受託開発のメリット・デメリット|SIerや自社開発との違いも解説

最終更新日:2026.07.14
ラボ型・オフショア開発
中垣圭嗣
受託開発のメリット・デメリット|SIerや自社開発との違いも解説
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こんにちは。Wakka Inc.ラボマネージャーの中垣です。

受託開発とは、企業が外部の専門業者(開発ベンダー)にシステムやソフトウェアの開発を委託し、自社の要件に合わせた成果物を納品してもらう開発手法のことです。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査などによると、日本のIT人材の約7割がITベンダー側に在籍しているとされており、自社に高度なエンジニア組織を持たない企業にとって、受託開発は専門性の高いシステムを確実に構築するためのきわめて有効な手段となっています。

参照: 【IPA公式】システム開発の健全化に向けて(PDF)

しかし、受託開発には多くのメリットがある一方で、仕組みや契約形態を正しく理解していないと、思わぬコスト超過やトラブルなどの大きな損害につながるリスクもあります。また、企業の状況によっては、自社開発やラボ型開発、SESといった他の手法が向いているケースもあるでしょう。

この記事では、受託開発の基本から、発注側・受注側それぞれのメリット・デメリット、SIerや他手法との違いを徹底解説します。さらに、失敗しない開発の流れや費用相場、会社の選び方まで網羅しました。最適な開発方法を選ぶ手助けになれば幸いです。

目次

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受託開発とは

受託開発とは、企業や組織からシステム開発の要望を受け、それに沿ったシステムやソフトウェアを開発することです。受託開発は外部に依頼して開発するため、依頼主は一般企業の場合もあれば、開発ベンダーの場合もあります。
依頼を受けた会社はすべて自社だけで開発するわけではなく、多くの企業が外部に依頼してソフトウェアを開発しています。

また、受託開発には外部委託契約と請負契約があります。クライアントによって異なりますが、成果物を納品することを主とした請負契約を結ぶことが多いです。

SESとの違い

受託開発とよく混同されるのがSES(System Engineering Service)です。
SESは契約形態のひとつ(準委任契約)で、ソフトウェアの開発・保守運用などの業務に対して、エンジニアの労働力を提供します。人材育成のコストを省け、必要な労働力を都度確保できるのがSESのメリットです。

受託開発における2つの契約形態(請負契約・準委任契約)

受託開発を依頼、又は受注する際には、主に「請負契約」か「準委任契約」のいずれかを締結します。

どちらを選ぶかによって、ベンダー側の責任範囲や費用の発生基準が大きく異なるため、発注担当者は必ず押さえておく必要があります。

※表は、横にスクロールできます

比較項目請負契約(うけおい)準委任契約(じゅんいにん)
契約の目的成果物の「完成・納品」業務の「遂行・労働力の提供」
ベンダーの責任契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)あり
納品物に欠陥があれば修正義務を負う
善管注意義務あり
専門家として適切な業務を遂行する義務を負う(完成義務はない)
対価(費用)の基準成果物(システム)に対する一括、又は分割支払いエンジニアの稼働時間(人月)に対する月額支払い
メリット仕様通り完成するまで追加費用が発生しないため、予算管理がしやすい仕様変更や要件の追加に柔軟に対応できる
デメリット要件定義後の仕様変更や追加開発が難しく、融通が利きにくい成果物が完成しなくても、稼働時間分の費用が発生する
向いているケース要件やゴールが明確で、途中で仕様変更が起きにくいシステム開発要件が固まっておらず、検証を繰り返しながら進める新規事業やアジャイル開発

一般的に、要件定義からしっかりと仕様を固めて行う受託開発では「請負契約」が主流ですが、上流工程や一部の不確定要素が多い開発では「準委任契約」が採用されることもあります。 

受託開発を行うメリット

ここでは、開発会社(受注側)として受託開発を行う場合のメリットについて解説します。受託開発を行う側は、開発の工程をすべて請け負うことも可能ですが、工程の一部を外部の企業に依頼することもあります。
そのため受託開発を行う場合、メリットは以下の3つです。

  • 専門の技術がなくても開発の依頼を受けられる
  • 得意な開発分野に注力できる
  • 自社エンジニアの負担を抑えられる

専門の技術がなくても開発の依頼を受けられる

クライアントから自社が扱っている技術以外の開発依頼があった場合、その依頼を受けて良いのか迷うかもしれません。しかしその技術がないからといって受注を諦める必要はありません。
受託開発を行っている外部の企業に依頼すれば、開発を行えるからです。後述しますが、外部に開発を依頼すればリソースや工程の削減につながるメリットもあります。

