事業の成長とは?成功につながる戦略4つと具体的な手順まとめ
こんにちは。Wakka Inc.のベトナムラボマネージャーの中垣です。
事業の成長について戦略を考えたり、取り組んだりした経験はありますか?企業の発展や長期的な存続に、事業の成長は欠かせません。
しかし事業を成長させるには多くの資金や人員を必要とし、経営状況が悪化するリスクも抱えています。本記事では事業の成長が成功につながる戦略から、具体的な手順、メリットまで解説します。ぜひ貴社の事業の発展にお役立ていただければ幸いです。
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事業の成長とは
事業の成長とは、自社の事業開発戦略を策定し、事業の分野を拡大する取り組みです。企業の長期的な存続には、事業の成長は欠かせません。
事業の成長が実現すれば、投資家も引きつけ、資金の確保にも結び付きます。事業の成長を具体的な指標で表すと、次の項目が当てはまります。
- 利益
- 売上高
- 知名度
- 企業価値
- 従業員数
- 市場対応能力
上記の指標を意識して自社に適した目標を策定し、成長指標を描く必要があります。事業の成長に取り組む際には、今まで培ったノウハウや知見を活かし、自社に合った方法を選びましょう。
事業を成長させる4つの戦略
事業を成長させる戦略はひとつではありません。業種や環境によっても異なりますが、代表的な戦略は次の4つです。
- 新製品開発戦略
- 市場浸透戦略
- 新規市場開拓戦略
- 多角化戦略
自社の置かれた状況に加え、市場の成長性も見極めて判断しましょう。
新製品開発戦略
事業を成長させる戦略のひとつが、新製品開発戦略です。
既存市場に新製品を開発・投入し、既製品との違いをアピールして売り上げを伸ばす手法です。
例えば、精密化学メーカーが強い接点のある医療業界に、レーザー内視鏡や医療用画像情報ネットワークシステムなどの新しい技術を提供した事例が当てはまります。
新製品開発戦略を達成に導くには、既製品との差別化を図ったり、今後のトレンドを分析したりする必要があります。既存の顧客にリーチできる点も大きなメリットになるでしょう。
市場浸透戦略
事業成長戦略の中でも低リスクなのが、市場浸透戦略です。既存の製品やサービスを市場に浸透させ、認知度の改善を図って売り上げを伸ばす手法です。
具体的には、IT企業が音楽のサブスクリプションを開始し、話題性や利便性から幅広い層に受け入れられた例が有名でしょう。広告戦略の実施や製品サイズの変更、製品のライフサイクルの縮小などの方法も当てはまります。
ただし市場が飽和状態では売り上げを伸ばす余地がないため、「投資に見合った効果が得られるか」の慎重な見極めが必要です。
新規市場開拓戦略
事業を発展させるには、新規市場開拓戦略も良い手法でしょう。
新しい市場に既存製品を投入する方法であり、ターゲットを変えて新たなシェアを獲得できる潜在性を秘めています。
自動車メーカーが燃費性能の高い車を低コストで製造する技術を武器に、新興国市場で販売を行う例が当てはまります。新規市場開拓戦略は、事前の市場リサーチや分析、認知度の改善に向けた広告費などのコストが掛かる点には注意しましょう。
多角化戦略
多角化戦略も事業の成長に有効な戦略のひとつです。
多角化戦略は、新製品を新市場に投入する手法であり、事業のリスク分散や高い利益が見込めます。大手コンビニが銀行事業へ参入した事例が当てはまります。
コンビニで買い物をする顧客に対し、現金の引き出しや振込ができる場所を提供して利便性を高め、受け入れられた例です。4つの戦略の中で特にリスクがあるものの、軌道に乗れば大きな利益をもたらします。
既存事業のノウハウを活用し、リスクやコストを抑える工夫が求められるでしょう。
事業成長のメリット
事業の成長は企業の継続的な繁栄につながり、その他にも多くのメリットを享受できます。事業成長で得られる代表的なメリットは次の3つです。
- リスク分散になる
- 知名度が向上する
- 利益が増加する
詳しく見ていきましょう。
リスク分散になる
事業成長のメリットに、リスク分散が挙げられます。
