BtoB越境ECの構築手法4選!導入するメリットと成功のポイントを解説
こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。
国内の企業のみならず、海外の企業と取引をしたいとお考えの方も多いはず。
そこで注目されているのが、「BtoB越境EC」です。
BtoB越境ECを構築することで、販路拡大や業務負担の軽減など多くのメリットがあります。
一方で、どのような手法で構築すれば良いのかお悩みの方も多いでしょう。
本記事では、BtoB越境ECの概要を踏まえつつ、4つの構築方法を紹介します。
後半では、出店時のポイントや注意点も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
BtoB越境ECとは
越境ECとは、インターネットを通じて行う国際的な電子商取引のことで、日本で注目を集めているビジネス形態です。
BtoCの越境ECでは、Amazonなどが代表例です。
BtoBにおいては、海外企業とのビジネスを越境ECで行うケースが増加しています。
これは、海外に法人を設立せずとも、越境ECによって海外企業と円滑に取引が可能なためだと考えられます。
さらに、中国や東南アジア諸国のような、急速に経済が成長している国へ商圏を広げられる点も魅力です。
BtoBビジネスに取り組む多くの企業が、越境ECに期待を寄せています。
BtoB越境ECが注目されている理由
BtoB越境ECが注目されている理由は、主に以下の4つがあげられます。
- BtoB越境ECの出店ハードルが下がったこと
- 煩雑な商品売買の業務を効率化できること
- 越境ECの市場の成長が著しいこと
- コストを抑えて販路を拡大できること
特に大きな要因は、BtoB越境ECの出店ハードルが下がったことです。
かつては、自社でECサイトやインフラを開発し、運用する必要がありました。
しかし近年は、越境ECを展開するためのプラットフォームやサービスが数多く提供されています。
企業はこれらのサービスでBtoB越境ECを始められるため、以前に比べ出店のハードルが下がっていると言えます。
なお、先行的にBtoB越境ECへ取り組んだ国内企業の事例もできています。
ノウハウや知識を集めやすい環境が整ってきている点も、BtoB越境ECが注目される理由でしょう。
越境ECにおけるBtoBとBtoCとの違い
越境ECにおけるBtoBとBtoCの違いは、ターゲットとなる顧客と出店の目的です。
BtoCは企業から消費者へ商品を届けますが、BtoBでは、企業から顧客の企業へ商品を届けます。
また、BtoCでは、消費者が店舗の近くに住んでいない場合でも商品を購入できるようにECサイトが構築されます。
一方で、BtoBでは既存のビジネスをECに置き換え、業務の効率化を図る側面もあります。
「顧客開拓を行う」という面では同じですが、ターゲットや出店目的が異なります。
BtoB越境ECのメリット
BtoB越境ECのメリットは以下の3つです。
・業務負担の軽減
・マーケティングの最適化につながる
・ヒューマンエラーの防止
それぞれについて解説していきます。
業務負担の軽減
BtoB越境ECでは、EC内で取引に必要な業務を一貫して行えるため業務負担を軽減できます。
例えば、受注業務を自動化できたり、売り上げデータを自動集計したりなど。
BtoB越境ECでは、従来の業務フローを部分的に自動化できるため、従業員の負担を軽減できます。
マーケティングの最適化につながる
BtoB越境ECでは、売上や顧客単価、リピート率などあらゆる取引データを収集できます。
集めたデータを分析して戦略に反映することで、マーケティングの最適化につながります。
なお、ECはデジタル広告との相性が良いため、対面での営業に比べ幅広い層へアプローチをかけられます。
これにより施策が成功した場合、より多くの売り上げにつながるでしょう。
ヒューマンエラーの防止
基本的に、人が作業する以上はたとえどんなに気をつけていてもミスが発生するものです。
その点、BtoB越境ECではこれまで人手で行っていた業務を自動化できます。
人が行う業務自体を削減できることで、ヒューマンエラーの防止につながります。
なお、入力ミスや計算ミスなどが減ることで、各データの信憑性も向上するでしょう。
