システム構築の料金相場や選び方、外注のメリット・デメリットを解説

2022.08.19
中垣圭嗣
システム構築の料金相場や選び方、外注のメリット・デメリットを解説
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こんにちは。Wakka Inc.のベトナム拠点ラボマネージャーの中垣です。最近は企業が使用するシステムの種類が増えていて、また開発方法もいろいろあります。その結果、自社で作りたいシステムの構築にかかる料金相場がよくわからないという状況が起こりがちです。

そこで、今回はシステムの種類や開発手法ごとに、料金相場をご紹介していきます。

目次

はじめに

クラウド型で利用できるサービス、パッケージ型の製品をサーバーにインストールすればそのまま利用できるシステムなどがあります。以前はシステム構築と言えばフルスクラッチでゼロから開発するのが基本ですが、今は事情も変わってきていますね。

選択肢が多くなったのは良いことなのですが、その結果かえってシステム構築の方法を迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。そして比較基準の中で大きなウエイトを占めるのはシステム構築の料金かと思います。

システム構築の方法によって料金が変わってきます。ここでは、システム構築の方法ごとの料金相場をご紹介すると同時に、それぞれの方法のメリットやデメリットも解説していきます。

システム構築料金の仕組み

システム構築料金はシステムの種類や、依頼する開発企業によって変わってきます。しかし、システム構築料金の計算方法はだいたい同じです。ざっくりと言えば、エンジニアの人件費と、その他サーバーやライセンスなどの経費がかかります。

そしてシステム構築料金の大部分はエンジニアの人件費です。つまり、エンジニアの人件費がわかればシステム構築料金が概ねわかるということです。

エンジニアの人件費の計算方法

ではエンジニアの人件費はどのように計算されるのでしょうか。エンジニアの人件費の計算方法は以下です。

人月(1ヵ月に必要なエンジニアの数)×人月単価(エンジニアの1ヵ月の人件費)×開発期間

上記の計算式でエンジニアの人件費を算出できます。ただしエンジニアによって人月単価が異なる場合、1人1人の人件費を計算し、足して計算する必要があります。エンジニアの人件費の計算方法がわかったところで、次にエンジニアの人月単価の相場を把握しておくと良いです。

人月単価がわかれば、システム構築にかかる期間に対してシステム料金が適正かどうか判断しやすくなります。エンジニアの人月単価はエンジニアのスキルや企業によって異なりますが、以下が相場です。

初級エンジニア:60万円~80万円
中級エンジニア:80万円~120万円
上級エンジニア:100万円~160万円

上記はあくまでも目安で、これよりも安い場合もあれば高い場合もあります。また自社のエンジニアではなく外注先のエンジニアに作業を委託している開発企業の場合、仲介手数料が上乗せされるのでより料金が高くなることがあります。

システムの種類と構築料金相場

複数のシステムを導入している企業が多く、またシステムによって機能は様々です。処理数の多いシステム、処理の複雑なシステムもあれば、逆に処理が単純で少ないシステムもあります。

上でご説明した通り、システム構築料金の大部分はエンジニアの人件費です。つまり、処理が多く複雑なシステムほどエンジニアの労力が増えるので構築料金が高くなるということです。

ここでは具体的なシステムの種類を挙げ、そのシステムの構築料金相場がどの程度がご紹介します。検討中のシステムとは異なるものであっても、機能の複雑さやシステムの処理数をイメージすると検討中のシステムの構築料金をイメージする参考になるかと思います。

勤怠管理システムの料金相場

勤怠管理システムは幅広い業界で導入が進んでいるシステムの一つです。そのため、導入を検討しているものの後回しにしている、といった企業も多いかと思います。勤怠管理システムの料金相場は以下です。

ツール導入:月額1万円〜
ツール導入+カスタマイズ:60万円〜
フルスクラッチ開発:300万円~

勤怠管理システムは比較的シンプルなシステムなので、他の種類のシステムと比較すると料金相場は低めになっています。またどのような形でシステムを導入するのかで料金相場は大きく変わります。

