ECサイト構築パッケージ完全ガイド|選び方・費用・おすすめベンダー徹底比較

最終更新日:2025.11.20
EC開発
安藤 大海
ECサイト構築パッケージ完全ガイド|選び方・費用・おすすめベンダー徹底比較
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こんにちは。Wakka Inc.のWebディレクターの安藤です。
EC事業の拡大に伴って機能拡張を検討する企業が増えている一方で、ECパッケージは種類が多く、自社の規模や要件に適した製品を選ぶのが難しいと悩む方も少なくありません。

本記事ではECパッケージでECサイトを構築するメリットや、各ベンダーの特徴についてご紹介いたします。
きっとイメージ通りのECパッケージが見つかるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

Wakka Inc.ではECサイトを構築する場合のガイド無料配布中です。
目的や売上規模に応じたEC種別選定や最適な構築手法についての診断を受けたい方は、「料金目安もわかるECサイト構築ガイド」をご確認ください。

目次

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ECサイト構築4つの手法

ECサイトの構築手法には、ECパッケージを含めて主に4つの方法があります。
4つの構築方法の中からどのように選べば良いか?は、自社のやりたいことに合わせて選んでいく必要がありますが、特に大事なのはEC事業の規模感です。
ECパッケージは有償のものが多く、500万円以上の費用がかかることもめずらしくありません。

ECサイトの売上規模がどの程度なのかは、サービスを導入する上で必ず確認しましょう。
自社の売上規模が把握できたら、次の4つの手法からECサイトを構築していきます。

ECパッケージ

ECパッケージとは、オンラインショップの構築と運営に必要な「注文管理」「商品管理」「決済機能」などの基本機能を一つにまとめたソフトウェアの総称です。
一般的には、自社で管理するサーバーにインストールして使用する形態をとります。
ECサイトに求められる標準的な機能があらかじめ搭載されているため、すべてをゼロから作り上げるフルスクラッチ開発と比較すると、大幅にコストを抑えながら短期間でのサイト開設が実現できます。

ECパッケージの最も大きな特徴は、優れた拡張性とカスタマイズの自由度の高さです。
企業それぞれの販売方法や事業戦略に応じて、機能の追加や仕様の変更を柔軟に行えるため、自社のビジネスモデルに合わせた独自性の高いECサイトの構築が可能です。

事業の成長段階や市場の変化に対応してシステムを継続的に改善していけることから、中規模以上の企業や将来的な事業拡大を視野に入れている企業にとって、有力な選択肢となっています。

ASP

ASP(Application Service Provider)は、ECサイト構築の4つの手法の中で最も手軽に始められる方法の一つです。
個人事業者や年商1,000万円程度の小規模事業者に多く利用されています。
サイト構築に必要なテンプレートがあらかじめ用意されており、無料のサービスも存在します。

有料サービスでも月額1万円程度から利用できるため、初期費用を大きく抑えられることも特徴です。
サーバーもサービス提供者側が用意するため、インフラ整備のコストはほぼ不要です。
プログラミングなどの専門知識がなくても、パソコン一台あればすぐにオンラインショップを開設できる手軽さが魅力です。

一方で、ASPの弱点は拡張性の低さにあります。
一般的なASP型サービスでは、外部システムとの連携を前提としていないため、事業の成長に伴う柔軟なカスタマイズは難しい傾向です。
また、デザインテンプレートも変更の自由度が限られており、競合との差別化や独自性の表現が難しい課題があります。

オープンソース

オープンソースは、無償で公開されているソースコードを活用してECサイトを構築する手法で、個人から中堅企業まで幅広く採用されています。
サーバーは自社又はレンタルサーバーを用意する必要がありますが、レンタルサーバーやドメイン取得料は年間数万円程度で済むため、大きな負担にはなりません。

ASPと異なり月額料金が不要なため、サイトの維持費用をほぼゼロに抑えることができます。
カスタマイズの自由度はASPより高く、豊富なプラグインの活用やソースコードの改変により、自社のニーズに合わせた機能拡張が可能です。

