「売れる」ECサイトはなぜフルスクラッチなのか?

2022.06.24
ラボ型・オフショア開発
安藤 大海
目次

はじめに

こんにちは。Wakka Inc.にてWebディレクターとして活動している安藤です。

当社はECサイト構築〜運用保守のご支援実績が多数あるのですが、
本日は初めによく相談を受ける、ECサイトの構築手段についてご紹介していきたいと思います。

みなさん、ご存知の通りECサイトの構築には、様々な手段があります。

例えば、自由度が高くブランド訴求がしやすいフルスクラッチや、比較的簡単に導入できるクラウド型、パッケージ型などさまざまな手段があり、
ECサイトを運営されている方にとって、どれがベストなのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

実際のところ、ECサイトの構築方法はそれぞれ一長一短です。
そのため、どの程度ECサイトに力を入れるか、予算はどのくらいあるのか、どのようなECサイトを求めるのか、などの条件によってベストな選択肢は変わってきます。

このページでは中規模から大規模なEC事業者様におすすめな主にフルスクラッチに焦点を当てつつ、
他のECサイト構築方法も含めて比較方法などを解説していきます。

ECサイトの構築方法一覧

ECサイトの構築方法は複数あります。具体的には以下です。

・フルスクラッチ
・ハーフスクラッチ
・パッケージ型
・オープンソース
・クラウド型
・ASP

今はパッケージ型やクラウド型で拡張性がある程度高い商品などもあるので、一概に上の定義で線引きできない場合もあります。しかし多くの商品はどれかに分類可能、もしくは2つの構築方法の中間的なものもあります。それぞれ簡単にご紹介していきます。

フルスクラッチ

フルスクラッチはECサイトをゼロからすべて自前で制作する方法です。フルオーダーメイドと同じ意味合いです。スクラッチ開発と呼ぶ場合もありますが、これもフルスクラッチと同じ意味です。

フルスクラッチは後述する構築方法と比較して、既存のものをいっさい流用しないという点が大きな特徴です。独自開発、新規開発とも言えます。フルスクラッチのメリットや他の構築方法との比較は後述します。

パッケージ型

パッケージ型はあらかじめ用意されているECサイトの枠組みをそのまま導入する方法です。サーバーにECサイトのパッケージを導入するのですが、サーバー自体は自社サーバーでもレンタルサーバーなどの外部のサーバーでも問題ありません。導入したパッケージはある程度カスタマイズできます。

ハーフスクラッチ

ハーフスクラッチは、フルスクラッチとパッケージ型の中間、もしくはパッケージ型とほぼ同義です。パッケージ型でカスタマイズの自由度がある程度高いサービスもあるので、このようなサービスはハーフスクラッチとも言えるでしょう。パッケージ型の中でカスタマイズの自由度が高いサービスはハーフスクラッチと呼べます。

オープンソース

オープンソースは、ソースコードが公開されているという意味です。ECサイトの場合も無料でソースコードが公開されていて、それを利用すればフルスクラッチよりは簡単にECサイトを構築できます。一方で、既存のソースコードを使うのでフルスクラッチほどの自由度はありません。

クラウド型

クラウド型は、オンラインで提供されているECサイトの枠組みです。パッケージ型の場合は購入後どこかのサーバーに導入する必要がありますが、クラウド型の場合外部のサーバーにECサイトの枠組みが置かれているので導入する必要はありません。ECサイトの消費者も自社メンバーも外部のサーバーにアクセスしてECサイトを利用します。

ECサイトを含めてシステムのクラウド化が一つのトレンドになっているので、ECサイトもクラウドがベストなのではないかと考えている担当者の方もいるかもしれません。

ASP

ASP(Application Service Provider)はECサイト用のプラットフォームをネットでレンタルできるサービスです。外部サーバー上にあるシステムを利用しているのでクラウド型と似ているのですが、少し違いもあります。

