ソフトウェア開発における最適なプログラミング言語選定:プロジェクト成功のために

最終更新日:2025.01.27
開発ナレッジ
Wakka Inc. メディア編集部
ソフトウェア開発における最適なプログラミング言語選定:プロジェクト成功のために
SHARE ON
  • FaceBook
  • Twitter
  • LINE
  • Note

こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

ソフトウェア開発において、最適なプログラミング言語の選定は重要です。
適切な使用言語は開発予定のシステムやアプリによって異なり、プロジェクトの内容に応じて選ばなければなりません。

しかし、プログラミング言語は多種多様であるため、そのなかから選定することは困難です。
プログラミング言語はそれぞれ特徴が異なるので、適切な知識を持ったうえで選びましょう。

本記事では、ソフトウェア開発における最適なプログラミング言語選定について解説します。
ソフトウェアを開発する際の参考にしてください。

目次

システム開発を検討されている方に向けてすぐに使える『RFP(提案依頼書)テンプレート』をご用意!

編集しやすいパワーポイント形式のテンプレートなので、項目を埋めるだけで簡単にRFPが作成できます。

ソフトウェア開発とは?

ソフトウェア開発とは、システム上で作動するプログラム、つまりソフトウェアを開発するプロセスです。
厳密には、顧客の要望に沿ってソフトウェアを要件定義・設計・実装・テスト・保守を行う一連の流れを指します。

なお、ソフトウェア開発はシステム開発やプログラミングと混同されやすいですが、実際は定義が異なります。

システム開発との違い

システム開発は一見するとソフトウェア開発と同じようなイメージがありますが、こちらはもう少し大きい意味合いの概念です。
システム開発は、ソフトウェアが作動するための仕組みを開発するプロセスを指します。

そのため、ソフトウェア開発と違い、ハードウェアやネットワークなどの開発も含まれます。
対して、ソフトウェア開発は特定のプログラムやアプリケーションの開発を指すプロセスです。

従って、ソフトウェア開発はシステム開発の一部として位置付けられます。

プログラミングとの違い

プログラミングとは、コンピューターに特定の動作を実行させるために、指示を入力する作業(コーディング)を意味します。
プログラミングはソフトウェア開発のような包括的なプロセスではなく、特定の作業を指す用語です。

ソフトウェア開発の場合、プログラミングは開発プロセスの一種に位置付けられます。

プログラミング言語とは?

プログラミング言語とは、ユーザーがコンピューターに特定の指示をするうえで用いる言語です。

本来、コンピューターは2進法(0と1)による機械語のみを処理するように設計されています。
しかし、機械語だとコンピューターに指示を出すことは難しくなるため、仲介役としてプログラミング言語が用いられるようになりました。

プログラミング言語はユーザーが理解できる言語で構成されており、これを機械語に翻訳することでユーザーはコンピューターに正確な指示を出せます。

プログラミング言語にはさまざまな種類があり、マイナーなものも含めれば、世界中で約数百種はあるとされています。
いずれも特徴や用途が異なるため、ソフトウェア開発の際にはプロジェクトに応じて、適切なプログラミング言語を選択しなければなりません。

ソフトウェア開発の使用言語

本章では、ソフトウェア開発で使用される代表的な使用言語を紹介します。
実際にプログラミング言語を選定する際の参考にしてください。

Java

Javaは1995年にアメリカのサン・マイクロシステムズ社がリリースしたプログラミング言語です。
インターネットの発展とともに普及し、今でも世界的に利用されています。

Javaはあらゆるコンピューターやソフトウェアに対応できる汎用性の高さが特徴です。
また、JAVAの多くは無料でダウンロードして利用できるため、個人でも利用が可能です。

※商用利用の際にはライセンスの確認をする必要があります。

IoT・業務用システム・アプリケーションなど、Javaはさまざまなソフトウェアに活用されています。
セキュリティ性が高いため、セキュリティソフトの開発でも利用されています。

参照:Java公式サイト

JavaScript

JavaScriptもメジャーなプログラミング言語の一種です。
JavaScriptは相互作用の処理能力が高いプログラミング言語であり、フロントエンドの開発で多用されます。

ポップアップ・拡大した画像・ランキングなど、JavaScriptを使えばさまざまな情報の表示が可能です。

JavaScriptは世界的に利用されているため、今後も長く利用される可能性が高いプログラミング言語です。
昨今は新しいプログラミング言語が次々と登場していますが、世界的なIT企業も利用していることから、JavaScriptの将来性は簡単に損なわれないと見られています。

C言語

C言語は長い歴史を持つプログラミング言語です。
汎用性が高いうえに、処理速度が優れているため、さまざまなソフトウェアの開発に活用されてきました。

後述するC++やPythonのような多くの派生言語が生まれるなど、C言語は今でもIT業界で積極的に利用されている開発言語です。
そのため、C言語をマスターすれば、ほかのプログラミング言語も理解しやすくなります。

