開発リソース不足を解決する方法!積極的なオフショアの活用が成功のカギ

最終更新日:2024.11.19
ラボ型・オフショア開発
中垣圭嗣
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経済産業省が2018年に発表したレポートのなかにある「2025年の崖」は、日本のIT業界および経済界に衝撃を与えました。

なぜなら、ITシステムの老朽化やIT人材の不足が、年間で最大12兆円を超える損失を生み出すと書かれていたためです。

2022年現在でもIT人材の不足は、国内で深刻化しています。IT人材を継続的に確保して、開発を効率よく進めるためにはどのような方策が必要なのでしょうか。今回は、開発リソース不足の抜本的な解決策となりうるオフショア開発の利用についてご紹介していきます。

オフショア開発のうち、Wakka Incではオフショアラボ型開発サービスを提供しています。
ラボ型開発に興味がある方は「【保存版】成長企業が導入するWakkaのラボ型開発」に詳しいサービス内容を掲載しているのでご覧ください。

目次

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2025年の崖とは?

「2025年の崖」は、経済産業省が2018年に発表した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』(デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会)が発端となり話題になりました。

このレポートのなかでは、少子高齢化により2025年には人口の年齢別比率が変化し、超高齢化社会になり労働力不足を招くことが懸念点として挙げられています。

一方で既存のITシステムは、これらをメンテナンスしたり新規更新するIT人材の不足から、複雑化や老朽化、ブラックボックス化を招き、セキュリティの課題が深刻になっていくと予測されています。

このようなITシステムの問題は、日常的に企業で行われている業務を非効率化させてしまいます。DXの推進と逆行するこのような状況と超高齢化社会が、日本の経済界に最大で年間12兆円の経済損失を生じさせる、というのが「2025年の崖」なのです。

深刻化する国内IT業界の人材不足と国の対策

「2025年の崖」の要因は、少子高齢化による超高齢化社会が招く労働力不足とIT人材の不足です。
ここでは、具体的に将来どのぐらいのIT人材が不足するのかについて見ていきましょう。併せて、この問題に対する国の対策も解説していきます。

加速する労働人口の減少によってIT人材が約79万人不足する

「2025年の崖」を招くそもそもの原因は、日本の人口減少に伴う少子高齢化です。2022年現在の日本の人口は約1億2,500万人ですが、2050年には約1億人まで減ってしまうと予測されています(「国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)結果報告書」より)。

また、出生率は年々減少する傾向にあるので、総人口の減少が加速することも考えられ、さらなる少子高齢化と労働人口の減少を招くことになるかもしれません。

これら労働人口減少の影響を受けて、IT人材は2030年に約79万人の不足が予想されており、2025年の崖は現実的なものとして捉えられているのです(経済産業省「IT 人材需給に関する調査」より)。

IT技術者の不足に対する国の対策は?

ではIT技術者の不足に対して、国はどのような対策を打ち出しているのでしょうか。主なものをいくつか紹介しておきましょう。

女性やシニア、外国人材の活用促進

厚生労働省や経済産業省では、女性やシニア人材、外国人材(高度外国人材)の活用促進に関わるセミナーなどを全国各地で開催しています。

企業とのマッチングなども積極的に行っています。特に、結婚や出産を機に仕事に就けなくなってしまった女性や、技術があるのにリタイアせざるを得なかったシニア人材の再活用が、労働力向上のカギとなっています。

高付加価値領域への戦略的人材配置

ICTやDX、AI活用を行う高付加価値領域への人材(IT人材)配置を、政府として積極的に進めていくという政策です。
企業だけでなく政府機関での登用も積極的に行う方策を示しています。

IT人材のスキルアップ支援

IT人材を育成するためのセミナーや学校での教育プログラム導入を通じ、IT人材そのものを増やしていくという政策です。
経済産業省ではプログラミングコンテストや、IT人材の早期発掘と育成に向けて、22歳以下の若者を対象に合宿形式での講習会なども実施しています。

先端IT人材、情報セキュリティ人材、IT起業家などの重点的な育成強化

上記はIT人材の発掘や育成に関する政策ですが、これは現在すでにITに関わっている人材を、さらに高度な領域へと育成する政策です。専門的な教育プログラムや講演会、ITで起業しようとする人を支援する制度融資や補助金制度などが用意されています。

IT人材の処遇改善

政府は各企業にIT人材の処遇改善を要請していますが、このような要請を受けるまでもなく企業はIT人材の給与などを上げることで人材の確保に努めています。
企業間では、優秀なIT人材になると年収数千万円でオファーをかけるなどの激しい争奪戦になっており、政府の支援策では間に合わないほどIT人材は企業から渇望されていることがわかります。

