チャットシステムの開発方法は?事前に確認する内容やメリットも解説
こんにちは。Wakka Inc.のWebディレクターの安藤です。
自社に適した方法でチャットシステムを開発できれば、顧客の幅広いニーズに応えられたり、蓄積されたデータを分析してマーケティング施策に活用できたりします。
中には、
「チャットシステムの開発方法を知りたい」
「チャットシステム開発を依頼する際に意識すべきポイントを知りたい」
上記のような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
本記事ではチャットシステムの開発方法から、開発を外注する際に発注者が意識するポイントまで解説します。
チャットシステムを開発して業務効率化を図り、顧客満足度を向上させたい方はぜひ参考にしてください。
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チャットシステムとは
チャットシステムとは、サイト上での困りごとや疑問をリアルタイムで解決するシステムを指します。
ECサイトで商品に関する質問への回答や、見込み客に商品購入を促せるのが特徴です。
電話やメールと比較して解決までのスピード感があるだけでなく、匿名でのやり取りも可能な手軽さが強みです。
チャットシステムをECサイトに導入する企業も増えており、ユーザビリティの向上によって利用者増加も見込めます。
SNSにもチャットシステムの導入が可能であるなど、活用シーンは多岐に渡ります。
チャットシステムの利用例
チャットシステムはさまざまな場面で活用されており、今回は代表的な利用例を紹介します。
- カスタマーサポート対応
- 社員からの問い合わせ対応
利用例からどのようにチャットシステムが活用されているかを理解して、自社に導入する際の参考にしてください。
カスタマーサポート対応
チャットシステムの代表的な利用例には、カスタマーサポート対応が挙げられます。
顧客からの電話やメールの対応を行うカスタマーサポートは、担当者の負担が大きい点を従来から指摘されていますが、チャットシステムの活用で自動化できるため業務効率化に大きく貢献できます。
顧客の疑問に対して会話式で回答したり、質問によってはコールセンターへ繋いだりする対応も可能です。
チャットシステムによって得られたデータを活用すれば、カスタマーサポートの質向上や、商品の改善につながるアイデアを得られるメリットもあります。
FAQページやチャットシステムを設けることで顧客の自己解決率も向上するため、コールセンターでは一人ひとりに時間をかけて丁寧な説明ができる余裕も生まれます。
社員からの問い合わせ対応
社員からの問い合わせにチャットシステムを活用する企業が増えており、業務効率化を実現させています。
チャットシステムが導入された背景には、社員向けに作成したマニュアルが浸透しなかったり、担当者不在の際に顧客対応が難しかったりするケースが挙げられます。
問い合わせが多い経理や人事・労務で広く活用されており、社員の疑問に対して会話形式でのサポートや、マニュアル表示も可能です。
チャットシステムの導入によって問い合わせに対する負担軽減が実現すれば、コア業務に集中できるメリットもあります。
チャットシステムの種類
チャットシステムは種類によって特徴や強みが異なります。
活用する際には、チャットシステムの強みを活かせる場面を見極めて導入する必要があります。
今回紹介するチャットシステムは次の3種類です。
- チャットボット型
- 有人型
- ハイブリッド型
それぞれの特徴を解説します。
チャットボット型
問い合わせに対して自動で回答するタイプがチャットボット型です。
チャットボット型にはシナリオ型とAI型の2種類があります。
シナリオ型はあらかじめ内容を設定して、決められた定型文での回答が可能です。
AI型は蓄積されたデータベースを解析して、良質な回答を導き出せる特徴があります。
有人型
有人型は、言葉のとおり担当オペレーターが直接顧客とやり取りを行い回答するタイプです。
ユーザーの疑問に対して会話しながら解答できるため、臨機応変に対応できる強みがあります。
顧客の状況によって異なる回答だけでなく、クレームなど個別性が高いケースでも対応できるのが特徴です。
ハイブリッド型
ハイブリッド型は、チャットボット型と有人型を掛け合わせたチャットシステムです。
基本はチャットボットによる対応を行い、個別ケースや回答が難しい場合に有人チャットに切り替えられます。
基本は自動回答によって担当オペレーターの労力を軽減できるだけでなく、必要な際には臨機応変に直接回答ができるため、効率化や顧客満足度の向上も同時に実現できます。
チャットシステム開発前に確認すべき内容
チャットシステムを開発する前に欠かさず確認すべき内容があります。
確認を怠ると、顧客満足度に影響する恐れもあるため注意が必要です。
チャットシステムを開発する前に確認すべき具体的な内容は以下の4つです。
- 開発目的を明確にする
- 担当者を決める
- 回答するデータを集める
- 利用するユーザー像を確認する
ユーザーにとって使いやすいチャットシステムを実現させるために、内容を理解して開発する際の参考にしてください。
開発目的を明確にする
チャットシステム開発を行うなら、自社で導入する目的を明確にすべきです。
チャットシステムの導入目的が具体的に決まっていない段階で開発を行った場合、自社が求める機能を備えられなかったり、必要性が薄く使われなかったりする恐れがあります。
導入の目的には、問い合わせが多く対応を自動化したいケースや、ユーザーが気軽に質問できて商品購入の機会損失を防ぎたいケースが代表的です。
