲージメント

エンゲージメントとは、ユーザーが製品やサービスをどの程度利用しているかを調査したデータを指す言葉です。
提供する製品・サービスに応じて以下のようなデータを集計し、定量的に分析します。

  • ユーザー数
  • ユーザーの利用率
  • ユーザーの購入頻度
  • 継続期間や継続率
  • 購入・契約しているユーザーの属性

事業内容や検証するデータに合わせて適切な期間を設定すれば、エンゲージメントの高さを分析できます。
先行指標のため、スタートアップの事業でも活用しやすい方法です。

【スタートアップ企業向け】PMFを支援する3つの企業・団体

スタートアップ企業にとって、PMFの達成は大きな目標です。
その一方で、自社の力だけでは結果を出せなかった場合に対する不安を抱えるケースもあります。

本章では、PMF達成を支援する4つの企業・団体を解説します。

北九州市が運営|「スタートアップSDGsイノベーショントライアル」

スタートアップSDGsイノベーショントライアルは、期間内に公募し、プレゼン審査や採択通知を経て実施されるプログラムです。
プログラムは「プロダクトの社会実装」と「PMFの達成」の2種類があり、目的に応じて選択します。

スタートアップSDGsイノベーショントライアルでは、資金面のサポートも実施しています。
PMF達成に対する不安のほか、資金繰りに悩みを抱えている企業にとって心強い存在です。

多様なサービスで中小企業を支援|「大阪産業産創館」

大阪産業産創館は、公益財団法人大阪産業局が運営しており、経営相談・セミナーや展示会の開催・商談会などのサービスを提供しています。

大阪産業産創館は、多くの支援機関と連携し、経営課題を解決できるサービスをワンストップで利用できるのがメリットです。
大阪産業産創館には、セミナー・研修などに活用できる貸出施設も充実しているため、PMF達成以外の目的でも活用できます。

グローバルスケールを培う|「JETRO(J-StarX)」

JETRO(日本貿易振興機構)のJ-StarXは、アメリカを中心とした実地研修プログラムを実施しています。
実地研修プログラムでは、PMF達成の足がかりとなるような体験や学習が可能です。

過去に開催した「海外パートナー探索プログラム」は、PMF支援が目的でした。
起業後にグローバル展開を検討している企業は、チェックしましょう。

PMFを達成してスタートアップを成功させよう

スタートアップの事業を成功させるためには、PMFを達成することが重要であり、定期的に評価を検証し続ける必要があります。
PMFの重要性を理解し、スタートアップの成功に向けて事業を進めていきましょう。

PMFを達成する準備や手順を確認した上で、PDCAサイクルを回して改善を繰り返すことが大切です。
PMF達成度の測り方や検証方法は、さまざまな種類があるので、自社が設けた基準をクリアできるように改善を繰り返しましょう。

新規事業やスタートアップでのプロダクト開発を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてPMFを達成してください。

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