サブスクリプションビジネスを活用した新規事業の始め方とは?


こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。
近年サブスクリプションビジネスは、多くの企業が新規事業として注目しています。
しかし、初期費用を抑えて始められると聞くものの、実際に収益を上げられるのか疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、サブスクリプションビジネスの基本から事業計画の立て方、具体的な始め方まで初心者にも分かりやすく解説します。
成功の鍵となる集客方法や顧客維持戦略もご紹介しますので、自社の新規事業立ち上げにご活用いただければ幸いです。
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サブスクリプションビジネスとは

サブスクリプションビジネスとは、商品やサービスを定期購入によって継続的に提供するビジネスモデルのことです。
例としては、毎月コーヒー豆が届くサービスや、動画配信・音楽配信といった月額利用サービスなどがあります。
定期購入とは、利用者が毎月または毎年一定の料金を支払うことで、継続的に商品やサービスを受けられる仕組みです。
従来の買い切りスタイルとは異なり、安定した収益を見込めることが企業側のメリットです。
一方、利用者にとっても、必要なものが自動的に届いたり使えるといった魅力があります。
最近では、さまざまな分野で定期購入型のサービスが増えており、(モノを買う)から(体験や便利さを定期的に受け取る)時代へと移行しつつあります。
サブスクリプションビジネスの種類
サブスクリプションビジネスにはさまざまな種類があります。
例えば、食品や日用品、化粧品などを毎月自動で届けるサービスは物販型のサブスクリプションビジネスです。
ほかにも、音楽・動画配信のようなコンテンツ型や、ソフトウェアを月額で使えるSaaS型などがあります。
サブスクリプションビジネスの主な種類は以下の通りです。
種類 | 概要 | |
---|---|---|
コンテンツ型 | 動画、音楽、書籍などのデジタルコンテンツを提供する | Netflix、Spotify、Kindle Unlimited |
SaaS型 | ソフトウェアやツールをクラウド上で提供する | Salesforce、Adobe Creative Cloud |
物販型 | 定期的に商品を提供する | 食品の定期便、洋服のレンタル |
会員制型 | 特定のコミュニティやサービスへのアクセス権を提供する | オンラインサロン、スポーツジム |
従量課金型 | サービスの利用量に応じて料金を請求する | クラウドストレージ、電気料金 |
参照一覧
Netflix(映画やドラマが見放題)
Spotify(好きな音楽が聴き放題)
Kindle Unlimited(幅広いジャンルの電子書籍が読み放題)
Salesforce(営業活動の効率化に特化したクラウドサービス)
Adobe Creative Cloud(デザインや編集ソフトが使い放題)
なぜ今サブスクリプションビジネスが注目されるのか
サブスクリプションビジネスが注目されているのは、安定した収益と顧客との長期的な関係構築が期待できるからです。
理由は、毎月の継続課金により売上が安定し、定期的な接点を通じて顧客との信頼関係を築きやすい点にあります。
また、利用データを継続的に蓄積することで、サービスの改善や満足度向上につなげることも可能です。
このように、サブスクリプションビジネスの大きな魅力は、収益面と顧客関係の両方においてメリットがある点です。
注目される理由 | 概要 |
---|---|
安定した収益の確保 | 継続的な課金により、安定した収益基盤を築きやすい |
顧客との長期的な関係構築 | 定期的な接点を持つことで、顧客ロイヤリティを高めやすい |
データ収集と改善の容易さ | 顧客の利用状況をデータとして収集し、サービス改善に活かしやすい |
サブスクリプションビジネスの事業計画を立てる際の重要項目

サブスクリプションビジネスの事業計画を立てる際には、従来のビジネスモデルとは異なる視点が必要です。
特に、収益構造や管理指標、システム開発の3つのポイントを重点的に検討しましょう。
