ECと基幹システムを連携するメリットとは?連携時のポイントも解説

2023.02.13
EC開発
安藤 大海
ECと基幹システムを連携するメリットとは?連携時のポイントも解説
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こんにちは。Wakka Inc.のWebディレクターの安藤です。
ECサイトと基幹システムを連携して効率的な運営をしている企業は少なくありません。ECサイトや基幹システムはそれぞれ単独でも非常に便利なシステムですが、連携させることでしか得られないメリットもあるのです。
本記事では、ECサイトと基幹システムの連携をするメリットや注意点から連携時のポイントまで詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。

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目次

ECサイトと基幹システムとの関係性

基幹システムは生産管理や受発注管理などの業務システムを一元化したもので、経営に直接関係する重要なシステムです。
ECサイトは自社の商品を販売し、在庫の状況や販売データを保存・管理しています。基幹システムとECサイトを連携すると、顧客の購買情報や在庫情報、資材管理や受発注管理が一貫して行えます。
基幹システムと自社のECサイトを所有しているのであれば、連携することでシステムをより効果的に運用できるでしょう。

基幹システムとECサイトの連携が必要になるケース

基幹システムとECサイトは扱っているデータの一部が似ているため、連携する際の相性が良いと言われます。では実際、どのような場合に基幹システムとECサイトの連携が必要になるのでしょうか。
主なケースは以下の通りです。

  • 商品数が多い場合
  • 受注から発注までの業務フローが複雑な場合
  • リアルタイムで在庫を確認する必要がある場合
  • 少ない人数で多くの業務を行う場合

上記にひとつでも当てはまる場合は両者の連携を検討するのが良いでしょう。

商品数が多い場合

商品数が多い場合は、基幹システムとECサイトの連携が必要でしょう。商品数が多いほど商品登録やデータ更新に掛かる作業工数が増え、膨大な時間を費やすからです。
商品数が豊富なECサイトは、顧客にとっては魅力的なツールですが、それだけ手間が掛かるのも事実です。
ECサイトと基幹システム連携されていないと、商品が売れたときや新商品の追加・削除時に、ECサイトと基幹システムをそれぞれ更新する作業が発生します。

商品の数だけ更新作業が必要なため、商品数が多いほど時間も掛かるでしょう。
万が一、違う写真を掲載したり、価格が間違っていたり、終売した商品が残っていたりすると、ブランドの信用に影響を与えかねません。
業務効率を向上させヒューマンエラーを防ぐためにも、基幹システムとECサイトの連携は重要なのです。

受注から発注までの業務フローが複雑な場合

受注から発注までの業務フローが複雑な場合も、ECと基幹システムの連携は有効です。
例えば、受注・発注時に作成する書類や確認事項が多く、各方面で承認が必要になる場合。簡易なECサイトの場合は、そこまで複雑な受発注業務に対応するのは難しいかもしれません。
ECサイトと基幹システムを連携することで、ECサイトの受発注に関連する業務をカバーできるため、労力が削減され業務効率の向上につながります

リアルタイムで在庫を確認する必要がある場合

商品の在庫状況をリアルタイムで確認する必要がある場合にも、基幹システムとECの連携は役立ちます。例えば実店舗とECサイトで在庫の少ない同じ商品を扱っているケースなどです。
実店舗とECサイトの商品が同じタイミングで売れた際に、在庫が不足する恐れがあります。
実店舗の在庫状況をECサイトにも即座に反映できれば、在庫不足によるトラブルを防げるのです。

少ない人数で多くの業務を行う場合

少ない人数で多くの業務に対応しなければならないときは、基幹システムとECサイトを連携した方が良いでしょう。
一人ひとりの業務量が多いと業務の効率が低下するだけでなく、社員のストレスが高まり、全体の指揮に影響する恐れがあります。
例えば、ECサイトの更新作業と基幹システムの入力作業の両方を、限られた社員で対応しなければならない場合などです。またECサイトの商品数が膨大で少人数では対応しきれない場合などもあるでしょう。
このような状況を把握するためには、業務量が過多になっていないか、常に現場スタッフの声に耳を傾ける姿勢も重要です。

ECサイトと基幹システムを連携するメリット

基幹システムとECサイトの連携には、多くのメリットがあります。
代表的なメリットは、以下の4つです。

  • ヒューマンエラーを軽減できる
  • 入力の工数が減って業務を効率化できる
  • ECサイトの品質が向上する
  • 経営戦略を考えるヒントになる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ヒューマンエラーを軽減できる

1つ目のメリットは、ヒューマンエラーを軽減できることです。
ECサイトと基幹システムを連携すると、ECサイトの商品情報や受発注情報を自動で取得できます。そのため各データの入力や処理が一部不要になります。
データの入力や処理を手作業で行う量が少なくなるため、入力ミスや計算ミスも減少するのです。

入力の工数が減って業務を効率化できる

2つ目のメリットは、工数が減って業務を効率化できることです。
ECサイトと基幹システムが連携されていない場合、商品や在庫情報の登録・修正・更新を、基幹システムとECサイトの両方で処理しなければなりません。
また基幹システムとECサイトでは仕様が異なるため、管理する情報も複雑になります。ECと基幹システムを連携すれば、データ入力と確認の工数が減るため、効率の向上が期待できるでしょう

ECサイトの品質が向上する

3つ目のメリットは、ECサイトの品質向上です。
基幹システムとの連携によってECサイトの品質が向上する理由は次の通りです。

  • リアルタイムで情報を確認できる
  • 在庫をコントロールできる

例えば実店舗よりECサイトのほうが売れている商品がある場合、実店舗の在庫を少なくし、ECの在庫を多くするなどの対応が可能です。
ECサイトの質が向上すれば、ユーザビリティが高まり、顧客の信頼獲得にもつながるでしょう。

