顧客管理システム(CRM)とは|開発費用の相場や導入方法などを解説

最終更新日:2025.01.28
DX・システム開発
中垣圭嗣
customer management system
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こんにちは。Wakka Inc.のラボマネージャーの中垣です。

弊社は大手企業・ベンチャー企業を中心にWeb・業務系・ECサイトのシステム開発から運用保守まで実績のある会社です。

本記事では、最近お問い合わせをいただくことが多い顧客管理システムについて解説します。
なお、顧客管理システムはCRMとも呼ばれるので、こちらの呼称の方が聞きなじみのある方も多いのではないでしょうか。

顧客管理システムも他のシステム同様、クラウド型・オンプレミス型・オリジナルと複数の選択肢があります。
各選択肢はそれぞれどのようなものか、どのくらいの費用がかかるのか、どのような企業に合っているのか、などをご紹介していきます。

顧客管理システムについてご相談がある方は、開発経験豊富なWakka Inc.にお問合せください。
お問い合わせはこちらから。

目次

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顧客管理システムとは

顧客管理システムとは、顧客情報を管理するためのシステムで、CRMとも呼ばれます。
CRMはCustomer Relationship Managementの略です。
具体的には、顧客の購買情報・利用履歴・閲覧履歴・クレームなどのデータを収集してまとめます。

かつてのCRMは顧客情報を蓄積させるだけのシステムでしたが、現在は蓄積したデータを分析し、業務改善に役立てるケースが増えてきました。
また、業務内容によって蓄積すべきデータや分析の仕組みが変わります。

顧客管理システムの開発費用相場をご紹介しますが、システムの機能や、開発方法の種類によって金額が大幅に変わることはあらかじめご了承ください。

顧客管理システムの導入方法の種類

顧客管理システムの導入方法は複数あります。
具体的には以下が挙げられます。

  • クラウド型
  • オンプレミス型
  • オリジナルシステム

それぞれの種類について、順番に解説します。

クラウド型

クラウド型とは、ベンダーのサーバーにアクセスして使用する顧客管理システムです。
自社にシステムを直接導入するのではなく、システムにアクセスするためのアカウントを発行してもらうことで使用できます。

クラウド型はサーバーやネットワーク機器のようなハードウェアの導入をする必要がないため、導入に手間がかかりません。
製品によっては1日で導入が完了する場合もあります。
また、導入コストや運用コストもリーズナブルであり、予算が限られる企業でも手軽に利用できます。

しかし、クラウド型はカスタマイズ性が低く、機能やインターフェースの変更が難しい点がデメリットです。
オプションで機能を追加できる製品は多いですが、追加料金が発生するケースがほとんどです。

オンプレミス型

オンプレミス型は自社にシステムを直接導入するタイプの顧客管理システムです。
必要があれば、システム本体だけでなくサーバーやネットワーク機器などもセットで購入する場合があります。

システムを直接導入するため、クラウド型と比べると手間がかかりやすい点がオンプレミス型のデメリットです。
加えて、導入コストや運用コストが高くなりやすい点にも注意しなければなりません。

一方で、オンプレミス型はカスタマイズ性が高く、企業のニーズに合わせた拡張が容易です。
さらにインターネットに接続しなくても利用できる仕様にもできるので、セキュリティ性が高い点も魅力です。

オリジナルシステム

オリジナルシステムは、自社の実情に合わせてゼロから構築するタイプの顧客管理システムです。
任意の機能・インターフェースを実装できるので、特殊な業務にも対応可能な顧客管理システムを実現できます。

しかし、オリジナルシステムの開発はコストや手間がかかります。
開発にあたって専門的な知識やスキルも必要になるため、十分な人材やリソースが用意できない企業だと実践は困難です。

顧客管理システムの費用相場

次に各顧客管理システムの費用相場をご紹介します。
ただ先述した通り、ひとことに顧客管理システムと言っても機能の幅が大きくなっているので、あくまでも参考数値としてご覧ください。

