システム開発コストの内訳!計算方法や見直しポイントなども解説

最終更新日:2024.11.21
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
システム開発コストの内訳!計算方法や見直しポイントなども解説
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

システム開発に取り組む際、コストは注意しなければならない要素です。
開発コストが増大すると、利益を圧迫するだけでなく、資金繰りが悪化し、開発を続けられなくなるリスクが高まります。

そのため、システム開発に取り組む前に、発生するコストは把握しておかなければなりません。

他方で、「どのようなコストがあるかわからない」「コストの計算方法がわからない」と感じる方もいるのではないでしょうか。

本記事ではシステム開発で生じるコストの内訳や、計算方法などについて解説します。
ぜひ参考にしてください。

目次

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システム開発コストの重要性

システム開発において、コストは重要な要素です。

システム開発をする際、コストの計算が上手くできていないと、想定以上の出費が発生し、利益を圧迫する恐れがあります。

どれだけ優れたシステムを開発しても、コストによって利益が圧迫され続ければ、次の新規開発や事業の拡大に着手できないでしょう。
その結果、企業の成長が低迷する恐れがあります。

また、新規開発は必ずしも成功するとは限らない戦略です。
もしリリースしたシステムの売上が低迷した場合、開発コストが高いと売上で回収しきれず、企業が赤字に転落する恐れがあります。

したがって、新規開発の失敗時の損害を最小限にするうえでも、開発コストのコントールは重要な課題です。

システム開発コストの内訳と相場

システム開発を行うなら、コストの内訳や相場はあらかじめ把握しましょう。
発生するコストの種類や相場を理解すれば、適切なコストの基準を把握できます。

開発費

システム開発の場合、人件費が開発費の大半を占めます。
システム開発では設計・プログラミング・テストなど、さまざまな作業を実施しますが、それぞれの工程で人件費が発生するものです。

システム開発における人件費は均一ではありません。
同じSEでも初級・中級・上級で賃金が変わるうえに、外部の業者にシステム開発を依頼する際にも、業者の規模や設定によって人件費は異なります。

また、開発費は作業の進め方によっても変動します。
例えば納期に間に合わせるために、開発チームが残業や休日出勤を何度も行えば、それだけ人件費は増加するでしょう。

もちろん、プロジェクトの軌道修正で作業のやり直しが発生したり、開発に伴う作業が長引いたりした場合でも、人件費は増加します。

つまり、システム開発における開発費は、開発に関わる人材の数や開発方針の影響を受けやすいものだと捉えられます。

設備費

設備費とは、システム開発に必要な機器やシステムなどに費やすコストです。

自社でシステム開発を行う場合、自前のシステムやパソコン・サーバーなどの機器を利用しますが、あらゆる設備にはライセンス料や保守管理費などが発生します。
もしレンタルやリースで設備を行っている場合は、使用料やリース料が発生するでしょう。

昨今はリーズナブルな価格で設備を利用できるサービスも多い一方、設備費が増加すると企業への負担も大きくなります。
そのため、設備費は開発費と並んで重視すべき視できないコストのひとつです。

プロジェクト管理費

開発プロジェクトの進捗管理や品質維持で発生するコストは、プロジェクト管理費と呼ばれます。

開発プロジェクトを適切に管理するうえでも、プロジェクト管理費は欠かせないものです。
一般的に、プロジェクト管理費は開発コストの1割程度を当てる傾向があります。

その他間接費

その他間接費とは、システム開発に際して発生した各種経費です。

オフィスの賃料・従業員の交通費などが該当しますが、企業によっては「リスク費」の名目でトラブルに対応するための予備費用を含めている場合があります。

システム開発コストの相場

システム開発のコストは、開発するシステムの種類や規模によって相場が異なります。
それぞれの開発コストの相場は以下のとおりです。

システムの種類開発費用
ECサイト50~3,000万円以上
予約管理サイト80~1,000万円以上
業務支援サイト30~800万円以上
基幹システム30~500万円以上
掲示板・BBS50~300万円以上