経営戦略を考えるためのヒントを得られる

4つ目のメリットは、経営戦略を考えるためのヒントを得られることです。
経営戦略を考える際には、ECサイトの購買データや顧客情報を分析・活用します近年のECサイトのシステムはさまざまな情報を取得できるようになっていますが、基幹システムの情報と連携させることで、より高度な分析が可能となるでしょう。
基幹システムとECサイトを連携することによって、膨大なデータを一元化できるため、情報の取得も容易になります。

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基幹システムとECサイトを連携する方法

ここからは、基幹システムとECサイトを連携する方法を見ていきましょう。
それぞれの連携方法にはメリット、デメリットがあり、開発費用も異なります。

  • API連携
  • ファイル連携
  • データベース連携

代表的な連携方法は上記の3つです。

API連携

APIとは、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)の略称です。
システムやソフトウェア、Webサービスの間をつなぐ接点(インターフェース)を指します。システム同士やシステムとWebサービスとの機能をつなぎ拡張できるのがAPI連携の特徴です。ふ
API連携をするとリアルタイムに情報共有ができ、セキュリティの強度も向上するメリットがあります。
ただしAPI連携は、他の連携方法と比較すると費用が高くなる傾向にあります。
基幹システムは、クローズドでアクセスしにくいシステム構造であり、元々APIが用意されていなければ、改めて設計や構築をする必要があるためです。

ファイル連携

ファイル連携は送信されたデータをExcelやCSVなどのファイル形式で出力し、通信プロトコル*を使って転送を行う連携方法です。転送されたファイルを受信側のシステムが取り込み、情報を読み込めるようにします。
ファイル連携はシステムやプログラムの仕様を変更する必要がないのが特徴です
さらに一度に大量のデータを連携できる点も優れています。
またシステムの仕様変更も必要ないことから、導入費用は安価な場合が多いです。ただし、データの加工や編集、完全自動化などの複雑な処理には不向きでしょう。

※通信プロトコル……異なるデバイスやシステム、ソフトウェアなどがお互いに通信するために制定された規格

データベース連携

データベース連携は相手のデータベースに直接アクセスしてデータを共有する方法です。データベースにアクセスできれば、基本的にすべてのデータを取り込めます。
ただし、ECサイト側のセキュリティによってはアクセスが許可されないこともあるため、連携には事前の確認が必要です。

基幹システムとECサイトの連携する際のポイント

基幹システムとECサイトを連携する際に意識すべきポイントは以下の4つです。

  • 連携するデータの範囲・データ量・頻度を考える
  • 適切な連携手法を考える
  • セキュリティ面に注意する
  • システムのトラブルやエラーに備える

それぞれ詳しく解説します。

連携するデータの範囲・データ量・頻度を考える

1つ目は連携するデータの範囲・量・頻度を考えることです。
ECサイトでは商品情報・注文情報・顧客情報など多くの情報を扱います。そこで、1回で送信するデータの容量や件数、頻度など、扱う情報をどの範囲まで連携するのかを決める必要があるでしょう。
当然データ量や頻度が増えるほどシステムの負担も大きくなります。自社の業務に適した範囲を慎重に検討しましょう。

適切な連携手法を選ぶ

2つ目は適切な連携手法を選ぶことです。
連携手法には、前述したAPI連携・ファイル連携・データベース連携があります。

  • 高頻度あるいはリアルタイムに連携が必要であればAPI連携
  • データ量や更新頻度が多くないのであればファイル連携
  • 全データを取り込む必要がある場合はデータベース連携

それぞれの手法には特徴があるため、業務内容や目的によっても適した方法は異なります。
システム連携を考える際には、手法を検討する前に対象の業務や目的を明確にすることが大切でしょう。

セキュリティを強化する

3つ目はセキュリティを強化することです。
企業のシステムには、常に不正アクセスなどによる情報漏えいのリスクが伴います。またヒューマンエラーで情報漏えいが起きる可能性もあるでしょう。
機密情報や顧客情報が漏れてしまうと、企業の信用が失墜したり、賠償等により金銭的なダメージを受けたりする恐れがあります。
連携に合わせて、セキュリティシステムを強化したり、情報セキュリティ研修を行ったりして対策を講じましょう。

システムのトラブルやエラーに備える

4つ目はシステムのトラブルやエラーに備えることです。
「基幹システムにトラブルが発生して業務がストップした際に、システムをどのように運営するか」は、さまざまな状況を想定して十分に検討しておきましょう。
基幹システムとECサイトの連携によりシステムに関わる企業が増えることも想定されるため、障害の切り分けや各種問い合わせをスムーズに行える体制づくりが求められます。

ECと基幹システムを連携させて業務を効率化しよう

今回は、基幹システムとECサイトを連携させるメリットや連携時のポイントをまとめました。
システムを連携するメリットや手法は、企業の環境や状況によっても異なります。
「自社のシステムには連携するメリットがあるのか?」「自社にはどのような手法が合っているのか?」などが気になる場合には、まずは開発経験の豊富なベンダーに相談するのが良いのではないでしょうか。

●料金目安もわかるECサイト構築ガイド
>新規事業などでECサイトを構築する場合のガイドを作成しました。目的や売上規模に応じたEC種別選定や最適な構築手法についての診断を受けることができます。

▼参考記事

この記事を書いた人
安藤 大海

学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。

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