バックオフィスDXが求められる理由とは?推進方法やポイントを解説

2023.01.20
中垣圭嗣
バックオフィスDX
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こんにちは。Wakka Inc.のベトナムラボマネージャーの中垣です。

企業のDX推進の話はいろいろなところで見聞きしているかと思います。DX推進に成功している企業とそうでない企業の間で格差が広がる一方なので、企業にとってDX化が急務といった話題です。

DX化の内容は企業によって異なります。業務の自動化が遅れている企業もあれば、テレワークが進んでいない企業もあるでしょう。

今回ご紹介する内容は、DXの中でもバックオフィスにターゲットを絞ったバックオフィスDXです。バックオフィスDXとはどのようなものなのか、どのようなポイントを押さえる必要があるのか、など解説していきます。

Wakka.IncではDXプロジェクトを検討している担当者の方に向けて、失敗しない社内体制の構築から開発リソース確保までを網羅して解説しているDX進め方ガイドブックを無料で配布しています。ぜひご確認ください。

目次

バックオフィスDXとは

バックオフィスDXとは、その名の通りバックオフィスのDXです。企業の業務は大きく分けてフロントオフィスとバックオフィスに分けられます。フロントオフィスは顧客と直接対面する営業や、マーケティング、カスタマーサポートなどが該当します。

一方でバックオフィスは、顧客と直接かかわらない、経理、人事、法務、総務などが該当します。一般的なDXはフロントオフィスもバックオフィスも含んでいますが、バックオフィスDXはバックオフィスのDXに特化した概念ということです。

そもそものDXは、単にITツールを導入するということではなく、ITツールを導入、活用することで組織、ビジネスを変革させることを指します。バックオフィスDXの場合も同様に、単にバックオフィスにITツールを導入して業務を便利にするという程度ではなく、組織やビジネスを変革させることが求められます。

バックオフィスDXの需要が高まっている理由

DX全般の需要が高まっていますが、最近は特にバックオフィスのDXへの注目度が高い印象です。では、なぜバックオフィスDXの需要が高まっているのでしょうか。バックオフィスDXの需要が高まっている理由は複数ありますが、具体的には以下のような理由があります。

・コロナ禍でテレワークの需要が高まっている
・資料のペーパーレスが進んでいる
・署名も電子サインになっている

まずテレワークの需要が高まっていることで、テレワーク環境のためのDX推進が必要になります。テレワークに必要な環境はフロントオフィスとバックオフィスの両方にありますが、顧客との接点が少ないバックオフィスの方がテレワーク化しやすい傾向にあります。

そのため、結果的にテレワークではバックオフィスのDXが進みやすくなります。次にペーパーレスについてもフロントオフィスとバックオフィスの両方で推進されています。しかし、ペーパーレスに関しても顧客との接点が少ないバックオフィスの方が自由に推進しやすいです。

バックオフィスで使用する資料は自社内で使用するだけなので、紙媒体で残す必要がありません。逆にフロントオフィスの場合は顧客も資料を閲覧する可能性があるので、ペーパーレスにできない部分もあります。結果的に、バックオフィスの方がペーパーレスを進めやすいということです。

電子サインに関しても、バックオフィスの方がDX推進しやすい傾向にあるでしょう。資料と同様、フロントオフィスは顧客が関わるため完全に自由に推進できるわけではないからです。

バックオフィスDXを推進するメリット

バックオフィスDXを推進することで、複数のメリットが得られます。

業務効率化が進む

バックオフィスは経理、総務、法務などの業務が中心なので、事務的な反復作業も多い傾向があります。そして、こういった事務作業はシステムの得意分野です。そしてシステム化を推進することで、一気に業務効率化が進みます。

業務効率が良くなることはもちろん、ミスの削減や、労働環境の改善にもつながるでしょう。バックオフィスの人員を削減することでコスト削減にもつながります。バックオフィスのDX推進は、業務効率化から派生して複数のメリットにもつながります。

人材確保につながる

バックオフィスをDX化することで業務効率化が進み、その一環として人員削減、コストカットができるということでした。人員削減の一方で、DX推進は人材確保にもつながります。

たとえば、テレワークが推進されれば遠隔地に在住の人材も採用しやすくなり、人材確保の幅が広がります。社員という形だけではなく、フリーランスへの外注などもやりやすくなるでしょう。

バックオフィスDXのポイント

バックオフィスDXを推進するためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、重要度の高いものをご紹介します。

ITツール導入の前に現状業務を洗い出す

DX推進は、ITツールを導入すれば良いというものではありません。自社の業務に最適な形でITツールを導入し、また、最適な形で活用する必要があります。そこで必要になるのが、現状業務の洗い出しです。

現状どのような作業が行われているのか、どのくらいの時間がかかっているのか、誰が担当しているのか、などを洗い出して可視化します。可視化することで、問題点やより良くするための課題も見えてきます。

そして、問題や課題を解決するためにITツールを導入する流れになります。他社が導入しているツールを真似すれば良いというわけではなく、どのツールを導入すべきか、どのように活用すべきかは一社一社異なります。

既存システムとの兼ね合いを考える

自社の業務に合わせてITツールを導入する必要があるということでした。そして、ITツールはツール同士の互換性や連携という概念があります。システムを丸ごと刷新するわけではない場合、必ず既存システムとの兼ね合いを考えなければなりません。