一方で、カスタマイズには高度なプログラミング知識が求められるため、社内にエンジニアがいない場合は外部委託が必要となり、結果的に高コストになる可能性がある点が課題です。
また、ソースコードが公開されているため、脆弱性が発見されやすい一方で、適切な対策を講じないとセキュリティ上のリスクが高まる可能性があります。
個人情報を扱うECサイトでは情報漏洩が致命的な問題につながるため、慎重な対策が求められます。

フルスクラッチ開発

フルスクラッチ開発は既存のシステムを使用せず、1からECサイトを構築していく手法です。
売上規模が100億円を超えるような企業でも導入されています。フルスクラッチ開発でECサイトを構築している国内の企業では、ユニクロやZOZOTOWNなどが有名です。
フルスクラッチ開発の大きな特徴は、ほかの構築手段よりカスタマイズ性が高いことがあげられます。
この規模のECサイトであれば、サイト内のコンバージョンが数%改善するだけで、大幅な売上増加が見込めます。

そのためマーケティング部門とIT部門の担当者が連携をとり、素早く問題点を発見し、改善する必要があるのです。
フルスクラッチ開発は、ほかの開発手法よりも開発に時間や費用がかかるため、ECサイトをとりあえずオープンしてみようと考える企業には向いていません。
また昨今の人手不足で優れたIT技術者を採用、雇用し続けるのは難しいため、ラボ型開発などの海外リソースも積極的に活用するのがおすすめです。

▼フルスクラッチ開発についての詳細は下記の記事をご参照ください

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ECパッケージで構築するメリット4つ

ECパッケージを導入すべき売上規模は、おおよそ1億を超えてきたあたりからです。
売上規模が大きくなるにつれて、会社独自の要件が複雑になってくるため、ASPなどでは対応できなくなる場合も少なくありません。
ECパッケージはデフォルトの状態でもECサイトを構築できますが、カスタマイズ前提で導入される場合がほとんどです。そのため、複雑な要件にも対応可能なパッケージ製品が多く見られます。

カスタマイズがある程度可能

カスタマイズの柔軟性は、ECパッケージを導入する大きなメリットです。
最近のECパッケージには、フルスクラッチ開発にも負けないほどの柔軟なカスタマイズ性を持つものもあります。
サイトのデザインも自由にカスタマイズできるため、競合との差別化が可能です。

事業規模がさらに拡大し、「越境ECにチャレンジしたい」などの要望にも柔軟に対応できるでしょう。
企業の売上規模が拡大するにつれて、自社の売上を達成するための課題も変わってきます。

ECパッケージは導入時に費用はかかりますが、フルスクラッチ開発にくらべると割安です。
またECパッケージには通販に必要な機能がはじめから備わっているため、実装の期間もフルスクラッチ開発と比べると短い場合が多い傾向です。

セキュリティが強固

ECパッケージは、ベンダーがソースコードを公開していないため、オープンソースなどと比べるとセキュリティは強固です。
ソースコードを公開している場合、どうしてもセキュリティホールが生まれてしまい、そこをハッカーにつかれてしまいます。
ECパッケージを提供するベンダーはコードの保守作業も行うため、自社の負担が少ないのも魅力です。

個人情報の漏えいは社会的信頼を失うだけでなく、賠償責任を負うリスクも生じてきます。
売上規模が1億を超えてくるような企業では、メディアやSNSでの注目も集めやすいためより注意が必要です。
セキュリティの高さは、ECパッケージでサイトを構築する大きなメリットの一つです。

専門性の高い人材を確保しなくても良い

ECパッケージはベンダーが開発元のため、自社に専門性の高い人材を確保しなくても良い点も、メリットとしてあげられます。
自社の課題を解決していくためにはECサイトのカスタマイズが必須ですが、ECパッケージは自社で技術者を雇用する必要がなく、ベンダーに相談しながら必要な機能を実装していきます。