ただし、ポインタと呼ばれる独自の概念があり、初めてプログラミング言語を導入する際にはやや難易度が高いと感じる可能性があります。

C++

C++はC言語から派生したプログラミング言語であり、いわばC言語の拡張版です。
C++にはC言語にはなかったオブジェクト指向プログラミングの概念が取り入れられており、大規模な開発プロジェクトで役立ちます。

C言語より高負荷で複雑な処理に対応できるうえに、少ない分量でソースコードを書けるので効率的な開発が可能です。
そのため、デスクトップアプリ・OS・ゲームなど、C++が活用されるソフトウェア開発の分野は多岐に渡ります。

C++はC言語より習得・使用の難易度が難しい開発言語です。
しかし、マスターすればオブジェクト指向型のプログラミング言語をマスターしやすくなります。

なお、C++は定期的に規格がバージョンアップされています。
導入する際は、最新の規格を利用しましょう。

C♯

C♯もC言語から派生したプログラミング言語であり、Microsoftが開発したことで有名です。
当初はWindowsのみでしか利用できませんでしたが、現在ではさまざまなOSに対応しています。

C♯は汎用性・堅牢性・高速性など、従来のプログラミング言語のメリットを持ち合わせている点が特徴です。
ソフトウェア開発などさまざまな場面で利用されているうえに、ロボットやAIなど最先端技術の開発にも応用が可能です。

また、C♯はC言語より習得難易度が比較的低いうえに、オブジェクト指向型なので、C++やJavaの知識があれば手軽に利用できます。
ただし、開発環境の構築が難しいため、企業で導入する際は注意しましょう。

HTML/CSS

HTML/CSSはWebサイトの構築などで利用されるプログラミング言語です。

HTMLは「Hyper Text Markup Language」の略称であり、ソースコードをブラウザに読み込ませることで利用します。
対して、CSSは「Cascading Style Sheets」の略称で、HTMLの装飾を調整するために用いられます。

HTML単体ではソースコードが長くなりますが、CSSを組み合わせることで適切な分量に抑えられるため、効率的な開発が可能です。
習得の難易度も高くないため、容易に導入できます。

なお、HTML/CSSは静的なWebサイトを構築するための開発言語であり、厳密にはプログラミング言語ではありません。
HTMLはあくまでプログラミング言語の処理結果を出力することが役割であり、CSSはHTMLを装飾するために使われます。

そのため、HTML/CSSは一般的なプログラミング言語としては扱われません。

Python

Pythonはソフトウェア開発やアプリケーション開発で用いられるプログラミング言語です。
データ分析・AIの学習データの処理などにも応用できるなど、高い汎用性と信頼性を誇るため、多くの企業で活用されています。

Pythonはプログラミング言語のなかでも文法が明確で単純なうえに、コードを記述する際の制約がはっきりしています。
複数のエンジニアが記述してもコードに違いが生じにくいので、大規模なプロジェクトでも効率的な運用が可能です。

また、Pythonは習得の難易度が低いため、初心者でも身に付けられます。
ChatGPTの開発にも用いられるなど、将来性が高いため、今後も積極的に活用されるプログラミング言語です。

PHP

PHPは動的なコンテンツの作成などに用いられるプログラミング言語です。
Web掲示板やECサイトの構築などで利用されており、利用者が多いプログラミング言語として高い知名度を誇ります。

PHPは文法がシンプルなうえに、自動で型の定義宣言を行えるなど、使いやすさが高く評価されています。
プログラミングの経験がなくても習得しやすいため、初心者向けのプログラミング言語としても有名です。

加えて、PHPは導入のしやすさもメリットです。
オープンソースで公開されているので、無料で利用できます。

開発環境の構築も容易であり、データベースともスムーズに連携できます。

Ruby

Rubyは日本産のプログラミング言語であり、日本で初めて国際規格を獲得したことで有名です。
もちろん、日本だけでなく世界的に利用されており、関連するコミュニティも多くあります。

Rubyはオブジェクト指向型のプログラミング言語であり、文法がシンプルで平易です。
加えて、柔軟性が高く、ユーザーの指向に合わせて自由にカスタマイズできます。

一方で、自己流のコード記述がしやすいため、読解の難易度が上がる可能性がある点には注意しましょう。

RubyはSNS・ECサイト・Webサイトなどの構築で活用されています。
メジャーなプログラミング言語であるため、比較的簡単に導入できます。

参照:Ruby公式サイト

Go言語

Go言語とはGoogleが開発したプログラミング言語です。
比較的新しいプログラミング言語ですが、信頼性の高さもあって、世界的に利用されています。

Go言語の魅力は実用性の高さです。
高速処理ができるうえに、文法がシンプルであるため、コードの記述に手間がかかりません。

習得難易度も低いため、多くの企業が導入しています。
Go言語はデータや統計の処理・解析に優れており、大規模なソフトウェア開発などで用いられています。

加えてAIやブロックチェーンのような最先端技術の開発にも対応可能です。

Kotlin

Kotlinはオブジェクト指向型のプログラミング言語です。
スマートフォンのアプリ開発で利用されることが多く、特にandroidで利用するアプリの開発言語として人気があります。

