新規事業における2つの開発手法!プロセスや成功させるポイントを解説

2023.12.04
事業拡大開発
Wakka Inc. メディア編集部
新規事業における2つの開発手法!プロセスや成功させるポイントを解説
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

新規事業の開発は、成功すれば魅力的なマーケットで優位に立てるだけでなく、企業の成長につながる取り組みです。
ただ、新規事業には不確実要素が多く、リスクやトラブルへの対応が課題となります。

不確実性が高い新規事業の開発において、最適な開発手法の選択は重要なポイントです。
しかし、「どのような開発手法があるか」「どのフレームワークが自社に適しているか」を把握していなければ、より良い手法の選択は難しいでしょう。

本記事では新規事業開発について、代表的な2つのフレームワークや、新規事業に適した開発手法などについて解説します。

加えて、新規事業開発が成功するポイントも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

新規事業開発の基礎知識

まずは新規事業開発における基礎知識について、以下の2点を解説します。

  • 新規事業開発が求められる理由
  • 新規事業開発の課題

新規事業は、ただマーケットにないアイデアや技術を取り入れるだけでは成立しません。
新規事業開発を行う理由や解決すべき課題を把握し、より確度の高いプロジェクトを設計しましょう。

新規事業開発が求められる理由

昨今、新規事業開発が求められる背景には、以下のようなマーケットの変化が影響しています。

  • 技術革新
  • 国際情勢・社会情勢の影響による経営環境の変化
  • 市場競争の激化
  • 消費者ニーズの多様化

これらの変化は世界的に発生しており、日本も例外ではありません。
実際、日本では海外企業との競争激化やコロナ禍の影響もあって、マーケットが劇的に変化する事態が何度もありました。

このような状況で既存の事業に囚われていると、マーケットの変化に対応できず、競争力を失う恐れがあります。
そのため、多くの企業は新規事業開発によってマーケットに新たな価値を提供し、市場競争での優位性の確保や会社の持続的な成長の実現を目指しています。

また、新規事業は新しいビジネスを立ち上げるだけでなく、既存の事業の拡大も含めた経営戦略です。
新たなノウハウを積極的に取り入れて既存の事業を強化すれば、目まぐるしく変化するマーケットでも成長を継続できる企業を実現できます。

今後も国際情勢・社会情勢の変化は起こり、消費者のニーズも多様化するなど、マーケットを予測しにくい状況は続くでしょう。
しかし、そのような状況だからこそ、新規事業開発を通じて、積極的に企業の成長を図る必要があります。

新規事業開発の課題

新規事業開発が成功すれば、企業に大きな利益をもたらします。
しかし、新規事業開発はさまざまな課題をクリアしなければなりません。

とりわけ資金や人材などリソースの確保は、優先的に解決しなければならない課題でしょう。
新規事業を開始するには、企画の立案や市場調査、プロダクトの開発など多くの工程を踏みます。

これには多くの人材や時間、コストが必要なため、いかにしてこれらのリソースを捻出するかを検討しましょう。
なお、新規事業を開始しても、必ず成功するとは限りません。

想定していた期間で成果が出ず、プロジェクトを終了しなければならないケースもあります。

これらの課題を解決するためには、新規事業の準備段階に注力することが重要です。
昨今は新規事業開発に適したフレームワークが登場しており、さまざまなプロジェクトで導入されています。

フレームワークを活用することで、従来よりも低コストかつ短期間で事業を開始できます。
適切に運用すれば、新規事業によって得られる利益を最大化できる可能性が高まるでしょう。
新規事業開発に取り組むなら、ぜひフレームワークを活用してみてください。

新規事業開発の代表的なフレームワーク

新規事業を開発する際に検討される考え方は以下の2種類が代表的です。

  • リーンスタートアップ
  • オープンイノベーション

いずれの考え方も多くの企業で採用されており、さまざまなプロダクトの開発に貢献しました。
それぞれの特徴について、順番に解説します。

リーンスタートアップ

リーンスタートアップは近年さまざまな企業で多用されているフレームワークです。

リーンスタートアップの最大の特徴はスモールスタートで開発することで、低コストかつ短期間でプロダクトを開発できる点です。
開発に要するコストを減らせるだけでなく、無駄な工数を省いて開発できるので、リーンスタートアップは開発にコストをかけられないスタートアップ企業でも実践できます。

加えて、リーンスタートアップはユーザーのニーズを取り入れるプロセスを積極的に導入する点も特徴です。
取り入れたニーズをもとに何度も改善して開発を進めるため、軌道修正が容易にできるうえに、マーケットのニーズにマッチしたプロダクトを開発しやすくなります。

オープンイノベーション

オープンイノベーションも近年注目を集めているフレームワークの1つです。

オープンイノベーションは、新規事業に求められるノウハウを外部から積極的に導入して開発を進める手法です。
異業種を含めた他企業や外部の専門家と連携し、新たなプロダクトの開発を目指します。

