クロスプラットフォームのフレームワーク10選|選び方を徹底解説!

最終更新日:2024.09.06
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
クロスプラットフォームのフレームワーク10選|選び方を徹底解説!
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クロスプラットフォームは、iOSとAndroidなど異なるプラットフォームでも同様に動作するアプリ開発を実現するプログラムです。
一度の開発で複数のプラットフォームに対応できるアプリを開発できるため、開発工数・コストが抑えられます。

しかしクロスプラットフォームのフレームワークは、種類が豊富にあり、どれを使えばいいか悩んでしまいます。
フレームワークに使用する開発言語も多種多様なため、どのように扱うべきか悩んでしまうのではないしょうか。

そこで本記事では、クロスプラットフォームのフレームワークを10種類ご紹介します。
フレームワークに使用する主な開発言語と自社に適したフレームワークを選ぶ際のポイントを合わせて解説するため、ぜひ最後までご覧ください。

目次

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クロスプラットフォームのフレームワークおすすめ10選

では早速、クロスプラットフォームでのアプリを開発に利用するフレームワークのなかで、おすすめのものを10種類ご紹介します。

フレームワーク名開発言語特徴
FlutterDartGoogleが開発したオープンソースのフレームワーク
React NativeReact(JavaScript)Meta Platforms(旧Facebook)が開発したクロスプラットフォームのフレームワーク
CordovaHTML・CSS・JavaScriptApacheソフトウェア財団が提供するフレームワーク
Xamarin・C#・F#
・.NET
Microsoftが提供するフレームワーク
UnityC#Unity Technologiesが開発したゲーム・AR/VR用のプラットフォーム
Ionic・HTML・CSS・JavaScriptJavaScriptによってReact・Angular・Vueと統合できる
Cocos2d-x・C++・Lua・JavaScriptChukong Technologies社がメインに開発したオープンソースのゲーム用フレームワーク
Vue NativeJavaScriptGoogleの元エンジニアが開発したVue.jsをベースにしたフレームワーク
NET MAUI・C#・XAMLXamarinの後継となるアプリ開発フレームワーク
Visual Studio・C#・Visual Basic(VB)・C++Microsoftが提供するAIコーディングフレームワーク

各フレームワークで使用する開発言語や特徴を解説するため、クロスプラットフォームでアプリ開発を行う際の参考にしてください。

1.Flutter

Flutterは、Googleが開発したオープンソースのフレームワークです。
Googleが開発した言語であるDartを採用しており、共通のコードでiOS・Android・Webなど複数のプラットフォームに対応できます。

Dartは、JavaScriptの問題点を改善した2011年に開発されたプログラミング言語で、モバイルやWebだけでなくサーバーやデスクトップ向けのアプリ開発に適しています。
独自レンダラ型のフレームワークであるため、OSに依存しない自由度の高いアプリ開発が可能です。

またホットリロード機能によって、プログラムの変更をリアルタイムで把握できます。
Flutterは、Googleの開発チームがGooglePayのモバイルアプリを開発する際に使用されています。

参照元:Flutter

2.React Native

React Nativeは、Meta Platforms(旧Facebook)が開発したクロスプラットフォームのフレームワークです。
JavaScriptライブラリであったReactと呼ばれるWebアプリを引き継いで、クロスプラットフォームへと進化しました。

そのためReactを利用していたエンジニアにとっては、使用方法や機能が近いため使いやすいフレームワークです。
JavaScriptを使ってiOSとAndroid双方のプラットフォームに対応するアプリを、ネイティブアプリのような感覚でスムーズに開発できます。

ReactやJavaScriptを使っているエンジニアであれば、ネイティブアプリ開発の経験が乏しくても十分に使いこなせます。
またReact NativeもFlutterと同じくホットリロード機能を搭載しており、プログラムの変更をリアルタイムで確認し、開発時間を短縮できます。