得意な開発分野に注力できる

受託開発を行えば自社の得意な開発分野の技術を伸ばせます。専門ではない分野の開発を外部に委託できるからです。
例えばソフトウェアやシステムの要件定義と設計は自社で行い、開発以降の工程を外部に委託できます。ほかにも、特定の業界に絞って案件を受注することも可能です。

自社エンジニアの負担を抑えられる

さまざまな分野に対応するなら、エンジニアは幅広い技術と知識を身に付ける必要があります。扱う言語や技術が多いと、エンジニアの学習コストが高まります。
さらにさまざまな技術に対応できる人材を雇ったり、育成したりする労力もかかるでしょう。

先述のように、開発の一部を外注したり特定の分野に絞って依頼を受けたりすれば、エンジニアの業務負担を軽減できます。エンジニアの負担軽減は、企業の働きやすさの改善にもつながるのです。

受託開発を行うデメリット

ここでは、開発会社(受注側)として受託開発を行う(案件を引き受ける)場合のデメリットについて解説します。

受託開発では、案件の規模や専門性に応じて開発の一部をさらに外部(パートナー企業など)へ依頼することもあるため、自社の技術力の向上や対価の面でマイナスの影響が生じるケースがあります。具体的には、主に以下の3つのデメリットが挙げられます。

  • 自社のエンジニアが育ちにくい
  • 下請けだと売上とコストが見合わない場合がある
  • 製品がヒットしても恩恵が少ない

自社のエンジニアが育ちにくい

受託開発では、工程の一部や専門外の技術を用いる開発を外部に依頼すれば、自社エンジニアの負担を減らせます。
しかし、それは自社エンジニアの成長の機会を損失しているとも考えられます。
なぜなら、分野の違う技術や言語に触れる機会が少なく、知識や経験を得られないからです。そうなると、自社エンジニアに開発のノウハウが蓄積せず、エンジニアが育ちにくくなってしまいます。
またエンジニアによる自主学習よりも、業務で発生した課題を解決した経験の方が学習効果が高い場合も多いです。そのため、依頼された開発が自社で扱う技術と多少異なっていても、積極的に受注することをおすすめします。

下請けだと売上とコストが見合わない場合がある

受託開発はその仕組み上、受注が多重構造になりやすい特徴があります。
そして多重構造では、依頼する側が自社の利益を考えて外注するため、下層になればなるほど売上が縮小していく傾向にあります。受託開発による受注の多重構造には注意が必要です。

製品がヒットしても恩恵が少ない

受託開発では契約をするときに要件や費用が決まっているため、開発した製品がヒットしても費用的な恩恵は少ないでしょう。
サービスがヒットしても、開発をした企業には売上は直接入らず、サービスの販売元から遠くなればなるほど恩恵は少なくなります。ただし顧客に期待以上の価値を提供できれば、次の受注につながる可能性が高くなります。

受託開発をベンダーに依頼するメリット

自社に開発のリソースがない場合や、一部の開発を外部に委託する際は、SIerや受託開発を行っている企業を頼ることも多くあります。受託開発をしている企業に依頼した場合のメリットは以下の3点です。

  • 予算計画を立てやすい
  • 開発工数を削減できる
  • 開発コストを抑えやすい

予算計画を立てやすい

開発の予算を立てやすいことは、受託開発を依頼するメリットのひとつです。
通常、契約時に委託先と金額や納期、仕様などをすり合わせ、明確にします。また仕様や要件に変更がない限り、追加で費用が発生しないのも受託開発の特徴です。
予算計画を立てられれば、開発に関わる投資費用を回収するために必要な数字を洗い出せます。

  • どのくらいの期間で回収するべきか
  • どのような戦略を立てるのか
  • どのようなアクションをするか
  • 想定されるリスクはあるか

なども計画に落とし込めるため、開発後の運用もスムーズにできるでしょう。

開発工数を削減できる

ソフトウェアを開発する際に、要件定義から設計、開発、運用・保守に至るすべての工程を自社で完結させるとなると、非常に大きな負担がかかります。
受託開発で外部に依頼をすれば、依頼先の開発会社が請け負うため、工数の負担を軽減できるのです。

