【金額例あり】システム開発にかかる費用とコストを抑えるための手法

最終更新日:2024.10.23
ラボ型・オフショア開発
中垣圭嗣
System development
SHARE ON
  • FaceBook
  • Twitter
  • LINE
  • Note

みなさんこんにちは。Wakka Inc.ラボマネージャーの中垣です。
システム開発の外注を検討する際に、まずはどのくらいの費用がかかるのかざっくりと知りたいという方が多いのではないでしょうか。

前回はベースとなる知識として『【基礎編】システム開発の相場を知るための、基本的な考え方とは?』の記事で
システム開発の種類・手法・機能などに応じた感覚値についてご紹介していきました。

今回はより具体的なシステム開発の種類・相場観・コストを抑えるための手段など網羅的に解説していきます。
またシステムの機能や、どこまでオリジナリティを求めるかなどによっても費用は大幅に変わってくるので、この部分の感覚値についてもご説明したいと思います。

システム開発においては人月単価や開発総額が安いものを選べば良いという訳ではありません。
ビジネス目標を理解し、適切にコストを抑えて開発してくれるパートナーを選ぶことが成功の鍵となります。

ぜひ、この記事で相場観をつかみつつ、実績のある企業を選定してシステム開発の成功に繋げてみてください。

Wakka Inc.のラボ型開発では最適な開発手法で開発可能な優秀な人材を低コストで確保するラボ型開発サービスを提供しています。
ラボ型開発に興味がある方は「【保存版】成長企業が導入するWakkaのラボ型開発」に詳しいサービス内容を掲載しているのでご覧ください。

目次

【おすすめ資料】10分でわかる、ラボ型開発ガイドブック

忙しい方でもサクッと読んでいただける内容にまとめた、ラボ型開発のコンパクトガイドブックです。
いまさら聞けないラボ型開発と他の開発手段の違い、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく説明しています。

システム開発に費用がかかる理由

システム開発の費用はものづくりとは異なり、人件費の占める割合がほとんどになります。

一般的に、システム開発費用のうちの8割は人件費と言われています。言い換えれば、人件費の相場を把握すればシステム開発にかかる費用を把握しやすくなります。
ただ、パッケージ開発や月額SaaS系のサービスではなく、フルスクラッチで開発するシステムの場合は相場がわかりにくく、外注先が提示した金額が適正なのか高いのかよくわからない、といった意見もあるでしょう。

しかし、そのシステム開発に携わるエンジニアは何人なのか、開発にかかる期間はどのくらいなのか、などを外注先に聞いてみると金額の判断がしやすくなります。

システム開発にかかる人件費の相場

前述の通り、システム開発費用の大半を占めるものは人件費となります。
スキルに応じた人件費の月額単価の相場はおおよそ以下が相場になります。

スキルの高いシステムエンジニア:100万円〜200万円程度
経験の浅いシステムエンジニア:80万円〜100万円程度
スキルの高いプログラマー:80万円〜200万円程度
経験の浅いプログラマー:60万円〜100万円程度
アジア圏のオフショア系プログラマー:30万円~60万円程度

あくまで目安の数値となりますので、開発案件や要件、為替相場によって変動する可能性があります。

システム開発費用の計算式

システム開発費用の大半は人件費で、人件費は上でご説明した通りです。
これを踏まえたうえで、システム開発費用は以下の計算式で割り出せます。

システム開発費用 = 作業単価 × 作業時間 + 固定費用

その他費用が上乗せされる場合もありますが、概ね上記の式で費用が決まります。それぞれの項目の意味をご紹介しておきます。

作業単価

作業単価とは、技術者一人の1ヶ月分の人件費のことです。上でご紹介した数字になります。

作業時間

作業時間は、技術者が作業した時間です。作業単価が月あたりの単価になっているので、作業時間も月単位で考えるのが一般的です。

たとえば月単価50万円のエンジニア2人が3ヶ月開発に当たる場合、以下のように計算します。

(50万円 × 3ヶ月) × 2人 = 300万円

固定費用

固定費用はシステム開発において固定で発生する費用で、具体的にはドメイン、サーバー、PCなどの機材費用などです。

システムの種類と費用相場

システム開発の費用の仕組みや人件費の相場について解説しました。では次に、結局のところシステム開発全体にかかる費用相場はどのくらいなのかをご紹介します。ただしシステム開発の費用相場はシステムの種類によって大幅に変わってきます。

たとえば簡易的なWebシステムも業務用の大規模システムも同じシステムですが、費用が大幅に変わってくるのは当然だからです。そこで、システムの種類の解説も踏まえつつ費用相場をご紹介します。

システムの種類

システムの種類を大枠で分類すると、以下のようになります。

・基幹システム
・業務支援システム
・Webシステム

基幹システムとは、企業が業務のための導入するシステムです。具体的には、会計、人事、生産、販売などのシステムになります。Webが普及する以前からあるもので、広くとらえればたとえば店舗にある会計レジのシステムも基幹システムに当たります。

