越境ECビジネスの始め方|メリットや課題、成功事例を解説
こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。
「越境ECビジネスをはじめてみたい!」
「越境ECビジネスってどうやって始めたらいいんだろう?」
このようにお考えの方も多いでしょう。
本記事では、越境ECビジネスの始め方を、メリットや課題・成功事例を交えながら詳しく解説します。
最後までお読みいただければ、越境ECビジネスを安全に開始する方法を理解できるでしょう。
これから越境ECビジネスをはじめようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
【基本概要】越境ECビジネスとは
越境ECとは、海外の顧客が日本のECサイトを利用して買い物をすることを指します。
この仕組みを利用したビジネスが、越境ECビジネスです。
近年、急成長している市場で世界を相手にできるため、成功させればビジネスを大きく拡大できます。
海外にあるサイトで商品を購入して日本から取り寄せるケース、日本のECサイトで海外の顧客に対して商品を販売するケースのどちらも越境ECビジネスです。
日本企業による越境ECの市場規模
越境ECの市場規模は年々拡大していて、今後も成長は続いていくと予想されています。
ここでは、日本企業による越境ECの市場規模について、次の2つの観点から確認していきましょう。
- アメリカ・中国消費者による購入が増加
- 東南アジアでも越境ECの市場規模が拡大
アメリカ・中国における越境ECの市場規模
2021年度の経済産業省の報告「令和3年度電子商取引に関する市場調査(報告書)」によると、アメリカと中国の越境ECビジネスの市場規模は増加傾向にあります。
中国は日本から約2兆円の購入、アメリカは日本から約1兆円の購入実績があります。
かなりの市場規模であることがおわかりいただけるのではないでしょうか。
東南アジアでも越境ECの市場規模が拡大
もともとECが盛んな東南アジアでも、年々市場規模が拡大しています。
特にマレーシアやインドネシア、シンガポールやベトナムは、大規模なEC市場として注目されていて今後も発展が期待できる地域です。
日本政策金融公庫の調査によると、東南アジア市場は、2025年度には2021年度の2倍の市場規模になると予想されています。
参考:日本政策金融公庫「各国における越境ECの状況」
日本企業が越境ECビジネスに取り組むメリット・デメリット
越境ECビジネスには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
ここでは、越境ECならではのメリットとデメリットを紹介します。
越境ECビジネスを始める前に、理解を深めておきましょう。
越境ECビジネスのメリット
越境ECの主なメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 越境ECは商圏が限定されず、新規顧客獲得により売上拡大が望める
- 海外で実店舗経営するよりも簡単に出店できる
- 競合を避けてビジネスできる
単に顧客の絶対数が増えるばかりでなく、日本の商品を好む国をターゲットにすることで、大きな売上を見込める可能性があります。
実際に海外で実店舗を構えるには固定費や人件費など、多くの手間や費用が必要です。
しかし、越境ECであれば、初期費用やランニングコストも抑えられます。
そして、国内の競合他社との争いを避けて海外に販路を移すことで、競合の少ない環境で有利にビジネスを行えるでしょう。
越境ECビジネスのデメリット
越境ECの主なデメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 販売先の言語に対応する必要がある
- 国内よりも配送コストが高い
- 販売国のマーケティング手法を把握する必要がある
まずは、自社商品の説明を販売国の言語に翻訳する必要があります。
販売以外にも、サポート対応の翻訳も必要です。
また、物流や配送の問題があります。
当然ですが、配送料は国内に比べて高くなることは理解しておきましょう。
最後に、販売国に合わせたマーケティング手法を把握する必要があります。
国ごとに文化が異なるため、どんな商品をどのような方が購入しているのかなどの十分なリサーチが重要です。
越境ECビジネスの始め方
ここでは、越境ECビジネスの始め方を6つのステップで解説します。
- 販売する商品を決める
- 販売するターゲットを決める
- 越境ECの出店方法を決める
- ECサイトの構築と言語・決済の対応
- 配送ルートを確保
- 販売開始
1ステップずつ、見ていきましょう。
【STEP1】販売する商品を決める
まずは、海外向けに販売する商品を決めましょう。
十分な在庫の確保と同時に、その商品が現地でどのような扱いになるのか、法律の観点からもしっかり調査する必要があります。
国によっては輸送できないものもあるため、入念な調査が必要です。
また、現地で購入できるものは収益が見込めないので、越境ECでなければ買えない商品を選択しましょう。
【STEP2】販売するターゲットを決める
販売する商品が決まれば、必然的に選択した商品の需要が高い国がターゲットになるでしょう。
国以外にも、年齢層・性別・ライフスタイル・収入・家族構成など細かくターゲットを設定することが重要です。