なお開発元であるFacebookは、React Nativeによって制作されたハイブリッドアプリです。

参照元:React Native

3.Cordova

Cordovaは、オープンソースのソフトウェアプロジェクトを支援する非営利団体のApacheソフトウェア財団が提供するフレームワークです。
Apache Cordovaとも呼ばれており、HTML・CSS・JavaScriptを使用した、ハイブリッドアプリ開発に向いています。

Webアプリは、Apple・Googleなどのプラットフォームによる審査を通過せずに提供できるため、リリース・アップデートのスピードが速いです。
ただしWebページと同じく、処理速度はインターネット環境に依存するため、通信環境が安定しない場所やデバイスには不向きです。

ネイティブアプリは、スマートフォンなどのデバイスに直接インストールするタイプで、速い処理速度を実現します。
スマートフォンのカメラ機能やプッシュ通知・位置情報・連絡先機能を活用できるため、利便性が高いアプリを開発できます。

Cordovaでは、Webアプリとネイティブアプリの特性を併せ持ったハイブリッドアプリ開発ができ、複数のプラットフォームに対応できる柔軟性の高さが魅力的です。

参照元:Apache Cordova

4.Xamarin

Xamarinは、Xamarinが開発したフレームワークですが、Microsoftに買収されたため現在はMicrosoftが提供しています。
Microsoftが開発したプログラミング言語「C#」と「F#」を活用して、ネイティブアプリと同じようなアプリ開発を実現しました。

各プラットフォームのネイティブAPIやライブラリを活用し、ネイティブアプリの性能を持つハイブリッドアプリ開発ができるため、速い処理速度を実現できます。
もともとはMicrosoft向けの言語であった「C#」ですが、現在はMac向けの開発環境「Visual Studio for Mac」を利用することで、Mac向けのアプリ開発にも対応しています。

また「.NET」フレームワークの使用を可能としているため、「C#」だけでなく「.NET」に精通しているエンジニアにとって、使いやすいフレームワークです。

参照元:Xamarin ドキュメント

5.Unity

Unityは、2005年にUnity Technologiesが開発したゲーム用のプラットフォームです。
プログラミング言語は「C#」を採用しており、Windows・Mac・iOS・Androidなど、異なるプラットフォームに対応できます。

3D・2Dゲームの制作に向いており、スマートフォンアプリだけでなく、Nintendo SwitchやPlayStation 4などに対応するゲーム開発も可能です。
さらに3D・2Dだけに留まらず、サウンド再生も兼ね備えており、VRやARコンテンツやアニメーション制作にも有効的です。

また開発者同士のコミュニケーション環境も充実しており、Unityが提供するアセットストアから、他のユーザーが作成した部品や素材を入手できます。
アセットストアを活用することで、開発スキルを学習でき作業効率の向上にもつなげられます。

参照元:Unity

6.Ionic

Ionicは、モバイルアプリ開発に適したクロスプラットフォームのフレームワークです。
HTML・CSS・JavaScriptなどのプログラミング言語を使用して、iOSやAndroidなど複数のプラットフォームに対応するアプリを開発できます。

Ionicは、React・Angular・VueいずれかのJavaScriptフレームワークと組み合わせられ、より効率的なアプリ開発を実現します。
またJavaScriptによって、カメラ・マップ・位置情報・Bluetoothなどの機能と連携でき、シームレスなネイティブ統合が可能です。

参照元:Ionic

7.Cocos2d-x

Cocos2d-xは、中国のChukong Technologies社がメインに開発したオープンソースのゲーム用フレームワークです。
「C++」「Lua」「JavaScript」の3種類のプログラミング言語を使用でき、OS・AndroidなどスマートフォンOSやWindows・MacなどのデスクトップOS、Chrome・Safari・IE・HTML5ブラウザーなどのWebブラウザーに対応できます。

自社開発の3Dエンジンで、2DインターフェースとUIシステムを組み合わせたカスタマイズが可能です。
グラフィックスレンダリングやGUI・オーディオ・ネットワーク・物理・ユーザー入力などさまざまな機能を搭載しているだけでなく、独自レンダラ型のクロスプラットフォームであり速い処理速度を兼ね備えています。