利益構造
サブスクリプションビジネスの収益は、主に月額又は年額の利用料金から発生します。
利益をできるだけ多くするためには、以下の要素を考慮する必要があります。
指標 | 内容 |
---|---|
新規顧客獲得数 | 新規顧客を効率的に獲得するためのマーケティング戦略。 |
顧客維持率 | 既存顧客の解約を防ぎ、長期的な利用を促進するための施策。 |
顧客単価 | 顧客一人当たりの平均収入を向上させるためのアップセル・クロスセル戦略。 |
コスト構造 | サービス提供にかかるコストを最適化し、利益率を向上させるための施策。 |
上記の要素をバランス良く管理することで、持続可能な収益基盤を構築できます。
管理指標
サブスクリプションビジネスでは、従来のビジネスモデルとは異なるKPI(重要業績評価指標)を設定し、効果的な管理を行う必要があります。
代表的な管理指標は以下の通りです。
顧客生涯価値(LTV)
顧客生涯価値(Life Time Value:LTV)とは、一人の顧客が契約期間中に企業にもたらす利益の総額を意味します。
LTVを向上させるためには、顧客満足度を高め、長期的な利用を促進する必要があります。
月次経常収益(MRR)
月次経常収益(Monthly Recurring Revenue:MRR)は、毎月安定的に得られる収益を意味します。
MRRは、サブスクリプションビジネスの健全性を示す重要な指標の一つです。
リード速度率(LVR)
リード速度率(Lead Velocity Rate:LVR)とは、営業活動によって生まれる見込み客(リード)の増加率を意味します。
LVRを高く保つことは、将来的な収益増加につながります。
顧客獲得単価(CAC)
顧客獲得単価(Customer Acquisition Cost:CAC)は、新規顧客を一人獲得するためにかかるコストのことです。
CACを低く抑えることは、収益性を高める上で非常に重要です。
顧客あたりの平均収益(ARPU)
顧客あたりの平均収益(Average Revenue Per User:ARPU)とは、顧客一人当たりの平均的な売上高を意味する管理指標です。
ARPUを向上させるためには、アップセルやクロスセルを効果的に行う必要があります。
解約率(CR)
解約率(Churn Rate:CR)とは、一定期間内に解約した顧客の割合のことです。
解約率を下げることは、収益の安定化に不可欠です。
システム開発の重要性と選択肢
サブスクリプションビジネスを成功させるためには、自社にあったシステム開発が重要です。
なぜなら、安定した収益を得るには顧客管理や課金処理、データ分析などを効率的に行う必要があるからです。
ただし、自社によるシステム開発は、カスタマイズ性が高い反面、開発コストや時間もかかります。
もし予算や時間に余裕がない場合は、パッケージされたシステムかSaaS型のプラットフォームを利用する方法もあります。
システム導入の選択肢 | 説明 |
---|---|
自社開発 | 自社のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできるが、開発コストや時間がかかる |
パッケージ導入 | 比較的安価に導入できるが、カスタマイズ性に乏しい場合がある |
SaaS型プラットフォーム利用 | 導入が容易で、必要な機能が揃っている一方で、利用料金が発生する |
いずれにしても、自社のビジネスモデルや予算に合わせて、最適なシステムを選択することが重要です。
サブスクリプションビジネスの始め方

サブスクリプションビジネスは、顧客との継続的な関係を築きながら安定した収益を得られる魅力的なモデルです。
本章では、初心者でも始めやすいように、具体的な5つのステップに分けて解説します。
ステップ1:ターゲット顧客とニーズの明確化
まずは誰に、どのような価値を提供するのかを明確に定義し、ターゲットとなる顧客を特定します。
何より、ターゲットの顧客が抱える課題や、ニーズを深く理解することが重要です。
市場調査や顧客インタビューを通じて、潜在的なニーズを掘り起こしましょう。
例えば、忙しいビジネスパーソン向けに、健康的な食事を定期的に届けるサブスクリプションサービスを考えたとします。