ターゲットがあいまいだと、マーケティングの方針も定まりません。
細かい顧客像を決定できれば、より効果的なマーケティングを実施でき、売上につながりやすいでしょう。
【STEP3】越境ECの出店方法を決める
次のステップでは、越境ECの出店方法を決めます。
越境ECの出店方法を大きく分類すると、以下の2つです。
- ECモールに出店する
- 自社管理の独自ECサイトを構築する
それぞれを解説します。
1.ECモールに出店する
1つ目は、現地のECモールに出店する方法です。
ビジネスの規模がそこまで大きくない場合には、もともと現地に存在するモールへ出店するのが手軽な方法と言えます。
各国に対して、越境ECを許可しているモールが存在しますので、そこに自社ショップを開設しましょう。
ECモールは、現地の消費者に対してすでに信頼性を確立している点がメリットです。
2.自社管理の独自ECサイトを構築する
2つ目は、自社管理の独自ECサイトを構築する方法です。
現地法人を設立して、自社で越境ECサイトを構築する方法で、かなりの準備・手間がかかります。
越境ECの規模がある程度大きくなり、対象国でのビジネス展開を本格化させるのであれば検討しても良い方法です。
【STEP4】ECサイトの構築と言語・決済の対応
出店方法が決まれば、次は、ターゲット国に合わせた言語や決済方法を決めましょう。
自動翻訳してくれるECサイトもありますが、ネイティブの表現からずれて不自然になる場合には、翻訳サービスを利用する手段もあります。
決済に関しても、それぞれターゲット国に合わせた決済手段の導入が必要です。
【STEP5】配送ルートを確保
越境ECで商品を販売するためには、商品の配送手段を確保する必要があります。
海外へ商品を配送する方法は、大きく分類すると以下の3つのパターンです。
- 日本の各販売業者から顧客に対して直接配送
- 海外の発送代行サービスを利用した転送配送
- 販売する現地に物流の拠点を設置してそこから配送
一番始めやすいのは、国内からの直接配送でしょう。
日本郵政の国際郵便サービスは、世界120カ国に対して商品の配送が可能です。
ただ、初期費用は不要ですが、配送1回あたりの料金が高いことと、税関の手続きも事業者もしくは顧客が行う必要があります。
2つ目は、国内にある海外発送代行サービスの倉庫へ商品を保管する方法です。
在庫を保管する費用や発送手続きの費用は必要ですが、手間がかかる書類準備や梱包作業、輸出手続きなどの作業を代行してくれるメリットがあります。
最後に、現地に商品の保管庫を設置する方法の説明です。
配送料を安く抑え、注文後24時間以内に商品のお届けが可能になるなどのメリットがあります。
【STEP6】販売開始
これまでに解説した準備が整ったら、いよいよ販売開始です。
越境ECでの販売を開始したら、商品の梱包・発送からお客様の問い合わせ対応、トラブル対応などをしていく必要があります。
売上を伸ばすためにも、PDCAを意識して改善を図りましょう。
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越境ECを始めると直面する課題と対策方法
ここでは、越境ECを始めると直面する課題と対策方法について解説します。
- 言語の壁|翻訳代行サービスの利用を検討しよう
- 決済方法の違い|ターゲットに合う決済方法を準備しよう
- 関税・物流の違い|ターゲット国をしっかり調査しよう
1.言語の壁|翻訳代行サービスの利用を検討しよう
デメリットの章でも解説したように、越境ECの高いハードルになるのが言語の違いです。
自社ECサイトを使うケース、海外ECサイトを使うケースがありますが、どちらにしても正確な翻訳が必要になります。
海外文化・風習の違いによっては、翻訳した際のニュアンスの違いをケアする必要もあるでしょう。
細かいニュアンスの違いまで解決するには、翻訳代行サービスに依頼するのも良い手段です。
翻訳代行サービスは、プロの翻訳者やネイティブスピーカーが、依頼に応じて正確な翻訳を行ってくれるサービスのことを指します。
精度の高いビジネス翻訳には欠かせない存在です。
2.決済方法の違い|ターゲットに合う決済方法を準備しよう
市場規模が大きい中国やアメリカでの越境ECビジネスを考えているのであれば、それぞれ決済方法の違いにも目を向けましょう。
まず中国では、スマホ決済が主流で、特に多いのがアリペイなどに代表される第三者決済です。
クイックペイなどのキャッシュレス決済も、中国では好んで利用されています。
次にアメリカでの決済手段で人気なのは、ペイパルです。
ペイパルは、クレジットカードや口座の情報を店側に伝えることなく送金できるため、安全性に定評があります。
決済方法は国ごとの特色があるので、ターゲットとなる国に合わせた安全な決済方法を導入しましょう。
3.関税・物流の違い|ターゲット国をしっかり調査しよう
越境ECを行う場合には、関税や物流の違いを意識する必要があります。
たとえばアメリカに対して、食料・化粧品・医薬品などを販売する場合にはFDA登録が必須です。
FDAとは「Food and Drug Administration」の略称でアメリカ食品医薬品局を指しています。
FDAの許可を取得せずに販売することは違法行為にあたり、発覚すればペナルティーを科されるので注意が必要です。
