ベトナム進出した日系デジタルコンテンツ開発会社「Continue LLC」さんへインタビューしてみた

最終更新日:2024.11.26
ベトナム情報
中垣圭嗣
ベトナム進出した日系デジタルコンテンツ開発会社「Continue LLC」さんへインタビューしてみた
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目次

はじめに

みなさんこんにちは。Wakka Inc.ラボマネージャーの中垣です。

今回は、ベトナムへ進出した日系デジタルコンテンツの制作・開発会社「Continue LLC」代表の川村様に、ベトナム進出についてのお話を聞いてみました。
Continue LLCは、大阪に本社を置き、Webサイト制作、アプリ開発、バックエンド開発の事業をメインに行っているベトナム開発拠点で、グローバルな視点で更なる成長を担う拠点として期待されています。

川村様のこれまでのキャリアについて教えて下さい

川村 修和様(以下、川村様):

幼少期の頃からデジタル表現に興味があり、将来はIT業界に携わりたいと思っていました。

2011年:大学卒業後、新卒で内装系の企業に入社。
グラフィックや空間デザイン業務の進行、品質管理を約5年ほど務めました。

2016年:日系Web制作会社へ入社、ディレクター業務を3年務めました。
また、IT以外のことをベトナムでやってみようと考えて、化粧品、食料品等の輸入販売業をはじめました。

2019年:ベトナムで外資現地法人のIT企業を立ち上げ、 General Directorに就任。

2023年:2度目の起業。
ベトナムの仲間と共に、Continue LLC を設立。General Directorに就任。

貴社事業の概要について教えてください。

川村様 :
Continue LLCは、デジタルコンテンツの制作・開発が得意領域で、Webサイト制作、アプリ開発、バックエンド開発をメインに事業を行っている少数精鋭の制作・開発会社です。
お客様の様々な目的に合わせて、Webサイト・デジタルコンテンツを企画・制作することが強みで、商品・ブランドの魅力が伝わるクリエイティブなど、効果・効率とともに質の高いアウトプットを追及しています。
また、ベトナムでのデジタル化推進として、DXコンサルティング事業も行っています。
チームビルディングや社内フローのデジタル化を中心に、以下のツールの導入支援と導入企業さまの業務にあったカスタマイズを提供しています。

クライアントのビジネスニーズに合わせて、最適なツールの組み合わせや設定のアドバイスをします。


ベトナム進出の目的について教えてください。

川村様 :
2023年に独立を考えていた際に、ベトナムの優秀なメンバーが一緒にやりたいと言ってくれたのが、ベトナム進出の決め手の1つとなりました。

それと、日本と比べてベトナムの方がチャレンジをしやすいという環境もあると思っています。例えば、自分が日本で同じく独立したい状況だったとしても、資本力がないとチャレンジできないとか、日本で会社を作ること自体が結構ハードルが高いと考えていました。

しかし、ベトナムだと今までの会社経営のノウハウもあるし、約半年程でスピーディーに立ち上げられるというところも知っていたので、そういう要素が積み重なって、ベトナム進出を決めました。

ベトナムでの業務について教えてください。

川村様 :
Webサイト制作(HTML、CSS、AngularJS、React、Vue.js)、アプリ開発(Unity、Flutter、AR、VR、MR)、バックエンド(PHP、Python、Node.js)開発を中心に行なっています。プロジェクトによって柔軟に体制を変えています。

以下はプロジェクトにおけるコミュニケーションモデルの一例です。

弊社のエンジニアスキルは日本国内とレベルと変わらないため、価格を抑えつつも、高品質なサービス提供が可能となっています。

また、丁寧な対応と、安心してコミュニケーションが取れる顧客体験を重要視しています。そのため密なコミュニケーションが必要な案件については、日本人がお客様へ要件をヒアリング、要件定義、設計書作成まで行います。

設計書作成後は、プロジェクトメンバーへ渡してコーディングからテストまで行ってから実装してもらう体制を整えています。

今までの経験からすでに知見があるシステムの場合には、要件ヒアリングの段階からベトナム人のメンバーや日本人のメンバーの方に入ってもらい、要件定義から実装までをすべて任せているプロジェクトもあります。

ベトナム人のプロジェクトマネージャーが中心となり、プロジェクトの計画の立案、進捗の管理などを行い、常にプロジェクト全体の進行を気にかけ、問題や課題が発生した場合はただちに対処する体制を築いています。