このような場合、ターゲット顧客は(健康に気を遣いたくても時間がないビジネスパーソン)となり、(手軽に栄養バランスの取れた食事がしたい)がニーズに該当します。
ステップ2:提供する価値と費用の設定
ターゲット顧客のニーズを満たすために、どのような価値を提供できるのかを明確にします。
競合他社との差別化を図り、独自の価値を打ち出すことが重要です。
また、提供する価値に見合った費用の設定を行い、顧客が継続的に利用しやすい料金プランを設定しましょう。
提供する価値の例としては、(栄養バランスが考慮された美味しい食事を手軽に楽しめる)ことなどがあります。
費用の設定は、競合他社の費用や顧客が支払える費用を考慮して、月額5,000円~10,000円程度に設定しましょう。
ステップ3:ビジネスモデルの構築とプラットフォーム選定
ステップ3では、サブスクリプションビジネスの収益モデルを構築し、どのようなプラットフォームでサービスを提供するのかを決定します。
自社でプラットフォームを開発する、既存のプラットフォームを利用する、外部のシステムを導入するなど選択肢はさまざまです。
ビジネスモデルとプラットフォームは、長期的な視点で検討しましょう。
また、Zuoraなどのプラットフォームを利用すれば、比較的簡単にサブスクリプションビジネスを始められます。
参照:Zuora(多様な収益モデルに対応する強力な統合ソリューション)
ステップ4:集客と顧客獲得戦略
ビジネスモデル構築とプラットフォームの選定が完了したら、ターゲット顧客にサービスを利用してもらうための集客戦略を立てます。
集客戦略はSEOやSNSマーケティング、広告出稿など、さまざまな手法を組み合わせ効果的に行いましょう。
また、顧客獲得後は顧客との関係性を構築し、継続的な利用を促す施策も重要です。
ステップ5:顧客管理と継続的な改善
顧客情報を管理し、顧客の利用状況や満足度を把握しましょう。
顧客からのフィードバックを収集すれば、サービスの改善に役立ちます。
定期的なアンケート収集や顧客とのコミュニケーションによって顧客満足度を高めると、サブスクリプションビジネスの成功につながります。
サブスクリプションビジネスと他のビジネスとの違い

サブスクリプションビジネスは、他のビジネスモデルとは異なる特徴を持っています。
以下では、代表的なビジネスモデルとの違いを解説します。
買い切りビジネスとの違い
買い切りビジネスの場合、顧客が商品やサービスを一度購入したら、以降は収益が発生しません。
一方でサブスクリプションビジネスは、顧客が定期的に料金を支払うことで、継続的な収益が得られます。
顧客との関係性が長期にわたるため、顧客満足度を高めることが重要です。
レンタルサービスビジネスとの違い
レンタルサービスビジネスは、一定期間、商品やサービスを貸し出すことで料金を得るビジネスモデルです。
サブスクリプションビジネスとの違いは、提供する価値の範囲にあります。
一方のサブスクリプションビジネスは、単に商品やサービスを提供するだけではありません。
顧客体験全体をデザインし、継続的な価値を提供することまでを目指します。
リカーリングビジネスとの違い
リカーリングビジネスは、定期的に収益が発生するビジネスモデルの総称です。
例としては、電気やガスなどの公共料金が挙げられます。
サブスクリプションビジネスは、リカーリングビジネスの一種であり、顧客との継続的な関係性を重視する点が特徴です。
したがって、一度きりの取引ではなく、長期的な価値提供が成功の鍵といえます。
シェアリングエコノミービジネスとの違い
シェアリングエコノミービジネスは、個人が所有する資産を共有することで収益を得るビジネスモデルです。
一方で、サブスクリプションは、サービスを定額で継続的に利用するビジネスモデルです。
どちらも所有せずに利用するサービスですが、ビジネスの仕組みや狙いは異なります。
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サブスクリプションビジネスのメリット

サブスクリプションビジネスは、企業と顧客の双方にとって魅力的なメリットを数多く持ち合わせています。
本章では、特に重要な3つのメリットについて解説します。
安定した収益基盤を築きやすい
サブスクリプションモデルの大きなメリットは、安定した収益基盤を築きやすい点です。
