ECサイトに欠かせないWebシミュレーション機能|仕組みや導入方法、事例を解説

最終更新日:2024.10.09
EC開発
Wakka Inc. メディア編集部
ECサイトに欠かせないWebシミュレーション機能|仕組みや導入方法、事例を解説
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

ECサイトでの買い物にまつわる不安を減らすための方法として、Webシミュレーションを活用する方法があります。
忙しいため実店舗になかなか行けない、試着やお試しができないネットショッピングに抵抗があるという方も少なくありません。

また、消費者がネットショッピングで購入イメージがわかないことで、購入機会を損失していると悩む企業も多いでしょう。

そこで本記事ではECサイトにおけるWebシミュレーションについて徹底解説します。

Webシミュレーションの構築費用や導入の流れもご紹介するので、導入を検討中の方はぜひ最後までお読みください。

目次

Webシミュレーション機能とは

Webシミュレーションとは、デジタル上で商品を利用しているかのような体験を再現する技術です。

ユーザーに商品やサービスを試している感覚を与え、顧客満足度や売上の向上を目指すことを目的としています。

化粧品のECサイトを例にあげると、スマホアプリで撮影した自分の顔に、チークや口紅などの商品を試しているかのようなビジュアルを確認できます。

従来であれば実店舗で実物を見たり試着をしたりしないと判断が難しかった商品を、Web上で試せるのが一番の魅力です。

また、デジタル上でカスタマイズも可能なため、受注生産やフルオーダーのサービスとの相性も抜群です。

これにより、個別にカスタマイズされた商品を提供するビジネスにおいても効率的な販売促進をサポートします

Webシミュレーション導入の最大のメリットは「顧客満足度の向上」

Webシミュレーションの大きな魅力は、オンライン環境さえあればどこでも購入体験が可能な点です

インターネットが普及する前であれば店舗に行かなければできなかった体験を、Webシミュレーションは自宅にいながら実現できます。

自宅でカスタマイズや試着体験ができることでユーザーにワクワク感を与え、結果として購入意欲を高める効果が期待できます。

また、ネットショッピングを楽しむユーザーには「失敗したくない」という不安がつきまとうことも忘れてはいけません。

ECサイトでの買い物は実店舗での買い物とは違い、店員とのコミュニケーションがなく、商品について質問する機会が少ないのが難点です。

Webシミュレーションには、その不安を解消する役割もあります。

Webシミュレーションは、カタログなどの静的な広告に比べて高い訴求力を持ち、売上アップに貢献する技術です。

Webシミュレーション構築費用

Webシミュレーションの導入費用の相場は、数十万円〜数百万円です。

既存のツールを導入するのみで運用が可能なケースと、ゼロから構築するケースで費用は異なります。

ツールを導入する場合は比較的安く済みますが、ゼロから構築したり外注したりすると高額になる傾向です。

開発費以外にも、管理料やライセンスフィーなどの追加費用がかかる場合もあります。

Webシミュレーションの構築を外注する際には、予算と求める内容に合わせて見積もりを取ることが大切です。

Webシミュレーションの導入方法

Webシミュレーションの導入は以下の流れで進めていきます。

  1. 導入の目的を決める
  2. 完成図をイメージする
  3. 提案依頼書(RFP)を作成する
  4. サービス管理者と維持・管理方法を決める
  5. 外注先を探す
  6. 進捗の確認と擦り合わせを行う
  7. 修正を依頼し納品を待つ

