生産管理システムとは?メリット・選び方・おすすめの製品を解説!

2023.09.11
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
生産管理システムとは?メリット・選び方・おすすめの製品を解説!
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

生産管理システムとは、生産工程の一連の流れを総合的に管理できるツールです。効率的な生産工程の管理やコスト削減に役立つため、多くの企業が導入しています。

そんな生産管理システムについて、
「導入メリットがよくわからない」
「製品の選び方を知りたい」
とお考えの方も多いのではないでしょうか。

本記事では生産管理システムの概要や導入した際のメリット、製品の選び方などを解説します。ぜひ、生産管理システムを導入する際の参考にしてください。

「システム開発ハンドブックvol.2 在庫管理システム」では、生産管理を含むコストと販売機会の効率化をはかるための在庫管理について、システムの選び方や導入時の注意点などを解説しています。ぜひ、あわせてご確認ください。

目次

【わかりやすく解説】生産管理システムとは?

生産管理システムとは、製造・販売・納期・在庫などの各プロセスを一括で管理するためのシステムです。
生産管理システムを活用すれば生産に関わるあらゆる業務や情報を一元管理でき、生産工程のスムーズな運用を実現できます。
DXの過程で生産管理システムを導入した事例は多く、企業のさまざまな課題を解決するソリューションとして注目されています。

なお、生産管理システムと混同しやすいものにERPとMESがありますが、実際は異なるものです。

生産管理システムとERPの違い

ERPは「Enterprise Resource Planning」の略称であり、企業資源計画を意味する言葉です。
ERPは企業の基幹業務を包括的に管理し、リソースの把握や業務の効率化、コスト削減などを実現するために導入されます。

生産管理システムは生産に関わる一連のプロセスを対象としていますが、ERPは生産だけでなく企業の人事・財務など全基幹業務を管理対象としている点が大きな違いです。

生産管理システムとMESの違い

MESは「Manufacturing Execution System」の略称であり、製造実行システムを意味します。
生産工程全体を管理する生産管理システムとは異なり、MESは製造業における製造工程の改善をサポートするために運用されるシステムです。

生産管理システムが網羅的に生産工程を管理するのに対し、MESは進捗状況の把握やスケジュール管理などに特化しています。

生産管理システムの主な機能一覧

生産管理システムには、生産工程を管理するためのさまざまな機能が搭載されています。
生産管理システムの代表的な機能は以下の通りです。

  • 生産計画
  • 販売管理
  • 製造管理
  • 購買管理
  • 出荷管理
  • 品質管理

それぞれの機能の特徴を知れば、生産管理システムが生産工程の管理にどのように関わってくるかが理解できます。
ぜひ参考にしてください。

生産計画

生産計画とは、製品の生産量・費用・生産時期などを網羅した生産計画を自動で算出する機能です。
この機能を活用すれば、自動的に在庫推移や制約事項などを網羅した生産計画を作成できるため、現場で生産計画を作成する手間を減らせます。

加えて需要・生産量・在庫・従業員の作業量などの予測を元に、見込生産計画も作成できます。

販売管理

販売管理は見積作成・受注管理・売上計上などを包括的に管理し、販売量を予測する機能です。

販売管理は見積や受注数などのデータから販売量を的確に予測し、在庫超過や在庫不足を防止するなど、生産量の調整や在庫管理に役立てられます。
また、在庫コストの抑制や欠品による受注の停止などの防止にも効果的です。

製造管理

製造管理とは製造工程で発生する各業務の進捗や負荷状況などを管理する機能であり、個々の従業員への指示や進捗の把握を行う際に使用されます。
また、トラブルやアクシデントが発生した際の製造工程の調整も製造管理機能の役割です。

製造管理を活用すれば生産スケジュールの効率化するだけでなく、工数調整による適切なリソース管理が可能です。

購買管理

購買管理は生産工程で必要な原材料・部品・備品などを管理するために使用されます。
さらに原材料や部品などの購入・請求管理に加えて、発注・受入や在庫の一元管理も可能です。