新規事業が軌道に乗れば、既存事業と両輪で売り上げを支えることができます。社会情勢が悪化して既存事業の売り上げが厳しいときも、新規事業が好調であればダメージは軽減されるでしょう。
既存事業だけに頼らず、事業の成長で売り上げの柱を複数確保し、リスクを分散しましょう。
知名度が向上する
事業の成長により、企業の知名度が上がるメリットも期待できます。新市場へ参入したり、画期的なサービスを打ち出したり、事業の成長に取り組む過程で活動範囲が広がります。
新しい事業が話題になれば、メディアで取り上げられる機会にも恵まれるでしょう。
知名度に加えて、ブランドイメージも向上する相乗効果が望め、新たな顧客層を開拓するチャンスも生まれます。
利益が増加する
事業成長により得られるメリットで忘れてはならないのが利益の増加です。新事業の成長で収入の柱が増えたり、知名度が向上して新たな顧客層が獲得できたりします。
また既存事業と新規事業の相乗効果で、新鮮な事業アイデアが生まれたり、異なる事業間での情報共有の機会に恵まれたりするケースもあるでしょう。
事業成長の注意点
事業の成長には、当然ながら注意点もあります。注意点を理解し、無理のない事業成長に取り組むのが肝心です。事業成長の注意点は次の2つです。
- 先行投資が必要
- マネジメントの負担が増える
対策方法も交えて解説します。
先行投資が必要
事業成長には先行投資が必要であり、注意点のひとつです。自社のリソースを超えた先行投資は、経営に大きな影響を与える可能性があります。
自己資金だけでなく、融資など外部から調達する方法も十分に検討し、リスクを抑えた投資を行いましょう。
マネジメントの負担が増える
事業成長の注意点で忘れてはならないのが、マネジメントの負担が増える点です。事業の成長によって組織が大きくなれば、規模に応じた従業員や設備の管理業務が発生します。
事業規模の拡大に伴い、人材の採用や教育に掛かるコストも増すでしょう。マネジメントの負担を考え、サービスや品質を担保できる範囲で事業を拡大するのが大切です。
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事業を成長させる具体的な手順
事業成長へ取り組む際の具体的な手順を説明します。具体的には次の項目が挙げられます。
- 新製品の開発
- 市場の開拓
- 販路拡大
- 顧客層の絞り込み
- 多様化戦略
- 市場浸透
- IT投資
自社に必要な取り組みを押さえ、ビジネスの拡大を目指してください。
新製品の開発
事業の成長に、新製品の開発は欠かせません。新製品の開発は既存の技術やノウハウを有効活用でき、失敗のリスクを最小限に抑えられます。
開発のポイントは、消費者のニーズを理解し、競合をブラッシュアップして今までにない製品を開発することです。
ただし縮小傾向にある市場には不向きなので、見極めが重要でしょう。新製品の投入後は、購入者の声を集めて改善に活かしましょう。
市場の開拓
事業成長において、市場の開拓は有効な手段です。市場の開拓は新たに製品・サービスを開発する必要がなく、手堅い戦略と言えるでしょう。
自社製品の価値やユーザーを見直し、今までにない切り口を見つける必要があります。
既製品の海外への展開も、市場開拓の一例です。新しい市場で競合との差別化を図るには、商品力に加えて、営業力や販売ネットワークなどの売る力も重視しましょう。
販路拡大
事業の成長を図るには、販路の拡大も忘れてはならない要素のひとつです。販路を広げれば、顧客との接点が増えて売り上げが伸びます。
販路拡大にはオンラインストア開設の他に、プロモーション目的でSNSやメールを利用したり、ポップアップストアを出店したりする選択肢があります。
従来のリアル店舗だけに拘らず、顧客が製品とより多くの接点を持てる工夫が必要でしょう。
顧客層の絞り込み
顧客層の絞り込みも事業成長には必要です。
具体的なペルソナを設定して顧客層を絞れば、顧客が「私のための商品だ」と製品に価値を感じ、購入が促進されます。顧客層を具体的に絞り込むには、以下の3つの方法が代表的です。
- 顧客の属性で分ける
- 顧客の心理的、行動的特徴で絞り込む
- 顧客の地域で分ける
顧客を絞り込み、自社製品の魅力をアピールして効果的な事業成長につなげましょう。
多角化戦略