シェアオフィス&バー事業

川村様 :
Continueの共同オーナーといっしょに新しい事業への取り組みにも挑戦しています。

ベトナムの第2日本人街といわれているエリアに、弊社オフィスを引っ越し、ビルを1棟借りしました。1階をバーとして、2階を弊社オフィス、3階がシェアオフィスとしてオープンしています。シェアオフィスはかなりローコストで貸し出しているので、これからベトナムに進出してみたいという方にはぜひ利用してほしいです。
詳しくは、「1st-step.vn」まで

進出のメリットデメリットについて教えてください。

川村様 :
進出のメリットを挙げると、ベトナムという国は日本企業が海外の事業拠点とするケースが多いです。ベトナムはこれまで安定的な経済成長を続けており、今後も大きな成長が期待されています。また、ベトナムは海外進出をするIT企業を歓迎する風潮があり、それを考慮した政策が打ち出されています。

代表的な政策の1つとして、ベトナムではITに対しての投資を積極的に行う観点から、活動するIT企業に対して、一定のIT優遇税制を制定しています。 

IT優遇税制の特徴としては、法人設立後、課税所得が発生してから、4年間免税、かつ、その後、9年間は50%の減税となっており、また、同時並行的に売上発生から15年間は優遇税率10%が適用されて、ベトナムでビジネスを行うメリットはとても魅力の1つです。

また、ベトナム人は高い意識を有した人材が多いのが特徴です。
平均年齢は30歳代と非常に若く発展性のある国でもあります。
日本は少子高齢化が問題になっていますが、ベトナムは経済を支える多くが若者です。

ベトナムはITを積極的に導入する企業が増えてきており、IT技術の導入により業務の効率化を実現しやすい強みもあります。さらに、ベトナムは東南アジアの中心に位置し、周辺国へ海外拠点を設けるなどアクセスするうえでも利点が高いです。

反対にデメリットを挙げると、海外拠点の設立を日本での法人設立と比較した場合、さまざまなリスクを考慮する必要が出てきます。
既に進出している企業からヒアリングしたり、進出のプロへ相談してノウハウを学んだりと事前調査するのは必須で、コスト削減などの安易な理由のみで進出すると失敗する可能性があります。(ベトナム撤退する時のコストは進出時よりもコストがかかるケースがある、時間もかかります。)

私自身も一度撤退の経験をしているため、進出から撤退までをシミュレーションして見込みを立てた上で進出しないと、リスクが大きくなる場合があります。様々な角度から十分に分析・検討して頂きたいです。

ベトナムでの制作事例について教えてください。

Continueの制作実績の中から、制作ポイントを交えながら紹介していきます。自社サイトのリニューアルに悩んでいる方やWebサイトを一から新規構築を検討中の方のお役に立てると嬉しいです。

株式会社ケイアイ様

株式会社ケイアイ ホームページ制作

ヘッドレスCMS(KUROCO(クロコ))を使用
言語:Next.js
管理者画面から記事(お知らせ記事など)の登録ができて、問合せと採用フォームの送信機能を実装したWebサイトを制作しました。
ヘッドレスCMS(Kuroco)は、Webシステムを構築できる日本国産のクラウド型CMSです。独自のAPI定義と外部APIとの連動がローコードで可能なため、拡張性にも優れています。業界、規模問わず、幅広く導入されていて、コーポレートサイトから大規模メディアサイト、会員制サイトなど様々なWEBサイト構築に対応できます。
さらに、セキュリティ対策にも長けていて、WAFの標準搭載や、ほぼすべてのログを管理画面からいつでも確認が可能で、セキュアな環境でのWebシステムの構築ができます。

清和ベトナム様

清和ベトナム ECサイト、Webサイト構築

Shopifyを使用
言語:Liquid、HTML、CSS
ShopifyのテーマをカスタマイズしたECサイト構築。Shopify Flow(連携アプリ)を使用して、一部業務の自動化を実現しています。Shopifyのテーマは、ECサイトのデザインや機能が組み込まれたテンプレートです。管理画面でいろいろな箇所をカスタマイズでき、HTMLやCSSの知識がなくても、お客様自身でアップデートできるため、最近では採用ケースが増えております。

一般社団法人日本カンボジア協会様(NextMake社と共同開発)