上記の表はあくまで一例ですが、どのシステムであれ、規模が大きく、機能やデザインにオリジナリティを求めるほど開発コストは増大する傾向があります。

とりわけ顧客の使用を前提にしたシステムは、ニーズに合わせて定期的なアップデートやメンテナンスが不可欠です。
そのため、リリース後にもコストが発生する点には注意しなければなりません。

他方で、機能やデザインにオリジナリティを求めないなら、それだけ開発コストは抑えられます。
既存のテンプレートをベースにしたシステムなら、多少システムの規模が大きくても開発コストを軽減させられるでしょう。

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開発コストの計算方法

開発コストの内訳を把握するなら、計算方法を知る必要があります。

開発コストの計算方法は複数あり、いずれも手順や参照するデータが異なります。
いずれもメリット・デメリットがあるため、それぞれの計算方法を組み合わせて活用しましょう。

異なる観点で開発コストを計算すれば、より高精度なデータを得られます。

経験則による想定

経験則による想定は、システム開発の専門家や、従業員の経験や知識に基づいて開発コストを計算する方法です。

経験則による想定は、経験豊富な人材が開発チームにいれば実施できる手軽な計算方法です。
スピーディーに開発コストを計算できるため、概算を出す際に活用できます。

ただし、あくまで想定であるため、他の計算方法と比較すると正確性は劣ります。

トップダウン法

トップダウン法は、過去に行った類似のシステム開発の資料を参照して開発コストを計算する方法です。
「類推見積り法」とも呼ばれており、類似したプロジェクトを参照するため、開発コストを正確に把握できます。

工数や工程が同じプロジェクトが過去にあれば、トップダウン法は簡単に実践できるうえに、スピーディーな計算が可能です。
そのため、トップダウン法はシステム開発の経験が豊富な企業に適しています。

裏を返せば、トップダウン法はシステム開発の経験が少ない企業には不向きな計算方法です。
また、過去のプロジェクトに関わった人材がいないと、データの解釈を誤り、計算結果の精度を低下させる恐れがあります。

ボトムアップ法

ボトムアップ法は工数積み上げ法とも呼ばれる計算方法であり、プロジェクト全体を俯瞰し、個々の作業の工数と単価を計算して開発コストを算出する点が特徴です。

ボトムアップ法ならそれぞれの作業ごとに単価を出して計算するため、工数の漏れを防止できます。
また、作業ごとのコストを把握できるため、作業の見直しにも役立てられます。

ボトムアップ法はもっとも高い精度で計算ができる方法ですが、工数を把握できる規模のプロジェクトでなければ効果を発揮できません。
工数の把握が難しい大規模な開発プロジェクトだと、計算結果の精度が低下する恐れがあります。

パラメトリック法

パラメトリック法とは、係数モデルとも呼ばれ計算方法であり、過去の実績をベースに、特定の数式や変数を利用して開発コストを計算します。

例えば、50個開発すると50万円かかる製品の開発コストは、1個当たり1万円です。
この場合、100個開発すると、100×1万円で100万円の開発コストがかかるとわかります。

パラメトリック法は、上記のように過去の開発実績を元に数式を作成し、それを利用して開発コストを計算します。
機械的に開発コストを計算できるため、経験や知識がなくても利用できる点が、パラメトリック法のメリットです。

ただし、計算に使用するデータの数が少なかったり、精度が低かったりすると、パラメトリック法の精度は低下します。
そのため、運用できるデータが不足している状況では使いにくい計算方法です。

プライスツーウィン法

プライスツーウィン法は、他の計算方法と異なり、「定められたコストで開発できるもの」を算出する計算方法です。

プライスツーウィン法なら、使用できる予算に合わせたシステムを想定する形で計算するため、開発コストに過不足が生じません。
そのため、顧客の提示した予算で実現できる開発を調べる際におすすめの計算方法です。

