ビッグデータ活用の身近な例|活用するメリットや事例などを解説

2024.09.03
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
ビッグデータ活用の身近な例|活用するメリットや事例などを解説
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

近年、ビジネスにおけるビッグデータの活用が一般化しつつあります。
実際、業界を問わず、さまざまな場面でビッグデータを活用する企業は着実に増えています。

一方で、「ビッグデータとは何か」「どのような活用方法があるのか」と疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。
ビッグデータはさまざまなビジネスに応用できる一方で、注意しなければならないポイントもあります。

本記事ではビッグデータの基本的な知識に加え、活用方法の身近な例などについて解説します。
ビッグデータをビジネスに活用したい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

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【基礎知識】ビッグデータとは

本章ではビッグデータの基礎知識について解説します。
IT業界の専門用語のような印象を抱く人もいますが、実際のビッグデータは我々にとって身近な存在です。

ビッグデータの定義

ビッグデータとは、「日々生成される多種多様かつ膨大なデータ群」を意味する用語です。
明確な定義はまだ定まっていないものの、以下3点の要素すべて、あるいはいずれかを満たすものであればビッグデータとして扱われます。

volume(量)数テラバイト〜数ペタバイトの膨大な量を持つ
variety(種類)列や行で表現されるものだけでなく、テキスト・音声・動画・画像など多様な種類がある
velocity(速度)発生速度・頻度が高く、処理にもスピードが求められる

参照:ガートナーの用語集|ビッグデータ(Gartner,Inc.)

なお、昨今は上記の「3V」に加え、Value(価値)・Veracity(正確さ・信憑性)を加えた「5V」を基準とする傾向があります。
ビッグデータは特殊なソフトやアプリによって生み出されるものではありません。

SNSの操作・ECサイトでの購入・Web検索など、毎日の何気ない操作によって生成され、蓄積されていくデータです。

参照:公的統計におけるビッグ・データの活用の動向|総務省

ビッグデータの構成要素

ビッグデータの構成要素は、大きく分けて以下の3種類があります。

オープンデータ国や地方公共団体が提供するデータ
作業データ産業や企業が持つノウハウなどのデータ(パーソナルデータ以外のものを指す)
パーソナルデータ個人の属性情報・移動や行動、購買の履歴・ウェアラブル端末が収集した個人情報

参照:平成29年版地方財政白書|総務省

ビッグデータは上記3種類のデータによって構成されており、それぞれを適切に連携させることで活用されています。
ただし、なかには個人情報に類するデータも含まれるため、運用する際にはプライバシーへの配慮が必要です。

ビッグデータが持つ膨大な情報は、新しいビジネスを生み出したり、事業の成長を予測したりするうえで役立つものです。
今後も、さまざまな場面でビッグデータは活用されていくと予想できます。

ビッグデータの3つの種類

ビッグデータには、以下のように3種類に分類されます。

  • 構造化データ
  • 半構造化データ
  • 非構造化データ

ビッグデータの種類は内容ではなく、構成や変換可能性などの有無で分類される点が特徴です。
それぞれの種類の特徴について、順番に解説します。

構造化データ

構造化データには、行と列で構成される二次元の表形式のデータ、あるいは表形式に変換できるデータが該当します。
日常的に利用されるExcel・CSV・固定長のような、リレーショナルデータベース型のデータが、構造化データの代表例です。

構造化データは表形式に変換できるため、集計や整理が簡単にできます。
そのため、分析・解析がしやすく、比較的運用が手軽にできる点が特徴です。

半構造化データ

半構造化データは、表形式への変換可能性が一見するとわからないビッグデータを指します。
定義上では非構造化データに近く、フレキシブルな構造を持っている点が特徴です。

半構造化データにはXMLやJSONなどが該当します。
半構造化データはデータとタグの組み合わせで保存し、利用する際は用途に合わせたデータ構造を当てはめて読み込む形式で運用します。

そのため、多種多様なデータの管理が可能です。
ただし、読み込みのためにツールやデータベースを用意しなければなりません。

非構造化データ

非構造化データは明確な構造定義やフレームワークを持たないデータです。
メール・各種電子書類・Wordのようなoffice文書・画像・動画・音声データなどが該当します。

非構造化データは構造定義を持たないため、集計や整理には不向きです。
加えて情報量が多いため、ストレージを過度に圧迫するリスクがあります。

一方で、非構造化データは多種多様なうえに、人間の五感に影響しやすい形式を持っています。
そのため、内容を理解しやすいだけでなく、高い汎用性を有している点が特徴です。

