【マーケティング入門 第2回】仮説から始めるデータ分析の基本ステップとポイント解説

最終更新日:2024.11.19
開発ナレッジ
安藤 大海
仮説から始めるデータ分析の基本ステップとポイント解説
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はじめに

こんにちは。Webディレクターの安藤です。

マーケティング入門シリーズ、第1回の前回は、ビジネスロードマップを使ったKPI設計の方法について解説しました。

第2回の今回は、データ分析にのぞむまでの基本ステップと、データを見る上でのポイントをご紹介いたします。

データ分析から気づきを得るために必要なステップ

データはなんとなく眺めていても、「気づき」を得ることはできません。「気づき」を得るためには、以下のようなステップを踏む必要があります。

データを見る前に、目標を達成するにあたって課題となっているところの原因を推測し、仮説を立てることが何よりも重要です。

例えば、前回の記事で例にあげたビジネスロードマップだと、サイト訪問からお問い合わせや資料ダウンロードまでの到達が低いこと、資料ダウンロードから商談までの到達が低いことが課題でしたね。

このデータから、「お問い合わせや資料ダウンロードの動線が少ないのではないか」「動線が低い位置にしかなく、そこまでスクロールされていないのではないか」「商談までにはつながりにくい、ライトな資料が目立っているのではないか」などのある程度の推測ができます。

仮説を立てるために必要な4つの方法

仮説を立てるためには、判断材料が必要です。

次の4つを実践して、判断材料を揃えましょう。

・ビジネスロードマップを作成して課題を可視化する。

・さまざまなシナリオパターンで自社や競合サイトを使ってみる。

・利用者および運用者から、ビジネスモデル、ゴール、課題感をヒアリングする。

・過去の目標設計や施策、レポートなどを確認してみる。

それでは、仮説ができたとして、次にデータ分析の基本をご紹介します。

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データ分析の基本

データ分析の基本と言えるのが、「ベンチマーク」「トレンド」「セグメント」の3つです。

それぞれ解説していきます。

ベンチマーク

「何か別のデータと比較して気づきを得る」ことを、「ベンチマーク」といいます。

web制作の現場では、指標となる競合他社のサイトの意味でも用いられます。

データはそれ単体で見ても意味がありませんが、目標設定されていれば意味のある数値になります。

例えば目標の数値と比べることで、達成には何が足りないのか?と分析できるようになります。

これもベンチマークの一つです。

トレンド

「データを時系列に比較して分析すること」を「トレンド」といいます。

トレンドから気づきを得るためには、「規則的な特徴」と「特異点」の2つに注目します。

規則的な特徴というのは、「ある一定の期間に決まって増えたり減ったりするポイント」を指します。

例えば、1日単位であれば「どの時間にアクセスが多い」、週単位や月間であれば「平日にアクセスが多く、土日は少ない」などです。

特異点とは、「通常とは違う伸び方、あるいは落ち方をしているポイント」を指します。

「TV番組で取り上げられた日に、急激にアクセスが伸びた」などは、まさに典型的な例です。

このサイトを例にしてみます。

2022年8月のセッションレポートを見ると、平日はセッション数は平均250前後ありますが、逆に土日祝日のセッションが低いことがわかります。金曜も左下がりの傾向が見られますね。

これが「規則的な特徴」です。

それなら、記事の更新は月曜にしようとか、土日祝日のセッションを増やす施策を考えてみよう、という思考ができます。

8月12日(金)は、通常の平日に比べてアクセスが半分という、ある意味「特異点」でした。

これは前日が祝日だったので、お休みをとって4連休の人も多かったためでしょう。

「規則的な特徴」と「特異点」から、「このサイトは、勤務時間中に、会社のPCからアクセスしてる方が多いのでは」という仮説ができます。

この仮説が正しく「セッションを増やすこと」が課題であれば、例えば、メルマガ配信で最新記事のお知らせや、SNSアカウントで情報発信をすることで、会社のPCを開かない休みの日でも、スマホからのセッションを増やす、という改善案も有効かもしれません。

セグメント

セグメントは、データを分別して分析することです。

サイトの訪問者をPCとスマホで分けてみたり、新規ユーザーと既存ユーザーで分けてみたり。

一般的に再訪問するユーザーが多いと、サイトとしてよい傾向だと言えます。

流入先や年齢層、ECサイトであれば会員・非会員で分けるのも有効です。

先程の例で、「このサイトは、勤務時間中に、会社のPCからアクセスしてる方が多いのでは」という仮説を立てました。

なので、まずは2022年8月のPC・スマホ別のユーザー数を見てみましょう。

見ての通り、Desktop、つまりPCからのユーザーが圧倒的に多いです。

つまり、この時点では仮説はあながち間違いではなさそうだ、と言えそうです。

さらに時間帯別のセッション数を見て、朝や晩よりも日中のセッションが多ければ、「勤務中やお昼休みの時に見られている」という推測ができ、仮説を立証できるでしょう。

このように、仮説を持ちながらいろいろなセグメントに分けて分析すると、気づきや現状の課題の原因を得ることができます。ぜひ活用してみてください。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は、分析を行う前のステップと、データ分析の基本「トレンド」「ベンチマーク」「セグメント」をご紹介しました。

データ分析で大事なのは、目標達成のための課題を明確にすることです。課題に対する気付きを得るために分析を行います。ですから、なんとなくデータを見ていても気づきを得ることはできません。

まず仮説を立てて、それを立証するためにどのデータを分析するかを絞りましょう。

知りたいデータに合わせて最適な分析を行うことで、課題発見と改善策の立案ができます。

もし社内での分析が難しい場合、プロに依頼するのもよいでしょう。

Wakkaでは、個々の企業様のサイト状況、リソース状況、予算状況に合わせて、データ分析から、課題の精査、改善のご提案までサポートしております。

是非お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人
安藤 大海

学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。

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