たとえば作業フローの途中で別のシステムに切り替わった結果、いったんデータを変換する作業が必要になる、といった無駄が生じる場合もあります。手動で行う作業が増えてしまうのは問題外ですが、仮にすべて自動化できたとしても、無駄な処理は最大限減らした方が良いです。その方が処理速度の向上やデータベースの無駄の削減につながります。

現状問題がなくても今後データ量が増えれば無駄が目立ってくるということもあるので、今後も見据えて無駄をなくすツール導入が必要です。また、ツール導入自体がゴールではないので、ツール導入後も定期的にツールを見直し、自社に合わせて改良していく必要があります。

社員をDX化する

DX化を推進するためには会社にITツールを導入する必要があるのですが、ITツールを使用するのは社員です。つまり、社員がITツールを活用できていないとツールを導入した意味がなくなるということです。むしろ業務が混乱して逆効果になる可能性もあります。

そこで必要になるのが社員のDX化です。社員をITツールに適応させていくことが必要です。具体的なツールの使い方を社員に教育することはもちろん、社員のモチベーションも高めなければなりません。

社員の中には、DX推進に反対している人もいるでしょう。従来までの業務内容が変化することや、自分の必要性が薄れることに危機感を感じるからです。こういった状況だとせっかく費用をかけて導入したツールが有効活用されなくなるので、技術面、心理面の両方から社員を変える取り組みが必要になります。

ツール導入後のチェックや改善を行う

DX推進に伴いITツールを導入したら、導入後のツールの稼働状況、社員の動きなどを随時チェックする必要があります。導入効果を測ることで、今後の改善策も見えてくるからです。

ツールを導入しっぱなしだと、上でご説明した通り社員がうまく活用できていない、ツールの機能と業務内容に乖離がある、といったことが起こります。最初から完璧な形でツール導入するのは難しいので、定期的な改善を前提にするのも一つの考え方です。

まずは実験的に小規模なところからツールを導入し、改善、拡大していくのがリスク管理にもなります。

バックオフィスDXの推進内容

バックオフィスDXの推進内容は、企業によって異なります。企業によって業務が異なるので、必要なITツールも変わってくるからです。しかし、多くの企業である程度共通して推進される内容があります。ここでは、何から始めるべきか迷っている場合の参考として、一般的に行われるDXの推進内容をご紹介します。

ペーパーレス

ペーパーレスは社会全体で推進されているDXと言っても過言ではなく、バックオフィスDXでも推進されています。紙媒体を使用することは手間がかかり、セキュリティ上も好ましくありません。

本当に重要な情報のみあえて紙媒体で保管する方法もありますが、多くの資料を紙媒体で所有するのは紛失のリスクが高くなるでしょう。必要な情報を探すのにも時間がかかるので、ペーパーレスで電子媒体で保管した方が効率的です。

また、以前は重要書類を紙媒体で保管することが義務付けられていました。現在は電子帳簿保存法などの法律によって、契約書や請求書をペーパーレスで保管できるようになっています。

RPAの利用

RPAとは、Robotic Process Automationの略です。ルーティンワークをツールで自動化するという概念です。企業には定型的な業務が数多く存在しますが、これらをツールで自動化すれば労力削減、ミス削減につながります。

そのため、RPAはDX推進において重要な概念ということです。RPAでできることは幅広く、プログラミングで自動化できるような処理ならある程度カバーしています。RPAツールにもともと組み込まれている機能があり、そこに自社に合わせてカスタマイズを加えて使用します。

カスタマイズ自体は外部の業者に依頼することも、自社で行うことも可能です。RPAを導入する上で重要なのは、スモールスタートと費用対効果でしょう。まずスモールスタートとは、小規模なところから試してみるということです。

最終的にはワークフロー全体をRPAで代替できれば理想なのですが、難しいので一部だけ自動化してみるのがおすすめです。次に、費用対効果も重要です。今の時代はツールを導入して業務を自動化する重要性が叫ばれることが多いです。

事実人間の作業はなるべく減らしていくべきなのですが、費用対効果を無視してツール導入するのはNGです。たとえば、たまにしか発生しない簡易的な事務処理などであれば、あえて高い費用をかけてツールを導入する意義は薄いでしょう。

ツール導入して自動化できる範囲が極端に少ないような場合も、費用対効果で考えれば手動で行った方が良いことも考えられます。自動化が正義、手作業は悪というわけではないので、自動化するメリットよりもデメリットの方が大きいならあえて自動化しない選択肢もあるということです。

クラウドサービスの利用

クラウドサービスとは、外部のサーバー上にサービスが配置されていて、そこにアクセスして利用するものです。一方で、自社サーバーにシステム導入して利用する形式をオンプレミスと呼びます。

従来まではオンプレミス型のシステムが一般的でしたが、現在はあらゆるシステムがクラウド移行しています。クラウドサービスで利用できるものはクラウド化した方が利便性が高く、変化にも対応しやすいでしょう。

ただし、クラウドサービスに関してもRPA同様全部をクラウド化すれば良いというわけではありません。たとえば自社の業務に特化した特殊なシステムや、クラウド化するコストが高すぎる場合はオンプレミスを維持するという選択肢もあります。重要なのは費用対効果です。

まとめ

バックオフィスDXとは、バックオフィスのDXです。フロントオフィスに比べるとバックオフィスは事務作業が多く、ITツールで業務効率化できる領域が広いです。DX化の具体的な内容は企業によって異なりますが、テレワーク対応やペーパーレス対応は多くの企業で必要になるDX化です。

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この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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