高いリスクを伴う多様化戦略ですが、既存事業とのシナジー効果が得られたり、リスク分散になったりと多くのメリットがあります。多角化戦略には種類があり、特徴で分類すると以下のとおりです。
名称 | 特徴 |
水平型多角化戦略 | 既存のノウハウや知見を活かし、既存事業と類似する市場向けに新たな製品・サービスを投入する戦略 |
集中型多角化戦略 | 既存のノウハウを活かして、生産可能な製品・サービスを既存事業とは異なる業界へ投入する戦略 |
垂直型多角化戦略 | 新しい技術を用いて、既存事業と類似する市場向けに新たな製品やサービスを投入する戦略 |
コングロマリット型多角化戦略 | 既存のノウハウや既存事業と関連のない、新しい分野に参入する戦略 |
多角化戦略には、相応のコストやリソースが割かれるデメリットもありますが、軌道に乗れば大きなリターンを得られます。経営資源を有効活用しながら自社に合った範囲で取り組み、収益の安定化を図りましょう。
市場浸透
事業成長を成功させるには、市場への浸透も重要です。
市場浸透とは、自社製品の売り方を工夫することで売り上げの向上、シェア拡大が期待できる手法です。既存市場で既存製品のシェア拡大を狙う戦略であり、PRに注力して認知度の向上を目指したり、価格変更をしたりする方法があります。
既存の製品・サービスの売り方を変える戦略なので、新製品は投入せず新規顧客を獲得できる点が魅力的です。
IT投資
事業成長で忘れてはならないのがIT投資です。
IT投資は、生産性向上が見込め、長期的にはビジネスモデルの変革も可能にし、事業成長に大きく寄与します。IT投資の具体的なメリットは、
- 作業時間の短縮
- 人件費削減
- 正確性の向上
- コア業務に集中できる
- 「2025年の崖」のリスク回避
- ビジネスモデルの変革
IT投資の具体的なイメージやメリット、手順についてさらに詳しく知りたい場合は、下記の記事も合わせてご覧ください。
事業成長を成功させるポイント
ここからは、事業成長を成功に導くポイントをご紹介します。下記の3つのポイントを自社の状況に合わせて取り入れれば、事業の戦略や開発を効果的に進められるでしょう。
- フレームワークを活用する
- タイミングを見極める
- リスクを検証をする
フレームワークを活用する
事業成長を成し遂げるために、フレームワークを活用しましょう。フレームワークは事業成長の戦略を考える際に有効な方法で、取り組む方向性が明確になります。
作成したフレームワークをチームで共有すれば、方向性が明確になり組織の一体感も高まるでしょう。
具体的なフレームワークの種類や活用方法を知りたい場合は、下記の記事をご覧ください。
タイミングを見極める
事業成長は、適切なタイミングでの取り組みが求められます。
タイミングを間違えば、既存事業に影響が出たり、経営状態が悪化したりするケースもあります。資金や人員が確保でき、既存事業が安定して不測の事態にも備えられるタイミングがベストです。
自社の経営状況を把握し「新規事業に取り組むリソースがあるのか」を慎重に判断しましょう。
リスクを検証する
事業成長を実現するためには、リスクの検証も欠かせません。
リスク検証を行えば、初期段階で問題点を把握でき、大きな失敗を未然に防げます。予期できる危機への対策をあらかじめ計画に織り込んだり、日常的に変化を観察したりしましょう。
企業の健全性確保や持続的な成長にも、リスク検証は有効です。効果的な検証と対策によって、事業成長のリスクを最小限に抑えましょう。
適切な戦略で事業を成長させよう
今回は事業成長のメリットや戦略、具体的な手順を解説しました。変化の激しい現代では市場ニーズの移り変わりも早く、企業も現状維持では衰退するリスクが高まっています。
事業成長の重要性を再確認し、自社に適した戦略で取り組む必要があるでしょう。
「何から手を付ければ良いかわからない」場合には、まずは事業戦略や業務の効率化に精通したベンダーに相談するのが良いのではないでしょうか。
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▼参考記事
WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。