業務支援システムは、主に営業活動に関するシステムです。基幹システムと似ているように感じられるかもしれませんが、営業支援に特化しているという点で目的に違いがあります。また業務支援システムは比較的新しいもので、最近注目されています。

WebシステムはWebブラウザで動くシステムです。ネットショップ、予約システム、マッチングシステムなどが挙げられます。WebサイトもWebシステムに含まれます。

各システムの開発費用相場

次に各システムの開発費用相場についてご紹介しますが、前提として同じ種類のシステムであっても開発費用に幅があるということは先にお伝えしておきます。すべてゼロから開発するのか既存の枠組みを利用するか、どれだけの機能が必要か、などによって費用が変わってくるからです。

基幹システムの開発費用相場

基幹システムは種類によって費用相場に幅があります。代表的なものとして、勤怠管理システムと販売管理システムを例にご紹介します。

各システムの費用相場は以下のようになっています。

【勤怠管理システムの開発費用相場】
フルスクラッチ開発:500万円~
ツール導入、カスタマイズ:60万円~
クラウド型のツール導入:月額1万円~

【販売管理システムの開発費用相場】
フルスクラッチ開発:700万円~
ツール導入、カスタマイズ:100万円~
クラウド型のツール導入:月額10万円~

上記はあくまでも目安で、もちろんシステムによって機能に違いがあるので費用も変わってきます。フルスクラッチ開発も、既存の類似製品があるのか、完全オリジナルのシステムがあるのかなどによって費用は変わってくるでしょう。

上でご説明した通りシステム開発費用の大部分は人件費なので、開発の工数が増えたり難易度が上がるとその分開発費用が高くなるということです。ツールやカスタマイズも内容によって大幅に費用が変動します。

業務支援システムの開発費用相場

業務支援システムも機能に幅があるため、費用相場にも幅があります。具体的には以下のようになります。

【業務支援システムの開発費用相場】
フルスクラッチ開発:500万円~
ツール導入、カスタマイズ:50万円~200万円程度
クラウド型のツール導入:月額5万円程度

業務支援システムの機能としては、大きく分けるとMA、SFA、CRMの3つがあります。それぞれ以下のようになっています。

MA:メール配信、分析など見込み客の獲得が目的
SFA:商談、受注管理など営業活動の中心
CRM:顧客管理、顧客対応など顧客との関係構築が目的

どの機能だから費用が高いというわけではなく、これらの機能の組み合わせで、機能が多くなると費用が高くなるイメージです。どの機能が必要かは企業の業務形態によって変わってきます。

たとえばメール配信や顧客管理ができれば受注管理は不要、逆に受注管理だけできれば良いという場合もあるでしょう。

Webシステムの開発費用相場

Webシステムとひとことに言っても、以下のような種類があります。

Webサイト:普段ネットサーフィンをしているときに見るようなサイト。ブログ機能、デザイン機能、問い合わせ機能などがある。
ECサイト:ネットショップのためのサイトで、決済システム、検索システム、メッセージシステムなどの機能がある。
マッチングシステム:個人や企業をマッチングさせるシステム。検索機能、メッセージ機能、メール配信機能などがある。
予約システム:店舗などの予約や管理を行うシステム。予約機能、メール配信機能、勤怠管理機能などがある。

今回は、この中でも外注されるケースが多いECサイトを例に取って費用相場をご紹介します。ちなみにECサイトの代表的なものとしてはAmazonや楽天市場が挙げられるでしょう。

また自社製品を販売しているECサイトとしては、ユニクロやその他アパレルショップがわかりやすいかと思います。ECサイトの開発費用相場は以下です。

【ECサイトの開発費用相場】
フルスクラッチ開発:300万円~5,000万円程度
テンプレートを用いた開発:100万円~300万円程度

ECサイトの場合、機能の数も影響しますが、どこまでオリジナリティを求めるかによって費用相場が大幅に変わってきます。テンプレートが中心の場合は費用が安くなり、ゼロからすべてオリジナルで開発すると費用は高くなります。

テンプレートを使いつつオリジナリティも求める場合、その間くらいの費用になります。

【おすすめ資料】10分でわかる、ラボ型開発ガイドブック

忙しい方でもサクッと読んでいただける内容にまとめた、ラボ型開発のコンパクトガイドブックです。
いまさら聞けないラボ型開発と他の開発手段の違い、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく説明しています。

システム開発のコストを抑える方法

システム開発のコストを抑えるためには、システム開発のコストが膨らんでしまう原因を知ることが重要です。そして、システム開発のコストが膨らむ原因は「修正が重なること」です。
修正が重なることを防ぐための手法について解説していきます。

システム開発の修正を減らす方法

そもそも修正が重なる原因は、実現したい要件が実装できていなかったり、後から要件を増やしたくなって修正コストが重なるということです。
このような修正を防ぐためには、なるべく最初の段階で要件を明確にすることが重要です。

