Decap CMSとは?選定するポイントや導入するメリットも解説

最終更新日:2025.01.28
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
Decap CMSとは?選定するポイントや導入するメリットも解説
SHARE ON
  • FaceBook
  • Twitter
  • LINE
  • Note

こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

Decap CMSは、Webサイトのコンテンツ管理の効率化や、直感的な操作でWebサイトの更新が可能なCMSです。
また、コーディングの知識が不要で簡単にWebサイトのコンテンツを管理・更新できるのが魅力です。

しかし、導入前にメリット・デメリット、具体的な使い方、他の静的サイトジェネレーターとの連携方法などの把握は必要不可欠です。
本記事では、Decap CMSの基礎知識・メリット・デメリット、導入手順、基本操作、Hugo・Astro・Gatsbyとの連携方法まで、Decap CMSを徹底的に解説します。

目次

ヘッドレスCMSの選定にお悩みの方へ。
自社に必要なヘッドレスCMSがわかる下記資料もぜひご確認ください。

独自選定の代表的なヘッドレスCMSの特徴をもとに、誰でもヘッドレスCMSの選定ができるポイントを押さえた資料を作成しました。

Decap CMSとは

Decap CMS(旧Netlify CMS:2023年2月名称変更)は、GitベースのヘッドレスCMSです。
シングルページアプリケーションとして構築されており、Webサイトの一部分に組み込んで使用します。

Decap CMSの大きな特徴は、GitHubなどのGitリポジトリと直接連携してコンテンツを管理できる点です。
これにより、バージョン管理やコラボレーションが容易になり、コンテンツの更新や編集におけるミスを最小限に抑えることができます。

また、静的サイトジェネレーター(SSG)と連携することで、高速で安全なWebサイト構築を実現します。
Decap CMSは、コーディングの知識がなくても直感的に操作できるシンプルなUIを提供しているため、Webサイトのコンテンツ編集担当者にとっても使いやすいCMSと言えます。

複雑な設定や操作を必要とせず、コンテンツの追加・編集・削除といった基本的な操作が容易です。
そのため、効率的なコンテンツ管理を実現したいWebサイト運営者にとって最適な選択肢となるでしょう。

特徴説明
GitベースGitHubなどのGitリポジトリと連携し、バージョン管理やコラボレーションを容易にします。
ヘッドレスCMSコンテンツを管理する部分とWebサイトを表示する部分を分離することで、柔軟なWebサイト構築を可能にします。
シンプルなUI直感的な操作で、コンテンツの管理・更新を容易に行えます。
SSGとの連携Hugo・Astro・Gatsbyなど、さまざまな静的サイトジェネレーターと連携可能です。
オープンソース自由に利用・改変・配布が可能です。

Decap CMSのメリット

Decap CMSは、GitベースのヘッドレスCMSとして、多くのメリットが存在します。
下記の表の通り、従来のCMSに比べて、柔軟性・拡張性・開発効率において優れた特徴を持っています。

メリット詳細
柔軟なコンテンツモデルDecap CMSは、柔軟なコンテンツモデルをサポートしています。そのため、Webサイトの構造やコンテンツの種類に合わせたカスタマイズが容易です。既存のCMSのように、あらかじめ決められたテンプレートに縛られることなく、自由にコンテンツを設計できます。
GitHubとのシームレスな連携Gitリポジトリと直接連携するため、バージョン管理が容易で、チームでの共同作業がスムーズに行えます。変更履歴の追跡や、ロールバックも簡単に行えるため、安心してコンテンツを管理できます。
静的サイトジェネレーターとの高い親和性Decap CMSは、静的サイトジェネレーター(SSG)と連携して動作します。SSGは、コンテンツを静的HTMLとして生成するため、セキュリティが高く、高速なWebサイトを構築できます。Decap CMSは、Hugo、Gatsby、Astroなど、多くのSSGと容易に連携可能です。
直感的なユーザーインターフェースシンプルで使いやすいインターフェースを採用しており、コーディングの知識がなくても簡単にコンテンツの編集や追加が可能です。そのため、開発者だけでなく、編集者やマーケティング担当者も効率的にコンテンツ管理を行うことができます。
高い拡張性プラグインやカスタム機能を追加することで、Webサイトの機能を拡張できます。独自の機能開発や、既存機能のカスタマイズにより、Webサイトをより高度なものにできます。
オープンソースオープンソースであるため、ソースコードを自由に閲覧・修正できます。コミュニティによるサポートも充実しており、問題が発生した場合でも迅速な対応が期待できます。
開発効率の向上コンテンツ管理とWebサイトの開発を分離できるため、開発チームとコンテンツ作成チームが並行して作業が可能。これにより、開発プロセス全体を効率化し、迅速なリリースを実現できます。

Decap CMSは、効率的で安全なコンテンツ管理を実現し、Webサイトの運用を大幅に改善する強力なツールです。

Decap CMSのデメリット

Decap CMSは多くのメリットを持つ一方で、デメリットについても考慮する必要があります。
導入前にデメリットを理解し、自社のニーズに合致するかどうかを慎重に検討しましょう。

デメリット詳細
Gitの知識が必要Decap CMSはGitベースのCMSであるため、基本的なGit操作の理解が不可欠です。Gitに不慣れなユーザーにとっては、学習コストが発生します。 
高度なカスタマイズの難易度高度なカスタマイズを行うには、ReactやJavaScriptなどのフロントエンド開発スキルが必要です。