たとえばクラウド型でツールを導入する場合、アカウントを発行して外部のサービスを使用しているだけなので料金は安く抑えられます。ただし外部のサービスを使用しているので、使い続ける限り料金がかかり続けます。

ツールを導入してさらにカスタマイズする場合、人件費がかかるので料金が上がります。ツールの導入だけならエンジニアでなくてもできますが、カスタマイズするためには基本的にプログラミングスキルが必要だからです。

フルスクラッチ開発はゼロからシステム開発する方法なので、その分料金も高くなります。

販売管理システムの料金相場

販売管理システムは勤怠管理システムよりも処理が多くシステムとして複雑なので、システム構築の料金相場も高くなります。販売管理システムの構築料金相場は以下です。

ツール導入:月額10万円〜
ツール導入+カスタマイズ:100万円以上
フルスクラッチ開発:500万円以上

勤怠管理システムよりも平均的に料金相場は高くなっています。ツールを導入するだけでも毎月比較的大きな料金がかかります。月額10万円でも数年使用すればフルスクラッチ開発と同等の料金になってくるので、複雑なシステムほどフルスクラッチにメリットがあるとも言えます。

販売管理システムは勤怠管理システムと比べると企業ごとの業務に合わせる必要性が高いので、その点でもフルスクラッチで自社の業務に合わせたシステムを導入するのがおすすめです。

ただしツールやパッケージで間に合う場合は、フルスクラッチが必須というわけではありません。

業務支援システムの料金相場

業務支援システムは業務効率化のために導入されるシステムです。顧客管理システムを機能追加したイメージです。追加する機能はシステムによって様々で、高機能なものだと顧客の動きをデータとして収集、分析し、業務改善、利益拡大のためのマーケティングに活用されるようなシステムもあります。

業務支援システムはシステムによって料金の幅も広いですが、相場としては以下のようになります。

ツールの導入:月額5万円前後
ツール導入+カスタマイズ:50万円~200万円
フルスクラッチ開発:400万円以上

販売管理システムよりは相場は低めですが、顧客管理システムよりは高額です。ただし機能追加によって大幅に料金が変動します。たとえばフルで機能を付けようとすると、数千万円かかることもあるでしょう。そのため、自社に必要な機能に厳選することが重要です。

自社に必要な機能がわからない場合は、開発企業に相談すると良いでしょう。優良な開発企業であれば、企業の業務内容をヒアリングし、最適な機能を提案してくれます。

ECサイトの料金相場

ECサイトはネットショッピングのためのサイトです。テンプレートもありますが、デザインだけオリジナルのものにすることや、フルスクラッチで開発することもあります。料金相場は以下です。

テンプレートや簡単なカスタマイズ:50万円~100万円
オリジナルのデザイン:100万円〜300万円
フルスクラッチ:300万円~

ECサイトはテンプレートが豊富で、テンプレートでも十分にECサイトとして機能します。しかしユーザーはECサイトに見慣れているため、テンプレートだと気づいてしまったり、安っぽく見えたりしてしまう可能性は高いでしょう。

また販売までの導線はフルスクラッチの方が自由に構築できます。ユーザーからの印象を良くして、なおかつ販売までの効率の良いECサイトを構築しようと考える場合はフルスクラッチが良いでしょう。

特に大規模なECサイトはフルスクラッチで開発されているケースが多いです。逆に小規模でコストを抑えたい場合はテンプレートが良いでしょう。ただしテンプレートで運営していたが売上、ユーザー数が伸びているので後からフルスクラッチに変更したいといったケースもあります。

今後サービスを大きく伸ばしていく場合、フルスクラッチの方が後からサイトリニューアルをしやすいです。

システム構築料金を安く抑えるには

複数のシステムの構築料金相場をご紹介しました。しかし同じようなシステムであっても、事前に準備をするかどうかで料金が変わってきます。効果が同じなら料金が安いに越したことはないので、システム構築料金を抑える方法をご紹介します。