とはいえ、「最初の要件定義の段階で要件を明確にするのは難しい」「社内にそれほどシステムに詳しい人材がいない」といった意見もあるでしょう。システム外注先にうまく要件を伝えきれず、修正コストが重なる心配があるのです。

そこで考えるべきことは、システム開発に長けていて最初の段階で要件を汲み取って定義してくれる外注先や柔軟に対応が可能な準委任契約の外注先を選ぶことです。
このような外注先であれば、「システムに詳しくない顧客から要件をしっかり聞き出して定義するのも開発者の仕事」と考えているいるため、外注が初めての企業でも安心です。

システム開発の契約について詳しく知りたい方は、『オフショア開発における準委任契約・請負契約の特徴と向いている案件とは』の記事で
詳細を解説していますので、こちらもチェックしてみて下さい。

まとめると、システム開発は決して安いものではなく、また企業活動に大きな影響を与えます。ただ、ビジネスニーズの言語化やシステムの用件定義は非常に難しいものです。
ですので、システム開発を依頼する際にはコストだけではなく信頼できる外注先選びが重要になります。

このような修正が重なるリスクを押さえて、システム開発の見積や提案をもらいたいという方に向けて
弊社では『外注企業にそのまま渡せるRFP(提案依頼)テンプレート』をご用意していますので、ぜひご活用ください。

システム開発費用を抑える外注先選びの方法

では具体的にどのような外注先が良いのかですが、一番わかりやすい方法として開発実績があり、コミュニケーションのストレスがない外注先に依頼すると良いです。
開発実績のある企業に依頼すれば品質は高まるものの、費用も高くなってしまうのでは?と思われる方もいるかもしれません。

しかし、実績のない企業ほど費用がかさんでしまうケースが多々あります。その理由は、上でご紹介した通り人件費が月単位で決まってくるからです。
実績のある企業はエンジニアの月単価は多少高いかもしれませんが、その分効率的に、短期間で修正の発生なくシステムを作り上げます。

一方で開発実績のない外注企業はエンジニアの単価自体は安いかもしれません。しかしエンジニアのスキルが低い分人数が必要、期間もかかる、修正も発生する、といった事態に陥る可能性があります。
そうすると、結果的に低品質、高価格、納期も遅い、修正で手間もかかる、といったことになりえます。外注先のホームページに記載されている費用が安かったとしても、実績の少ない会社だとこのような事態に陥るかもしれません。

また、実績のある会社でもコミュニケーションが苦手な外注先も多数あるのが現状です。システム開発では相互の共通理解を作るために初期の密なコミュニケーションが不可欠です。
その際にフラストレーションが溜まってしまうと、良いシステム構築の阻害要因になりますので実績があり、コミュニケーションの相性が良い企業を選ぶことをお勧めします。

外注先にコミュニケーションの考え方について『Web制作会社はデザインの合意形成が上手い会社を選ぼう』という記事で
分かりやすく紹介していますので、気になる方はぜひこちらもご覧ください。

補助金を利用する

コストを抑える手段として、要件定義・外注先という軸でご紹介しましたが、もう一つ有力な方法としては国や自治体の補助金を活用する手段があります。
国としてもより効率的で高収益な企業や働きやすい企業を増やしたいという考えがあり、企業のシステム化を推進するために複数の補助金制度を用意しています。

2022年現在では企業がシステムを開発・導入した場合に補助金が支給される仕組みが複数あります。具体的には以下のようなものです。

ものづくり補助金:上限750万円~3,000万円
事業再構築補助金:上限100万円~8,000万円
IT導入補助金:上限450万円

これらの補助金を積極活用することで、企業が支払うコストを抑えられます。
補助金は最大限活用すべきなので、多少面倒でも補助金については細かく調べておくことをおすすめします。またよくわからなければ、補助金を支給している機関に問い合わせると良いでしょう。

ただし、補助金については期限や上限金額の考え方が変わる可能性があります。
それぞれ専用の窓口があり、質問をすれば丁寧に説明してもらえますので疑問点があれば確認してみてください。

まとめ

システム開発にかかる費用は幅があり、費用はおおむね人件費によって決まります。
自社独自の機能やフルスクラッチ開発をする場合は、エンジニアの工数が増加するためシステム開発費用も高くなります。

一方で、自社独自の機能を追加することでビジネスの差別化や成長につながる可能性も高くなります。
どうするか迷った場合、まずは実績があり信頼できる外注先に相談してみることが大切です。

Wakka Inc.はお客様のビジネスゴールを理解し、お客様のビジネスに伴走しながらシステム開発を進めていくことが得意な会社です。

また、フロントエンドからサーバーサイド、企画から運用保守までトータルサポートもしていますので
DXや新規事業で伴走してくれる開発パートナーが欲しい等のニーズがございましたら、まずはお気軽にお問合せください。

この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

  • ホーム
  • ブログ
  • 【金額例あり】システム開発にかかる費用とコストを抑えるための手法