メリットとデメリットを比較検討し、最適なCMSの選択につなげましょう。

Decap CMSの導入手順

Decap CMSを導入するには、静的サイトジェネレーターとの連携が必要となります。
導入手順を大きく3つのステップに分け、それぞれ説明します。

ステップ手順
1. パッケージのインストールDecap公式サイトの「1.Decap CMSをインストールする」を確認しながらインストールプロセスを進めます。
2. バックエンドを選択Netlifyアカウントを獲得し、認証サービスを利用できるようにします。Decap公式サイト「2.バックエンドの選択」を確認しながら、バックエンドをGitHub・GitLab・Bitbucket・Azureの中から選択します。
3. Decap CMSを構成Decap公式サイト「3.Decap CMSを構成する」を参考にしながら、バックエンドに合わせた手順で構成を進めます。コードスニペットは「admin-config.yml」ファイルに追加します。

Decap CMSの導入や使用時に発生したトラブルは、GitHub IssuesGitHub Discussionsなどに既に寄せられた投稿を確認するか新たに投稿してみることをおすすめします。

ヘッドレスCMSの選定にお悩みの方へ。
自社に必要なヘッドレスCMSがわかる下記資料もぜひご確認ください。

独自選定の代表的なヘッドレスCMSの特徴をもとに、誰でもヘッドレスCMSの選定ができるポイントを押さえた資料を作成しました。

Decap CMSと静的サイトジェネレーターの連携方法

Decap CMSは、静的サイトジェネレーター(SSG)と連携することで、その真価を発揮します。
SSGが提供する高速なパフォーマンスとSEOフレンドリーな特性を活かしつつ、Decap CMSの直感的なコンテンツ管理機能を利用できるため、開発効率とWebサイトの品質確保の両立が可能です。

本章では、代表的なSSGとの連携方法を解説します。
なお、Decap CMSとSSGの連携手順は、SSGの構築が完了していることを前提にしています。

HugoとDecap CMSの連携

Hugoは、速度とSEOの強さで知られる人気のSSGで、Decap CMSとの連携は比較的容易です。
連携の手順は下記の通りです。

手順詳細
1. Decap CMSのインストール・設定Decap CMSの「基本的な手順」にしたがって、HugoプロジェクトにDecap CMSをインストールし、設定を進めます。
2. 新規サイト作成新たなHugoプロジェクトを作成し、コマンドを使用して起動。その後に基本的なHTML構造を配置し、必要に応じてファイルを追加します。
3. Decap CMSファイルをHugoに追加Hugoのstatic/ディレクトリにDecap CMSの管理ファイル・構成ファイルをインストールします。ディレクトリ内に2つのadmin/ファイルを作成し、コンテンツを追加します。
4. gitリポジトリの初期化GitHubの変更を確定させるために、gitリポジトリを初期化します。
5. デプロイNetlifyにデプロイ後、Netlifyダッシュボードに移動して「New site from Git」から作成したリポジトリを選択します。Hugoのビルド設定でビルドコマンドと公開ディレクトリを設定します。

より詳細な手順やコマンドについては、Decap公式サイト「Getting Started With Decap CMS」をご確認ください。

AstroとDecap CMSの連携

Astroは、パフォーマンスに優れた新しいSSGです。
Astroの柔軟性を活かし、Decap CMSを統合することで、高速で快適なWebサイトを構築できます。

手順詳細
1.AstroにDecap CMSをインストールコマンドを使用し、パッケージマネージャー経由でDecap CMSをインストールします。
2.構成の設定public/admin/に静的adminフォルダを作成し、config.ymlをpublic/admin/に追加します。サポートを追加する場合は、config.ymlでスキーマを構成します。
3.デプロイNetlifyにデプロイする場合は、Netlifyのダッシュボードからプロジェクトの管理ルートにNetlify Identityを埋め込みます。Netlify以外にデプロイする場合は、独自のOAuthルートを作成します。

コマンドの詳細はDecap公式サイト「Decap CMS & Astro」をご確認ください。

GatsbyとDecap CMSの連携

GatsbyはReactベースのSSGであり、高度な機能があり、Decap CMSとの連携も可能です。
連携する手順は以下の通りです。

手順詳細
1.Decap CMSをインストールdecap-cms-appとgatsby-plugin-netlify-cmsを準備し、サイトのルート上にあるターミナルでコマンドを実行します。
2.設定config.yml以下のディレクトリ構造でファイルを作成し、設定コマンドを貼り付けます。続いてgatsby-config.jsにプラグインを追加します。
3.デプロイNetlifyにアクセスし「New site from Git」から作成したリポジトリを選択します。「Configure Netlify on GitHub」をクリックし、リポジトリへのアクセス権を付与。最後に「Deploy Site」をクリックしてセットアップを完了させます。

コマンドやプラグインの詳細はDecap公式サイト「Gatsby」をご確認ください。

Decap CMSで快適なコンテンツ管理を実現しよう

本記事では、Decap CMSの導入方法や静的サイトジェネレーターとの連携方法について解説しました。 

Decap CMSは、Gitベースのワークフローを採用しているため、バージョン管理やチームでの共同作業がスムーズです。
そのため、コンテンツ作成に費やす時間を削減し、より重要な業務に集中できます。

さらに、Decap CMSは拡張性にも優れており、さまざまなプラグインやカスタマイズによって機能を拡張できます。
例えば、独自の認証システム導入やワークフローのカスタマイズなどにより、組織のニーズに合わせた柔軟なコンテンツ管理システムを構築できます。

Decap CMSを活用して、よりスムーズなコンテンツ管理を実現し、Webサイトの成功につなげましょう。

ヘッドレスCMSの選定にお悩みの方へ。
自社に必要なヘッドレスCMSがわかる下記資料もぜひご確認ください。

独自選定の代表的なヘッドレスCMSの特徴をもとに、誰でもヘッドレスCMSの選定ができるポイントを押さえた資料を作成しました。

この記事を書いた人
Wakka Inc. メディア編集部
  • ホーム
  • ブログ
  • Decap CMSとは?選定するポイントや導入するメリットも解説