上記のような政府の対策は、人材不足を解消するまでとても時間のかかるものであり、現在のIT人材不足に即時対応できるものではありません。今すぐに進めなければいけないシステム開発などには、別の対策を打つ必要があります。

オフショア開発でリソースの不足を解決するための具体策

政府の対策などに頼らず、企業が独自に進められるIT人材不足への対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
具体的な方策について見ていきましょう。

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企業が実行できる開発リソース不足への対策

社内人材育成の強化

社内のIT人材を、教育や外部研修によって強化・育成する方法です。
ただし、この方法は政府の対策同様、時間がかかる対策だと言えるでしょう。また、育成後にせっかく育てた人材が転職してしまう可能性もあります。

キャリアや副業人材など、多様な人材の採用

IT業務のキャリア(経験者)やフリーランスを積極的に活用する方法です。
ただし、この方法も優秀な人材は既に争奪戦となっているため確保しにくく、また、コスト(人件費)が高くなる傾向があります。

オフショア開発の活用

一番現実的で即効性のある人材補完策が、外部、それも海外への開発委託(オフショア開発)です。
以前から海外への開発委託は行われており、ひと昔前は中国やインドへのオフショア開発が人気となっていました。

現在ではコストメリットのある東南アジアや南アジアへの委託が主流で、特に近年ではコストパフォーマンスに優れるベトナムが一番の人気となっています。

オフショア開発は、すぐに課題(人材不足、コスト削減など)を解決できるソリューションとして検討している企業が多く、IT系企業ではソフトウェア開発、Webシステム開発、スマホアプリ開発、HP制作、ゲームアプリ開発などで活用が進んでいます。

ソフトウェア開発・システム開発の手法について詳しく知りたい方は、「検討中なら知っておきたいオフショア開発の動向!人気No.1はどこの国?」もご覧ください。

オフショア開発における3つのメリット

オフショア開発を利用した場合のメリットを整理しておきましょう。具体的には下記の3点です。

優秀な人材・リソースの確保

東南アジアや南アジア、特にベトナムなどでは、国が政策としてIT人材の教育や教育機関の拡充に力を入れています。

結果としてIT人材が豊富で、日本のように人材不足による開発の遅れが発生しにくい状況にあります。優秀な人材や開発リソースの確保に、オフショア開発は最適な選択肢だと言えるでしょう。

コスト削減

日本に比べ、東南アジア、南アジアは人件費が低いので、開発コストの削減が可能です。

日本でもコスト削減策としてニアショア開発(ソフトウェアなどの開発業務を、国内の地方都市など比較的近距離にある企業に委託すること)などがありますが、コスト削減の幅が少ないのと人材不足を解消する対策にはならないので、この点でもオフショア開発にはメリットがあります。

ラボ型開発も可能

ラボ型開発(もしくはラボ契約)とは、契約を結んだ顧客専用の開発チームを確保して開発を進める手法です。

この手法では基本的にメンバーを変えずに開発を進めていくので、開発の進め方やノウハウをメンバーがそのまま保持できる利点があります。

国内でもラボ型開発を依頼することは可能ですが、メンバーの指名によるコスト高となってしまうことがほとんどです。
オフショア開発であればコストメリットを残したまま、効率的な開発が可能となるラボ型開発を実施することが可能です。

※ラボ型開発について詳しく知りたい方は「【ラボ型開発】 その特徴とメリット・デメリットは?|分かりやすく解説」もご覧ください。

まとめ:開発リソース不足を解決するにはオフショア開発が有効

今後ますます深刻化していくと思われるIT系の人材不足。
国内ではすでに人材の争奪戦が始まっているので、他の企業に先んじた早めの対策が求められています。

社内のリソースではまかないきれない場合、外部の協力会社を活用するという選択肢もあります。
特にコストパフォーマンスに優れたオフショア開発(ラボ型オフショア開発)は、システム開発の課題を解決する有効な手立てになります。

IT系企業に人気のあるオフショア開発には、メリットだけでなく課題もあります。ただし、ほとんどの課題は事前に計画や対策することで解決できます。
オフショア開発を成功させるためにも、実績のある企業に相談をして取り組むのが得策といえるでしょう。

※オフショア開発を実施する際の課題や解決策について知りたい方は「オフショア開発における課題とは?3つのポイントで解決策を解説」もご覧ください。

オフショア開発、ラボ型開発について少しでも気になることがあれば、以下リンクからお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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