KotlinはJavaから発展したプログラミング言語であり、平易で分かりやすい文法が魅力です。
習得の難易度が低いうえに、Javaより少ない記述量で開発できるので、効率的な開発にも貢献します。

Googleから支援を受けられることもあり、昨今はKotlinを利用する企業が増加しています。

Type Script

Type ScriptはJava Scriptから派生したプログラミング言語です。
互換性があるため、Java Scriptで構成されたプログラムであれば、そのまま導入できます。

Type Scriptは静的型付けができるプログラミング言語であり、変数のデータ型をあらかじめ決められます。
コンパイルする時点でエラーを発見できるため、開発を効率的かつスピーディーに進められる点が特徴です。

Microsoftが開発しただけあって信頼性が高く、情報を得られるコミュニティが多くあるのもType Scriptの特徴です。
Googleが社内で使う標準の開発言語として採用するなど、さまざまな現場で使用されています。

その他の開発言語

ここでは、その他の開発言語を表にまとめて紹介します。

言語名特徴利用例
R言語データ解析が得意でさまざまなグラフを簡単に出力できる統計処理など
SwiftAppleが開発したiOSやmacOS向けのプログラミング言語iOSやmacOSで使うアプリケーションやソフトウェアの開発など
Objective-CC言語をオブジェクト指向型に発展させたプログラミング言語iOSやmacOSで使うアプリケーションやソフトウェアの開発など
Visual BasicMicrosoftが開発したプログラミング言語であり、文法がシンプルなので初心者でも扱いやすいアプリケーション開発やゲームの開発など
SQLデータベースの作成や操作に特化しているWebアプリケーション開発など
Scala関数型とオブジェクト指向型両方の特性を持つJavaの上位互換Web開発・業務システム開発など
HackPHPに静的型付け機能を追加したプログラミングであり、実行速度が速いソフトウェア開発など
Haskell参照透過性が高い純粋関数型プログラミング言語Webアプリケーション開発やAPI構築など
D言語C言語の高速性をそのままに、オブジェクト指向を取り入れているOS開発・アプリケーション開発など
Rust処理速度と安全性が高く、今後のシェア拡大が期待されているWeb開発・OS開発など
Perl互換性が高く、コンパイルの必要がないなど習得の難易度が低いアプリケーション開発・業務システム開発など
Scratch視覚的なプログラミングができるので小学生のプログラミング学習に用いられるゲーム作成・ロボット制作など
FORTRAN古い歴史を持ち、科学計算に特化した習得の難易度が低いプログラミング言語計算処理など
COBOL汎用性が高いうえに読みやすく、書きやすいプログラミング言語業務システム開発・基幹システム開発など
Dart動的型付けと静的型付け両方の特性を持ち、あらゆるプラットフォームに対応可能Web開発など
GroovyJavaと互換性があり、記述量を抑えられるので近年注目を集めているプログラミング言語Webアプリケーション開発など

システム開発を検討されている方に向けてすぐに使える『RFP(提案依頼書)テンプレート』をご用意!

編集しやすいパワーポイント形式のテンプレートなので、項目を埋めるだけで簡単にRFPが作成できます。

ソフトウェア開発で使う言語を選ぶ4つのポイント

ソフトウェア開発で使う言語を選ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。

  • 開発するソフトウェアの内容に合わせる
  • 開発環境・開発チームのスキルに見合ったものにする
  • コミュニティの規模で選ぶ
  • 将来性の高さに注目する

プログラミング言語は開発プロセスに大きな影響を与える要素です。
ソフトウェア開発を円滑に進めるためにもそれぞれのポイントを把握しましょう。

開発するソフトウェアの内容に合わせる

先述したように、プログラミング言語はソフトウェアの内容によって適した言語が異なります。
例えば、ゲーム開発にはC++やJava・AI開発にはPythonなど、プログラミング言語には相性の良いソフトウェアがあるものです。

プログラミング言語の得意・不得意を理解すれば、より効率的に開発を進められます。

プログラミング言語を選ぶ際は、相性の良いソフトウェアの種類を必ずチェックしましょう。
ソフトウェアの要件定義やプロジェクトの目的を明確にしておけば、自然と適切な開発言語を選定できます。