なお、導入形態別の費用相場は以下の通りです。

クラウド型システム無料~30万円程度
オンプレミス型システム100万円~500万円程度
オリジナルシステム500万円以上

単純にデータを収集するだけなのか、そこからデータを分析してサービス改善にまでつなげるシステムを構築するのか、などによってかかる費用は変動します。

クラウド型システムの費用相場

クラウド型システムは最初に導入する際の初期費用と、月額料金がかかるケースがほとんどです。

最初に導入する際の初期費用は、無料~30万円程度が相場とされています。
最低限の機能であれば無料、そこからカスタマイズ機能を追加すると費用がかかる、といった料金体系になっているサービスが多くあります。

月額料金は、システムの費用ではなく利用するユーザー数ごとにかかる場合が一般的です。
1ユーザーあたりの相場は月額数千円から3万円程度です。

ユーザー数が少なければコストを抑えられますが、逆に言えばユーザー数が多い、つまり従業員数が多い企業だとランニングコストが多くかかります。
そのため、初期費用が高くてもオンプレミスやオリジナルシステムの方が長い目で見て割安になるケースもあります。

オンプレミス型システムの費用相場

オンプレミス型の顧客管理システムの費用相場は、100万円~500万円程度です。
ただし導入する機能によってクラウド型よりも費用の幅は大きくなるので、この数字はあくまでも目安と考えてください。

オンプレミス型のシステムでかかる費用は、サーバー設置費用、パッケージ料金・ライセンス発行費用・保守運用費用などです。
サーバーがすでに設置されている場合や、自社にエンジニアが在籍していて保守運用をすべて自社で行える場合は費用を抑えられます。

オリジナルシステムの費用相場

オリジナルの顧客管理システムの費用相場は、500万円以上です。

上限に関しては、どのような機能を開発するのかによって大きく異なります。
例えば、ビッグデータの解析・AIによる最適なプランの提案などの高度な機能を付けると開発費用は増大します。

最近は顧客の動きから最適な製造数を割り出すようなアルゴリズムも研究されていて、実用化もされています。
このアルゴリズムは企業によって異なるので、自社に最適なシステムを開発するとなるとエンジニアやデータ解析ができる技術者に依頼するケースがほとんどです。

外部に依頼すると、技術者の人件費がかかってくるので、開発費用は高騰します。
一方で、パッケージに近い形で、概ね既存のシステムで代用し、一部オリジナルのカスタマイズを入れるような開発だと費用を低く抑えられます。

なぜなら、オリジナルシステムの開発費用の多くは人件費であるためです。
つまりエンジニアの労力を抑えられる開発内容であれば、システム開発費用は圧縮できます。

オンプレミス型の場合は人件費ではなくパッケージ製品ごとに概ね料金が決まっているので、オリジナルシステムであっても場合によってはオンプレミス型よりも料金を抑えられます。

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顧客管理システムの選び方

顧客管理システムを選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 必要な機能
  • 操作性やユーザビリティ
  • 他システムとの連携性
  • サポート体制
  • セキュリティレベル
  • トータルコスト

いずれのポイントも、自社に適切な顧客管理システムを選ぶうえで無視できない要素です。
導入前に、必ず確認しましょう。

必要な機能

顧客管理システムを購入する際は、必要な機能が備わっているか確認しましょう。
一般的に、顧客管理システムには以下のような機能が搭載されています。

顧客情報管理顧客の基本情報(氏名・連絡先・会社名など)・取引履歴・問い合わせ履歴・商談履歴などを一元管理する機能。
商談管理案件の進捗状況・担当者・見積もり情報などを管理し、営業活動を効率化する機能。
メール配信顧客へのメールマガジン配信やステップメール配信などを自動化する機能。
問い合わせ管理電話・メール・Webフォームなどからの問い合わせを一元管理し、対応状況を把握する機能。
レポート・分析売上・顧客属性・キャンペーン効果などを分析し、経営戦略に役立てる機能。