参照元:Cocos2d-x

8.Vue Native

Vue Nativeは、Vue.jsをベースにしたフレームワークです。
Vue.jsは、オープンソースのJavaScriptフレームワークであり、JavaScriptを使用できるエンジニアであれば簡単に使用できます。

Vue Nativeでは、クロスプラットフォームモバイルアプリケーション開発においてスムーズな統合を提供しています。
JavaScriptを使用して、iOSとAndroidの双方で動作するアプリ開発を実現し、開発工数とコストを軽減できるクロスプラットフォームのフレームワークです。

豊富なドキュメンテーション・拡張パッケージ・コミュニティからのサポートを受けられるため、開発途中に発生した課題をスムーズに解決できます。

参照元:Vue Native

9..NET MAUI

.NET MAUIは、2022年にMicrosoftがリリースしたモバイルアプリやデスクトップアプリ開発用のフレームワークです。
プログラミング言語は「C#」と「XAML」を使用して、Android・iOS・macOS・Windows で実行できるアプリを開発できます。

同じくMicrosoftが提供していたXamarinが、2024年5月1日で提供が終了になることから、後継となる.NET MAUIがリリースされました。
.NET MAUIは、「C#」によるUIを実装でき、直観的でシンプルなコード記述を実現しました。

またXamarinで課題となっていた、レンダリング速度の遅さを改善し、快適な処理速度でアプリ開発を行えます。
さらにホットリロード機能が搭載されており、プログラムの変更をリアルタイムで確認できます。

参照元:.NET マルチプラットフォーム アプリ UI のドキュメント – .NET MAUI

10.Visual Studio

Visual Studioは、Microsoftが提供するAIコーディングフレームワークです。
迅速かつスマートな開発を実現するため、AIコーディングを施しており、コードの生成とリファクタリング・バグと解決策の特定・パフォーマンスの最適化など、ワークフロー全体での業務効率を向上させます。

また作業途中で進捗データを紛失しないために、作業履歴の保存も可能です。
プログラミング言語は、「C#」「Visual Basic(VB)」「C++」など豊富な言語に対応しています。

参照元:Visual Studio

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クロスプラットフォームのフレームワークで使用する主な開発言語

クロスプラットフォームを利用する際には、フレームワークで使用する主な開発言語を知っておくべきです。
クロスプラットフォームのフレームワークで使用する主な開発言語として、次の4種類をご紹介します。

  • React
  • Dart
  • C#
  • F#

各開発言語の特徴を解説するため、フレームワーク選定の参考にしてください。

React

Reactは、Meta Platforms(旧Facebook)が開発したフレームワークReact Nativeで使用される開発言語です。
Reactを習熟しているエンジニアは、React Nativeをスムーズに使いこなせるため、クロスプラットフォームでのアプリ開発を円滑に進められます。

Dart

Dartは、Googleが開発した開発言語です。
iOSとAndroidのアプリを開発する際に使用でき、Googleが提供するFlutterを利用する際に活用できます。

2011年にDartが登場した際は、あまり注目されませんでしたが、2017年にFlutterがリリースされてからは話題になりました。
Dartは、注目され始めてからまだ年数が浅いため、使用できる人材獲得が難航しやすいです。

C#

C#は、Microsoftが開発した開発言語で、幅広いジャンルのシステム開発に活用できます。
C#は「C++とJavaの派生」と言われており、「C++」「JavaScript」を習得しているエンジニアであれば、使いこなすのに時間がかかりません。

F#

F#は、INRIA(フランス国立情報学自動制御研究所)で開発された開発言語「OCaml」をベースに、つくられた開発言語です。
Microsoftが開発したXamarinで使用されており、コード量が少なく済むため、メンテナンス性の高い特徴があります。