目的が明確であれば、チャットシステムの種類も決まりやすく導入がスムーズです。
担当者を決める
チャットシステムが顧客にとって満足度を向上させるツールにするためには、担当者を決めて運用すべきです。
導入するだけでなく、改善を重ねて顧客にとって有効なシステムであれば利用率も向上します。
活用する過程で回答が難しかった質問や、顧客に離脱されたシーンを分析してシステムの修正やアップデートが必要です。
システム障害が起きた際も、担当者が明確なら外部への説明も含め対応がスムーズにできる利点もあります。
チャットシステムは導入が目的ではなく、顧客満足度の向上が真の目的であるため、担当者を決めて長期的に運用する必要があります。
回答するデータを集める
チャットシステムの開発前に回答するデータを集めて、顧客の質問に備えましょう。
顧客の求めている回答がわからなければ、チャットシステムの役割を果たせず顧客の離脱を招きます。
顧客のニーズに沿った回答をするために、自社への問い合わせ内容を集め、過去に行ったアンケートも参考にしましょう。
回答を詰め込みすぎて内容が薄くなるケースもあるため、集めるデータ範囲を限定してオペレーターへの切り替えも選択肢に置いて進めるのが有効です。
利用するユーザー像を確認する
利用する主なユーザー像をイメージして、特徴を理解したうえで開発を行いましょう。
ユーザー像を確認せず開発した際には、顧客に合わず使われなくなる恐れがあります。
たとえば、ECで扱う商品を探すユーザーが多いならAI型が向いており、商品に対する疑問を解決したい顧客が多い場合にはシナリオ型が向いています。
ユーザー像によって適したチャットシステムの機能も異なるため、開発前の確認が成功を左右するポイントです。
チャットシステムの開発方法
チャットシステムに備えたい機能だけでなく、掛けられる予算によっても適した開発方法が異なります。
既存のサービスで十分な場合もあるため、改めて自社がチャットシステムに求める機能の確認が必要です。
今回は以下の方法を解説します。
- 社内でフルスクラッチ開発
- オープンソースを利用し社内で構築
- チャットシステムのASPを利用
- システム開発会社に外注
順番に解説します。
社内でフルスクラッチ開発
自社の理想とするチャットシステムを構築したい場合には、社内でフルスクラッチ開発が有効です。
現場の社員も含めて本当に必要な機能を話し合い1から作り上げていく方法であるため、求める機能がすべて備わった理想のチャットシステムができます。
社内でフルスクラッチ開発を行うには、高度な専門知識を有したエンジニアが欠かせず、サーバーの構築やセキュリティについても専門的な知見が必要です。
チャットシステムへの理解も必要であるため、開発において時間やコストなど多くのリソースを割かなければいけません。
リソースの確保やエンジニアを揃えられるなら、社内でフルスクラッチ開発は良い選択です。
オープンソースを利用し社内で構築
コストを抑えて自由にカスタマイズしたい場合は、オープンソースを利用して社内で構築する方法が有効です。
チャットシステム開発に使えるソースコードが無料で公開されているため、自社で自由に改良して必要な機能を備えられます。
しかしバグが修正されずに公開されているケースがあったり、サポートが受けられなかったりするため、自力で解決できる能力が必要です。
オープンソースを利用して社内で構築する場合には優秀なエンジニアの確保に加えて、再配布する際の著作権表示などのライセンス契約に気をつける必要があります。
チャットシステムのASPを利用
すぐ自社に導入したい場合や、セキュリティ対策に不安がある場合はASPの利用が向いています。
ASPなら提供されているサービスを導入してすぐに利用できるだけでなく、サービス提供事業者がセキュリティ対策を実施しているため安心して活用できます。
日々のメンテナンスやバージョンアップも任せられるため、高度な専門知識を持ったエンジニアも必要ありません。
ASPによって機能のバリエーションが異なるため、自社に必要な機能を考慮して導入するサービスを選ぶ必要があります。
サービス提供事業者側のトラブルによって、システムが一時的に使えなくなるリスクも考慮して導入を検討しましょう。
システム開発会社に外注
システム開発会社に外注するケースも多く、自社に合ったチャットシステムを導入する有効な方法です。
システム開発会社なら、高度な専門スキルを持ったエンジニアが自社に必要な機能を備えて開発できるため、顧客に求められるチャットシステムが完成します。
システム開発会社を選ぶ際には、実績や専門分野、予算やサポート体制も加味して検討が必要です。
開発後の運用や管理も重要であるため、現場の声も聴きながら総合的に判断して、自社に合った開発会社を選びましょう。
チャットシステム開発に掛かる費用
チャットシステムの開発費用は備える機能や性能だけでなく、自社開発・外注かによっても大きく異なります。
自社開発なら外注する場合と比較して費用は抑えられますが、高度な技術を有したエンジニアの確保や時間が掛かる点が指摘されています。
外注する場合は、初期費用から開発後のランニングコストまで長期間に渡り費用が掛かるのが特緒です。
シナリオ型かAI型かによっても大きく費用が異なるため、自社に必要な機能を洗い出しましょう。
外注における具体的な費用には、以下の項目が挙げられます。
- 初期費用
- 月額費用
- シナリオ制作費用
- デザイン費用
- 設置費用
外注する際にはシステム開発会社によって実績や専門分野が異なるため、相見積もりをとって比較検討する必要があります。
チャットシステムの開発は自社開発と外注どちらが良い?