顧客管理システムに搭載されている機能は製品によっても異なります。
業界・業種によって求められる機能は違うため、適切な機能が搭載されているかあらかじめチェックしましょう。

なお、顧客管理システムの機能はコストにも影響する要素です。

いくら優れた顧客管理システムでも、不要な機能が多いと持て余したり、かえって使いにくかったりする場合があります。
その結果、費用対効果が悪化する恐れがあるため、事前に必要な機能を洗い出しておくことも重要です。

操作性やユーザビリティ

操作性やユーザビリティは、現場で顧客管理システムを運用するうえで無視できない要素です。
操作性やユーザビリティが悪い顧客管理システムだと、使用感が悪くなり、かえって業務の非効率化を招く恐れがあります。

現場のITスキルに不安がある際は、直感的に操作できるわかりやすいユーザビリティの製品を選びましょう。
従業員のスキルに関係なく利用できる製品なら、システムがスムーズに定着します。

また、モバイル対応ができる顧客管理システムなら、スマートフォンやタブレットとの連動が可能です。
リモートワークにも対応できるため、働き方の多様化にもつながります。

海外の顧客管理システムを利用する際は、日本語対応ができるかをチェックしましょう。
日本語によるサポート体制がないベンダーだと、トラブルがあった際の対応が滞る恐れがあります。

他システムとの連携性

顧客管理システムと他システムとの連携性も確認しましょう。

顧客管理システムには基幹システムや会計システムなど、他システムと連携できる機能を持つ製品があります。
このタイプなら、既存のシステムと連携できるため、導入した際に業務プロセスへの影響を抑えられます。

もし連携性が低い顧客管理システムだと、業務プロセスを大きく変更しなければなりません。
その結果、業務が余計に煩雑化するリスクが高まります。

サポート体制

顧客管理システムを提供しているベンダーのサポート体制も、入念にチェックしましょう。

ベンダーによっては電話やメールなどで連絡できる複数のサポート窓口があったり、営業時間外でもサポートを提供してくれたりする場合があります。
サポート体制が充実しているベンダーなら、トラブルがあってもスムーズな解決が可能です。

また、FAQやマニュアルが充実しているかも確認しましょう。
FAQやマニュアルが充実している顧客管理システムなら、ITスキルに不安があってもシステム運用の導入ハードルが下がります。

セキュリティレベル

顧客管理システムは顧客の個人情報を扱うシステムであるため、高いセキュリティレベルが不可欠です。

顧客管理システムのセキュリティレベルは、ISO27001などの認証規格の有無で判別できます。
また、データ暗号化やアクセス制御などが適切に実施されているかも確認すると、よく安全なデータの運用が可能です。

トータルコスト

顧客管理システムを継続して運用するなら、トータルコストの算出は必須です。
顧客管理システムには以下のようなコストがあります。

初期費用導入時にかかる費用(ソフトウェアライセンス料・導入支援費用など)
月額費用月々かかる費用(クラウドサービスの利用料・サポート費用など)
運用費用運用にかかる費用(サーバー費用・メンテナンス費用など)

顧客管理システムのトータルコストは導入形態や機能などによって変わります。

オンプレミス型やオリジナルシステムの顧客管理システムだと、トータルコストが高くなりやすい点には注意しましょう。
費用対効果が低い場合、システムの内容から見直す必要があります。

顧客管理システムのタイプと向いている企業

先述したように、顧客管理システムのタイプにはクラウド型・オンプレミス型・オリジナルシステムの3種類があります。
顧客管理システムを選ぶ際は、自社の特徴に合わせて導入形態を検討しましょう。