また、非構造化データは収集しやすいデータ群であり、おおまかな検索でも膨大な量を集められます。
分析に手間こそかかりますが、データ量の確保が容易です。

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ビッグデータ活用の身近な例

本章ではビッグデータ活用の身近な例を紹介します。

本章で紹介する事例は以下の通りです。

  • 位置情報
  • 天気・気象データ
  • 医療情報システム
  • 購入履歴
  • 広告
  • 交通情報

ビッグデータは、日常生活のさまざまな場面で活用されているものです。
新たなビジネスを考えるヒントにもなるので、ぜひ参考にしてください。

位置情報

GPSによって生成された位置情報のビッグデータは、観光業界などさまざまな業界で活用されています。

昨今はSNSの投稿などによって位置情報が蓄積されやすくなりました。
位置情報は、交通状況・特定の場所が混雑する時間帯・ユーザーの行動パターンを解析するうえで活用されています。

位置情報を活用すれば、ユーザーの行動パターンやグループ構成を踏まえたうえで、人気のある施設や観光客向けのサービスの紹介などを実践できます。

天気・気象データ

気温・大気・気圧などの天気・気象データは、さまざまな企業が多数の観測地点から収集している膨大な量のビッグデータです。
これらの膨大なデータ群があるからこそ、より高精度な天気予報や気象予測を実現できます。

観測地点からの情報だけでなく、ユーザーの天気に関するリポートも、予測の精度を上げる重要なビッグデータです。
例えば、リアルタイムで雨雲の状況を伝える雨雲レーダーは、SNSでのユーザーの投稿を分析することで精度を向上させています。

また、天気・気象データを販売予測に活用する例も増えてきました。
天気の変動を予測することで顧客の動向を把握したり、気象に合わせたセールを実施したりするなど、さまざまな場面で活用されています。

医療情報システム

医療の分野においても、ビッグデータは役立てられています。
診療記録・健康診断・お薬手帳の記録などのデータは、健康維持や健康増進に役立つ貴重なものです。

そのため、近年の医療業界ではビッグデータの収集や分析を進め、医療情報システムの発展に役立てています。

加えて、匿名化した医療・介護に関するビッグデータを収集・分析し、施設を横断して共有することで、各分野の課題解決を目指すデータヘルス分析も実践されるようになりました。
さらに個人の睡眠・心拍数・運動などに関するデータを利用し、個人が健康管理に利用できるウェアラブル端末やアプリも登場しています。

購入履歴

ECサイトやオンラインショップなどで蓄積される購入履歴も、ビジネスに役立つ貴重なビッグデータです。
購入履歴を解析すれば、ユーザーのライフスタイルや関心などを把握できます。

また、商品の閲覧履歴・クリック履歴・ポイント使用履歴などもユーザーの傾向を把握するうえで役立ちます。
購入履歴などのビッグデータを活用すれば、ユーザーに自動でおすすめ商品をレコメンドする機能などの搭載が可能です。

個々のユーザーの嗜好に合わせたレコメンドができれば、売上の向上を期待できます。

広告

SNSや検索エンジンなどで掲載される広告にもビッグデータは活用されています。

ユーザーの年齢・性別・職業・趣味・行動記録などのビッグデータを分析すれば、ニーズに合わせた広告の提示が可能です。
ターゲットを具体化したうえで広告を提示することで、宣伝効果の向上が期待できます。

また、確度の高い広告を提示できるようになれば、無駄な広告を減らせます。
そのため、広告宣伝費のようなコストの削減にもつながる点も魅力です。

交通情報

交通情報のビッグデータは位置情報と組み合わせることで、交通状況や公共交通機関の利用状況などを把握できます。

ビッグデータによる交通情報の分析は、渋滞情報の提供や、渋滞を回避できるルートの提供などを実現する施策です。
最大限活用すれば、道路の混雑状況を緩和し、快適な交通網を実現できます。

また、ビッグデータによる交通情報の分析は二酸化炭素の排出量の解析にも役立つ取り組みです。
そのため、地球温暖化対策にも貢献できます。

ビッグデータを活用する4つのメリット

ビッグデータをビジネスで活用すれば、以下のようなメリットを得られます。

  • 高精度なデータ分析ができる
  • 市場や顧客のニーズを把握できる
  • 顧客満足度を向上させられる
  • 新たな商品・サービスの開発につながる

メリットを理解すれば、従業員間でビッグデータを活用する目的の共有が可能です。

高精度なデータ分析ができる

ビッグデータの活用は、あらゆるジャンルの情報の収集はもちろん、リアルタイムでの分析を可能とするため、高精度なデータ分析が実現します。
ビッグデータによる高精度なデータ分析ができるようになれば、顧客や市場のトレンド・業界や競合他社の動向などを把握できます。

さらに蓄積されたデータを基に高度な未来予測ができるため、経営戦略の変更や新規事業の立ち上げなど、重要な場面でのスムーズな意思決定も可能です。

高精度なデータ分析がもたらすメリットはそれだけではありません。
設備の稼働状況の分析による故障リスクの予測や、音声認識技術の応用など、多様な場面でもビッグデータは役立ちます。

