クラウドとは?システム開発でのメリットや代表的なサービスを解説

最終更新日:2023.12.13
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

近年、さまざまな企業で耳にする「クラウド」。
なんとなくは理解しているものの、具体的に何を指すのかがわからないという方も多いでしょう。

本記事では、システム開発で主流となりつつある「クラウド開発」について解説します

クラウドでシステム開発をするメリットや代表的なサービスを知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

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目次

クラウドシステム開発とは?

クラウドシステム開発とは

近年の日本では、Google社をはじめ海外大手企業がデータセンターの開設を相次いで行い、急速にクラウド化が進んでいます。

「クラウドファースト」という言葉が登場したこともあり、今後はシステム構築において優先的にクラウドを採用する時代になることが予想されます。

本記事では、システム開発をクラウドで行うメリットや代表的なサービスなどを解説します。

クラウドとは?

クラウドとは、インターネットを介してリモートのコンピューターサーバーやストレージ、サービスを提供することです。

サーバー、データベース、ストレージ、アプリケーションなどの様々なサービスが提供され、システム開発において多くのメリットをもたらしています。
またユーザーは、設備を所有する必要がなく、クラウドサービスプロバイダーが提供しているリソースを利用できます。

従来のシステム開発では、サーバー設置やメンテナンス、データのバックアップなどに多大な作業工数を要しました。ただ、クラウドの利用で一連の作業をクラウドプロバイダーに任せられるため負担を軽減でき、重要な開発作業に集中できるようになりました。

拡張性にも優れ、必要に応じてサーバーの追加や容量の増強など、システムの拡張を簡単に実行できます。
高度なセキュリティ技術が導入されているため、システム開発者は、セキュリティ関連の作業や責任をクラウドプロバイダーに任せられます。

オンプレミスとは?

オンプレミス(On-Premises)とは、企業や組織が自社内で保有しているサーバーやハードウェアなどの情報技術資産を用いてシステム運用する形態のこと。
自身でサーバールームの構築、ハードウェアやソフトウェアの購入、管理及び運用をしてシステム構築をします。

セキュリティやデータの管理を自力で簡単にできる点、システムの制御やカスタマイズを自由に実施可能な点がメリットとして挙げられます。

一方で、ハードウェアやソフトウェアの導入・保守費用で、初期投資費用が高くなる点がデメリットです。
また、アップデートや拡張に伴う作業量やコストも増えるため、煩雑な作業が必要となるケースもあります。

クラウドの普及も手伝って、オンプレミスより更に柔軟なシステム構築ができるクラウドサービスの採用が増加中です。

クラウドとオンプレミスとの違い

クラウドとオンプレミスの大きな違いは、システムやアプリケーションの実行場所です。
オンプレミスは、データセンターやサーバールームにサーバーやストレージなどを保有し、クラウドは、インターネット上のリモートサーバーにアプリケーションやデータを保管しています。

オンプレミスは、高度なセキュリティやカスタマイズの自由度を誇り、データ管理やアプリケーションのカスタマイズができる反面、管理やメンテナンス、高額なコストなどの負担が大きいです。

一方クラウドは、スケーラビリティや柔軟性、コストの低さなどが魅力的で、リソースの追加もフレキシブルにできるため、システムやアプリケーションの開発、デプロイや管理にかかるコスト削減ができます。
そして、クラウドは物理的及び地理的な制限がないため、グローバルな展開が実現可能です。

企業のニーズや予算によって、オンプレミスとクラウドとの相性の良さは異なりますが、オンプレミスとクラウドを組み合わせたハイブリッドソリューションを採用するケースもあります。

セキュリティやカスタマイズ性を維持しつつも、スケーラビリティやコストダウンのメリットを得られるため、導入している企業が増えてきています。

クラウドでのシステム開発が注目される理由

従来のオンプレミスでのシステム開発では必要だったハードウェアの購入やメンテナンス、アップグレードなどのコストや時間、作業工数を削減できるため、近年はクラウドでのシステム開発が注目されています。