購買管理は生産計画の進捗に影響する重要な機能であり、適切に運用すれば原材料や部品などにかかる発注コストの削減ができます。

出荷管理

出荷管理機能は製品の出荷を管理するための機能です。
出荷台数・出荷状況・在庫などの情報を一元管理できるだけでなく、出荷時のミスや遅延を防止するツールとしても使用できます。

出荷管理機能は煩雑になりがちな出荷プロセスの効率化や、出荷に携わる従業員の負担の軽減に役立ちます。
また、納期を順守した正確な出荷を可能にするため、顧客からの信頼を守るうえでも欠かせない機能です。

品質管理

品質管理は、製品の品質が出荷基準をクリアしているか確認する機能です。
品質管理を活用すれば、不良品や不具合を事前に発見できる可能性が高まります。

さらに類似の機能として、生産管理システムはロット番号を追跡できるロットトレースを搭載しています。
ロットトレースを使えば、製品の不具合が発生した工程を把握できるため、生産工程を見直す際に便利です。

製造業が抱える生産管理の課題

製造業が抱える生産管理の課題には、以下のものがあります。

  • エクセル管理により人的ミスが発生
  • 部署・工場間の連携にタイムラグが生じる
  • 管理業務の煩雑化

いずれの課題も、スムーズな生産管理を実現するには解決しなければならないものです。
さまざまな課題を知っておけば、自社の状況と照らし合わせるきっかけにもなるので、ぜひ参考にしてください。

エクセル管理により人的ミスが発生

エクセルで生産管理を行っている企業は珍しくありませんが、エクセル管理は入力漏れや誤入力のような人的ミスを招く恐れがあります。
しかし、ミスを解消しようにも地道な確認作業は時間や手間がかかるため、従業員の作業効率を落としかねません。

また、製品ごとにエクセルで管理する体制だと、製品の増加とともに生産管理用のシートの数が増えていくものです。その結果、確認工数が増えていき、それに比例して非効率的な作業や人的ミスを誘発するリスクが増えます。

エクセルは手軽に使用できるツールですが、現場の生産量の増加したり、生産工程が複雑になったりすると対応しきれなくなる恐れがあります。
そのため、一定以上の規模を持つ企業であれば、生産管理システムによる管理がおすすめです。

部署・工場間の連携にタイムラグが生じる

これまでの製造業では、生産工程でトラブルや人的エラーが生じても、部署・工場間の連携や情報共有がうまくいかず、タイムラグが生じる恐れがありました。
従来の生産管理の手法だとリアルタイムな情報共有ができず、情報の伝達が遅れてしまうからです。

とりわけ生産台数が多い企業や、複数のシステムを使用している企業は進捗状況や在庫などの一元管理ができていないと部署間の連携すら困難になります。
そのため、生産工程全体を網羅したスムーズな情報共有や連携の実現は製造業にとって重要な課題です。

管理業務の煩雑化

管理業務の煩雑化は効率性を損ない、無駄なコストを発生させる原因です。
生産工程が複雑なほど管理業務は工数が増え、非効率的になります。
加えて属人性が高い現場だと、煩雑な業務をこなせる人材がいなければ管理業務の遂行すら困難になりかねません。

管理業務は煩雑にならないように工数をミニマムにし、スピーディーに完了できるプロセスに改善しましょう。
また、担当者のスキルに依存しないように業務内容を標準化すれば、特定の人材に頼らなくても管理業務を遂行できます。

生産管理システムを導入する4つのメリット

生産管理システムは製造業の管理業務を刷新するうえで役に立つシステムです。
生産管理システムを導入すれば、以下のようなメリットが期待できます。

  • 情報の一元管理による業務の効率化
  • リードタイムの短縮
  • 在庫の適正化によりコストを削減
  • 生産計画の高精度化

生産管理システムのメリットを知れば、実際に導入した際のイメージが具体的になります。
また、自社の抱える課題の解決方法を見つけられる可能性も高まるので、ぜひ参考にしてください。

