オフショア開発を成功に導く「進捗管理」とは?メリットやコツを解説
日本企業のなかには、オフショア開発を導入することでビジネス効果をあげている企業が多数あります。一方で、失敗する企業もあります。
この成否を分けるポイントのひとつに「進捗管理」があげられます。プロジェクトを成功させるための進捗管理のコツをおさえて、オフショア開発を導入する際に活用してみてください。
オフショア開発のうち、Wakka Incではオフショアラボ型開発サービスを提供しています。
ラボ型開発に興味がある方は「【保存版】成長企業が導入するWakkaのラボ型開発」に詳しいサービス内容を掲載しているのでご覧ください。
【おすすめ資料】システム開発会社が利用する、プロジェクト計画書のテンプレートです!
PMBOKを意識した内容になっており、プロジェクトの概要からスコープ、マネジメント、リスク管理といった項目が盛り込まれる計画書テンプレートです。
オフショア開発で重要なのは進捗管理
一般的にオフショア開発は、国内での開発よりも業務管理が難しいと言われています。
進捗管理をしっかりできるPMやブリッジSEが現地に在籍していれば別ですが、そうでない場合には、目標に対してのズレが発生することは想定しておくべきです。
また、プロジェクトを現地の委託先企業に任せっきりにしていると、適切な進捗管理ができずに後々問題の発生する可能性が高まります。
ここで言う「適切な進捗管理」とは、業務目標に基づいた計画にそって実際の作業状況を確認し、ズレがないかを把握することです。
進捗確認が適切に行われていないと、問題が発覚する直前まで作業遅延や業務ミスに気づけず、結果的に納期の遅れによる人件費の増大や機会損失につながるリスクが高まるおそれがあります。
IT業界では、品質管理の手法として進捗管理が実施されており、これによってシステム障害やトラブル、リコールなど企業に与える大きな損害を未然に防止することができています。
ITシステムの開発を海外企業に委託するオフショア開発においても、「適切な進捗管理」はプロジェクトを成功に導く重要なカギになります。
オフショア開発の課題について詳しく知ら知りたい方は「オフショア開発における課題とは?3つのポイントで解決策を解説」をご覧ください。
進捗管理を行うメリットとは?
前項にてオフショア開発で重要な進捗管理についてお伝えしましたが、ITシステム開発における進捗管理のメリットについて整理しておきましょう。
メリット1:生産性や品質の向上
進捗管理を行うことで、メンバーの意識が目標に向かって統一されるので、モチベーションアップにつながり生産性が上がります。
早期にミスも発見できるため、品質の向上も期待できます。
メリット2:納期遅延の防止
進捗管理を行い共有することで、各メンバーがスケジュールを意識するようになります。
早期にミスや問題を発見できることは納期遅延の防止につながります。プロジェクトを計画どおりに遅延なく遂行する能力は、企業にとっても絶対条件です。
メリット3:優先順位の明確化
進捗管理をすることで、無駄を省きながらプロジェクト全体で業務の効率化が進むため、優先順位が明確化されていきます。
メリット4:業務負担の平準化
進捗管理を行うことで、メンバーそれぞれの業務負担の見直しもできます。
業務量の偏りがなくなって業務負担の平準化につながり、納期遅延の防止も期待できます。
メリット5:問題やミスの早期発見
進捗管理を行うことで、業務ミスの発見やメンバーが抱えている問題を早期に発見できます。
それによってプロジェクトの問題点も明確化され、計画に対してのズレや品質の改善に向けて早い段階で修正することができます。進捗管理により大幅な納期遅延やトラブルを最小限におさえることができます。
【おすすめ資料】システム開発会社が利用する、プロジェクト計画書のテンプレートです!
PMBOKを意識した内容になっており、プロジェクトの概要からスコープ、マネジメント、リスク管理といった項目が盛り込まれる計画書テンプレートです。
プロジェクトの進捗管理を成功させるコツ
プロジェクト成功には適切な進捗管理が必要です。以下に、進捗管理を成功させるコツを紹介します。
コツ1:目標設定と現状把握
明確な目標が定まっていないと業務が進んでいるかどうか判断ができません。そこで、プロジェクトの目標やゴールを設定し、進捗率や進捗管理のルールを決めてメンバーで共通の認識を持つことが重要です。
目標から逆算し、メンバーの状態、個人・全体のタスクの進み具合などを確認しながら現状把握を行います。
コツ2:担当者ごとのタスクや作業時間を計算
進捗管理についての報告方法の統一が必要です。まず、チームや担当者ごとのタスク内容や作業時間を計算し、進捗管理で報告すべき項目を決めていきます。
項目の例として、「チーム全体・担当者ごとのタスクと必要な作業時間」「納期」「報告頻度・報告の仕方」「遅れの理由」「遅れに対する対策」などがあります。
コツ3:目標とのズレを洗い出す
目標達成に向けてプロジェクトを進行させるために、定期的に立てた目標に対しての進捗状況を確認していきます。
「目標に対してのチーム全体・担当者ごとの作業にズレはないか」「仕様内容にズレはないか」などをコンスタントに確認することで、早期にミスや問題を発見でき、生産性や品質の向上につなげます。
全体の進捗状況を把握しやすくするために、進捗状況を可視化した作業工程表などを活用します。最終目標だけでなく中間目標も設定しておくことで、進捗管理をスムーズに行うことができます。
進捗管理を習慣づけて、メンバー間の意思疎通を図ることはチームのモチベーションアップにもつながります。
コツ4:改善案の検討
定期的な進捗報告だけで終わるのではなく、同時に改善案の検討が必要です。
目標に対するズレ、課題が出てきた場合は、「目標に対してのズレを解消できるか」「作業分担の見直しが必要か」なども考えてみます。
改善案を出しながら進めることで、納期遅延の防止にもつながるメリットがあります。
日本と海外の習慣・考え方の違いから、進捗管理を導入しても最初はスムーズに進まないことがあります。
最初は報告のチェックや指摘をしながら、進捗管理の習慣化のために根気よく働きかけることが必要です。
まとめ:適切な進捗管理が行える信頼関係構築を
進捗管理をスムーズかつ的確に進めるには、メンバー同士の信頼関係の構築が重要です。信頼関係が築けていないと、ネガティブな課題を避けて報告したり、一定のメンバーに圧力をかけてしまったり、進捗管理が失敗する可能性が高まります。
そこで、プロジェクトチームの雰囲気をよくするために、相談しやすいような空気づくりも同時に行っていきます。
ミスが起きたときは個人を責めずに一緒に解決していくと、チームの雰囲気が良くなり作業効率が高まるメリットもあります。
また、進捗管理に慣れてくると、報告することが目的になってしまうことがあります。
「どこに課題があるか」「課題をどう解決するか」「納期に間に合わせるために何が必要か」など本来の進捗管理の目的を見失わないように、定期的に進捗管理の目的を再確認します。
適切な進捗管理は、オフショア開発を成功に導くための重要なポイントです。そのためには、開発チームとの綿密なコミュニケーションが必要になります。
Wakka Incでは、10年以上のオフショア開発の実績があり、日本の本社とベトナム支社が一丸となってお客様のオフショア開発や海外の開発子会社設立を支援しています。
オフショア開発について少しでも気になることがあれば、以下リンクからお気軽にお問い合わせください。
WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。