更に開発者が必要とする多種多様なサービスや、データベースやキャッシュ、機械学習などの機能もあり、開発に必要な時間や労力を削減できます。

自動化されたデプロイメントやテストツールも提供され、迅速なシステム開発やテスト、デプロイの実現及び開発サイクルの短縮や効率の向上が期待できます。

クラウドでシステム開発するメリット

クラウドでシステム開発するメリット

システム開発をクラウドで行うメリットは多くありますが、主に「開発時間を短縮できる」「リソース調整を柔軟にできる」「設備の保守管理が不要になる」「コストを抑えられる」の4つが挙げられます。

メリットの一つ一つがつながって、相乗効果を発揮しているため、詳しく解説します。

開発期間を短縮できる

クラウドには既に開発に必要なツールやライブラリが用意され、システムの基盤となるインフラストラクチャを構築する作業が省けるため、開発環境を手軽に構築可能です。

拡張性に優れたストレージやコンピューティングリソースも提供され、開発者自ら構築する必要がないため開発期間が短縮され、コーディングやデバッグに時間を割くことができます。

地理的に冗長性を持った多くのデータセンターを保有しているため、障害発生時でも復旧が早い点も開発期間を短縮できる要因となっています。

リソース調整を柔軟にできる

クラウドでシステム開発を行う場合、リソース調整機能の柔軟さは非常に重要です。

必要に応じてリソース追加及び削減が可能のため、急激な情報の増減などのトラブルにも対応できます。
更に仮想化技術の使用で物理的に制限がなくなるため、フレキシブルなリソース配置が実現可能です。

リソースの自動拡張機能の利用で、システムの利用状況に応じて自動的にリソースを増減が調整できます。
需要の急増時には自動的にリソースを増やし、需要が低下した時は自動的にリソースを減らしてコスト削減ができるでしょう。

設備の保守管理が不要になる

クラウドサービスプロバイダがサーバのメンテナンスやアップグレード、データのバックアップやセキュリティの管理をしてくれるため、システムの基盤となる設備の保守管理が不要です。

開発者は設備の保守管理に手間や時間を取られることがなく、システム開発が更に効率的になり、短期間で高品質なシステムを開発可能になります。

また、クラウドサービスプロバイダは、大量のデータやトラフィックを処理するためのスケーラビリティや高い可用性を備えたサービスを提供しているため、システムの安定性や信頼性を高められます。

常に最新のセキュリティ技術を導入し、サイバー攻撃やデータ漏えいなどのリスクを最小限に抑えるための対策を行っているため、セキュリティ面でも安心して任せられるでしょう。

コストを抑えられる

サーバーやネットワーク、ストレージなど準備不要で、初期費用やランニングコストを大幅に削減できます。

リソースの自動拡張機能で、開発者の作業なしで需要の増加と減少に応じてリソース調整できるため、無駄を省いてコストも最適化される傾向にあります。

状況に応じて必要なリソースのみ使用できるため、無駄な負荷を除いて最適なコストでシステム運用可能です。

クラウドのシステム開発時に検討すべき2つのこと

クラウドシステムの開発時に検討すべき2つのこと

システム開発でクラウドを導入する際、企業の方針や規模によってマッチするものが異なります。
快適かつ効率の良い開発環境を得るために、特に検討すべき2つのことを紹介します。

クラウドの構築タイプを検討

大きく分類すると、クラウドには以下3つの構築タイプがあります。

  • Public Cloud(パブリッククラウド)
  • Private Cloud(プライベートクラウド)
  • Hybrid Cloud(ハイブリッドクラウド)

それぞれの特徴、メリットやデメリットを把握し、判断材料にしましょう。

Public Cloud(パブリッククラウド)

インターネット上に公開されているクラウドサービスで、需要に応じてリソースの増減が自由自在です。

既に仮想マシンやデータベース、ストレージやネットワーク、開発ツールやアプリケーション、セキュリティなどが用意されているため、構築不要で開発に専念できます。

リモートワーカーの開発者も、インターネット経由してリソースへアクセス可能です。
多くの企業が提供しているため、利用料金が低下価格である点が特徴です。

Private Cloud(プライベートクラウド)