情報の一元管理による業務の効率化

生産管理システムは情報の一元管理ができるため、業務を効率化するうえで役立ちます。

生産管理システムがあれば生産台数・在庫・受注状況などの情報や各セクションの進捗状況を一目で把握できます。
そのため情報の共有がスムーズになり、記録や管理工数の削減が可能です。
工数を減らせれば煩雑な業務が最適化されるので、人員を増やさなくても生産効率を引き上げられます。

リードタイムの短縮

リードタイムとは特定の業務の開始から完了までにかかる時間を意味する言葉です。
製造業の場合、リードタイムは製品の受注から納品までにかかる時間を指します。

当然ながら、効率的な生産を実現できればリードタイムは短くなり、利益は最大化されます。
そのため、リードタイムの短縮は製造業において重要な課題です。

生産管理システムなら製品の受注から出荷までのプロセスを一括で管理するため、それぞれの進捗状況を網羅した生産工程の構築ができます。
各セクションの管理が適切にできている状態なら、余計な工数が発生しないため、リードタイムの短縮化が可能です。
また、在庫不足や初期不良など、リードタイムを伸ばすトラブルにも迅速に対応できます。

在庫の適正化によりコストを削減

生産管理システムは製品や原材料などの在庫を細かく把握できる機能があるため、在庫の適正化によるコスト削減にも効果的です。

そもそも製造業において、在庫は保管費・人件費・棚卸評価損などさまざまなコストを発生させるものです。
その総額は在庫総額の2割~3割程度ともいわれており、放置すれば利益を圧迫する恐れがあります。
そのため、適切な管理による在庫の適正化は利益を最大化するうえで欠かせない取り組みです。

そして在庫の最適化においても、生産管理システムは役立ちます。
生産管理システムは在庫の種類や品数の変動を常に記録できるため、在庫過多を未然に防ぎやすくなり、無駄なコストの発生を抑制できます。
また、在庫不足によるチャンスロスの回避や、棚卸の円滑化にも有効です。

生産計画の高精度化

生産管理システムを導入すれば、生産工程に欠かせない生産計画の高精度化を実現できます。

生産管理システムは生産台数・納期・販売数・在庫など多角的な視点から生産計画を算出するため、生産性や効率性を最大化した生産工程の構築が可能です。
さらに在庫管理・各工程の進捗把握・従業員ごとのスケジュール管理などもできるため、トラブルが発生しても軌道修正が容易になります。

自社に適した生産管理システムの選び方

自社に適した生産管理システムを導入するなら、以下のような選び方を実践しましょう。

  • 生産方式への対応
  • 生産管理システムが内包する業務範囲
  • 負担する費用
  • セキュリティやサポートが充実しているか

生産管理システムは多くの企業から販売されていますが、選び方を知っておけば比較検討がしやすくなります。

生産方式への対応

自社の生産方式に生産管理システムが対応しているかは必ず確認しましょう。

生産方式は企業によって違うものですが、生産管理システムが対応できる生産方式も製品によって異なっています。
そのため、自社の生産方式に対応していない生産管理システムだと、導入しても効果を発揮しません。

とりわけ個別受注生産は顧客の意向や用途によって製品の仕様や設計が変更されるため、見込生産や受注生産に対応したシステムだと対応できません。
また、不足した部品を自動で補充するMRPのような機能との相性が悪い傾向があります。

生産管理システムが内包する業務範囲

生産管理システムに搭載されている機能は多種多様ですが、製品ごとに業務範囲が異なっています。
製品によっては機能を追加しないと製造管理しかできないタイプもあります。
また、同じ名前の機能でも対応できる業務範囲が違う場合もあるため、入念に確認しなければなりません。

そもそも生産管理は業務範囲が広く、企業独自の業務があるケースも珍しくありません。
そのため、生産管理システムが自社の業務範囲に対応できていないと、生産管理がスムーズにできなくなります。
ただし、製品によっては機能の追加や開発ができるカスタマイズ性が高いタイプもあるので、自社の希望に合うかチェックしましょう。