日本カンボジア協会Webサイト構築

WordPressを使用
言語:PHP
WordPressを使用して、500以上のコンテンツ(記事など)を旧サイトから移管し、日本カンボジア協会のサイトのリニューアルを行いました。アニメーションにもこだわりを持って、3言語(日本語、英語、クメール語)対応のサイトとして構築しております。WordPressは世界ナンバーワンシェアのオープンソースのCMSです。専門的なプログラミング知識がなくても、直感的にブログやサービスサイトを作れます。しかも、原則無料で使用できるのも大きなメリットです。

地域活性化アプリプラットフォーム「TANBAMU」

TANBAMUモバイルアプリ

Flutterを使用して開発。
言語:Flutter
・地域サイトの運用
・飲食店、サロン・エステ、資料館などの様々な情報を掲載。
・宣伝媒体として、お使いいただけます。
求人広告の掲載、画像、動画の掲載、クラウドファンディングなど
Flutterは、スマートフォンのアプリケーション開発に特化したモバイルフレームワークの一種です。Flutterは1つのコードで、Android・iOS両方開発できるため、対応稼働も削減できるのも大きな特徴の1つです。

今後のベトナムのトレンドについて教えてください。

川村様 :
現在、多くの企業がデジタルトランスフォーメーションを実行したいと考えています。画期的な製品やサービスを生み出し、生産性や作業効率を高め、コストを削減するためにAI を適用することが世界中の企業のトレンドになっています。 
その流れにのって、ベトナムでもAIについては今まで以上にトレンドになってくるかなと思ってます。
フロントエンドコーディングではデザインを渡したらAIがコーディングまでやってくれるサービスが数年のうちにプロジェクトで採用できるレベルになってくると予想していて、こうしたサービスは我々の生産性の向上にも役立つと考えています。

今後の展開について教えてください。

川村様 :
現在、受託開発をメイン業務にしていますが、自社プロダクトの展開も行っていきたいと考えています。
今は地域活性化アプリやAIのチャットボットの領域にも着手しており、徐々にサービス展開しています。なお、Continue LLCとDXコンサルティングのご契約期間中は、ChatGPT 搭載AIボットの多言語翻訳や名刺読み取り機能などのサービスを無償でお使いいただけます。

以下では、ChatGPT 搭載のAIボットで、「社内ドキュメント埋め込み機能」を実装しています。Slackに組み込み可能で、チャンネルごとに役割を変えられます。

これらを利用したお客様から感想をいただき、自社プロダクト製品の改善に取り組んだりもしています。最近では、初の自社プロダクトとしてLINEで使用できるAI Chat Bot「Boo」をリリースいたしました。

従業員の数を増やして受託開発の数を回していくという戦略よりも、ベトナムのメンバーと1つ1つ良いプロダクトとして作っていくという戦略にシフトしていっています。
プロダクト開発では、何を作って何を作らないのか、作る人と作るものを決める人たちが同じ認識で揃えられるのが大事だと思っています。
そこで感じたことや考えたことをコミュニケーションツールや声に出して、お互いの考えていることや重要だと思っていることをすり合わせ、何を作るべきかを話す場を作っています。
来年の展開としても少数精鋭のメンバーで良い製品を出していくというところをベースにやっていくつもりです。

最後に、海外進出を検討している企業様にメッセージをお願いします。

川村様 :
ベトナムは東南アジア圏の中でも成長を遂げている国です。
ベトナムの労働人口は増え続けており、その中でもIT従事者は年々増えていっています。
海外進出を考えているということは、日本国内に人的リソースがなかったり、海外展開をこれからしたいというお考えかと思うのですが、 ベトナムでオフショア開発をする選択肢は、IT企業にとって将来の長期的な成長に繋がる施策だと思います。ベトナムは様々な意味でバランスのとれた国だと感じておりますので、ぜひ挑戦してみていただきたいです。

川村様、ありがとうございました!

まとめ

Continue LLC

Continue LLCでは、デジタルコンテンツの制作を中心に、さまざまなWebサイト制作、アプリ開発、バックエンド開発業務を先駆けており、まだまだ拡大と成長を目指して奮闘中です。
もし、今後、デジタルコンテンツの制作・開発などをお考えの場合、CTA Continue LLCを選択肢の1つとして、候補に入れていただけると嬉しいです。
まずはご相談という方はこちらから。

こんな方におすすめです。
・デジタルコンテンツの制作・開発を検討中の方
・Webサイト制作に悩んでいる方
・アプリ開発を検討中の方

ベトナムにグローバル開発拠点設立を予定している方へ。
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この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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