また、トラブルへのサポートも注目すべき点です。
ECサイトをオープンしたあとはシステムのトラブルがつきもので、自社で解決できないこともでてきます。
運用実績が豊富なベンダーであれば、トラブルに対する手厚いサポートや支援が期待できます。
外部のサポートも、ECサイトを構築、運営していく上で重要なメリットです。

瞬間的なアクセス増加にも対応可能

ECパッケージは、瞬間的なサイトへのアクセス増加にも十分耐えられる可能性が高いです。
マーケティングの施策が成功したり、商品がテレビに取り上げられたりすると、ECサイトへの瞬間的なアクセスが増加しないとも限りません。
自社で構えているサーバーの規模にもよりますが、ECパッケージならばサイトへのアクセス増加によるサーバーダウンも回避できます。

ASPや安価なレンタルサーバーでは、サーバーへのアクセス増加を分散できません。
このためサーバーが落ちたり、サーバー側が設定した同時接続数を超えて503エラーが出たりして、せっかくの商機を逃してしまうリスクがあるのです。
ECサイトへのアクセス数を決めておき、それを超えるようなアクセスがあった場合はおわびのメッセージが出るようなサーバーを別で用意するなどの対策も有効です。
サーバーへのアクセス増加への対応など、細かいところまで配慮できる点も、ECパッケージのメリットといえます。

ECパッケージでサイトを構築するデメリット

ECパッケージはカスタマイズ性、セキュリティなど優れた面が多いのですが、もちろん導入のデメリットもあります。
ECパッケージでECサイトを構築する際は、デメリットもしっかりと理解する必要があるでしょう。

(ほかの構築方法と比べ)コストがかかる

ECパッケージは、ASPやオープンソースによるサイト構築よりも費用がかかるのが一般的です。
オープンソースはレンタルサーバー代、ASPは月々のサービス利用料など、導入や運用のコストがあまりかかりません。

一方で、ECパッケージは、おおよそ500万円程度の導入費用がかかります。
デフォルトの機能で500万円程度かかるため、自社に必要な機能を実装しようとすると、それだけ費用も高額になる可能性があります。
運用にも、次のコストが必要です。

  • サーバー代
  • ドメイン代
  • ベンダーの保守費用

イニシャル、ランニングともに費用が高額ですので、売上だけでなく、ECサイトの成長率も考慮しながら導入の可否を検討しましょう。

システムが古くなる恐れがある

ECパッケージは、デフォルトの機能を詰め合わせたパッケージ商品です。
インストール時点で、ベンダーと相談しながら必要な機能をカスタマイズできますが、一度パッケージをサーバーにインストールすると、インストールした当時の状況の機能のまま使い続ける必要があります
一般的にECパッケージの耐用年数は5年といわれますが、ECサイトのトレンドは著しく変化します。また自社の売上規模が急拡大する可能性もゼロではありません。

場合によっては、サイトを大幅にリニューアルする必要も出てきます。
リニューアルせずにそのまま使うこともできますが、競合との差別化が難しくなってしまう可能性もあります。
リニューアル時には別途費用が発生するため、3年、5年後を見据えたサイト構築を行うのが肝心です。

ECパッケージの活用が向いている企業

ECパッケージは、すべての企業に適した構築方法ではありません。
導入効果を最大化するには、一定の売上規模があること、越境ECやBtoB連携など実現したい施策が明確であること、社内に専門人材がいることが重要です。

ここでは、ECパッケージの活用が向いている企業の特徴について解説します。

売上規模(年商1億円以上が目安)

年商1億円以上の企業であれば、ECパッケージの導入を検討する価値があります。
ECパッケージは、デザインの自由度が高く、複雑なシステム連携やカスタマイズに対応できるため、事業の成長に合わせた柔軟な拡張が可能です。

特に中規模から大規模のECサイトを運営する企業、具体的には年商1億円から50億円程度の事業者に最適な選択肢となり得ます。
近年は新しいパッケージ製品が続々と登場しており、スケーラビリティや拡張性が大幅に向上しています。
特に高機能なECパッケージにおいては、フルスクラッチ開発に匹敵する柔軟性を実現できるようになってきました。