本章ではそれぞれのタイプが適した企業の特徴について解説します。

クラウド型システムが向いている企業の特徴

クラウド型は導入が手軽で、費用も安く抑えられる傾向があります。
月額料金はかかりますが、ユーザー数が少なければ安く済みます。

そのため、クラウド型は比較的規模が小さく社員数が少ない企業に最適です。

少人数の企業では自社サーバーを持っていない場合もありますが、このような状況だとオリジナルシステムはもちろんオンプレミス型のシステムも導入できません。
また、クラウド型はインターネットを通じてサービスを利用するため、不正アクセスや情報漏洩のリスクが懸念されますが、多段階認証や適切な運用ポリシーで低減することができます。

クラウド型はシステムが定型的なので自社に特化した形にカスタマイズしにくいタイプです。
しかし、小規模な企業であれば事業規模もそこまで大きくない場合が多いため、オリジナルの分析ツールが必要にならないケースも珍しくありません。

この点からも、クラウド型の顧客管理システムに向いていると判断できます。

オンプレミス型システムが向いている企業の特徴

オンプレミス型システムはクラウド型システムよりも導入に手間がかかりますが、導入後の費用は抑えられる傾向にあります。
またクラウド型システムはユーザー数が増えるとランニングコストが高くなりがちですが、オンプレミス型の場合においてはユーザー数の影響はほとんどありません。

そのため、企業規模がある程度大きく、自社サーバーが稼働している企業であれば、オンプレミス型が適しています。
ただし、事業規模がより大きくなると、、自社オリジナルのシステムを開発したほうが長期的に費用対効果が高くなる場合があります。

オリジナルシステムが向いている企業の特徴

オリジナルシステムは、「自社の業務に合わせて自由に開発できる」「導入後も業務の変化に合わせて修正できる」といった特徴があります。
ただし、導入に時間・労力・コストがかかる点に注意しなければなりません。

オリジナルシステムはデータの分析に力を入れている企業・事業規模が大きく分析の精度が大きく売り上げに貢献する企業などが適しています。
事業規模が大きくなればなるほど、意思決定の影響も大きくなるためです。

システムによって意思決定が正確になれば、在庫の最適化や、顧客のニーズに合ったサービス展開の実現につながります。

加えて、オリジナルシステムはセキュリティの強化にも効果的です。
従業員数が多いとその分セキュリティ上のリスクも増加するため、特に顧客管理システムの扱いはシビアになる必要があります。

オリジナルシステムならネットワークから分離しても稼働できる仕様にできるため、セキュリティの強化が相対的に容易です。

おすすめの顧客管理システム(CRM)製品を比較する

本章ではおすすめの顧客管理システム製品を紹介します。
ご紹介する製品は以下の通りです。

  • Salesforce(セールスフォース)
  • Microsoft Dynamics 365(マイクロソフト ダイナミクス 365)
  • HubSpot CRM(ハブスポット CRM)
  • Zoho CRM(ゾーホー CRM)
  • kintone(キントーン)
  • GENIEE SFA/CRM(ジーニー SFA/CRM)

それぞれの製品の特徴について、順番に解説します。

Salesforce(セールスフォース)

Salesforceの顧客管理システムは世界的に利用されており、多くの企業が導入していることで有名です。
Salesforceの顧客管理システムは多機能であり、顧客管理や案件管理などはもちろん、売上予測やワークフローなど多彩な機能を搭載しています。

さらに業界・業種に合わせたソリューションを提供するなど、クライアントに寄り添ったサービスを展開している点も魅力です。

また、Salesforceはクラウド型でありながら拡張性が高く、ニーズに合わせて自由にカスタマイズできます。
ただし、カスタマイズ機能を導入する際には追加費用や専門的な開発スキルが必要になる場合がありますので費用対効果の検討が必要です。

参照:Salesforce公式サイト

Microsoft Dynamics 365(マイクロソフト ダイナミクス 365)

Microsoft Dynamics 365は、Windowsで有名なMicrosoftが提供している顧客管理システムです。

Microsoftが提供しているだけあって、Microsoft Dynamics 365はofficeとの親和性が高い点が特徴です。
ExcelやOutlookのような既存のツールと連動しやすく、業務プロセスへの影響を最小限に抑えられます。