従来の買い切り型ビジネスとは異なり、顧客が継続的に料金を支払うため、毎月一定の収益が見込めます。
結果として、企業のキャッシュフローが安定し、将来の事業計画を立てやすくなります。
また、顧客との継続的な関係を築くことで、長期的な収益の確保につなげられることも魅力です。
どのような業界でも始めやすい柔軟なビジネスモデル
サブスクリプションビジネスは、特定の業界に限定されるものではありません。
デジタルコンテンツやソフトウェア、食料品など、さまざまな商品やサービスで導入が可能です。
また、既存のビジネスモデルに組み込むことも容易であり、柔軟性の高いビジネスモデルといえます。
顧客のニーズに合わせて、料金プランやサービス内容を調整することで、より多くの顧客が獲得できます。
収益予測が立てやすく、事業計画を立てやすい
サブスクリプションモデルは、将来の収益が予測しやすいといったメリットもあります。
理由は、顧客数や解約率などのデータ分析によって、より精度の高い事業計画を立てられるからです。
また、顧客獲得コストや顧客生涯価値(LTV)などの指標を把握することで、マーケティング戦略や顧客維持戦略の効果も測定できます。
以上のデータに基づいた意思決定は、ビジネスの成長を加速させる上で非常に重要です。
サブスクリプションビジネスのデメリット

サブスクリプションビジネスは、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
以下のデメリットを理解し、対策を講じることで、サブスクリプションビジネスの成功につなげられます。
収益が安定するまでに時間を要する場合がある
サブスクリプションビジネスは、収益が安定するまでに時間を要する場合があります。
なぜなら、買い切り型とは異なり、継続的な利用によって初めて利益が積み上がる仕組みだからです。
初期費用が安く始めやすい一方で、顧客獲得にかかるコストが先に発生するため、すぐに収益化できるわけではありません。
したがって、長期的な事業計画を立て、顧客の継続利用を促す施策が必要です。
ユーザーの変化に合わせたアップデートが不可欠
サブスクリプションビジネスでは、常に顧客に価値を提供し続けるために、ユーザーの変化に合わせたサービスのアップデートが不可欠です。
理由は、顧客のニーズや市場の動向は常に変化するからです。
顧客を維持するには、定期的なアンケートやデータ分析によって、サービス内容や機能などを改善し続けなければなりません。
また、アップデートを怠ると顧客満足度が低下し、解約率の増加につながる恐れがあります。
常に顧客視点を持ち、変化に対応していく柔軟性が求められます。
競合が多く差別化が求められる
サブスクリプションビジネスは競合が非常に多く、他社との差別化が重要です。
類似のサービスが多数存在する中で、顧客に選ばれるためには、独自の強みや価値を提供する必要があります。
徹底的な競合分析や、ターゲット顧客に響く独自のサービス開発が求められます。
また、マーケティング戦略においても差別化されたメッセージを発信し、顧客が魅力に感じるブランドイメージを構築することが重要です。
サブスクリプションビジネスを成功させるための集客・顧客維持戦略

サブスクリプションビジネスは、顧客との長期的な関係構築が重要です。
以下では、効果的な集客戦略と、顧客を維持するための戦略を解説します。
効果的な集客方法(SEO、SNS、広告)
サブスクリプションビジネスにおける集客では、単に顧客を集めるだけは不十分です。
リピーターになってもらい、ブランド価値を高めることが何より重要です。
したがって、多様なチャネルを組み合わせた集客戦略が求められます。
以下の表では、代表的な集客方法であるSEOやSNS、広告について解説しています。
自社の集客戦略にも積極的に取り入れることをおすすめします。
集客方法 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
SEO(検索エンジン最適化) | Webサイトやコンテンツを検索エンジンの上位に表示させるための対策 | ・中長期的に安定した集客が可能 ・ターゲット顧客にリーチしやすい | ・効果が出るまでに時間を要する ・専門知識が必要 |