オープンイノベーションは積極的に外部のリソースを取り入れるため、迅速な新規事業の開発を実現できます。
現在は外部向けに公開されているリソースも多いため、活用すればノウハウの拡充も実現できるでしょう。

なお、内部のリソースを公開し、他社との積極的なコラボレーションを図る手法もオープンイノベーションの一種です。

リーンスタートアップの開発手法

リーンスタートアップに該当する開発手法には、以下の3点があります。

  • アジャイル開発
  • MVP開発
  • PoC開発

いずれの開発手法も、リーンスタートアップによる新事業開発に適しています。
ただし、混同しやすいので、それぞれの特徴を正確に把握しましょう。

アジャイル開発

アジャイル開発はリーンスタートアップに該当する代表的な開発手法であり、システムやデジタルツールの開発で用いられます。

アジャイル開発はプロダクトの開発工程を機能単位で小分けにし、小さいサイクルで回しながら開発を進める手法です。
優先度の高い機能から順番に短期間に開発を進めるため、プロダクトのリリースを早められます。

加えてユーザーからの評価と改善を通じて、機能別のブラッシュアップがスムーズにできる点も特徴です。

MVP開発

MVP開発は必要最小限の機能を持ったMVPを開発し、マーケットにリリースする開発手法です。
リリース後はユーザーからのフィードバックを取り入れながら改善を繰り返し、プロダクトの完成を目指します。

MVP開発はあえてプロダクトの完成させず、必要最小限の状態でのリリースを目指すため、コストを抑えたスピーディーな開発が可能です。
さらにユーザーのフィードバックを得ながら改善することで、マーケットのニーズに合わせたプロダクトが実現しやすくなります。

PoC開発

PoC開発はプロダクトのコンセプトを事前に検証し、結果に応じた要件定義を構築したうえで開発に着手する点が特徴です。

実現する可能性や有用性などを事前に検証してから開発を行うため、新規事業が失敗するリスクの回避が可能です。

PoC開発はさまざまな業界で使用されている手法であり、新しい技術やアイデアを用いたプロダクトの開発に適しています。
また、ステークホルダーを説得する材料を得るために用いられる場合もあります。

リーンスタートアップを成功させるポイント

リーンスタートアップはスピーディーな開発を実現できるうえに、ユーザーのニーズを柔軟に取り入れやすいフレームワークです。
しかし、リーンスタートアップを成功させるなら以下のようなポイントに注意しなければなりません。

  • 市場や顧客のニーズを見極める
  • ビジョンをずらさないように注意する
  • 開発コストが高い製品の開発は避ける

リーンスタートアップは成功させるポイントを押さえれば、より効果的に実践できます。
他方で、プロダクトの内容によっては、リーンスタートアップのメリットが失われる恐れがあるので気をつけましょう。

市場や顧客のニーズを見極める

リーンスタートアップは市場や顧客のニーズの取り込みを前提にしているため、ニーズの見極めは重要なポイントです。

開発に際してニーズを積極的に取り入れれば、より顧客にマッチしたプロダクトを提供できます。
しかし表面的なニーズばかりを取り入れても、プロダクトのブラッシュアップは実現しません。

ユーザーの声からインサイトを得て、より有用なニーズを取り入れるように心がけましょう。

また、リーンスタートアップはトレンドの変化が早く、ユーザーの体験に応じたサービスの最適化が求められる市場との相性が良いフレームワークです。
対して、プロダクトに複雑な機能を求める市場には適さないので、実際にリーンスタートアップの実践は市場の傾向を見て判断しましょう。

ビジョンをずらさないように注意する

ユーザーのフィードバックはプロダクトを改善するうえで欠かせないものです。
ただし、表層的なニーズやコンセプトとずれたフィードバックを取り込みすぎると、プロダクトのビジョンがずれてしまいます。

そのため、リーンスタートアップを実践する際は、方向性を見失わないようにするためにも、常にビジョンを明確に保つ必要があります。
また、フィードバックを取り入れる際も、意見の有用性を慎重に検討しながら実践するように心がけましょう。

開発コストが高い製品の開発は避ける

リーンスタートアップの開発手法は、スピーディーかつ低コストな開発の実現を前提としています。
一方で、開発コストが高い製品の開発には不向きです。

例えば複雑な機能の搭載したプロダクトは開発期間が長くなるうえに、軌道修正の際に発生するコストがかさみやすい傾向があります。
そのため、リーンスタートアップの本来の効果を発揮できず、むしろ過剰なコストが発生する結果になりかねません。

リーンスタートアップを実践するなら、開発したいプロダクトとフレームワークの相性を確認しましょう。
もし相性が悪いと判断される場合は、別の開発手法の検討がおすすめです。

オープンイノベーションの開発手法

オープンイノベーションはリソースやノウハウの扱い方によって、以下のような3種類の手法に分けられます。

  • インバウンド型
  • アウトバウンド型
  • 連携型

オープンイノベーションはただ外部のノウハウやリソースを取り込むだけでなく、自ら発信したり、互いに補い合ったりするなど、さまざまなパターンがあります。
それぞれの手法について順番に紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