なお、Microsoft Dynamics 365は顧客管理システムだけでなく、マーケティングや人材管理など、複数のモジュールで構成されています。
必要に応じてそれぞれのモジュールを導入することが可能です。

そのため、世界的に有名な企業も導入するなど、信頼性が高い製品です。

参照:Microsoft Dynamics 365公式サイト

HubSpot CRM(ハブスポット CRM)

HubSpot CRMは、マーケティングや営業支援などのツールを備えたHubSpotの中核を担う顧客管理システムです。
HubSpot CRMは使い勝手の良い機能を網羅的に備えており、さまざまな業務の効率化に役立ちます。

また、HubSpot CRMは連携性の高さも魅力です。
Gmail・Outlook・Slackなど、HubSpot CRMは1,700種類以上のシステムと連携できます。

導入支援も充実しているうえに、日本語でのサポートも受けられるため、初めて顧客管理システムを使う企業でも安心して導入できます。

参照:HubSpot CRM公式サイト

 Zoho CRM(ゾーホー CRM)

ユーザーインターフェースにこだわるなら、Zoho CRMがおすすめです。
Zoho CRMは、インターフェースが直感的に操作できるデザインになっており、不慣れな従業員でも安心して利用できます。

加えて、Zoho CRMは分析ツールが充実している点も特徴です。
AIを利用した高度な分析ができるため、より精度が高い顧客の傾向や売上予測を実践できます。

参照:Zoho CRM公式サイト

kintone(キントーン)

CMで有名なkintoneは国産の顧客管理システムであり、カスタマイズ性の高さが評価されています。
kintoneはノーコードで業務用のアプリを作成できるため、自社の業務に合わせて自由に機能をカスタマイズできます。

ITの知識がなくてもカスタマイズできるため、既存の業務にフィットしやすい点が魅力です。

また、kintoneはスピーディーな導入が可能です。
申請が終了したら、すぐに利用できるので、導入に手間がかかりません。

参照:kintone公式サイト

GENIEE SFA/CRM(ジーニー SFA/CRM)

GENIEE SFA/CRMはシンプルなインターフェースにこだわった顧客管理システムです。

GENIEE SFA/CRMは顧客管理・営業支援に特化しており、最低限の機能に絞り込んでいます。
簡単な操作でやりたい作業を実践できるため、ITスキルが低い従業員でも安心して利用できます。

また、GENIEE SFA/CRMはスマートフォンとモバイル連動ができる点も魅力です。
外出先でも操作できるため、リアルタイムで情報共有ができます。

参照:GENIEE SFA/CRM公式サイト

顧客管理システムを導入するメリット

顧客管理システムを導入すると、以下のようなメリットが期待できます。

  • 顧客情報を一元管理できる
  • データ分析と戦略策定に役立つ

あらかじめメリットを把握すれば、顧客管理システムを導入する意義を理解できます。

顧客情報を一元管理できる

顧客管理システムの最大のメリットは、顧客情報の一元管理ができる点です。
顧客情報は企業の規模に比例して膨大になるため、管理が煩雑になりやすいものです。

企業によっては部署ごと・従業員ごとに管理しているケースがありますが、所在が分散している状態だと顧客情報の確認や活用が難しくなります。

顧客管理システムはすべての顧客情報を一元管理できるため、複数の部署を横断したデータの運用が可能です。
顧客情報の閲覧はもちろん、複数の部署同士での情報共有もスムーズに実践できます。

なお、顧客情報の一元管理は属人化の解消にも効果的です。

顧客情報の所在や管理権限が分散していると、管理は部署や従業員個人に委ねられます。
その結果、管理プロセスが統一化されず、部署や従業員の情報管理スキルに依存する状況が生まれます。