一方で、初期費用についてはフルスクラッチ開発よりも抑えられるとはいえ、決して軽い負担ではありません。
そのため、一定の売上基盤がある企業でなければ、投資に見合った効果を得るのは難しいのが現実です。
一般的に、年商1億円はECパッケージへの投資を回収し、その機能を十分に活用できるかどうかを判断する目安とされています。

自社でやりたいことが明確(越境・BtoB連携・CRM強化など)

ECパッケージを効果的に活用するには、実現したい施策が明確になっていることが不可欠です。
ECパッケージ最大の魅力は、自由度の高さとカスタマイズ性にあります。
基本的な機能を標準装備しながらも、業界特有のニーズや企業独自の要件に合わせて柔軟に機能を追加・拡張できるため、他社との差別化を図ったオリジナリティの高いサイト構築が実現できることが特徴です。
また、複雑なシステム連携にも対応できる点も大きな強みです。

海外展開、法人取引への対応、顧客管理の高度化など具体的な目標が定まっていない状態で導入を進めると、開発の方向性が定まらず、時間とコストばかりが膨らむ状況になりかねません。

また、カスタマイズ性が高い分、自社の要件を適切に実現するには、さまざまなリスクやイレギュラーケースを想定した設計力と専門知識を持つ構築ベンダーの選定も欠かせません。
明確な事業戦略と信頼できるパートナーがそろって初めて、ECパッケージの真価が発揮されます。

社内ITチームなどの専門人材がいる

ECパッケージを安定的に運用し、価値を最大化するには、社内に専門的な知識を持つ人材が在籍していることが重要です。
ECパッケージは高いカスタマイズ性を持つ反面、システムの運用保守やトラブル対応には技術的な理解が求められます。
社内にITチームやエンジニアがいれば、日常的なシステム管理はもちろん、不具合が発生した際の迅速な対応や、機能追加が必要になった場合の的確な判断が可能です。

また、事業の成長に合わせてシステムを継続的に改善していくためには、ベンダーとの円滑なコミュニケーションも欠かせません。
技術的な知識を持つ担当者がいれば、開発要件を正確に伝えたり、提案内容の妥当性を評価したりできるため、プロジェクトをスムーズに進められます。

専門人材が不在の場合、すべての作業を外部に依頼せざるを得なくなり、対応の遅れやコストの増大を招きかねません。
ECパッケージの導入を検討する際は、社内の人材体制が整っているかどうかも重要な判断材料です。

ECパッケージのベンダーの選び方

ECサイトをパッケージで構築することを決定した場合、特に重要なのがベンダーの選び方です。
せっかく導入しても、「自社のやりたいことができなくて、結局ほかのベンダーに乗り換えた」となるケースもめずらしくありません。
ベンダーにもさまざまな会社があるため、まずは条件を決めて、大まかにふるい分ける必要があります。

  • 企業規模
  • 開発力
  • コスト
  • 機能
  • セキュリティ

大きく分けて、上記の5つを中心に確認しましょう。
例えば、コストは安いが開発力に不安のある企業などでは、将来新しい機能を実装したい場合にカスタマイズ費用が膨大、もしくは実装できないケースもあるからです。
ふるい分けで数社に絞れたら、さらに細かく比較していきましょう。

成果物が自社のECサイトのイメージと近いか?