開発コストを抑えやすい

受託開発は、開発するソフトウェアの内容や外注先によって金額を抑えられる可能性があります。ソフトウェアや開発工程によってどのレベルのエンジニアがアサインするか決まるからです。
通常、外部に依頼せずに開発する場合は、人材の確保・育成・管理などのコストが必要になります。開発の件数が増えれば、開発に必要な人材の数も増えます。
受託開発を行う企業に依頼をすれば、上記の人材確保から育成・管理を依頼先がおこなうため、開発のコストを抑えられます
また、受託開発は先に費用も協議するため、複数の会社に相見積もりをすれば予算に合った外注先を探せるでしょう。

受託開発をベンダーに依頼するデメリット

受託開発をベンダーに依頼するデメリットは、次の2つが挙げられます。

  • 成果物の要件を変更しにくい
  • 業務のやり方までは指定できない

成果物の要件を変更しにくい

1つ目のデメリットは、成果物の要件を変更しにくいことです。
開発を依頼するときにシステムの要件や仕様を定義するため、予算の変動が少ない利点が、反対にデメリットとなることも少なくありません。
受託開発で契約後にシステムの要件が変更になると、契約内容も変わるため費用が追加でかかります。そのため、予算を超える場合は要件の変更が難しくなり、求めている成果が得られなくなる可能性もあります。

業務のやり方までは指定できない

2つ目のデメリットは、業務のやり方までは指定できない点です。
成果物の要件や仕様については、外注先と細かく協議できますが、ソフトウェアの開発手法や進め方までは指定できないため、注意が必要です。受託開発を依頼する際には、「開発をどのように進めるか」は外注先が決定します。
システムの都合上、開発のルールややり方を細かく指定しなければならない場合は、外注先と調整しましょう。

SIerと受託開発の違い

SIerはシステムインテグレーター(System Integrator)を略した言葉で、システム開発や運用などを請け負う事業又は企業のことを指します。
クライアントの要望に応じて、ソフトウェアの設計や運用、コンサルティングなどさまざまな仕事を請け負います。
一方、受託開発はソフトウェア開発の依頼を受け、開発することです。つまり、SIerは企業や事業を指し、受託開発は開発形態(契約にもとづく開発)を意味します。
SIerが受託開発を担うケースもあります。ただし、SIerでも自社開発も行う企業もあるため、SIerが受託開発のみを行っているとは限りません。

受託開発をベンダーへ依頼する一般的な流れ

受託開発でシステムを構築する場合、問い合わせから納品・保守まで、一般的に以下の6つのステップ(流れ)で進行します。全体の流れを把握しておくことで、各工程での遅延やコミュニケーション不足によるトラブルを防げます。

1. 問い合わせ・相談

まずは自社の課題や「どのようなシステムを作りたいか(システム化のイメージ)」をベンダーに伝えます。この段階で、開発の背景、予算、希望の納期などを大まかに共有し、対応可能かどうかを打診します。

2. 要件定義

プロジェクトにおいてもっとも重要な工程です。自社が求める機能やデザイン、セキュリティ基準などを洗い出し、ベンダーとともに「何をどこまでシステム化するか」という仕様(要件)を確定させます。発注側と受注側の間で「認識のズレ」をなくすことが、プロジェクト成功の鍵を握ります。

3. 見積もり・契約

要件定義で定めた仕様をもとに、ベンダーから具体的な開発スケジュールと見積書が提示されます。内容に合意できれば、前述した「請負契約」などのシステム開発委託契約を締結します。

4. 設計・開発(実装)

契約後、ベンダー側で基本設計・詳細設計を行い、プログラミング(実装)を進めます。開発が進むなかで、適宜デザインの確認や、機能のモックアップ(試作品)のレビューなどを挟みながら進行することが一般的です。

5. 検収・納品

システムの開発が完了すると、まずはベンダー側でテストが行われます。その後、発注側(自社)でもシステムが要件通りに正しく動作するかを確認する「検収テスト」を行います。不具合がなければ検収書を発行し、正式に納品完了となります。

6. 運用・保守

システムは納品後も継続的な運用・保守が必要です。リリース後のトラブル対応、サーバーやOSのアップデートに伴うメンテナンス、あるいは新機能の追加や改善などを行うため、別途「運用保守契約」を結んで継続的にサポートを依頼します。