なお、これから紹介する方法は『RFP(提案依頼書)』を作ることで簡単に対応することが可能です。

弊社では、誰でも簡単にRFPが作れるノウハウ解説と無料のテンプレート配布をしていますので、
サイトリニューアルを検討されている方は、『成果の出るRFPの作り方とは?』を参照してみてください。

必要な機能と不要な機能を明確にする

システムに不要な機能を付けてしまうと、その分料金が高くなります。なので必要な機能と不要な機能を明確にすることが重要です。必要な機能はある程度把握していても、不要な機能までは把握していないことが多いでしょう。

不要な機能も明らかにしておくことで、判断に迷ったり開発企業との話し合いで要件に入れてしまうことを防げます。必要な機能と不要な機能をまとめておいて、開発企業に伝えることが重要です。

解決したい課題を明確にする

必要な機能と不要な機能を明確にすると言っても、そもそも自社に必要な機能がわからない、結果的に不要な機能もわからない、といったことがあるかもしれません。その場合、解決したい課題を明確にすることで機能が必要かどうかも判断しやすくなります。

また解決したい課題を開発企業に伝えれば、開発企業側でも機能の取捨選択を行いやすいでしょう。逆に必要な機能を落としてしまうこともなくなります。不要な機能を付けて必要な機能を外してしまうことはもっとも避けたいことなので、課題ベースに開発企業とよく話し合うことは重要です。

開発企業選びに力を入れる

課題を開発企業と話し合うことが重要ということでした。言い換えれば、しっかりと話し合いができる開発企業を選んでください。開発企業にシステム開発を依頼する際には事前に開発企業と話し合いをすることになります。

その際に、開発企業があまり要望を聞いてくれない、システムを納品してお金を受け取ることしか考えていない、といった様子であれば別の開発企業に再度相談した方が良いでしょう。

最初に開発企業を選ぶ基準としては、実績、評価、得意とするシステムなどが挙げられます。これらを基準に開発企業を選択し、そしてその後の話し合いで本当にその開発企業に依頼するかどうかを決定します。

システムは企業にとって非常に重要なもので、そのシステム開発を依頼する開発企業選びも重要です。ぜひ慎重に選んでください。

補助金を利用する

コロナの影響もあり、国が企業のシステム導入を推奨しています。特に業務のリモート化に関するシステム導入は補助金が手厚くなっています。使える補助金があれば、利用した方が企業の金銭負担は少なくなります。

補助金の一例として、以下が挙げられます。記載している内容は、補助金の項目、採択率、補助額です。

ものづくり補助金
約45%/100万円~1,000万円
事業再構築補助金
約40%/100万円~8,000万円
IT導入補助金
約50%/30万円~450万円
小規模事業者持続化補助金
約50%/50万円

これらの補助金を利用することで、システム開発の費用負担を減らせる場合がありますので
気になる方は中長期業診断士の方や顧問税理士に相談してみることをお勧めします。

まとめ

システム構築料金は、システムの種類、機能、開発方法などによって変わってきます。自社に必要な機能や開発方法を検討したうえで依頼する必要があります。とはいえ、何がベストな選択なのかわからない場合も多いでしょう。

その場合、優良な開発企業に相談することが重要です。弊社ではECサイトを中心に、システムの構築から運用保守、決済サービスの実装まで幅広く対応が可能です。また、『ラボ型開発サービス』を組み合わせてお客様のECサイトの成功に伴走するプランもご用意しています。

システムの構築やサイトリニューアルでお悩みの方は、まずはぜひお気軽にお問い合わせください。また、弊社の事例・ノウハウについて詳しく知りたい方は「資料ダウンロード」もぜひご覧ください。

フルスクラッチのシステム開発のご相談はWakka.incまで

Wakka inc.では、専門性の高いチームがお客様のニーズに寄り添い、フルスクラッチでのオーダーメイド開発はもちろん、業務のIT化・開発リソースの確保など、ビジネスの成功に向けて着実にサポートします。
サポートの概要や費用感など、下記のお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。(構想段階で形になっていないアイデアでも問題ありません)

また、ラボ型開発やビジネスに関する豊富な資料も用意しています。お気軽にこちらからダウンロードください。

この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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