ベンダーの成果物は次の観点で必ずチェックしましょう。

  • 構築実績の多さ
  • 自社のイメージと近いものを納品しているか

構築実績が少ない場合は、技術力に不安が残るので、ぜひとも確認しておきたいポイントです。
実績数の多さも外せない判断材料ですが、それよりも「構築事例が自社のECサイトにマッチしているか?」をきちんとチェックしなければなりません。
やりたいことが成果物のサイトに近い場合、ベンダーはその案件を得意としている可能性が高いためです。

ベンダーはECサイトを構築する際、さまざまな企業から要件定義をヒアリングしています。自社のイメージと近いECサイトを数多く作っていれば、ベンダーとの認識のずれが起きにくくなるはずです。
ECサイトのイメージが構築事例と近い場合は、必要なカスタマイズ工程を省けるので、費用だけでなく、納期も短縮できる可能性があります。

専任の担当者がつくか

「プロジェクト専任の担当者がつくかどうか?」も、ベンダー選びの際に比較したいポイントの一つです。実装したてのECサイトにはトラブルがつきものです。
受注業務、発送業務が忙しくなった場合、ECサイトのトラブルを自社で解決しようと思っても、リソースを割けないこともおおいにありえます。
こういった場合に頼りになるのが、外部のサポートです。
またサイトオープンのときだけでなく事業が成長していった場合、「適切なカスタマイズの提案を行ってくれるか?」も重要なポイントです。
ECサイトの構築からサポートまで一貫して行ってくれるベンダーであれば、企業の細かいニュアンスも伝えられるので安心して利用できます。

代表的なECパッケージベンダーの比較

ECパッケージのベンダーを選ぶ際には、企業規模や製品のシェア率も注目したいポイントです。
ここからは、代表的なベンダー3社の特徴について確認していきましょう。
※表は、横にスクロールできます

ベンダー名特徴向いている企業導入実績カスタマイズ性保守体制
ecbeing国内シェアNo.1。高機能・高カスタマイズ大手/アパレル/越境BEAMS など
ebisumartクラウド型で柔軟性あり。中〜大規模向けECと基幹連携したい企業スクエニなど
EC-ORANGEBtoB・多店舗・オムニチャネルに強い小売・百貨店系小田急百貨店など

ecbeing

ecbeingは、フルカスタマイズも可能な中堅~大手向けのECパッケージです。
12年連続で国内シェアNo.1を獲得している実績から、高い評価を得ているのが確認できます。
自由度の高いカスタマイズ性をほこり、企業のやりたいことに合わせた柔軟なサービスを提供することが特徴です。
技術力も確かで、300人以上の技術者が在籍し、機能実装に向けたテストやセキュリティ体制を構築しています。
マーケティングの支援も行っているため、ECサイトを構築して終わりではなく、自社のゴールに向かって伴走するパートナーとしても期待できます。

ebisumart

ebisumartの最大の特徴は、クラウドECの手法を用いてECサイトを構築することです。
クラウドECとは、パッケージとASPの良いとこ取りを行ったようなサイト構築方法で、近年注目を集めています。
ebisumartの導入実績は700社以上で、ベンダーは東京マザーズにも上場している企業です。

ASPのデメリットは基幹システムに連携できないことで、ECパッケージのデメリットはシステムが古くなることでした。
ebisumartは複雑な基幹システムにも柔軟に連携でき、クラウド上にシステムを構築しているので、常に最新の状態にバージョンアップされます。
またebisumartではAWSのクラウドサービスを利用しているため、自社でサーバーを用意する必要がありません。
サーバー保守業務は意外とコストがかかるため、保守の手間を省けるのも大きなメリットです。

EC-ORANGE

EC-ORANGEは、2006年のサービス開始から2017年までに、約960社の構築実績があるECパッケージサービスです。EC-ORANGEの特徴は、さまざまなビジネスモデルに対応できる点があげられます。
BtoB、オムニチャネル(※)、越境ECなど企業のさまざまなニーズに寄り添えます。システムが買い切りなのも特徴的です。

実店舗をからめてECサイトを展開するオムニチャネルなどでは、店舗数が多くなればなるほど、このメリットは大きくなってきます。
ECパッケージはライセンス契約を行う場合が多いので、将来的に多店舗経営などを見据えた場合、EC-ORANGEを導入する価値が高まります。
※オムニチャネル(Omnichannel)・・・実店舗、ECサイト、SNS、メルマガ、テレアポなど、複数の販売チャネルを活用して顧客へアプローチする方法