また、越境ECに取り組む際には、国内配送とは異なる国際配送への対応が必要になります。
発送先の国によっては、配送できない「禁制品」を把握しておく必要もあるでしょう。
ターゲットとなる国のリサーチをしっかり行うことが重要です。
参照:米FDAへの食品関連施設の登録更新が10月1日から開始に|JETRO
日本企業による越境ECの事例
ここでは、越境ECを成功させた日本企業を、3社紹介します。
- サムライストア
- Tokyo Otaku Mode
- BENTO&CO
事例1.サムライストア
1社目は、サムライストアです。
サムライストアは、海外に対して、日本の甲冑をはじめとした刀剣類を販売しています。
甲冑品は海外で需要があることに気づき、ビジネスモデルを確立させました。
成功のポイントとしては、越境先国の多さです。
世界200カ国以上でECを利用でき、100通貨以上に対応できるPayPalを決済方法として採用しています。
事例2.Tokyo Otaku Mode
2社目は、Tokyo Otaku Modeです。
オタクモード・ドットコムでは、日本のアニメや漫画など、日本のポップカルチャーを世界に発信しています。
SNS集客としてFacebookを活用し、2000万の「いいね!」を獲得。
海外顧客がECサイトへ来訪できるような導線を作っています。
アメリカやフランスなどの欧米圏を中心として、100カ国以上に展開しています。
事例3.BENTO&CO
3社目は、BENTO&COです。
BENTO&COは、弁当箱・キッチン食器などの日用雑貨を中心に販売しています。
フランス人が運営するECサイトで、日本や京都について紹介しているブログがきっかけとなり、弁当箱を販売するビジネスにつながりました。
弁当箱の越境ECを立ち上げたのは、リーマンショックの時期です。
この時期は、海外でも外食から弁当にシフトする方が急増したことで、お弁当ビジネスは急速に軌道に乗りました。
本事例のように、国内ではすでに飽和している商品でも、世界情勢次第では新たなビジネスチャンスにつながるかもしれません。
越境ECを成功させる4つのコツ
最後に、越境ECを成功させるために知っておきたい4つのコツを紹介します。
- ニーズに合う商品を選ぶ
- 安心安全な決済方法を導入する
- 集客やリピート施策に注力する
- ユーザビリティを意識したECサイトを構築する
1.ニーズに合う商品を選ぶ
越境ECを成功させるコツの1つ目は、ニーズに合った商品を選ぶことです。
越境ECで、最も重要と言っても過言ではありません。
国内では高い売上が見込める商品でも、販売国の選定を誤れば全く売れないケースも多いものです。
売れるものは、国によって差があるので、しっかり調査を行いましょう。
2.安心安全な決済方法を導入する
越境ECを成功させるコツの2つ目は、安心安全な決済方法を導入することです。
販売する国によって、顧客が使いやすい決済方法は異なります。
欧米や韓国であればクレジットカードの普及率が高いのですが、中国では、支付宝(Alipay)や銀聯(UnionPay)などの第三者決済が主流です。
国のニーズに合った決済方法が不足している場合、カート落ちが発生することもあるため、できるかぎり網羅する必要があります。
初めはクレジットカードのみで開始して、運営状況をみながら決済方法を拡充するのもよいでしょう。
3.集客やリピート施策に注力する
越境ECを成功させるコツの3つ目は、集客やリピート施策に注力することです。
多くのケースでは、越境ECサイトを開設しただけでは顧客は集まりません。
SEO対策をするとか、YouTubeやSNSを最大限に活用した集客チャネルの構築をおすすめします。
口コミへの投稿やSNSで拡散した顧客に対して、クーポンを与えるなどの施策を行えば、リピートも期待できるでしょう。
新規顧客の獲得からリピート化まで、抜かりのない施策を打つことによって、顧客の数を安定化させることができます。
4.ユーザビリティを意識したECサイトを構築する
越境ECを成功させるコツの4つ目は、ユーザビリティを意識したECサイトを構築することです。
先述しましたが、越境ECを行う上で言語への対応は必須となります。
多くの場合英語への対応は必須ですが、市場調査を行った結果、他の言語も必要とわかれば対応しなければなりません。
また、ECサイトのコンテンツ以外にも、コールセンターなどのカスタマーサービスについても多言語化する必要があります。
こうなってくると、通訳や翻訳サービスの導入も視野に入れる必要があるでしょう。
とにかく、利用する顧客にとって使いやすいECサイトにすることが重要です。
メリットや課題を理解して越境ECビジネスを成功させよう
本記事では、越境ECビジネスの始め方について、メリットや課題・成功事例を交えて解説しました。
越境ECであれば、初期コストやランニングコストを抑えながら競合の少ない海外へ販路を移して、規模の大きなマーケットで売上の拡大が期待できます。
その反面、言語・決済方法・関税や物流の違いに対応する必要がありますが、ターゲットとなる国を徹底的にリサーチすることで解決可能です。
本記事を参考にして、越境ECビジネスに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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