【技術解説】AWSの費用が増える主な原因とCloudWatchによる監視方法

最終更新日:2024.11.19
DX・システム開発
金昌洙
【技術解説】AWSの費用が増える主な原因とCloudWatchによる監視方法
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こんにちは。Wakka Inc.の日本拠点でインフラエンジニアを担当している金です。

みなさんご存知の通り、VPSやレンタルサーバーの場合は定額制のサービスが多く、プランに応じて月額料金が決められています。そのため、プランを変えない限り、費用が変動することはありません。

一方、AWSは、従量課金制を採用しているサービスです。AWSはリソースの使用量に応じて費用がかかるため、月々の支払額が変動します。そのためアクセスが急増したなど、明確な理由がわかる場合はまだ良いのですが、どうして費用が増えたのか原因を突き止められない場合もあるのです。そこで、今回はAWSの費用が増える原因と費用の監視方法、コストを抑える3つのヒントを解説しますので、コストの増加に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

目次

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AWSの費用が増えてしまう5つの原因

AWSの費用が増えてしまう原因は、以下の通り5つあります。増えた原因がわからないという方は、この中に該当するものがある可能性が高いのでチェックしてみてください。

無料枠を超えた利用や失効

1つ目は、無料枠を超えてしまった場合や期限の経過により失効してしまったときに費用が増大してしまうケースです。

AWSは、はじめてアカウントを作成した顧客に対して、ストレージや開発者用ツールなどを12ヶ月間無料で提供しています。そのため、はじめは誰でも無料で数多くのサービスを利用することが可能です。しかし、12ヶ月を経過するとすべてのリソースに課金が開始されます。そのため、はじめて請求された場合は、無料枠の失効が原因です。

また、無料枠の期間内であってもその枠を飛び越えた使用は課金が発生します。そのため、扱うデータが大きいサイトやアクセス数が膨大なサイトをAWSに移行させるときは注意が必要です。

リージョンにリソースが残っている

リージョンにリソースが残っていることで、思わぬ費用が発生してしまうことがあります。リージョンは無効にしたとしても、すべてのリソースが開放されるわけではありません。たとえ無効にしたとしても必要なリソースは残り、それに対しては課金が継続されるため、想定外の費用となってしまうのです。

サービスを起動し続ける

サービスを起動し続けていることを知らずに放置していると、高額請求となってしまう可能性があります。例えば、AWS MediaServicesなどです。AWS MediaServicesは入力やチャンネル、データ転送に対して○分○ドルというような費用がかかります。そのため、起動し続けると時間ごとに費用が課金されて最終的には膨大な金額になるケースも珍しくありません。

不正アクセスが原因

4つ目の原因は、不正アクセスによるリソース使用量の増加です。例えば、アカウントを乗っ取られて不正利用されれば、請求が高くなります。また、大量にアクセス数が発生するDDoS攻撃なども不正アクセスのひとつです。

基本的に、AWSはDDoS攻撃を自動的に対処できるようになっています。また、パスワード等を難しくして不正アクセス対策をしていれば、避けられるトラブルです。しかし、セキュリティ対策の抜け漏れが思わぬ請求につながっている可能性があるので、頭の片隅に覚えておくといいでしょう。

AWS OpsWorksのリソースを終了していない

AWS OpsWorksはリソースを終了しないと再起動するため、再び課金が開始されます。そのため、AWS OpsWorksのインスタンス終了〜再起動までのフローをしっかりと確認し運用する必要があるでしょう。

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AWSの費用を監視する方法

思わぬ費用請求の原因を突き止めるためには、AWSの費用を監視することが重要です。基本的に費用の監視は、請求管理ダッシュボードとCloudWatchのアラート機能を利用することで実現することができます。CloudWatchのアラート作成までの手順を具体的にご紹介しますので、ぜひチェックしてください。

1.まずは、下記のURLからAWSマネジメントコンソールにアクセスします。
https://eu-west-1.console.aws.amazon.com/console/