パッケージで構築されたECサイト例

代表的なベンダーのサービスで作られたサイトには、どのようなものがあるのでしょうか?
各社の課題感なども交えて、詳しく見ていきましょう。

BEAMS(ecbeing)

BEAMSは、オフィシャルサイトとECサイトの統合を行う際にecbeingを利用しています。

  • オフィシャルのドメインとECサイトのドメインのそれぞれの管理が煩雑
  • 顧客がオフィシャルとECサイトを行き来し、動線が複雑になっている

上記2点が、BEAMSの抱える課題でした。ECパッケージの導入により、情報の集約化と顧客の利便性を高めることに成功しています。

参照:【株式会社ビームス様インタビュー ~前半~】ビームスが目指す次世代デジタル戦略のプラットフォーム化|ecbeing

スクウェア・エニックス(ebisumart)

スクウェア・エニックス(SQUARE ENIX)は、ECサイトをebisumartで構築しています。
スクウェア・エニックスのメイン事業はゲームですが、ゲームの関連商品やその他の商品を合わせると、100万点以上の商品を扱っています。
そのため、次の課題を抱えていました。

  • ゲームのダウンロードコンテンツの管理
  • 商品の安定的な供給

この課題をきっかけに、ECパッケージの導入を決定しました。
導入の結果、受注効率が大幅に上がり、導入前と比べて2倍の受注をできるようになり、課題をクリアしています。

参照:受注性能が2倍になりました:スクウェア・エニックス様|ebisumart

株式会社小田急百貨店(EC-ORANGE

小田急百貨店ではECサイトを導入してから7年が経過し、システム改修の必要性からECサイトをリニューアルしました。
リニューアルにあたって、ECの効率化だけでなく、オムニチャネルなどの先進的な取り組みを行うことをベースに、ベンダーを選定しています。
ネットで発注して店舗で受け取れるような施策が成功し、前年月比120%の売上を達成しています。

参照:駅近百貨店の利便性をオンラインでも追及。ECサイトリニューアルで店舗連動施策も実現|EC-ORANGE

パッケージECの構築後に注意すること

ECサイトは構築して終わりではありません。
構築したあとに、「顧客にどのようにサイトへ足を運んでもらい、売上につなげていくか?」が重要です。
具体的に、どのような点に注目すべきかを確認していきましょう。

サイトが実際のイメージ通り運用できているか?

導入当初のイメージ通りにECサイトを運用できているかは常に意識すべきポイントです。
フロント業務だけでなく、バックエンド業務がスムーズに行われているかも確認しましょう。
例えば、ECパッケージで構築する際の課題が、発注システムとの連携であった場合、導入前と比べて、発注効率がどの程度改善されたかは数値化しておくべきです。
イメージと違った場合にはどのような改修が必要で、ベンダーにどこまで依頼できるかも、構築前に確認しておきたいところです。

マーケティング施策を導入する

ECサイトは、構築後にマーケティング施策を導入し、次のような分析と改善を続けることが重要です。

  • サイトのPV、CV率、離脱率
  • カートや入力フォームの遷移率
  • 新規とリピーターの顧客分析

さまざまな角度から分析を行い、ブラッシュアップを行う必要がでてきます。
SEOの観点からサイトの上位表示を狙うような施策も効果的です。
もしベンダーにマーケティング施策のサポートも相談できるのであれば、事業を軌道に乗せるための大きな助けとなってくれるはずです。

自社の行いたいEC事業をイメージしてパッケージ構築を検討しよう

ECパッケージは、中~大規模の企業向けのECサイトの構築方法です。
カスタマイズ性に優れているなど、導入に際してさまざまなメリットがありますが、まずは自社が何を行いたいか?の要件定義が、成功するECサイトを構築する上で非常に重要です。
自社のやりたいことをしっかりとイメージして、最適なベンダーに発注しましょう。

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この記事を書いた人
安藤 大海

学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。

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