ヘッドレスCMSのContentfulとは?特徴やWordPressとの違い、具体的な活用方法を解説


こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。
ヘッドレスCMSのContentfulはAPIファーストであることを強みとし、企業が求める柔軟なコンテンツ戦略を実現します。
本記事では、Contentfulの特長と、ビジネス成長につながる具体的な活用方法を解説します。
Contentfulを利用して、Webサイトやモバイルアプリ、IoTデバイスなど、あらゆるチャネルに最適化されたコンテンツを配信しましょう。
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ヘッドレスCMSのContentfulとは

ヘッドレスCMSは、従来のコンテンツ管理システムからフロントエンド部分を切り離し、バックエンドの機能に特化したCMSです。フロントエンドを持たないCMSと言えるでしょう。
例えば従来のCMSであるWordPressはコンテンツの表示を担当するフロントエンドと、コンテンツの作成・管理を行うバックエンドの両方を提供しています。
一方、ヘッドレスCMSはバックエンドの管理に特化し、フロントエンドは別途構築・運用が必要です。
具体的には、APIを介して入力したコンテンツを取得し、目的に応じた場所に表示します。
Contentfulは、APIベースのクラウド型ヘッドレスCMSで、ドイツ発祥のサービスで世界中で利用されています。
マルチデバイス対応をはじめ、画像の自動リサイズ機能やMarkdown記法の使用など、豊富な機能が備わっています。
Contentfulの特徴

Contentfulの特徴は次の5つです。
- マルチデバイス対応が容易
- システム機能の変更がスムーズ
- 共同作業による開発スピードの向上
- Webサービスの画面表示の高速化
- 脆弱性対策の範囲の限定化
以下では、それぞれの内容について解説します。
マルチデバイス対応が容易
Contentfulの特徴の一つは、マルチデバイス対応です。
Webサイトだけでなく、スマートフォンアプリ、デジタルサイネージ、IoTデバイスなどあらゆるデバイスで利用可能です。
Contentfulは、一つの管理画面でコンテンツを集中管理し、複数のデバイスへ自動的に配信できます。
そのため、発信漏れや更新時のタイムラグを抑えることが可能です。
また、フロントエンドとバックエンドが独立しているため、システム改修や機能追加といったシステム機能の変更がスムーズに行えます。
企業がウェブサイトを構築・運用する際の制約が大幅に緩和され、効率的かつ拡張性の高い運用が可能です。
通常のCMSでは、フロントエンドのデザインや機能を変更する際に、バックエンド側の挙動に影響を与えていないか逐一確認する必要があります。
しかし、Contentfulではデザイン変更やUI/UXの改善作業をバックエンド側への影響を懸念する必要がなく、自由なタイミングで実施可能です。
共同作業による開発スピードの向上
共同作業による開発スピードの向上もContentfulの特徴です。
例えば、バックエンド開発者がAPIを設計している間に、フロントエンド開発者がデザインやUXの実装に集中できます。
フロントエンドとバックエンドの開発が互いに影響されずに進行するため、開発スピードの向上が可能です。
Webサービスの画面表示の高速化
Contentfulでは、Webサービスの画面表示の高速化が可能です。
通常のCMSは、ユーザーがWebページにアクセスするたびに、バックエンドでプログラムが動作し、データベースから必要な情報を取得して動的にページを生成します。
しかし、このプロセスにはサーバーとデータベースの処理が必要なため、リクエスト処理やページ表示に時間がかかる場合があります。
一方、Contentfulでは、事前に生成されるコンテンツは静的ファイルです。
これらの静的ファイルは、あらかじめ決まった内容が固定された形で保存されており、ユーザーがページをリクエストした際には即座に配信されます。
この仕組みにより、サーバーの負荷が軽減され、表示速度が向上します。
脆弱性対策の範囲の限定化
Contentfulでは、脆弱性の範囲の限定化も特徴です。
WordPressのようなCMSは、多くのWebサイトやブログで採用されており、オープンソースであるため、ソースコードが公開されています。
そのため、プラグインやテーマなどで脆弱性が高くなる傾向があります。
一方、Contentfulは、バックエンドとフロントエンドが分離されており、ウェブサイト全体を一元的に管理しないため、攻撃対象となる範囲が限定されます。
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ContentfulのAPIの種類