クロスプラットフォームのフレームワークを選ぶ際のポイント

クロスプラットフォームのフレームワークを選ぶ際のポイントは、次の通りです。

  • 開発するアプリの種類
  • ターゲット層
  • エンジニアのスキル
  • 開発スケジュール
  • 予算
  • パフォーマンス
  • サポート体制

各ポイントを確認して、自社に適したクロスプラットフォームのフレームワークを導入しましょう。

開発するアプリの種類

開発するアプリの種類によって、選ぶべきフレームワークが変わります。
例えば、ゲーム開発を目的としているなら、UnityやUnityなどゲーム開発に特化したフレームワークが向いています。

クロスプラットフォームのフレームワークを選ぶ際には、どのようなアプリを開発したいのか目的と計画を立てておくことが大切です。

ターゲット層

ターゲット層を定めておくことで、自社が求めるクロスプラットフォームのフレームワークを選べます。
例えば、iOSユーザーをターゲット層にする場合は、iOS開発に適したフレームワークを導入するべきです。

対して、Androidユーザーがターゲット層の場合は、Android開発に適したフレームワークが適しています。
アプリ開発の際には、販売するターゲット層を明確にしてからフレームワーク選びを行いましょう。

エンジニアのスキル

自社が抱えるエンジニアのスキルによって、選ぶべきクロスプラットフォームのフレームワークが変わります。
エンジニアが使いこなせる開発言語に対応したフレームワークを選ばなければ、適切にアプリ開発を行えません。

エンジニアチームのスキルに応じて、学習コストとリスクを抑えたフレームワーク選びが必要です。

開発スケジュール

開発スケジュールによっても、選ぶべきクロスプラットフォームのフレームワークが変わります。
開発スケジュールがタイトな場合は、短期間でクロスプラットフォーム開発を行えるフレームワークが必要です。

反対に十分な開発スケジュールが設けられている場合は、ネイティブ開発で高品質なアプリを開発できます。

予算

クロスプラットフォーム開発を行う際には、予算内で導入できるフレームワークを選びましょう。
どれだけ優れた機能を備えていても、導入コストが高ければ予算をオーバーしてしまいます。

せっかく高品質なアプリを開発できても、予算オーバーによって支出が大きくなれば、利益を得られない可能性があります。
開発スケジュールとともに予算を確認して、自社に適した価格で導入できるフレームワークを選んでください。

パフォーマンス

開発するアプリに、どの程度のパフォーマンスを実装したいかによって、フレームワーク選びが左右されます。
高いパフォーマンスが求められるアプリには、ネイティブ開発ができるフレームワークが向いています。

対してある程度のパフォーマンスを確保すれば十分な場合で、クロスプラットフォーム対応が重要な場合は、クロスプラットフォーム開発ができるフレームワークを選ぶべきです。

サポート体制

アプリを開発する際には、長期的に運営することを想定して、サポート体制が整ったフレームワークを選びましょう。
メンテナンス頻度の高さとアプリの提供範囲・ターゲット層の広さによって、求めるサポート体制が変わります。

メンテナンスやトラブルに対応できるサポート体制が整ったフレームワークを選べば、安心して長期的なアプリ運営ができます。

クロスプラットフォームを利用する際は自社に適したフレームワークを選ぼう

クロスプラットフォームを利用する際は、自社に適したフレームワークを選びましょう。
クロスプラットフォームは、複数のプラットフォームで動作できるアプリを、共通コードによって開発できるプログラムです。

エンジニアの開発工数・コストを削減しながら、より多くのチャネルに対応したアプリ開発を実現できるため、幅広いターゲット層にサービスを提供できます。
ただしクロスプラットフォームのフレームワークは、豊富な種類があるため、自社が求めるアプリの種類やターゲット層に適したものを選ぶ必要があります。

開発スケジュールや予算、パフォーマンスにサポート体制など、自社が求める条件に合致したフレームワークを選んで、クロスプラットフォーム開発を行いましょう。

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