専用ネットワークを持つクラウドサービスで、組織や企業が所有し、構築・管理しています。

初期費用は所有が必要であるため値が張りますが、長期利用の場合はリソースの最適化で管理しやすくなるため、コストダウンも実現可能です。

企業内での利用に限定でき、高セキュリティのため、情報システムをクラウド化する際に選ばれることが多いです。
政府機関や大企業で導入されている傾向があります。

Hybrid Cloud(ハイブリッドクラウド)

パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせて構築されたクラウドサービスを主に指します。
異なるクラウドの長所を活かして、最適な環境でシステム開発を進められます。

また、データの重要度によって、2つの構築タイプを使い分けることが可能です。
機密性の高いデータをプライベートクラウドに保管し、それ以外のものをパブリッククラウドに格納することで、セキュリティリスクの低減ができます。

異なるクラウドの統合で管理が複雑化し、データ移行やアプリケーション最適化の際にシステム全体のパフォーマンスや可用性に影響を与える可能性があるため、十分な計画とトレーニングの実施を推奨します。

それぞれの特徴を吟味し、自社のシステム開発に最適な構築タイプを選定しましょう。

自社開発か外注するかを検討

クラウドでシステム開発を行う場合、自社開発か外部の企業に開発を委託するかを検討が必要です。

自社開発の場合、開発期間や費用が外注よりかかりますが、自社の要件に合わせて柔軟に開発ができます。
クラウドプロバイダー提供のサービスやツールは、必ずしも全てのニーズや要件に合致するものが用意されているとは限りません。

独自のニーズに沿ったシステムが必要で技術力を維持及び向上させたい企業やセキュリティを重視する企業に向いています。

外注する場合は、自社開発に比べ開発コストがかかります。
ただ、社内のプログラミングのノウハウがない場合でも、要件に沿ったシステムを開発できる点が魅力です。

どちらが合っているか検討し、システム開発に最適な方法を選択することが重要です。
適している方法がわからない場合は、システム開発のプロに相談してみてはいかがでしょうか。

システム開発に適したクラウド3選

システム開発に適したクラウド3選

近年、様々なクラウドが増えてきていますが、選択肢が多いと最適な選択も難しくなる一方ではないでしょうか。
その中でも多くの企業に使われているメジャーなクラウド3選を紹介します。

Amazon Web Services (AWS)

Amazon Web Services (AWS)は、Amazon社がインフラストラクチャとサービスを提供するクラウドです。
インターネットに接続された複数のデータセンターによって構成され、世界中の企業や開発者が自由自在に利用できます。

仮想マシンのEC2やストレージのS3、データベースのRDSや仮想ネットワークのVPC、アプリケーションサービスなどが既に用意されているため、システム開発に注力できるでしょう。

データセンターを分散させることで、ハードウェアの故障や自然災害への耐性を高め、データの冗長性を向上と高い可用性を実現しています。

Amazon Web Services (AWS)を利用すると、システム開発に注力でき、ビジネスの拡大につなげられるでしょう。
柔軟性や信頼性、セキュリティに優れているため、導入する企業が増加傾向にあります。

Google Cloud Platform

Google Cloud Platformは、Google社が提供するクラウドです。
グローバルなネットワークと技術を活用し、ビッグデータやマシンラーニング、アプリケーション開発やストレージ、データベースなどさまざまなサービスを提供しています。

機械学習エンジンのTensorFlowをはじめ、ビジョンAPIや音声API、自然言語APIなど、GoogleのAI技術を活用した機能で企業独自のシステムで開発を進められるため、ビジネス価値を高められるでしょう。

オンプレミスとクラウドのどちらもサポートしている点が強みで、クラウドへ移行を行う際はGoogle Cloud Platformが提供する専門家のサポートを受けて、移行作業を円滑に進められます。