SNS(ソーシャルメディア) | Facebook、TikTok、InstagramなどのSNSを活用した集客 | ・拡散性が高く、ブランド認知度向上につながる ・顧客とのコミュニケーションが容易 | ・炎上リスクがある ・効果測定が難しい場合がある |
広告 | Web広告(リスティング広告、ディスプレイ広告など)やSNS広告などを活用した集客 | ・短期間で効果が出やすい ・ターゲット顧客を絞りやすい | ・費用がかかる ・効果測定が重要 |
集客は、各チャネルの特性を理解し、ターゲット顧客に合わせた最適な組み合わせで行うことが重要です。
例えば、若年層にはTikTokやInstagram、高年齢層にはFacebookが有効などチャネルごとのユーザー層を理解する必要があります。
参照一覧
TikTok(パーソナライズされたショートムービー)
Instagram(世界の最新情報をチェック)
Facebook(誰とでも無料でコミュニケーション)
顧客満足度を高める
サブスクリプションビジネスにおいて、顧客満足度は継続率に直結する重要な要素です。
顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズされた体験を提供し、コミュニティの形成を通じて顧客同士のつながりを深めることで、顧客満足度を向上させることができます。
パーソナライズとコミュニティ形成について、以下の表でしっかりと確認しておきましょう。
施策 | 説明 | 目的 | 例 |
---|---|---|---|
パーソナライズ | 顧客の属性や行動履歴に基づいて、個別のニーズに合わせた情報提供やサービス提供を行う | 顧客エンゲージメントの向上 | 過去の利用履歴に基づいておすすめ商品やコンテンツを提案したり、誕生日などの特別な日に特典を提供したりすること |
コミュニティ形成 | 顧客同士が交流できる場を提供する | 顧客ロイヤリティの向上 | オンラインフォーラムやSNSグループ、オフラインイベントなどを開催し、顧客同士が情報交換や意見交換できる機会を設けること |
解約率を抑制するための施策を実施する
サブスクリプションビジネスにおいて、解約率を下げることは収益に大きく影響します。
顧客がサービスを最大限に活用できるよう、丁寧なオンボーディングを実施し、定期的なコミュニケーションを通じて顧客との関係性を維持することが必要です。
施策 | 説明 |
---|---|
オンボーディング | 新規顧客がサービスをスムーズに利用開始できるよう、導入支援を行うチュートリアル動画やFAQ、個別相談などを提供し、顧客が疑問や不安を解消できるようにサポートする |
定期的なコミュニケーション | メールマガジンやSNSなどを活用し、定期的に顧客に情報提供を行う新機能の紹介や活用事例、お得なキャンペーン情報などを配信し、顧客とのエンゲージメントを維持する |
アップセルやクロスセルで顧客単価を向上させる
既存顧客へのアップセルやクロスセルは、新規顧客獲得よりも効率的に顧客単価の向上が期待できます。
顧客のニーズを的確に捉え、最適なタイミングで提案をしましょう。
戦略 | 説明 |
---|---|
アップセル | より高機能なプランや上位モデルへの移行を促する |
クロスセル | 関連商品やサービスを合わせて購入してもらうように促す |
アップセルやクロスセルを行う際には、顧客にとって本当に価値のある提案を行うことが重要です。
強引なセールスは顧客満足度を低下させ、解約につながる可能性もあるため十分に注意しましょう。
データ分析による継続的な改善
集客や顧客維持戦略の効果を高めるには、データ分析に基づいた継続的な改善が不可欠です。
KPI(重要業績評価指標)を設定し、効果測定を行えば、改善点が分かるので戦略を最適化できます。
サブスクリプションビジネスの重要なKPIとしては、以下のようなものが挙げられます。
KPI | 概要 |
---|---|
顧客生涯価値(LTV) | 顧客一人が契約期間中にどれだけの利益をもたらすかの指標 |
月次経常収益(MRR) | 毎月安定して得られる収益の指標 |
顧客獲得単価(CAC) | 顧客一人を獲得するためにかかった費用の指標 |
解約率(CR) | 一定期間内に解約した顧客の割合を示す指標 |
サブスクリプションビジネスの導入事例