ASPはクラウド型よりも自由度が低く、より既存のサービスをそのまま利用するしか選択肢がありません。Webサイトで言うと、レンタルサーバーを借りるのと無料ブログを利用することの違いのようなイメージになります。あくまでイメージですが、クラウド型がWordPressなら、ASPはアメブロのようなものです。

フルスクラッチのメリット

一般的に言われているフルスクラッチのメリットをご紹介します。

完全オリジナルのECサイトになる

フルスクラッチはゼロからECサイトを構築するので、完全オリジナルのECサイトになります。逆にクラウド型やパッケージ型のECサイトだと、大枠は他のECサイトと同じものになります。人気があればあるほど、量産型のECサイトになるということです。

カスタマイズが自由

フルスクラッチはECサイトを構築するときだけでなく、構築後のカスタマイズの自由度も高いです。ECサイトが稼働しはじめて一定期間経つと、サイトのレイアウト、導線を変更したり、問題点を解消したいといったニーズが出てくる可能性があります。

枠組みを導入している場合カスタマイズには制限があるので、導線を変えたいのに変えられない、レイアウトを変えたいのに変えられない、といったことが起こります。消費者にとって最良のECサイトを作るには、フルスクラッチがベストと言えるでしょう。

フルスクラッチのデメリット

フルスクラッチのデメリットは、費用と開発期間です。パッケージやクラウドでは既存の枠組みを使用するので、人件費と開発期間を少なく抑えられます。フルスクラッチはエンジニアがゼロから開発するのでどうしても費用と時間がかかります。

ECサイトをフルスクラッチ開発する方法

ECサイトをフルスクラッチで開発する場合、スキルを持ったエンジニアが必要です。自社にエンジニアが在籍していれば自社開発が可能ですが、そうでない場合は外注することになるでしょう。

社内で開発する

自社にエンジニアがいれば社内開発が可能です。とはいえ、たとえば自社に社内SEが数人在籍している、といった程度だと自社開発は厳しいでしょう。スキル領域が異なる可能性があり、またECサイト構築の経験があっても少人数だとシステム規模的に厳しいはずです。

ECサイトの使いやすさなどは売り上げに大きく影響してくるので、社内エンジニアの人数が多くてスキルが高い場合以外は外注化することをおすすめします。外注化する場合でも、社内にエンジニアが在籍しているメリットはあります。

社内エンジニアが外注先のエンジニアと要件定義やその後の打ち合わせを行うことで、より理想的なECサイトが完成しやすいからです。

外注する

フルスクラッチを外注化すれば、ECサイト構築の経験が豊富なエンジニアが開発を行います。ECサイトは消費者の使いやすさはもちろん、セキュリティの強固さが必須です。そういった意味で、外注化は安心感があるはずです。

ECサイト構築時に企業ニーズに沿ったデザイン、仕様で開発することはもちろん、導入後のサポートもあります。ECサイト稼働後に問題点やより改善したい点が出てきたら再度相談もできるので、消費者にとって最適なECサイト構築につながります。

フルスクラッチは時代遅れ?

フルスクラッチがもっとも自由度が高く後からカスタマイズもしやすいので、企業にとって理想的なECサイト、つまり消費者にとってもベストなECサイトを構築できると言えます。

しかし、フルスクラッチは時代遅れ、メリットが薄い、といった意見があるのも事実です。このような意見が挙がる理由は、クラウド型やパッケージ型ECサイトが充実してきていることや、ビジネスのスピード感が上がっていることが挙げられるでしょう。

フルスクラッチでなくてもカスタマイズによって求めているECサイトの機能を実現できる、早めにECサイトを構築したいのでフルスクラッチだと時間がかかりすぎる、といったことです。

これは事実なので、100%フルスクラッチがベスト、とは言えません。以下に紹介するようなポイントから、フルスクラッチを選ぶべきかどうか検討すると良いです。

どの方法でECサイトを構築すべき?