では詳細を解説します。

Webシミュレーションの目的を決める

はじめに、なぜWebシミュレーションの導入が必要なのか、その理由を明確にする必要があります。

  • ユーザーのどのような悩みを解決するのか
  • 売上をどのくらいアップさせたいのか

ユーザー目線でWebシミュレーションによって解決する課題を明確にしなければ、導入の目的や効果が薄れてしまいます。

ユーザーの不安解消やニーズへの対応など、具体的な効果を明確化した上で完成図のイメージにつなげていきましょう。

Webシミュレーションの完成図をイメージする

Webシミュレーションの目的を明確化した後は、完成図のイメージをまとめましょう。

デザインや機能だけでなく、ユーザーがどのような動線で購入や問い合わせに至るかをイメージすることが大切です。

見た目や機能にこだわりすぎた結果、当初の目的を忘れてしまっては本末転倒です。

最初に決めた目的から逸れないよう、チームで擦り合わせてイメージを固めましょう。

提案依頼書(RFP)を作成する

提案依頼書(RFP)は、プロジェクトや業務の提案を依頼する際に作成する文書です。

具体的なニーズや要求事項、期待する成果などを整理し、外注先に提案を依頼する際に使用されます。

課題や目標、目的を明確にしてWebシミュレーションの構築を進めるためにはRPFは必要不可欠です。

RFPを作成することで、外注先との認識のズレや情報格差を減らし、プロジェクトをスムーズに進行できます。

RFPを作成し、外注先との擦り合わせを有効に進められるようにしましょう。

あわせて読みたい:【テンプレあり】成果が出るRFPとは?作成手順とポイントを解説

サービスの管理者と維持・管理方法を決める

Webシミュレーションを導入する際は、サービスの管理者を決め、誰が維持・管理を行うかをしっかり決めることが大切です。

担当者や具体的な作業内容を決めるとともに、管理費や維持費を予算に組み込むことも忘れずに行いましょう。

手間やノウハウに不安があり、自社の従業員だけでは維持管理が不可能な場合は、運用も含めた外注を検討する必要があります。

あわせて読みたい:プロジェクト管理の重要性とは?管理手法や成功のポイントを解説

外注先を探す

Webシミュレーションの導入にあたって、自社だけで完結するのが困難な場合は外注先の選定も必要です。

まずは複数の企業に見積もりを取り、予算やサービス内容を比較しましょう。

Webシミュレーションに関わらず、Webコンテンツの作成は企業理念や想いを外注先に丁寧に伝える必要があります。

企業の顔となる大切なWebサイトの構築を依頼するからには、念入りな擦り合わせをしなければなりません。

打ち合わせやコミュニケーションの面で余計なストレスを抱えないよう、信頼できる外注先を選びましょう。

複数の候補があり、迷ったときはコンペ形式で行うのもおすすめです。

進捗の確認と擦り合わせを行う

Webシミュレーションの構築では、外注先とのこまめなコミュニケーションが不可欠です。

進捗状況や問題点を確認するため、定期的なミーティングは発注側が主導して行うのが理想的です。

専門的な部分は外注先に依頼しつつ、自社のイメージや理念、想いなど重要な部分は社内でしっかりと確認しましょう。

修正を依頼し納品を待つ

Webシミュレーションの構築が完了したら、必要に応じて修正を依頼します。

デザインや操作性はもちろんのこと、エラーや誤作動などがないかも丁寧に確認しましょう。

問題がなければ納品となりますが、導入後にエラーが発生した場合の対処法なども確認しておくと安心です。

Webシミュレーション構築を依頼する前に決めておくこと

Webシミュレーションの構築を依頼する前に、自社で必ず決めておかなければならないことがあります。

  • シミュレーションの内容や目的
  • シミュレーション範囲
  • 予算や運用方法

上記は重要なポイントですので、必ず決めておきましょう。

シミュレーションの内容や目的

ひと口にWebシミュレーションと言っても、その仕様はサービスや商品によって大きく異なります。

Webシミュレーションの導入で成果を出すには、顧客が何を求めているのかをリサーチすることと、自社としてどのような課題を解決したいのかを明らかにするプロセスが欠かせません。

顧客満足度の評価指標や具体的な売上目標を明確化した上で、Webシミュレーションの内容を検討しましょう。

シミュレーション範囲

Webシミュレーションは、ユーザーが使いやすい動線設計を考慮し、シミュレーションの範囲を絞って設計することが大切です。

あれこれと不必要な機能を実装するのは、顧客満足度の低下につながります。

ユーザーが使用する様子をイメージしながら、チーム内でシミュレーション範囲を検討しましょう。

予算や運用方法

Webシミュレーションの導入には、構築費用だけでなく維持や管理に必要なランニングコストがかかります。

構築は外注し運用は自社で行うのか、それともすべて外注先に依頼するのかによって、予算配分は大きく異なります。

長期的な運用の成功につなげるためにも、運用方法に合わせて適切な予算を確保しましょう。

Webシミュレーション構築を外注する際の注意点

外注してWebシミュレーションを構築する場合は以下の点を意識すると、コミュニケーションが円滑になり、プロジェクトをスムーズに進められます。

  • 担当者が構築内容を正確に把握する
  • スキルや実績を重視する
  • 相見積もりを取る
  • 運用や保守も想定する
  • 外注先と進捗を擦り合わせながら進める