サブスクリプションビジネスは、業種を問わずさまざまな分野に広がりを見せています。
以下では、物販系・デジタルコンテンツやSaaS系・サービス系に分けて、具体的な導入事例と成功要因を解説します。
物販系
サブスクリプションモデルを採用する物販系のビジネスでは、顧客に定期的に商品を届けることで、リピート購入を促進します。
特にビールやコーヒーの定期購入サービスでは、顧客が好む商品を選択できるカスタマイズ性が高く、購買体験を向上させています。
具体例としてはクラフトビールを月替わりで届けるOtomoniや、厳選されたコーヒー豆を届けるPostCoffee、子どもの年齢に合わせて知育玩具を選定するトイサブ!などが好例です。
成功の要因としては、以下の3点が挙げられます。
成功要因 | 概要 |
---|---|
個別化 | 顧客の嗜好に応じた商品を提供することで、満足度が向上する |
利便化 | 定期的に商品が届くため、買い忘れを防止できる |
コミュニティ形成 | 商品に関連する情報やイベントを通じて、顧客同士のつながりを強化できる |
参照一覧
Otomoni(クラフトビールの定期便)
PostCoffee(コーヒーの定期便)
トイサブ!(おもちゃのサブスク)
デジタルコンテンツやSaaS系
デジタルコンテンツや業務用ツールを中心としたSaaS(Software as a Service)領域でも、サブスクリプションビジネスは主流となっています。
中でも、映画や音楽を定額で楽しめるNetflixやSpotifyは、現在多くの人々が利用する代表例です。
また、Adobe Creative Cloudのようなデザイン・制作系ツールや、Slackのようなビジネスコミュニケーションツールも広く活用されています。
成功の要因には、下記の3点があります。
成功要因 | 概要 |
---|---|
高品質なコンテンツ | 常に新しいコンテンツを提供しているため、顧客の興味を引ける |
ユーザー体験 | 使いやすいインターフェースとパーソナライズされたおすすめ機能が、顧客の利用頻度を増加させている |
フリーミアムモデル | 無料プランを提供することで、顧客の獲得を促進している |
参照一覧
Netflix(映画やドラマが見放題)
Spotify(好きな音楽が聴き放題)
Adobe Creative Cloud(デザインや編集ソフトが使い放題)
Slack(ビジネスシーンでおすすめのツール)
サービス系
サービス系のサブスクリプションビジネスでは、顧客へ定期的にサービスを提供することで、長期的な信頼関係を構築することを目指します。
代表例としては、定額制のオンラインフィットネスLEAN BODYや、毎月決まった回数通える美容サロンのMEZONなどが挙げられます。
また、専門家の継続的な支援を受けられるコンサルティングサービスなども多くの利用者に好評です。
成功の要因は、下記の3点が挙げられます。
成功要因 | 概要 |
---|---|
継続的なサポート | 顧客がサービスを利用し続けるためのサポート体制を整えている |
顧客同士の関係構築 | 定期的なイベントやワークショップを通じて、顧客同士のつながりを促進 |
透明性 | サービス内容や料金体系を明確にすることで、顧客との信頼関係を作り出している |
参照一覧
LEAN BODY(楽しく健康習慣が身につくオンラインフィットネス)
MEZON(美容室の定額サブスクリプション)
まとめ:サブスクリプションで新規事業を成功させよう

本記事では、サブスクリプションビジネスの基本から事業計画、具体的な始め方までを解説しました。
継続的な顧客関係の構築と、顧客にとって価値あるサービスの提供が、サブスクリプションビジネス成功の鍵です。
これを実現するためには、顧客満足度の向上やデータ分析による改善、差別化戦略などが重要となります
しかし、成功には顧客との継続的な関係構築や価値提供を行う必要があります。
また、ターゲットや費用の設定を明確にし、LTVやMRRなどの指標をもとに改善し続けることも重要です。
新規事業でサブスクリプションビジネスを始める際は、本記事の内容をご参考いただけますと幸いです。
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