特にインフラストラクチャの可用性やパフォーマンス、セキュリティやコスト効率が優れているため、様々な企業に利用されています。
一例として、オンラインストア「Shopify」は、Google Cloud Platformで処理能力を強化し、お客様のニーズに応えています。

Microsoft Azure

Microsoft Azureは、Microsoft社が提供するクラウドで、仮想マシンやデータストレージ、アプリケーション分析や人工知能など、幅広いクラウドベースのサービスがあります。

オープンソースのツールやプログラミング言語にも対応しているため、プラットフォームの選択肢が広がり、企業の独自のニーズに合わせて柔軟に利用できます。

柔軟性や拡張性、信頼性やセキュリティなどインフラストラクチャが備わっている点が魅力的です。
Office 365やDynamics 365などMicrosoft社の製品と完全に統合されているため、スムーズなデータ移行やシステム開発が実現可能です。

人工知能や機械学習のためのフレームワークやサービスも提供しており、ビジネスにおけるデータ駆動型のイノベーションを促進します。

クラウドでシステム開発する際の注意点

クラウドでシステム開発する際の注意点

クラウド上でのシステム開発は、一見便利でメリットが多いですが、デメリットも潜んでいます。
導入時の検討が不足していると、予算をオーバーしたり、開発期間が予想と反して短縮に失敗したりする可能性があります。

上手にクラウドを活用して開発を進めるために、以下の注意点を念頭に置いて、導入を検討しましょう。

連携やカスタマイズに制限がある

クラウドはオンプレミスとは異なり、一般的に共有インフラを使用するため、連携やカスタマイズの際に制限される事象が起こっています。

クラウドサービス提供のAPIやサービスと自社システムを連携させる場合、APIの未提供もしくは仕様変更の場合に問題発生の可能性があります。

また、カスタマイズの場合は、クラウドサービス提供の範囲内のみでしか変更できないケースも発生するでしょう。

セキュリティポリシーが合わない可能性がある

複数の企業が共有インフラを使用するため、セキュリティポリシー関連の問題が発生する可能性があります。

セキュリティポリシーが自社のセキュリティ要件と不一致の場合、もしくは提供元がセキュリティ上の問題を抱えている場合は、自社システムにも影響を及ぼすこともあるでしょう。

「守る対象」や「何から守るか」、「保護期間」や「保護方法」を洗い出すと、相性の良いセキュリティポリシーを持つクラウドを選定・導入しやすくなります。

洗い出しても不明な場合は、トライアルがあるものを試用したり、システム開発のプロに相談したりするのも良いでしょう。

定期的な見直しが必要になる

クラウドサービスは、必要に応じて環境やサービス内容が変更されることがあります。
自社システムのニーズの変化にも応じて、クラウドサービスの再検討も必要になるでしょう。

ITの世界は、日々新しいものが生まれて導入されてきています。
また企業自体も成長したり、時代とともに方針を変更したりすると、従来使用していたものが合わなくある可能性があります。
そのため、頻度を決めて定期的な見直しを行い、自社の要件に最適なクラウドサービスを選択しましょう。

まとめ:クラウド開発を理解し、自社に適したシステムを開発しよう

まとめ

今回の記事では、「クラウドでシステム開発する際のメリットや代表的なサービス」などについて解説しました。

クラウドでのシステム開発は、従来のオンプレミスでの開発と比較すると、開発期間を短縮、リソース調整を柔軟化、設備の保守管理が不要などと、多くのメリットが挙げられます。

開発時は、クラウドの「自社開発」か「外注」か、決定する必要もあります。
連携やカスタマイズに制限があること、セキュリティポリシーが合わない可能性があること、定期的な見直しが必要不可欠になることなどに要注意です。

最後に、ニーズや予算、スキルなどを考慮の上、適切なクラウドを選択し、開発を進めることが重要です。
ビジネス促進のために、更に効率的な開発環境を手に入れて、クラウドを導入してシステム開発してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
Wakka Inc. メディア編集部
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