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オフショア開発

2022.1.20

オフショア開発における品質管理の課題と対策を解説

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はじめに

みなさん、こんにちは。Wakka Inc.ベトナム拠点のラボマネージャー中垣です。

IT人材のリソース不足を解消するために、オフショア開発を導入する日本企業が増えてきました。オフショア開発には、優れた人材を低価格で活用できるメリットがある一方で、いくつかの課題も存在します。

なかでも品質や納期などの「品質管理」について心配する企業が多いのが現状です。そこで、今回は品質管理における問題点、その解決策について紹介していきます。

システム開発における課題と解決策については、「システム開発の課題とは何か?解決策として期待される「ラボ型開発」の可能性 」もご覧ください。

オフショア開発の品質管理の重要性と課題

オフショア開発のみならず、ITシステムの開発において品質管理は不可欠です。品質管理を軽視してしまうと、バグの多発やプロジェクト全体に大きな損害を与えてしまいます。

開発コスト削減や、納期短縮を目的としてオフショア開発を選択したにもかかわらず、品質管理が適正になされないとバグの修正や応援人員の投入などが発生し、納期の遅延はもちろんコストが増大してしまいます。企業がオフショア開発を成功に導くためには、以下に挙げる3つの課題を理解することが必要です。

課題1:開発プロセスの不備

オフショア開発のみならず、ITシステムの開発においては、プロジェクト開始段階から要件が完璧に固まっていないケースも多く発生します。とくに発注側の人手や費用が不足している場合、要件定義や設計の段階で細部を詰めることができず、開発するシステムによって実現したいことを受注側に伝えきれないこともよく起こり得ます。

そのため、開発期間中の仕様変更がたびたび発生し、変更による影響範囲をすべて把握できないまま開発が進行してしまうなど、開発プロセスの不備が起こってしまいます。そして、納品の際に行われる受け入れテスト時に、重大な不良が露見することになってしまうなど、品質管理が保たれない結果につながることがあります。

課題2:品質管理体制の不備

ITシステムの開発現場では開発チーム、品質管理チームはそれぞれ別のプロジェクトに参加していることが多く、各開発工程で開発チームによる実装が完了した後に、品質管理チームがテストを行うといった流れが主流です。

その場合、もしテストで軽微な不良や手戻りが発生しても、開発チームはすでに次の要件に着手しているため、それぞれのチームで注力したいスコープがずれている状態となります。そのため、プロジェクトチームが一体となって品質の担保を図れないことが課題として表面化します。

 

課題3:言葉や文化、習慣の違いによるコミュニケーションロス

言葉や文化、習慣の違いによるコミュニケーションロスという、オフショア開発案件ならではの課題もあります。日本と海外との物理的な距離、時差の違いにより、会議やミーティングの時間も限られて十分なコミュニケーションをとりにくいことが原因です。開発の進捗が見えにくい傾向があり、コミュニケーション不足による仕様のミスマッチやスケジュールの認識違いも起こりやすく、納期の遅延につながることもあります。

また、言語が異なるため、コミュニケーションをとるのが困難な点も課題です。仕様書なども日本語から英語に翻訳したことで、ニュアンスの違いが生まれることもあります。さらには文化や歴史の違いから、日本と海外では仕事に対する意識の差や、納期に対しての意識の差が発生します。品質に対しての良し悪しについての捉え方が異なり、認識の違いから作業手順を勝手に変更するなど問題が発生することもあるのです。また、祝日も国によって異なるため、余裕を持ったスケジュール調整が求められます。

オフショア開発における課題と解決策については『オフショア開発における課題とは?3つのポイントで解決策を解説』もご覧ください。

 

品質低下の防止策

オフショア開発の場合、通常のITシステムの開発で起こりうる課題も含め、海外拠点における開発ならではの問題も発生します。オフショア開発を成功させるためには、前項で挙げた3つの課題を解消することが重要です。そこで品質低下を防ぐための3つの対策を紹介します。

 