受託開発の費用相場

受託開発の費用は、開発するシステムの規模、必要な機能、アサインするエンジニアの人数や期間(人月)によって大きく変動します。一般的なジャンルごとの目安は以下の通りです。

※表は、横にスクロールできます

システムの規模費用の目安
小規模システム
(シンプルなWebサイト・社内ツールなど)
数十万円 〜 300万円程度
中規模システム
(一般的なECサイト、マッチングサイト、標準的な業務システムなど)
300万円 〜 1,000万円程度
大規模システム
(基幹システム、高機能なスマートフォンアプリ、プラットフォーム開発など)
1,000万円 〜 数千万円、あるいは数億円

受託開発の費用は、既存のパッケージ(CMSや既製のシステムテンプレートなど)を活用するか、一から完全にオリジナルで構築するフルスクラッチ開発かによっても大きく変動します。自社の予算と目的に合わせて最適な開発手法を選ぶ基準については、以下の記事で詳しく解説しています。 

▼参考記事
スクラッチ開発とパッケージ開発の違いとは?メリット・デメリットや選定基準を解説 

失敗しない受託開発会社の選び方チェックリスト

受託開発を成功させるためには、自社に最適な開発ベンダーを選定することが極めて重要です。価格だけで判断せず、以下の5つのポイントをチェックリストとして活用してください。

※表は、横にスクロールできます

項目詳細
同業種や類似システムの開発実績が豊富か過去に似たようなシステムや業界の開発経験があるベンダーは、特有の商習慣や注意点を熟知しているため、上流工程での提案力が高くトラブルを回避しやすいです。
要件定義(上流工程)でのコミュニケーション力や提案力が高いかこちらの要望をそのまま受けるだけでなく、「その目的であれば、こちらの機能の方が費用対効果が高い」など、ビジネス視点で建設的な提案をしてくれる会社を選びましょう。
見積もり内容やスケジュールが明確かつ妥当か見積書の「システム開発一式」といった大雑把な表記を避け、どの機能にいくらかかるのか(内訳)が明確であり、スケジュールにも無理がないかを確認します。
開発後の保守・運用体制まで整っているかシステムはリリース後の運用が本番です。トラブル時のサポート体制や、将来的な機能拡張に対応できるリソースがあるかを事前に確認しておきます。
依頼内容に応じた適切な契約形態(請負・準委任)を提案してくれるか不確定要素が多いプロジェクトに対して、無理に請負契約で進めようとせず、フェーズに合わせた最適な契約を柔軟に提示してくれる会社は信頼がおけます。

自社開発とは

自社開発は、自社の商品やサービスとしてのシステムを企画から設計・開発まですべて自社内で行うことです。
自社内で利用するシステムやユーザーに提供するソフトウェアなどを開発します。
要件の定義から設計、開発、保守運用まですべての工程を自社で完結させるため、プロジェクトを担うメンバーもすべて自分たちで用意しなければなりません。
受託開発と違い、開発のスケジュールを自社で自由に決められるのも自社開発の大きな特徴です。

自社開発のメリット

前述したように、自社開発は開発の工程をすべて自分たちで行うため、スケジュールの調整や仕様の変更が柔軟にできます。
自社開発は、企業とアサインするエンジニア双方にメリットがありますが、今回は企業側のメリットに絞ってお伝えします。自社開発のメリットは次の4つです。

  • 余裕を持ったスケジュールで開発できる
  • サービスがヒットすれば大きな恩恵を受けられる
  • エンドユーザーからの評価を改善に活かせる
  • 自社エンジニアのスキルを高められる

余裕を持ったスケジュールで開発できる

自社開発では、すべての工程を自社で管理できるので開発の方法を自由に決められ、余裕を持ったスケジュールで開発できます。
ソフトウェアの要件定義やリリース後の戦略を考えるのに時間をかけて開発できます。
また、システムを機能単位で開発し、実装とテスト・修正を繰り返して価値を高めていく、アジャイル開発のようなやり方も行えます。

サービスがヒットすれば大きな恩恵を受けられる

自社開発は自社のサービスとして開発・販売をするため、ヒットすれば大きな恩恵を受けられるでしょう。
市場のニーズに合い、顧客の課題を解決できるソフトウェアやシステムを開発できれば売上の増加を見込めます。増加した売上をさらなる開発費用に回したり、エンジニアに還元したりすることも可能です。