インバウンド型

インバウンド型は外部のノウハウやリソースを自社内に取り込む手法です。
主に、他企業とのM&A・技術提携・共同研究・ライセンスインなどがインバウンド型に該当します。

インバウンド型は自社に不足している要素を取り入れられる手法であり、プロジェクトがもたらすイノベーションを最大化できます。
そのため、オープンイノベーションの手法でももっとも活用されています。

アウトバウンド型

アウトバウンド型は自社が持つノウハウやリソースを外部へ提供する手法です。
技術の無償公開や売却・ライセンスアウトなどの形式で実施されます。

アウトバウンド型は自社内のノウハウやリソースを積極的に公開し、外部からアイデアを取り入れることを目的としています。
自社だけでは持て余す技術を有効活用したり、市場に参入する経営資源が不足していたりする際に役立つ手法です。

企業によっては、アウトバウンド型を実行するために他企業同士で交流できるプラットフォームやコミュニティを設立するケースもあります。

連携型

連携型はインバウンド型・アウトバウンド型両方の特性を組み合わせた手法であり、外部へのノウハウの提供や、外部からリソースの導入などを実施して開発を行う点が特徴です。
大企業とスタートアップ企業同士の連携や、産学官連携・ハッカソンなどが連携型として扱われます。

連携型のオープンイノベーションは企業同士が、互いに不足しているものを補い合う形で実施されます。
連携型は対等な関係での協業ができるうえに、シナジー効果で新規事業のイノベーションを最大化しやすい点がメリットです。

オープンイノベーションを成功させるポイント

オープンイノベーションはリーンスタートアップと並んで新規事業開発を実現する手法として注目されており、世界中の企業で実践されています。
ただし、組織の枠を超えた協業をする以上、成功させるなら以下のようなポイントを把握しなければなりません。

  • 連携機関との協力を重視する
  • ビジネスモデルの磨き込みを優先する
  • 過度な知的財産への固執はしない

企業同士で適切なシナジー効果を得るためにも、それぞれのポイントを押さえましょう。

連携機関との協力を重視する

オープンイノベーションは外部の機関との連携が前提となっているフレームワークです。
そのため、連携機関との密な連携を重視して取り組みましょう。

オープンイノベーションでは、手法によっては他企業の資本を取り入れたり、自社のノウハウを提供したりするため、互いがウィンウィンとなるために協業体制を整える必要があります。
さらにデジタルツールやプラットフォームなどを導入し、円滑なコミュニケーションができる環境を構築しましょう。

他方で、オープンイノベーションを行ううえで自社の目的は必ず明確にしなければなりません。

もし、連携機関との協力自体を目的化してしまうと、新規事業や自社の戦略の本来のコンセプトが失われる可能性があります。
連携機関との協力を重視しつつも、自社の目的や戦略と齟齬がないか逐一確認しながらオープンイノベーションに取り組みましょう。

ビジネスモデルの磨き込みを優先する

オープンイノベーションはリーンスタートアップとは異なり、マーケットに参入するタイミングよりも、ビジネスモデルの質を優先するフレームワークです。
より良い結果を得るためにも、オープンイノベーションを実施するなら、自社のビジネスモデルの磨き込みを徹底しましょう。

外部の技術に頼るだけでなく、自社から提供できる技術やノウハウの質を上げると、オープンイノベーションをより円滑に進められます。

過度な知的財産への固執はしない

オープンイノベーションを成功させるなら、過度な知的財産への固執はしないように取り組みましょう。

オープンイノベーションでは、自社から提供した技術を連携機関が利用することでよりシナジー効果を高められる場面もあります。
そのため、知的財産に固執して自社のノウハウの提供を出し惜しみすると、本来の効果を発揮できません。

連携機関をサードパーティーとして扱い、互いに技術やリソースを共有することで新たな価値を創出するように心がけましょう。

新規事業を成功させるなら開発手法にこだわろう

新規事業の開発は目まぐるしく変化するマーケットで競争力を保ち、成長を継続するうえで欠かせない経営戦略です。
実際、多くの企業が異業種への挑戦や既存業務の拡大などを通じて、企業の成長を実現してきました。

他方で、新規事業の開発は新しい価値の提供・スピーディーな開発・多様なニーズの取り込みができなければうまく活用できません。
そのため、それぞれの課題をクリアするフレームワークや、プロダクトに合った適切な開発手法を選ぶ必要があります。

昨今、さまざまな企業で用いられるリーンスタートアップやオープンイノベーションは、新規事業に適した考え方フであり、適切に実践すれば大きな成果を得られるでしょう。
開発手法の特徴や成功するポイントを把握すれば、より有効的に実践できます。

ぜひ本記事を参考に、自社の成長を実現する新規事業の開発を実現してみてください。

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