対策1:適切な開発プロセスの導入

役割分担でいえば、PMOは開発に際するルールづくりや進捗管理、開発チームはルールに則った開発作業、品質管理チームはその開発作業がルールに従って行われているかのチェックを行います。品質の担保に関しては、プロジェクト毎の品質目標値の設定、テスト工程でどのようなテストを行うかの定義、各工程を完了できるかの基準などを設ける必要があります。また、従来型のウォーターフォール開発やV字モデルでは、品質の担保を上流工程だけで実施していることが主でした。そこで、最近主流のアジャイル開発のように各工程をサイクル化して繰り返し、品質管理をプロジェクトチーム全員で実施していくプロセスを導入してみましょう。

 

対策2:品質管理体制の強化

各開発工程における品質を担保していくためには開発チームと品質管理チームが一体となってプロジェクトを推進していくことが重要です。そのために品質管理チームをプロジェクトの初期段階から参加させることも有効といえるでしょう。要件定義や仕様検討といった、上流工程の段階から品質管理チームがプロジェクトに参加することで、それぞれの開発局面において、要件を基にしたテストコードやテストケースを作成することが可能となります。

 

防止策3:発注者と受注側の綿密なコミュニケーション

前述した2つの防止策に加え、オフショア開発には「仕様の明確化」が欠かせません。海外の開発会社は日本人のように仕様書の行間を読むことはしません。そのため、仕様書に書かれていること以外が反映されづらい、というようなことも時おり発生します。

発注側は時間とコストがかかりますが、詳細な仕様書を文章で提示して発注品質を高める必要があるでしょう。また、日本語ができる現地スタッフや、現地のエンジニアとコミュニケーションが取れる日本人スタッフおよびブリッジエンジニアを置くなどして、ディスコミュニケーションを解消することも重要です。

日本と海外では品質に関する捉え方が異なるため、受注側でどんなレビュー・テストを実施してもらうかは、発注元が要望や指針を前もって示しておく必要があります。さらに、発注元は、受注側からの分析結果の方向を鵜呑みにせず、裏付け調査を行うとさらに品質が担保されるでしょう。

 

オフショア開発における品質管理を維持するために

オフショア開発での品質を担保していくためには、前述した3つの課題によって発生する問題に対応していかなくてはなりません。そのためには、ラボ契約(ラボ型開発)でプロジェクトを推進していくのも有効です。

ラボ契約(ラボ型開発)とは、「開発会社と一定期間、自社の専属チームとして一緒に開発を行う契約」を結ぶことです。そして、海外の開発会社とラボ契約を結ぶのがラボ型オフショア開発です。ラボ型オフショア開発は、開発を進めながら仕様を固めていくプロジェクトに向いています。

例として「テストを繰り返しながら仕様を決定するシステムの立ち上げなどの長期的なプロジェクト」「ユーザーの動きに柔軟な対応が求められる請負でのシステム開発案件」「中長期に渡るWebサイトの監修や運用保守」などにおすすめです。オフショア開発は、先述したような主にコミュニケーションロスを要因とした課題を防ぐことができる手段にもなり、品質管理の維持に有効といえるでしょう。

 

ラボ契約に関してはこちらの記事で詳しく紹介しています。

 

まとめ:適切なプロセス、体制の整備がオフショア開発を成功に導く

オフショア開発には、コストを抑えつつ優秀な人材を確保できるメリットがあります。ただし、ITシステムの開発につきまとう品質管理の問題に加え、海外との受発注であることからコミュニケーション不足による問題が発生するリスクもあります。オフショア開発を成功に導くためには、適切な開発プロセスの導入やコミュニケーションの問題を解決するための体制作りなど、今回紹介した3つの課題に対する防止策を講じていくことが必要です。

オフショア開発、ラボ型開発について少しでも気になることがあれば、以下リンクからお気軽にお問い合わせください。

また、各種ガイドブックや1on1セミナーなどもご用意していますので、ぜひこの機会に活用してみてください。

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お問い合わせはこちら

 

中垣圭嗣

中垣圭嗣
WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。 Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。 最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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