エンドユーザーからの評価を改善に活かせる

エンドユーザーからの評価を改善に活かせるのも、自社開発のメリットの一つです。
自社開発はエンドユーザーとの距離が近く、顧客の声や評価を直接確認できます。
例えば、「社内専用ツールに業務を効率化する機能を追加してほしい」「カート機能が使いにくいので改善してほしい」などの要望を収集し、機能改善につなげられるでしょう。

自社エンジニアのスキルを高められる

自社開発のメリット4つ目は、自社エンジニアのスキルを高められることです。
課題を解決するためのアイデアをシステムに組み込み、開発するのは容易ではありません。高度な技術を必要とするシステムは、開発を進める中で問題にぶつかることも多いでしょう。
しかし問題を解決するたびにノウハウが蓄積されるため、エンジニアは成長のチャンスを得られます。
エンジニアのスキルが高まり幅広い開発に対応できるようになると、受託開発の事業を展開したり、ビジネスの幅を広げたりすることも可能です。
ただし、いくらスキルが高いエンジニアでもリソースに限界があるため、負担のかけ過ぎにならないように注意しましょう。

自社開発のデメリット

自社開発は、ユーザーや自社の課題を解決するアイデアを形にするために開発をしますが、システム要件が複雑になれば、その分高度な技術を必要とします。
人材の確保や、サービスをヒットさせるための戦略を考えるなど、開発以外の部分でも負担がかかります。自社開発のデメリットは以下の3つです。

  • 失敗のリスクがある
  • 開発にかかるコストが高い
  • 自社エンジニアの負担が大きくなる

失敗のリスクがある

自社開発をしたシステムが必ずヒットするとは限らず、失敗するリスクもあります。開発に多くのコストを投入した場合、そのぶん失敗したときの損失も大きくなります
自社サービスとして市場に提供するなら、より良いサービスを多くの人に届けるためのマーケティング戦略を練ることが重要です。
また複数のリスク回避シナリオを考え、もし失敗してしまってもリカバリーできるようにしておくことも忘れてはいけません。

開発にかかるコストが高い

自社開発はコストが高くなりやすいです。仕様や要件、スケジュールなどを変更しやすいからです。
システムの仕様が変わるとスケジュールにも大幅な変更が必要になります。スケジュールが変わり、開発が遅くなるとリリースする日も先送りになるため、開発にかかるコストも膨らみます。
開発にかかった人件費や時間的なコストが大きくなるほど、回収や万が一の撤退判断の難易度は高まるでしょう。

自社エンジニアの負担が大きくなる

自社開発のデメリットには、自社エンジニアの負担が大きくなる点も挙げられます。エンジニアの負担が大きくなる要因は次の通りです。

  • 度重なる仕様変更がある
  • エンジニアの対応できない技術がある
  • 十分な開発期間がない

エンジニアの負担を減らすためには、技術責任者とよく相談しながら要件を決定して、余裕を持った計画を立てると良いでしょう。

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【10分でわかる】ラボ型開発ガイドブック忙しい方でもサクッとわかる

開発リソース不足に悩んでいる方や、エンジニアの採用に苦労している方にオススメ

ラボ型開発とは

ラボ型開発とは外部に開発業務を依頼する契約形態の1つで、一定期間中に専属のチームを揃えて開発をすることです。依頼された会社は成果物の納品ではなく、開発のリソースを提供します。
日本でのラボ型開発は、主に海外のチームでの開発を指すことが多いです。
またラボ型開発はシステムの詳細が決まっておらず、開発しながら要件を定めていくプロジェクトが向いているといわれています。

▼ラボ型開発と請負契約の違いについては以下の記事を参考にしてください
ラボ型契約とは?請負契約との違いとメリット・デメリットを解説

ラボ型開発のメリット

ラボ型開発のメリットは以下の3つです。

  • 継続的なリソースを確保できる
  • 仕様変更に対し柔軟に対応できる
  • 開発ノウハウを蓄積できる

開発をしながら要件を定めたい
エンジニアが足りない
このような企業は、ラボ型開発によって上記のメリットを最大限に活用できます。

継続的なリソースを確保できる

ラボ型開発は専任のチームを確保するため、継続的にリソースを確保できます
請負で開発を依頼する場合には、請け負う側のリソースが空いているとは限らないため、依頼を断られる可能性があります。
ラボ型開発であれば専任のチームを確保するため、リソース不足によって開発できないリスクを回避できるでしょう。