市場や顧客のニーズを把握できる

企業が競争力を高めるうえで、市場や顧客のニーズを把握することは不可欠です。
ビッグデータの活用はマーケティングの精度を高め、効率化する効果が期待できます。

年齢・性別・職業・ライフスタイルなど、顧客に関する情報を集めれば、効果的な宣伝が可能です。
もちろん、高精度なマーケティングによって得られた情報は、より良い経営戦略を構築するうえでのベースとして活用できます。

昨今は、技術の発展や嗜好の多様化によって顧客や市場のニーズが変動しやすい状況です。
高精度なマーケティングは、競争力を高め、自社の優位性を確保するうえで欠かせません。

顧客満足度を向上させられる

顧客満足度を向上させるうえでも、ビッグデータの活用は役立ちます。
ビッグデータを分析すれば、顧客の嗜好を把握できるだけでなく、サイトを操作しているときの行動パターンなども把握できます。

顧客の行動パターンが把握できるようになれば、より使いやすいインターフェースの開発や、顧客の要望に合わせた機能の実装が可能です。

また、ビッグデータを解析する過程で集まった不満や疑問にも応えられます。
顧客のニーズに合わせて商品やサービスの質を改善できれば、顧客満足度の向上が期待できます。

新たな商品・サービスの開発につながる

ビッグデータで得られる情報は、新たな商品・サービスの開発にもつながるものです。
ビッグデータの解析によって、顧客のニーズや市場のトレンドをいち早く把握すれば、新規開発が成功する確率を向上させられます。

また、新しい商品・サービスのテスト販売やデモンストレーションの結果もスピーディーに解析できるので、早急な改善も可能です。

ビッグデータを活用する際の3つの注意点

ビッグデータはビジネスにさまざまなメリットをもたらしますが、活用するうえでいくつかの注意点があります。
本章では以下のような注意点を解説します。

  • 活用するうえでコストがかかる
  • データの収集に手間がかかりやすい
  • プライバシーに配慮する必要がある

注意点を理解していなければ、ビッグデータを活用しても満足な費用対効果を得られません。
ビッグデータを取り入れる際は、忘れずにチェックしておきましょう。

活用するうえでコストがかかる

ビッグデータを活用する際は、一定以上のコストがかかる点に注意しなければなりません。
ビッグデータを収集・分析するツールやシステムに加え、スキルを持った人材を確保しなければなりません。

これらの準備をするだけでも、設備費や人件費などのコストもかかります。
加えて、ツールやシステムだけでなく、ビッグデータを運用・管理するストレージやサーバーなどの保守管理費用も無視できないコストです。

ビッグデータの活用に要するコストは、扱うデータの規模によって変動します。
ビッグデータの規模が大きいほどコストが増加します。

データの収集に手間がかかりやすい

ビッグデータの収集には手間がかかりやすいものです。
ビッグデータに含まれる情報には、無価値なものや重複が含まれている場合があります。

ビッグデータを活用するなら、まずはデータを選別しなければなりません。
また、半構造化データ・非構造化データであれば、解析するために整理する必要があります。

そのため、解析の段階に達するまでにも手間がかかります。
ビッグデータを活用するうえで、データの取捨選択や効率的な整理・分析を実践する体制は不可欠です。

プライバシーに配慮する必要がある

ビッグデータのなかには、個人情報に類するものが含まれている場合があります。
そのため、ビッグデータを活用する企業は、プライバシーに配慮しなければなりません。

ビッグデータを収集・分析する過程でプライバシーを侵害する事態に陥った際は、企業の信用が失われるリスクがあります。
個人情報に類するビッグデータを扱う際は、プライバシーを侵害しないように加工する必要があります。

もちろん、情報の流出を防ぐためのセキュリティの強化も欠かせません。
また、ビッグデータを扱ううえで各種ガイドライン・規定を設定したり、従業員のリテラシーを向上させたりすることも不可欠な取り組みです。

適切にビッグデータを活用するためにも、適切な体制づくりを進めましょう。

身近な例からビッグデータの最適な活用方法を学ぼう

近年はさまざまな企業がビッグデータをビジネスに活用するようになりました。

ビッグデータは高精度なデータ分析やマーケティングに役立ちます。
加えて、新たな商品やサービスを発明するきっかけを生み出すものです。

しかし、ビッグデータを活用するなら、収集や運用にかかるコストに注意しなければなりません。
扱うデータの種類によってはプライバシーへの配慮も必要です。

ビッグデータの原理を知り、注意点を意識すれば、適切に活用できます。
身近な例からビッグデータの活用方法を学び、事業の成長に役立ててください。

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