ECサイトの構築方法やフルスクラッチのメリット、デメリットなどをご紹介しました。では結局、どのような基準でECサイトの構築方法を決めれば良いのでしょうか?以下のようなポイントが基準になります。

・デザイン面でどこまでのオリジナリティを求めるか
・既存の枠組みにない導線やレイアウトが必要かどうか
・ある程度で妥協するかECサイトに力を入れるかどうか
・ECサイトのリリースまでどのくらい期間があるか
・ECサイトにかけられる予算はどのくらいか

ひとことで集約するなら、ECサイトに高スペックを求めていて、ECサイトをビジネスとして絶対に伸ばしたい、といった場合はフルスクラッチがベストと言えるでしょう。自社のニーズに合わせて、消費者にとって最適なレイアウト、導線のECサイトを構築できるからです。

ECサイトの設計はその他のWebサイトよりも敏感で、少しの違いで売上に大きく影響するケースもあります。たとえば無駄なクリックやスクロールが少し増えるだけでも消費者が離脱する可能性は十分あります。

逆にECサイトの動きがスムーズであったり使いやすければ、消費者はECサイト内で商品を検索したい、購入したいと思う可能性が高くなります。仮にECサイトの導入段階で設計の最適解がわからなくても、フルスクラッチなら変更を加えながらテストすることなどが可能です。

ボタンの位置を動かすだけで売上が大きく変わったといった話もあるので、フルスクラッチのカスタマイズ性の高さは大きな魅力です。

とはいえ予算や開発期間といった観点でデメリットがあるのは事実なので、他の構築方法と比較検討する余地はあります。もしくは、予算を抑えて、なおかつ短期間で開発できる業者に依頼すればフルスクラッチのデメリットは解消されます。

なぜ売れているECサイトはフルスクラッチなのか

フルスクラッチのECサイトとして有名どころを挙げると、ユニクロやZOZOTOWNです。どちらも知名度が高く商品が売れています。商品が良いので売れているのはもちろんですが、ECサイトでの商品の見せ方、商品検索の使いやすさ、購入までの導線、なども確実に売り上げに貢献しているはずです。

ECサイトで商品がよくわからない、検索しにくくてお目当ての商品が見つからない、購入までの導線がよくわからなくて購入するのが面倒、不安、といった状況だと消費者は離脱します。

せっかく消費者が流入しているのにECサイトが原因で離脱してしまうのは非常にもったいないです。逆に、なんとなくECサイトにアクセスしたらいろいろな商品を見ていつのまにか買っていた、といった状況が理想的です。

特に商品の見せ方が重要な業種では、ECサイトのユーザビリティだけでなくデザインのオリジナリティや消費者がワクワクするような感情への訴えかけも重要になります。

感情に訴えかけて購買意欲を高めるようなECサイトを構築するためには、フルスクラッチがベストということです。

まとめ

ECサイトの構築方法やフルスクラッチのメリット、デメリットについて解説してきました。

導入コストや開発期間について検討する必要はありますが、
ECサイトに力を入れている企業や、中規模から大規模なECサイトを運営されている企業で継続的に売上を伸ばすためには
パッケージ版やクラウド版ではなく、フルスクラッチでECサイトを構築する方がおすすめです。

実際に売り上げが大きい有名なECサイトはフルスクラッチで構築されている場合が多いでしょう。
とはいえ、自社でECサイトのフルスクラッチ開発から運用保守まで実施することは非常に難しいと思います。

弊社ではECサイトの構築から運用保守、決済サービスの実装まで幅広く対応が可能です。
また、『ラボ型開発サービス』を組み合わせてお客様のECサイトの成功に伴走するプランもご用意しています。

ECサイトの構築やリニューアルでお悩みの方は、まずはぜひお気軽にお問い合わせください。
また、弊社の事例・ノウハウについて詳しく知りたい方は「資料ダウンロード・ウェビナー一覧」もぜひご覧ください。

この記事を書いた人
安藤 大海

学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。

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