BtoB越境ECの種類
BtoB越境ECの種類は2つに分かれます。
目的によって変わり、得意先の顧客のみが使えるのが「クローズドBtoB型」であり、世界中が顧客になるのが「スモール型BtoB」です。
それぞれについて解説していきます。
クローズドBtoB型
クローズドBtoB型の越境ECサイトは、主に既存の顧客と取引を行うために利用されます。非公開のECサイトを構築し、顧客だけがECサイトにアクセスできるようにする必要があります。
また、クローズド型のECサイトは顧客に合わせて商品の価格を変えられることが特徴です。
得意先の顧客は商品を割引して価格を設定する一方で、取引するのが初めての顧客には価格を高くするということも可能です。
自社の経営方針や顧客の要望に合わせてECサイトを作り変えて業務効率化を図りましょう。
スモールBtoB型
スモールBtoB型のECサイトは、インターネット上で全世界に向けて公開するため、営業活動によって獲得できた顧客以外の見込み顧客に対しても取引の機会を設けることが可能です。
クローズドBtoB型のECサイトよりも容易に構築が行える点も特徴です。
BtoB越境ECの構築手法4選
BtoB越境ECの種類を解説した後は、実際の構築手法について解説していきます。
BtoB越境ECの構築方法は以下の4つです。
・ASPを利用する
・パッケージECをカスタマイズする
・クラウドECをカスタマイズする
・フルスクラッチでオリジナルのECサイトを構築する
それぞれについて解説していきます。
料金を考えながら検討したい方は、こちらも参考にしてください。
ASPを利用する
ASPとは「Application Service Provider(アプリケーション サービス プロバイダー)」の略称で、「ASPサービス」や「SaaS」と呼ばれるソフトウェアを提供するサービス業者のことです。
インターネットなどのネットワークに接続されているサーバコンピューターに購入したソフトウェアが展開され、Webブラウザや専門のソフトからサーバーに接続して利用できます。
導入コストが低いことや導入までが早いこと、インターネットさえあれば利用できることが特徴で、簡単にECプラットフォームを整えて市場に参入することができるでしょう。
パッケージECをカスタマイズする
ECサイトを運用するためのプラットフォームが整っているパッケージECシステムをカスタマイズすることで、自社の業務フローに合わせてECサイトを構築できます。
数百万〜数千万円の費用がかかりますが、カスタマイズや基幹システムへの連携をスムーズに行いたい企業にはおすすめです。
パッケージECシステムの注意点は、システムの陳腐化が起こることです。
ECサイトは構築に時間を要するので、ECサイトのカスタマイズなどが完了したときには古いバージョンになってしまいます。
システムの更新にもコストがかかることを意識しておきましょう。
クラウドECをカスタマイズする
クラウドECとは、ECプラットフォームの一種であり、ASPやパッケージなどと同様にECサイトを構築できます。
「ASP」と「パッケージ」のいいとこどりといえるのが、「クラウドEC」です。
クラウドなので、システムを最新に保てることやカスタマイズがしやすいこと、情報セキュリティを保てること、必要な機材が少ないことが特徴です。
必要な初期費用はパッケージと同じくらいですが、クラウドECはシステムが常に最新の状態であり、リニューアルにかかる費用が少ないため長期的に考えてコストが低くなります。
メリットが多いですが、クラウドECはソースコードが公開されていないため導入する際は企業の方針にそぐわないか注意しましょう。
フルスクラッチでオリジナルのECサイトを構築する
フルスクラッチとは、開発会社にゼロからECサイトを構築するよう依頼することです。
自社のために業務効率化を考えたECサイトを構築できるため、基幹システムなどの連携まで自由度高く開発を行えます。
BtoB越境ECサイトでは、個々の会社に併せてECサイトをカスタマイズすることが重要なため、相性が良いです。
一方で、フルスクラッチは他の構築手法に比べて費用がかかる点は注意が必要です。
また、開発を委託する際に自社が実現したいECサイトを伝えるために頻繁にコミュニケーションを取りましょう。