チャットシステムを作る際には、自社開発と外注の選択肢があります。
作りたいシステムの規模や備える機能、コストやエンジニアの有無、想定スケジュールによっても適した方法が分かれます。
自社開発か外注どちらが適しているのか、自社で比較検討を行い、適した方法を導き出しましょう。
自社開発が適しているケース
社内に高度なスキルを持つエンジニアがいて、コストを抑えて柔軟に開発したい場合は自社開発が適しています。
自社開発なら一から設計を行いますが、高度なスキルを持つエンジニアがいれば実現可能です。
外注よりもコストを抑えられるため、限られた予算の中で自社仕様のチャットシステムを開発できます。
開発前の企画段階から関わりシステムの仕組みも理解しやすいため、トラブル時も迅速な対応ができる可能が高いです。
社内で開発するその他のメリットには、スケジュールの組みやすさや、密にコミュニケーションが取れる点も挙げられます。
外注が適しているケース
自社にエンジニアがいない場合や、大規模なチャットシステムを開発したいときは外注が適しています。
開発を行うため新たにエンジニアを採用するには時間や採用コストが掛かったり、開発スケジュールも組みにくかったりするため非効率です。
規模の大きい開発を行う際には、優秀なエンジニアに加えて全体をマネジメントできる能力も求められるため、専門家へ依頼すると安心して任せられます。
外注先を選ぶ際に実績を考慮してシステム会社を選定すると、豊富な経験から自社に適した提案を受けられる可能性も高いです。
外注によって、社員はコア業務へ集中できるメリットも生まれます。
自社に適した開発方法がわからない場合には、専門的な知見を持ったシステム会社への相談がおすすめです。
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システム開発を外注する際発注者が意識するべきポイント
チャットシステム開発を外注する場合、依頼先の選択は成功を左右する重要な要素です。
システム開発会社によっても強みが異なるため、コストの安さだけで安易に決めてしまっては自社の求める品質が得られなかったり、導入後に使いにくいと感じたりする可能性があります。
意識するポイントは以下の3点です。
- 得意分野と実績
- 開発会社の業績
- 開発後の運用・保守
会社選びで失敗しないために、ポイントを押さえて外注先を決めてください。
得意分野と実績
システム開発会社の得意分野と実績は、外注先を決める際の重要な情報です。
得意分野と実績はシステム会社によって異なるため、外注先によっては成果物の品質に大きく差が出る可能性があります。
自社がAI搭載のチャットシステムを開発したい場合には、AI分野に強く実績も豊富なシステム会社を選ぶべきです。
得意分野を確認する際には、ホームページを確認するか直接問い合わせるのがおすすめです。
開発会社の業績
開発したシステムの長期運用を考えているなら、開発会社の業績も重要な指標のひとつです。
開発会社の業績が悪い場合、システム運用に影響が出る恐れもあります。
開発会社が倒産した際には運用が滞る可能性もあるため、リスクを想定して慎重に選ぶ必要があります。
安心して長いスパンでシステムを任せられるかどうか見極めが肝心です。
開発後の運用・保守
開発後の運用から保守に至るまでサポートが可能かは確認すべきです。
システム導入後も継続的に機能の追加や、トラブルへの対応が欠かせません。
具体的な日々の運用には、システムの監視やサーバー環境のメンテナンスが挙げられます。
専門的なスキルを備えた開発会社に運用・保守を任せることによって、リスクを回避できてコア業務へ集中できます。
開発後に運用・保守も依頼する際には、あらかじめ予算に組み込んでおきましょう。
チャットシステムを開発して自社ビジネスの拡大を図ろう!
今回はチャットシステムの開発方法から、発注者が意識するべきポイントまで解説しました。
チャットシステムは顧客の疑問を解消して利用の増加が見込めるだけでなく、業務効率化を図れる優れたツールです。
チャットシステムの強みを活かすには、発注する際のポイントを過不足なく押さえて、自社に適した開発方法を選ぶ必要があります。
自社に合ったチャットシステムを導入するため、本記事を参考にしてビジネスの拡大を実現させましょう。
学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。