詳細を次項で解説します。

担当者が構築内容を正確に把握する

Webシミュレーションの構築を外注する場合、まずは自社の担当者が仕様や完成図をしっかりと把握しておく必要があります。

自社の担当者が内容を理解していなければ、外注先に正確な依頼ができません。

また、自社と外注先の認識にズレが生じると、システムが想定外の仕上がりになったり大幅な修正が必要になる可能性があります。

スキルや実績を重視する

外注先を選ぶ際は、自社が希望するWebシミュレーションシステムの開発実績があるかも確認しましょう。

Web開発事業もさまざまな分野があり、外注先によっては自社の望むものを作るのが難しいケースもあります。

自社と同じ業界、又は類似するサービスのWeb開発をした実績がある企業へ外注すると、やりとりで生じる不安やストレス軽減にも効果的です。

コミュニケーションコストの削減にもつながり、時間や手間をかけずに依頼通りのWebシミュレーションシステムを作れます。

相見積もりを取る

Webサイトの構築で大きな悩みどころとなるのが、外注した場合の費用です。

費用は外注先によって大きく異なる場合があるので、まずは複数社から見積もりを取り、費用相場を確認してください。

開発会社を選ぶ際は、費用だけでなく以下の点も加味して選ぶと良いでしょう。

  • 開発品質
  • スピード
  • コミュニケーション力など

費用と品質の両面で自社の望むものを提供できる会社を選ぶ必要があります。

運用や保守も想定する

システムを適切に運用するためには、定期的なメンテナンスやアップデートが必要です。

運用や保守を自社で対応するのか、あるいは外注先に依頼するのかを決めなければなりません。

仮に外注したとして、自社の担当者も開発・納品後のシステム開発会社の体制を確認しておく必要があります。

システムの運用や保守には追加費用がかかることも多いので、外注する場合は費用感も事前に確認しておきましょう。

外注先と進捗を擦り合わせながら進める

Webサイトの構築では、外注先に任せきりにせず、自社の従業員もプロジェクトに積極的に関わりましょう。

技術面を深いところまで理解する必要はありませんが、Webシミュレーションの目的や運用の仕方などは自社が主導して決定すべき事項です。

自社の完成イメージと外注先の意見が分かれる場合は、認識が大きくズレないよう早めに対処する必要があります。

お互いが気持ちよくコミュニケーションを取れるよう、普段から風通しの良い環境を整えるよう意識することが大切です。

ECサイトでのWebシミュレーションを活用した事例5選

Webシミュレーションを導入し活用している事例を5つ紹介します。

  • IKEA
  • NIKE
  • MAQuillAGE
  • UNIQLO
  • DANKAN

5つの異なる業種を参考にすると、Webシミュレーションの汎用性の高さがわかります。

IKEA

引用:IKEA【公式】

IKEAのプランニングツールは「家具を家に置いたらどのような雰囲気になるのか」というユーザーの疑問を解消するためのWebシミュレーションです。

大型家具やインテリアにはお試しの概念がなく、いざ購入しても自分の部屋に合わないリスクもあります。

プランニングツールを使えば、リビングや寝室、バスルームなど空間に合わせて家具を配置できます。

パーツや色の変更も自由自在に変更可能です。

幅広い組み合わせから理想にぴったりのイメージを見つけられるので、インテリアの知識がないユーザーも空間コーディネートを楽しめるのが魅力です。

幅広い組み合わせから理想にぴったりのイメージを見つけられるので、インテリアの知識がないユーザーも空間コーディネートを楽しめるのが魅力です。

参照:プランニングツール|IKEA【公式】

NIKE

引用:ジョーダンブランド.オンラインストア

NIKEのECサイトでは、既存のモデルだけでなく、好みのデザインを自由にカスタマイズできるWebシミュレーションを活用しています。

アッパーやスワッシュ、シューレースなどのパーツを自由に選べる点がスニーカーファンに受けています。

CGアニメーションで完成品を立体的に確認できるのも大きな特徴です。

参照:NIKE 

MAQuillAGE

引用:MAQuillAGE

コスメブランドのMAQuillAGE(マキアージュ)は、メイクアイテムをバーチャルで楽しめるWebシミュレーションを導入しています。

自分に合うメイクアイテムの選びやすさを徹底したECサイトとして好評です。

自分の顔に気になるアイテムでメイクしたイメージを確認できるので、口紅やアイシャドーの色が合わないなどの失敗を防げます。

バーチャルシミュレートの他、パーソナルカラー診断や3D顔診断にも対応しており、より自身に合うアイテムを選びやすくなる工夫がされています。

参照:【MAKEUP SIMULATOR】TOP|FEATURES|MAQuillAGE(マキアージュ) 

UNIQLO

引用元:ユニクロ公式オンラインストア 

ユニクロでは「MySize CAMERA」と「MySize ASSIST」というWebシミュレーションサービスを提供しています。

アプリを使って個人の体型に合わせたシミュレーションができ、最適な服のサイズをユーザーへ提案します。

身長と体重だけではわからないような体型ごとのおすすめのサイズがわかり、オンラインショッピングでの不安解消にも有用です。

参照:オンラインストアでのサイズ選びが、より簡単に ~「MySize CAMERA」と「MySize ASSIST」のサービスを本格展開~ – UNIQLO ユニクロ 

 DANKAN

引用:DANKAN 

DANKANはネット上でスーツをカスタムできるECサイトを構築しました。

スーツの素材や色、ボタンなどをすべて自分でカスタマイズする仕様で、自分の好みに合った1着を作れます。

シミュレーション中はネクタイやシャツの色を選択できるため、自身の持っているアイテムとの組み合わせを想像する楽しみもあります。

シミュレーション機能によって、家にいながら自分の好みに完全に合ったセミオーダースーツを作れるのは忙しいビジネスパーソンにとって非常に魅力的なサービスです。

参照:DANKAN スーツシミュレーター 

Webシミュレーションを用いて売上を向上させよう

Webシミュレーションは、ユーザーがデジタルを通してサービスや商品をリアルに試しているような体験を与えます。

自社のサービスや商品に適した機能を構築することは、顧客満足度と売上の向上につながります。

Webシミュレーションの導入を検討している方は、まず導入に必要な情報と人材を確保することが大切です。

自社での対応が難しい場合は、Webシミュレーションの構築実績がある会社への外注を検討しましょう。

外注先との認識のズレをなくすため、シミュレーションの内容や範囲、運用方法などを明確にすることも大切です。

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