ただし、予算内で開発できる範囲のみを計算する方法であるため、システムのクオリティが犠牲になるリスクがある点には注意しましょう。

開発コスト削減のための見直しポイント5つ

本章では開発コスト削減のための見直しポイントを5つ解説します。

開発コストは内訳を把握すれば、しだいに課題が見えてきます。
場合によっては、過剰にコストが膨らみ、利益を圧迫するリスクが潜在している場合もあるでしょう。

ただし、開発コストは無闇に削減するとシステムのクオリティを低下させる恐れがあります。
そのため、開発コストの削減はポイントを押さえたうえで、適切に行わなければなりません。

目的と予算を明確化した要件定義

開発コストを削減するなら、まずは要件定義を見直し、目的と予算を明確化しましょう。
要件定義を曖昧な状態だと予算が不明確になり、適切な開発工程を組みにくくなります。

開発工程が不透明なままだと軌道修正が多発したり、本来のコンセプトに不要な機能の追加したりするような事態が発生するでしょう。
その結果、開発コストが増加し、利益の圧迫や開発資金の不足を招く恐れがあります。

要件定義は開発するシステムの目的を明確にし、開発スタッフに共有するうえで重要なプロセスです。
要件定義を固められれば、予算も明確になり、軌道修正や無駄な機能の追加による工数・コストの増加を防止できるでしょう。

管理するシステムやサーバーの数

管理しなければならないシステムやサーバーの数も、重要な見直しのポイントです。

管理するシステムやサーバーの数が多いと、維持コストや管理コストが増加する恐れがあります。
開発に際して活用できるシステムやサーバーが多いことはメリットである反面、使いきれていないままだとかえって無駄なリソースになりかねません。

維持や管理が難しいなら、システムやサーバーの数を削減したり、クラウドサービスのようなリーズナブルに運用できるものに切り替えたりしましょう。
システムやサーバーにかかる無駄なコストを減らせば、その分開発コストに費やせます。

アウトソーシングの見直し

企業によっては、業務をアウトソーシングしている場合がありますが、必ずしもアウトソーシングが開発コストの軽減につながるとは限りません。

ノンコア業務のように開発に関わらないもののアウトソーシングは、開発プロセスを効率化するものです。
ただし、開発に関わる業務はアウトソーシングすると、自社と業者の意思確認や意思決定のプロセスが発生します。

その結果、かえって工数が増大する恐れがあります。

そのため、開発に関わる業務は可能な限り自社内で完結する体制づくりを実施しましょう。
自社内で開発する体制を構築できれば、工数を削減するだけでなく、アウトソーシングにかかる費用を減らし、開発コストの適正化を実現できます。

既存のパッケージの活用

システム開発に際し、オリジナリティを重視しないのであれば、既存のパッケージを活用する方法もおすすめです

昨今はさまざまなシステム開発に応用できるパッケージソフトが販売されています。
ソフトによっては、簡単なカスタマイズを施すだけでシステム開発ができるタイプもあり、適切に運用すれば開発コストの削減が可能です。

また、開発期間の短縮もできるため、スピーディーなリリースも実現するでしょう。

開発プロセスの確認

開発プロセスの確認も、開発コストを見直すうえで有効な方法です。

昨今はさまざまな開発手法が誕生しており、なかにはアジャイル開発やMVP開発のように短期間かつ低コストでの開発を目指した手法があります。
これらの開発手法はユーザーのフィードバックを得ながら開発するため、市場のニーズに合ったシステムを開発できる可能性も高められるでしょう。

しかし、開発するシステムによって相性がよい手法は異なります。
開発手法は開発するシステムの内実に合わせて選択してください。

システム開発コストの内訳を見直せばコストを削減できる

システム開発の利益を最大化するうえでも、開発コストの内訳の見直しは重要な作業です。
さまざまな計算方法を駆使し、開発コストの内訳を精査すれば、不要なコストを削減するきっかけを得られます。

ただし、システムの質を下げないためにも、開発コストを削減する際は適切な対応を行わなければなりません。

開発コストを削減する際は、要件定義・アウトソーシング・開発プロセスなど、さまざまな観点で分析し、適切な手法を選びましょう。

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