2.右上にあるアカウント名の「▼マーク」をクリックして、その中のメニューにある「マイ請求ダッシュボード」をクリックしてください。

3.請求情報とコスト管理ダッシュボードの画面に遷移します。基本的には、この画面で利用料などを確認するのが一般的です。利用料の概要は、1ヶ月のコストを確認することができ、サービス別利用料では円グラフでサービス利用料の比率を表示してくれます。

4.次に、アラート設定を行います。ダッシュボードの左メニューにある「請求設定」をクリックしてください。

5.アラートの設定を行うことが可能です。今回のチュートリアルでは、すべてのチェックボックスにチェックを入れて、メールアドレスを入力しています。自分がどのようなときにアラートメールを受け取りたいのかを考えて設定するようにしましょう。

6.請求アラート管理は、CloudWatchで行うことができます。先ほどの請求設定画面の中にある「請求アラートを管理する」というリンクをクリックしてください。

7.CloudWatchの画面に遷移することができました。

8.アラートを作成するときは、左メニューの「アラーム」→「アラーム状態」をクリックします。

9.左側にある「アラームの作成」をクリックすることでアラートを作成することができます。

10.そのほかにも、ダッシュボードの作成やメトリクスの確認など、発生する費用の監視に役立つツールが豊富です。思わぬ請求を回避するために、ぜひ活用するようにしましょう。

AWSの費用を抑える3つのTIPS

AWSは、従量課金制を採用するため、日頃から費用を抑える取り組みを行うことで節約できる可能性があります。最後に、費用を抑えるための3つのTIPSをご紹介しますので低いコストでWebアプリケーションを運用したい方はぜひ参考にしてください。

不正アクセス対策をする

不正アクセスは思わぬ請求の原因となります。そのため、対策をすることで運用費用を抑えられるでしょう。

例えば、アカウントのログインには2段階認証を採用します。これによりメールアドレスとパスワードに加えて認証コードが必要になるため、不正アクセスのリスクを大幅に下げることが可能です。

また、アクセスキーを適切に管理します。アクセスキーの管理が行き届いていないと、不正利用の原因となります。そのため、アクセスキーをコードに直接使用しない、定期的に更新するなどの対策が必要です。

使用していないインスタンスを停止・削除する

2つ目は、あまり使用していないインスタンスを停止・削除することです。

インスタンスが稼働していると課金が発生します。使用していないものは、停止したり削除したりして、余分にリソースを使用しないようにすると良いでしょう。

システムの監視役を選任する

3つ目は、システムの監視役を選任することです。

利用状況を全く把握していない状態で運用すると、予期できないアクセス増加や不正利用が発生したときに金額の上昇を見逃します。請求されてはじめて高額な費用を知るといったことになるため、対応が遅れる心配があるでしょう。そのため、日頃から監視するエンジニアを選びます。そうすることで、急な金額の上昇があった場合でも素早く対応することが可能になり、思わぬ高額請求を防ぐことができるでしょう。

AWSの費用を日頃から監視して高額請求を回避しよう

今回は、AWSの費用が急増する原因と監視方法、コスト抑えるTIPSについて解説しました。不正利用だけでなく、サービスの停止を忘れたり、アクセスが急増したりすることでコストが増大する可能性があります。そのため、常に費用を意識した運用が大切です。

Wakka Inc.ではオフショアラボ開発やベトナムの海外開発子会社支援を通じて開発リソース増加とコスト削減につながるご提案をしております。また、海外の開発拠点では今回紹介したようなAWSの運用保守も担うことができるので、ご興味をお持ちいただけましたらお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
金昌洙

前世は社内ネットワーク部門でインフラ担当していました。当時4Uサーバーの重さに限界を感じ、クラウド推進派に。Wakka Inc.の日本拠点にインフラエンジニアとして参画し、サーバー・ネットワーク全般を担当。最近はDocker・CI/CDなどに取り組んでいます。

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