負担する費用

生産管理システムの費用はクラウド型・オンプレミス型によって異なっています。
それぞれの費用相場は以下の通りです。

クラウド型無料~100万円程度
オンプレミス型100万~2000万円程度

自社でサーバーやネットワーク機器を用意しなければならないオンプレミス型は、総じて費用負担が高い傾向があります。
対して、ベンダーのサーバーにアクセスして使用するクラウド型はリーズナブルな金額で使用できる製品が豊富です。

しかし、費用を抑えるほど生産管理システムは使用できる人数や機能が限られます。
費用のために使用人数や必要な機能を省いてしまうと導入する意味がなくなるため、費用と機能の兼ね合いには注意しましょう。

【中小企業向け】おすすめの生産管理システム4選を比較

本記事で紹介する生産管理システムは以下の通りです。

  • TECHS-BK
  • 生産革命ファミリー
  • ものレボ
  • TPiCS

生産管理システムは多種多様ですが、それぞれの特徴や機能を知れば比較しやすくなります。実際に生産管理システムを比較検討する際の参考にしてください。

TECHS-BK

出典:TECHS-BK
特徴受注から売上までを一元管理するだけでなく、進捗状況の可視化や工数の削減をサポート
費用要問い合わせ

TECHS-BKは生産工程の一元管理をするだけでなく、進捗状況を可視化やハンディターミナルによる原価集計など工数を削減する機能を搭載しています。

また、蓄積された過去のデータをスピーディーに参照できるため、見積作成や価格交渉など営業活動にも役立てられます。

生産革命ファミリー

出典:生産革命ファミリー
特徴さまざまな業種・業態に対応でき、生産管理システムシェアNo.1を獲得するなど実績も豊富
費用要問い合わせ

大塚商会が販売している生産革命ファミリーは、生産管理システムのシェアNo.1を獲得するなど高い評価を受けています。

生産革命ファミリーの特徴は業種・業態に合わせた6つのパッケージです。
どのパッケージも業種・業態それぞれの特徴を踏まえたうえで設計されています。
また、パッケージを組み合わせることで、生産性や効率性のさらなる向上を実現できます。

ものレボ

出典:ものレボ
特徴使いやすいインターフェースと直感的な操作で生産工程を一目で把握できる
費用スタンダード:月額10万円
スタンダードプラス:月額12万8千円
ネクスト:月額15万6000円

ものレボは現場ファーストでデザインされたインターフェースによって、誰でも使える操作性の高さが特徴の生産管理システムです。
品番・数量・納期を入力するだけで、複雑な操作をしなくてもガントチャートが作成でき、進捗状況を簡単に把握できます。

基本プランは工程管理のみですが、プランを変更すれば在庫管理や受発注管理を追加できます。

TPiCS

出典:TPiCS
特徴多彩な機能を搭載しているうえに多用な生産方式に対応
費用要問い合わせ

TPiCSは1パッケージで量産繰返生産や少量多品種生産だけでなく、通常の生産管理システムでは対応しにくい個別受注生産にも対応できます。
さらにオプション機能も豊富であり、海外の言語にも対応できるなど、高い拡張性も魅力です。

TPiCSはオンプレミス型・サブスクリプション型で購入でき、料金形態も多様です。そのため自社の予算に合わせて購入しやすく、手軽に導入できます。

生産管理システムを導入して事業の成長を実現しよう

生産管理システムは複雑化しやすい生産管理をスマートにし、業務の効率化やタイムラグのない情報共有を実現できるものです。
適切に運用すれば煩雑な管理業務のスリム化・在庫の適正化によるコスト削減・リードタイムの短縮・人的ミスの削減など、さまざまなメリットが得られます。

もし生産管理システムを導入するなら、費用や特徴を比較して自社に合ったものを丁寧に吟味しましょう。
また、自社の生産方式や業務範囲とシステムがマッチしているかの確認も不可欠です。

ぜひ本記事を理想的な生産管理システムの導入に役立ててください。

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