仕様変更に対し柔軟に対応できる

請負契約では、工数やコストの関係で、基本的に契約後の仕様変更はできません。しかしラボ型開発であれば、ビジネス要件や仮説検証の結果による、機能や仕様の細かな変更にも対応可能です。
一定期間の開発業務を依頼する契約で、自社の専任エンジニアチームが開発を行うからです。
また、ラボ型開発では仕様を変更する際に追加で費用がかかることもありません

開発ノウハウを蓄積できる

受託開発をする企業に依頼する際の課題は、自社に開発ノウハウを蓄積できないことです。
一方で、ラボ型開発では自社の専任チームとして開発を進めるため、ノウハウを蓄積しやすいのです。社内に開発のノウハウが貯まれば開発期間の短縮や、エンジニアの成長にもつながります。
ノウハウの蓄積は中長期的な視点で見ると大きなメリットといえます。

ラボ型開発のデメリット

ラボ型契約は一定期間の契約のため、継続的にリソースを確保できる一方で、専属チームを確保するまでの時間を要します。そのため、以下のデメリットが挙げられます。

  • 開発にすぐ着手できるわけではない
  • 作業がなくても費用は発生する

開発にすぐ着手できるわけではない

ラボ型開発は、契約をしてから開発に着手するまでに時間がかかるのがデメリットです。専任のエンジニアチームを確保するには、現地のエンジニアの採用や面接が必要です。
そのため、契約から1、2か月は採用活動が中心になります。
また、プロジェクトの説明やチームを構成する時間もかかります。採用やチーム構成にかかる期間を逆算し、計画的に進めることが重要です。

作業がなくても費用は発生する

ラボ型開発のデメリット2つ目は、作業がなくても費用は発生する点です。
ラボ型開発は一定の期間を定めて契約をするため、契約期間中は費用がかかります。
仮に開発が早まり、エンジニアチームの稼働がなくても契約を終了できないため、開発が計画よりも早く進んだ場合のプランも用意しておくのがポイントです。

このように、ラボ型開発は柔軟性が高い一方で、発注側にも一定のマネジメント負担が求められるなどのデメリットがあります。

受託開発よりも柔軟にリソースを確保し、仕様変更にも臨機応変に対応したい場合は、ラボ型開発が非常に有効な選択肢となります。ラボ型開発の詳しい仕組みや、受託開発との具体的なコスト・体制の違いについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

▼参考記事
ラボ型開発(契約)とは?メリットや請負・SESとの違い、向いているケースを解説

受託開発に関するよくある質問(FAQ) 

受託開発を検討している企業の担当者様からよくいただく、代表的な質問にお答えします。

Q1. 受託開発とSESはどちらを選ぶべきですか?

A. 求めるゴールによって異なります。 「成果物の完成・納品」を重視し、仕様通りにブレなく作ってもらいたい場合は受託開発(請負)が適しています。一方で、自社チームのエンジニア不足を補いたい場合や、開発を進めながら柔軟に仕様を変更・追加していきたい場合は、労働力を提供してもらうSES(準委任)が向いています。

Q2. 受託開発はなぜ「やめておけ」と言われるのですか?

A. 発注側・受注側それぞれに特有のトラブルリスクがあるためです。 開発会社(受注側)の視点では、多重下請け構造による過酷な労働環境や低利益が理由として語られることが多いです。 しかし、発注企業(依頼側)の視点においては、要件定義の不足やベンダーとのコミュニケーション不足によって「巨額のコストをかけたのに、思っていたものと違う成果物が納品されてしまった」という失敗談が原因です。受託開発を「やめておくべき失敗」にしないためには、事前の要件定義を綿密に行い、信頼できる受託開発会社を慎重に選定することが大切です。

まとめ|開発手段や契約方法は目的に合わせて選ぶのがコツ

今回は受託開発や自社開発、SIerなどの違いについてご紹介しました。それぞれの違いを簡単にまとめると下記の通りです。

  • 受託開発、SES、ラボ型開発は契約方法が違う
  • 自社開発は開発の手段を指す
  • SIerは開発を行う企業や事業を意味する

目的に合った契約方法や手段を選ばないと、トラブルが起こったり期待通りの成果が得られなかったりする恐れがあります。どの開発方法が自社に適しているのか分からない場合には、まずは開発のノウハウを持っている企業に相談してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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