顧客情報管理システムで顧客情報を一元管理できる状態にすれば、管理プロセスの統一が容易です。
管理プロセスが統一されることにより、部署や従業員のスキルに依存する必要がなくなるため、属人化を解消できます。

管理担当者が人事異動や退職によって現場を離れることで、顧客情報の管理が滞るような事態も防げます。

また、顧客管理システムは管理業務に役立つ機能を多く搭載しているツールです。
顧客情報を効率的に管理できるので、管理業務の負担削減を実現できます。

データ分析と戦略策定に役立つ

顧客管理システムの多くは、蓄積した情報を分析する機能を搭載しているため、データ分析や戦略策定にも貢献できます。

顧客管理システムを活用して顧客の傾向や行動パターンの把握・売上予測などを行えば、効果的な営業戦略やマーケティング戦略の策定が可能です。
効果的な戦略を策定できれば、より顧客のニーズにフィットした営業や、パーソナライズされたサービスが提供できるようになります。

その結果、顧客満足度や売上が向上する可能性が高まります。

顧客管理システムを導入するデメリット

顧客管理システムはメリットの多いシステムですが、以下のようなデメリットには注意しなければなりません。

  • 費用や時間的なコストが発生する
  • 情報漏洩やシステム障害のリスクを負う

適切な対策を講じるためにも、それぞれのデメリットについて理解しましょう。

費用や時間的なコストが発生する

顧客管理システムは有用なシステムですが、導入に際して費用や時間的なコストが発生する点には注意しましょう。

導入・運用にかかるコストはもちろん、システムを使いこなすためのトレーニングにも時間やコストを要します。
適切なトレーニングを実施しても、完全にシステムが現場に定着するまでには一定以上の時間がかかることにも注意しなければなりません。

また、顧客管理システムを導入すると、既存の顧客データを移行する作業が発生します。
事業規模が大きく、顧客数が膨大な企業だと、移行だけでもかなり手間がかかります。

顧客管理システムを導入する際は、早い段階から導入プロセスを構築しましょう。
前もって準備をしておくことで、スムーズな導入が実現します。

情報漏洩やシステム障害のリスクを負う

顧客管理システムを導入する以上、情報漏洩やシステム障害のリスクを負うことは意識しなければなりません。
顧客管理システムはシステムで顧客情報を管理するため、情報漏洩やシステム障害への対策は欠かせません。

特にクラウド型の顧客管理システムはインターネットとの接続を前提にして利用するため、不正アクセスのリスクは無視できません。
また、回線の不調などでシステム障害が発生すれば、業務が停止する事態になります。

顧客管理システムを導入する際は、システムのセキュリティレベルに頼るだけでなく、自社でもセキュリティ対策を講じましょう。
アクセス権限の設定やパスワードの共有の禁止など、従業員へのリテラシー教育も重要です。

顧客管理システム導入までの流れ

顧客管理システムを導入するために今後のスケジュールを決めようと思ったとき、何から始めるべきか迷わないためにあらかじめ一般的な流れをご紹介します。

それぞれの手順は以下の通りです。

  1. 導入目的の明確化
  2. 現状分析と要件定義
  3. CRMシステムの選定
  4. 導入計画の策定
  5. システムの導入・設定
  6. 社内トレーニング
  7. テスト運用
  8. 本稼働

前もって手順を理解しておけば、顧客管理システムの導入計画を具体化できます。

1. 導入目的の明確化

最初に顧客管理システムを導入する目的を明確にしましょう。

顧客管理システムは有用なツールですが、コストが発生する以上、費用対効果を適切に見極めなければなりません。
現場の課題解決に貢献できないシステムを導入すれば、持て余すどころか無駄なコストが発生しかねません。