ContentfulのAPIの種類は以下の通りです。
- コンテンツ配信API(Content Delivery API)
- コンテンツ管理API(Content Management API)
- コンテンツプレビューAPI(Content Preview API)
- 画像API(Images API)
- GraphQL コンテンツAPI(GraphQL Content API)
- ユーザー管理API(User Management API)
- SCIM API
出典元:API references
それぞれの特徴について解説します。
コンテンツ配信API(Content Delivery API)
Contentfulのコンテンツ配信API (Content Delivery API) は、Contentfulに保存されているコンテンツをアプリケーション、Webサイト、その他のプラットフォームに効率的に配信するための読み取り専用APIです。
このAPIを利用することで、コンテンツがJSON形式で配信され、画像や動画などのメディアファイルは直接ファイル形式で提供されます。
Contentfulのコンテンツ配信API (Content Delivery API) は、グローバルに分散されたコンテンツ配信ネットワークを活用しています。
ユーザーの地理的な位置にもっとも近いサーバーがコンテンツを提供するため、データ転送の待ち時間が短縮されます。
これは特にリアルタイム性が求められるモバイルアプリにおいて、大きなメリットです。
また、複数のデータセンターでホストされることで、コンテンツの配信がより信頼性の高いものになります。
コンテンツ管理API(Content Management API)
Contentfulのコンテンツ管理API(Content Management API)は、スペース内のコンテンツを作成、更新、削除など、効率的に管理するためのツールです。
このAPIを使用すると、プログラム的にコンテンツを制御し、柔軟なコンテンツ管理が可能になります。
コンテンツプレビューAPI(Content Preview API)
ContentfulのコンテンツプレビューAPI(Content Preview API)は、公開済みコンテンツと未公開コンテンツをプレビューするための重要なツールです。
例えば、ドラフト状態のコンテンツや変更内容が公開前にどのように見えるかを確認できます。
これにより、リリース前に正確な表示内容を確認することが可能です。
公開済みのバージョンに加え、未公開のドラフトや編集中の変更も取得でき、公開準備中のコンテンツの確認も行えます。
画像API(Images API)
Contentfulの画像配信API(Images API)は、画質調整、サイズ変更、画像形式変換といった重要な機能を網羅しています。
例えば、画像をJPEG、PNG、WebPなどの形式に変換できます。
また、必要なサイズのバリエーションを生成できます。
サムネイル画像、モバイル用画像、デスクトップ用画像といった、異なるデバイスや用途に応じた最適なサイズをAPIリクエストで簡単に取得可能です。
GraphQL コンテンツAPI(GraphQL Content API)
GraphQL コンテンツAPI(GraphQL Content API)を使用すれば、公開済みコンテンツだけでなく、未公開コンテンツにもアクセス可能です。
Contentfulの各スペースには、そのスペースのコンテンツモデルに基づいたGraphQLスキーマが生成されます。
このスキーマは、リクエスト時に生成され、常に最新の状態を維持します。
ユーザー管理API(User Management API)
Contentfulのユーザー管理API(User Management API)は、組織やそのメンバーシップの管理が可能になるAPIです。
具体的には、組織管理、組織メンバーシップの管理、チーム管理、スペースメンバーシップのプログラム管理ができます。
SCIM API
SCIM APIは、クラウドベースのアプリケーションやサービスにおける、ユーザーやグループ管理の効率化を目的としたAPIです。
複数システム間でのID管理作業を簡素化します。
Okta、OneLogin、Azure、Ping IdentityといったID プロバイダーをサポートしています。
ContentfulとWordPressとの違い

Contentfulはフロントエンドを持たず、バックエンドでコンテンツを管理し、APIを通じて外部に提供します。
一方、従来のCMSであるWordPressは、ユーザーが閲覧する画面のフロントエンドと管理者がコンテンツを操作するバックエンドが一体化しています。
Contentfulの具体的な活用方法

Contentfulの具体的な活用方法は次の3つです。
- Webサイト向けコンテンツ最適化
- モバイルアプリ向けカスタムコンテンツ
- IoTデバイスへの効果的なコンテンツ配信
それぞれの内容について解説します。
Webサイト向けコンテンツ最適化
Contentfulを利用すると、ブログやニュースサイトなどのWebサイト毎に、コンテンツを効率的に最適化できます。
コンテンツモデルを自由に設計できるため、記事のタイトル、本文、画像、タグなどを柔軟に設定可能です。
モバイルアプリ向けカスタムコンテンツ
Contentfulは、ウェブサイトだけでなく、モバイルアプリへのコンテンツ提供にも適しています。
APIを通じてコンテンツを配信できるため、iOSやAndroidアプリと連携し、一元化されたコンテンツ管理が実現できます。
IoTデバイスへの効果的なコンテンツ配信
Contentfulは APIを活用して、IoTデバイスへ一貫したコンテンツ配信が可能です。
異なる種類のデバイス間で統一性のあるコンテンツを配信することができます。
Contentful導入時における検討課題

Contentful導入時における検討課題は次の3つに分けられます。
- 外部ツールの導入が必要
- 技術的な専門知識と開発スキルが必要
- プレビュー機能が別途必要
以下では、それぞれの内容について解説します。
外部ツールの導入が必要
ヘッドレスCMSは静的ページの管理に特化しているため、動的なデータ処理には対応していません。
そのため、入力フォームやデータベースの管理などの動的機能を追加したい場合、外部ツールの導入が必要になります。
技術的な専門知識と開発スキルが必要
Contentfulにはフロントエンドがないため、技術的な専門知識と開発スキルが必要な場合があります。
例えば、サイトやコンテンツのプレビューには別途開発が必要です。
また、WebサイトのUIを構築するだけでなく、APIやフレームワークを活用してデータを連携させるなどの専門的な知識と技術が求められます。
プレビュー機能が別途必要
Contentful導入には、プレビュー機能開発の検討が必要です。
Contentfulには、通常のCMSのようなプレビュー表示機能が標準搭載されていません。
そのため、コンテンツを公開前に確認するためには、専用のプレビュー機能を別途開発する必要があります。
ヘッドレスCMSのContentfulをコンテンツ管理に活用しよう

Contentfulは、代表的なヘッドレスCMSツールで、コンテンツをAPIで提供する柔軟な仕組みを持っています。
フロントエンドに依存しない設計のため、ウェブサイトだけでなくモバイルアプリやIoTデバイスなど多様なチャネルでコンテンツを利用可能です。
また、直感的なUIでコンテンツを管理しやすく、開発者にとってもRESTやGraphQL APIが利用できる点が魅力です。
多様なプラットフォームへの対応やカスタマイズ性を活かし、ビジネスにおけるコンテンツ管理に役立てましょう。
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