また、プログラミング言語は種類によってコードの記述量が大きく変わります。
プログラミング言語によっては、同じ規模のコーディングでも、必要なコードの行数に倍以上の差が生まれることも少なくありません。

同じ得意分野を持つプログラミング言語で迷った際は、処理速度・記述量の違い・効率性などを確認しましょう。

開発環境・開発チームのスキルに見合ったものにする

スムーズにソフトウェア開発を進めるなら、開発環境・開発チームに見合ったプログラミング言語を選びましょう。

プログラミング言語は種類によって難易度が異なります。
プログラミングの教材としても使える初心者向けのものもあれば、エンジニア向けの扱いが難しいものも珍しくありません。

適切な開発環境やスキルがない企業だと、文法や構成が複雑なプログラミング言語は学習コストが高く、習得するだけでも時間がかかります。
プロジェクトの進捗にも大きく影響を与えるため、プログラミング言語は自社のレベルに合わせて選定しましょう。

もし自社だけで最適なプログラミング言語が判断できない場合は、専門家の力を借りることがおすすめです。

近年はプログラミング言語の選定だけでなく、ソフトウェアやシステムの開発を請け負う開発会社が増えています。
運用面でも有益なアドバイスを得られるので、積極的に活用しましょう。

コミュニティの規模で選ぶ

プログラミング言語の選定において、コミュニティの規模も重要な指標です。
PythonやJAVAなどのようなメジャーなプログラミング言語なら、使い方や最新情報を共有できるコミュニティが多くあります。

ソフトウェア開発の経験が少ない場合、コミュニティで情報を集めれば、プログラミング言語の習得を効率的に進められます。

対して、マイナーなプログラミング言語はコミュニティの規模が小さいため、情報収集が困難です。
特に、日本での使用例が少ないプログラミング言語だと、日本語が使えるコミュニティがほとんどない場合もあります。

また、将来性が低く、トレンドから外れたプログラミング言語も、コミュニティの規模が小さい傾向があります。

将来性の高さに注目する

プログラミング言語を選ぶ際は、将来性の高さにも注目しましょう。
将来性が高いプログラミング言語であれば、最新技術に対応できるため、開発の幅が広がります。

ソフトウェア開発事業を拡大したいと考えているなら、将来性が高いプログラミング言語を選びましょう。
プログラミング言語の将来性は、汎用性や企業のニーズの高さで判断できます。

また、公式のサポートの手厚さや市場のトレンドなども将来性を測る指標になります。

なお、プログラミング言語は新しい言語の登場によって将来性が大きく変動するものです。
新しい言語が登場したことで、既存の言語の価値がなくなるケースは珍しくありません。

将来性が低いプログラミング言語は保守運用がしにくくなるなど、さまざまな面で悪影響を及ぼします。
プログラミング言語の最新情報は、常にチェックするように心がけましょう。

ソフトウェア開発を委託するならWakka Inc.にお任せ

業務で利用するソフトウェア開発を委託するなら、ぜひWakka Inc.にご相談ください。

Wakka Inc.には、経験豊富なエンジニアが多く在籍しており、クライアントの業務を深く理解したうえで最適なソリューションを提供します。
これまでIT化を進められなかった企業でも、社内事情を踏まえてサポートしてくれるため、スキルや知識に自信がなくても安心して委託できます。

また、開発だけでなく、運用面での手厚い支援を実施する点も特徴です。

新規事業への対応やアップデートの実施など、さまざまな形で支援を行うため、企業の成長に合わせてソフトウェアを最適化できます。
初めてソフトウェア開発に取り組む企業ほど、Wakka Inc.は最適なパートナーになるはずです。

詳しくは、ぜひ無料ダウンロード資料をご覧ください。

ソフトウェア開発においてプログラミング言語は重要

ソフトウェア開発において、プログラミング言語の選定はプロジェクトの成功を左右する要素です。
プログラミング言語はさまざまな種類があり、習得の難易度・開発スピード・得意分野など、多くの点で違いがあります。

開発するソフトウェアの内容はもちろん、従業員のスキルや知識なども踏まえて、最適なプログラミング言語を選びましょう。
もしソフトウェア開発に適切なプログラミング言語が分からない際は、専門家のサポートを受けましょう。

Wakka Inc.なら、クライアントの状況を理解したうえで、経験豊富なエンジニアが最適なソリューションを提供します。
開発はもちろん、運用面でも手厚い支援を受けられるので、ぜひご相談ください。

システム開発を検討されている方に向けてすぐに使える『RFP(提案依頼書)テンプレート』をご用意!

編集しやすいパワーポイント形式のテンプレートなので、項目を埋めるだけで簡単にRFPが作成できます。

この記事を書いた人
Wakka Inc. メディア編集部
  • ホーム
  • ブログ
  • ソフトウェア開発における最適なプログラミング言語選定:プロジェクト成功のために