導入目的を明確化する際は、まず現場の課題を洗い出すことから始めましょう。
現場の課題を把握すれば、必要な顧客管理システムの概要が見えてきます。

また、「売上向上」「新規顧客の開拓」など、顧客管理システムの導入によって達成した目標やKPIも設定しておきましょう。

具体的な目標やKPIを設定することで、顧客管理システムの費用対効果を正しく判断できるはずです。

2. 現状分析と要件定義

顧客管理システムの導入にあたって、現状分析と要件定義は不可欠なプロセスです。
現在の業務フロー・顧客管理方法・既存のシステムなどを確認すれば、顧客管理システムの導入プロセスが明確化されます。

加えて、具体的な要件定義を行えば、現場に必要な機能が明確になるため、要件定義が具体的になり、適切な顧客管理システムを選びやすくなります。

また、すでに現場で利用しているシステムがある場合は、連携が必要かどうかも検討しましょう。
既存のシステムとの連携の可否は、業務プロセスの変更に大きく影響する要素です。

3. 顧客管理システムの選定

要件定義が完了したら、いよいよ顧客管理システムの選定です。
クラウド型・オンプレミス型・オリジナルシステムから適切な導入形態を選び、それぞれのなかから複数の候補を選定しましょう。

顧客管理システムを選定する際は、機能・費用・サポート体制といった多角的な観点から製品を吟味する必要があります。
ベンダーの説明を受けるだけでなく、可能であれば試用してみるなど、使用感も確かめておきましょう。

4. 導入計画の策定

顧客管理システムを選定したら、導入計画を策定します。
導入スケジュール・導入担当者・運用体制・予算などを具体的に計画しておけば、導入だけでなく運用もスムーズに進められます。

導入計画を策定する際は、ITスキルが低い従業員向けのトレーニングや研修・社内や取引先などへの通知も組み込みましょう。

また、先述したように、顧客管理システムは導入時に顧客データを移行しなければなりません。
顧客データ量が膨大だと、移行作業はかなり手間がかかるので、事前に移行するデータの範囲や時期なども決めておきましょう。

5. システムの導入・設定

導入計画に沿って、システムの導入・設定を行います。

基本的に計画通りに導入・設定を進めれば問題ありませんが、必要に応じて機能をカスタマイズするとよりシステムが定着しやすくなります。

6. 社内トレーニング

導入が完了したら、従業員向けに社内トレーニングを行いましょう。

マニュアルやFAQなどを公開するだけでなく、試用期間を設け、操作方法や活用方法などをトレーニングする機会を与えるとより効果的です。

ベンダーによっては、システムの運用方法について担当者がレクチャーしてくれることがあります。
追加料金が発生するケースもありますが、積極的に活用しましょう。

7. テスト運用

社内トレーニングと並行して、本格稼働前に顧客管理システムのテスト運用を実施しましょう。
あらかじめテスト運用を実施すれば、問題点や改善点が確認できるため、本稼働時にトラブルが発生するリスクを減らせます。

テスト運用の際は、現場からフィードバックを収集し、必要に応じて修正を行いましょう。

8. 本稼働

テスト運用が完了したら、いよいよ本稼働です。

本稼働後も、顧客管理システムが問題なく運用されているか確認する必要があります。
定期的に効果測定を行い、運用面や機能面の問題の有無をチェックしましょう。

また、期待されていた費用対効果が発揮されているかの見極めも重要です。

顧客管理システム(CRM)を導入するときは費用相場や選び方を知っておこう

顧客管理システムは顧客管理を効率化するうえで、有用なシステムです。
業務の効率化が図れるだけでなく、蓄積されたデータを分析することにより、より高度な営業戦略やマーケティング戦略を策定できます。

顧客管理システムを適切に運用すれば、顧客満足度や売上の向上が期待できます。

一方で、顧客管理システムは導入形態によって費用相場が異なります。
自社に適した製品を選ばなければ、費用対効果を得られません。

また、スムーズに導入するためにも、あらかじめ導入計画を策定しておきましょう。
本記事で紹介した選び方や情報を参考に、ぜひ理想的な顧客管理システムを導入してください。

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この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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