BtoB越境ECを成功させるためのポイント
BtoB越境ECの概要と構築方法に加えて、成功させるためのポイントを知っておくことでECサイト構築に役立つでしょう。
BtoB越境ECを成功させるためのポイントは以下の4つです。
・自社業務の明確化
・ECシステムと基幹システムの連携を行う
・中国や東南アジアなどECが発展している地域に向けて構築する
・越境ECを展開する国に合わせて商品や広告を作りなおす
それぞれについて解説していきます。
自社業務の明確化
BtoB越境ECはさまざまな方式で商品を顧客に届けられます。
自社の業務を明確化していくことによって自社に必要なECサイトの要件を把握できるため、ECサイト経由の取引で業務の効率化を期待できるでしょう。
ECサイトを運用するときのセキュリティ対策も行う必要があるため、自社業務の明確化から始めてください。
ECシステムと基幹システムの連携を行う
基幹システムとは、企業が企業活動を行うために必要になるシステムのことです。
ECサイトにおける基幹システムは、商品を作る・仕入れるためや販売するために連携を行います。
ECシステムと基幹システムの連携を行うことで、多くの手動操作を自動化して業務効率化やヒューマンエラーの防止を実現できます。
また、ECサイトで得られたデータを基幹システムと連携することで、部門間の連携を強化でき、商品開発や経営判断に活かせるでしょう。
中国や東南アジアなどECが発展している地域に向けて構築する
越境ECの特徴は、展開先の地域によって商品の売れ行きが大きく変わることです。
そのため、越境ECの市場規模が拡大している地域に展開していくと効果的です。
特に中国や東南アジアは現在市場規模が拡大傾向にあり、展開先としておすすめできます。
しかし、地域によって売れ行きが変わる商品がほとんどであるので、自社の商品の需要が高い地域を検討しましょう。
越境ECを展開する国に合わせて商品や広告を作りなおす
越境ECを展開する国に合わせて商品や広告を作りなおすことも重要です。
国や地域によって文化や価値観が異なるため、日本企業向けに作成した商品が同様に売れるとは限りません。
展開先の国や地域が固まってきた場合、文化や価値観を理解したうえで商品や広告を作りなおす必要があるか検討しましょう。
実際に日本の企業が自社ECの展開先国に構築したスモールBtoB型の越境ECサイトを閲覧することで、自社のECサイトと異なる点を発見する方法がおすすめです。
BtoB越境ECサイトを構築する際に注意するべきこと
BtoB越境ECサイトを構築する際に注意すべきことも存在します。
注意するべきことは以下の2つです。
・越境ECサイトを展開する国の法律
・輸出・輸入に関してかかる費用
それぞれについて解説していきます。
越境ECサイトを展開する国の法律
越境ECは販売先国でビジネスを行うことになるため、その国の法律を順守することが義務です。
法律に触れることや取引のトラブルで訴訟問題に発展することは大きなリスクであるため、入念な調査とフォローを行いましょう。
輸出・輸入に関してかかる費用
輸送にかかる費用を把握しておく必要もあるでしょう。
具体的には、関税や為替による価格変動輸送コストを左右します。
中国などは物理的距離が近いため輸送費は比較的かからない一方で、ヨーロッパは距離遠いため輸送費が中国などより多くかかります。
また、関税は国によって変わるため、展開先の地域の状況を入念に調べましょう。
BtoB越境ECに取り組み業務を効率化しよう
近年、低コストで越境ECのプラットフォームを構築できるようになり、越境ECの市場規模は今後も拡大するでしょう。
BtoB越境ECは日本国内で取引するよりも注意すべきことが増えますが、「基幹システムとの連携による業務負担の軽減」や「データを用いたマーケティングの最適化」、「自動化によるヒューマンエラーの防止」などメリットも多く存在します。
本記事を参考に、ECサイト構築方法の検討や気を付けるべきポイントの把握を実施したうえで、貴社の商品を求める顧客に対してBtoB越境ECを展開して、販路拡大や業務の効率化につなげてください。
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