【オフショア】品質問題を防ぐ!弊社ベトナム拠点での教育ノウハウ公開

最終更新日:2023.11.14
ラボ型・オフショア開発
中垣圭嗣
【オフショア】品質問題を防ぐ!弊社ベトナム拠点での教育ノウハウ公開
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みなさんこんにちは、Wakka Inc.ラボマネージャーの中垣です。

弊社は10年以上オフショアラボ型開発というソリューションで、
Web系システムから業務系システムまで幅広く開発実績のある会社です。

最近、お客さまからラボ型開発やDX開発の専門チームを設立したいというご相談を受けることが増えています。
オフショアラボ開発においては、アジアの新興国が選ばれるケースが多く、特にベトナムの人気が高い状況です。

一方で初めてのお客さまの中には、ラボ設立先の国に悩まれるケースや
海外での開発ゆえの品質トラブルを心配される方もいらっしゃいます。

そこで今回の記事では、ベトナムIT人材の魅力から、弊社が当初オフショアラボ型でぶつかった課題と、その課題を解決するために積み重ねてきた弊社のベトナム拠点での人材育成ノウハウについてご説明していきたいと思います。ぜひ、ラボ型開発の参考にしてみてください。

ラボ型開発に興味がある方は「【保存版】成長企業が導入するWakkaのラボ型開発」に詳しいサービス内容を掲載しているのでご覧ください。

目次

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ベトナムIT人材の特徴

若くて技術を持った人口層、STEM(科学・技術・工学・数学)に特化した教育システム、
魅力的な所得水準などの好環境から、優秀なエンジニアを続々と輩出しています。

ベトナム人のスキル向上に対する意識は強く、自己投資も積極的に行う人が多いです。
大学を複数通学、就職後に夜間学校や休日コースへ通う方も多く聞きます。

ベトナムは世界の「デジタル国家TOP50」で13位にランクインしており、
多くの外資系企業がベトナムに積極的なIT投資を行っており、有力な開発委託先を検討する企業が増えています。

ベトナム市場の詳細記事は『ベトナムはなぜIT人材大国となったのか?その背景や得意とする技術分野を紹介』でも詳しく解説していますので、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。

オフショア開発でよく発生する課題

オフショア開発は非常にメリットが多く、日本の大企業だけでなく中小企業にまで広がっています。
しかしメリットがある反面、課題も多くあります。

まず、大きく3つの課題にポイントを絞って解説していきます。

文化の違い

1つ目は「文化の違い」です。

・納期に対する認識のズレ
・仕様や作業手順の変更

日本では当然ながら、納期やリリース日程について厳しく管理する文化が根付いていますが、
オフショア開発委託先のアジア各国では、品質水準や納期遵守の意識が違うこともあります。

また、発注元の真意が伝わっていない場合、これらの背景などを確認しないまま
現地の判断で独自に仕様や作業手順を変更することもあります。

当初、これら文化の違いは簡単には変えられず、プロジェクト進行の懸念となっていました。

コミュニケーションの課題

2つ目は「コミュニケーションの課題」です。

・多言語を使わなければならない
・細かいニュアンスが伝わりにくい
・会議の時間が長くかかる

オフショア開発では英語を社内公用語にしていない限りは、
基本的に仕事・日常の会話、書類の言語はすべて日越英などを利用した多言語です。

そのため、意思疎通に求められるレベルが高く、
細かいニュアンスがなかなか伝わらないものです。

うまくコミュニケーションがとれなければ、
仕様のミスマッチや納期勘違いなどが発生しやすくなります。

会議の時間に関しても、通訳を通すため日本人同士でするより長い時間がかかってしまっていました。

品質の課題

最後の課題は「品質の課題」です。

若くて優秀な人材であっても、エンジニアが自己流で可読性の悪いコードを書いてしまうなど
チーム開発での経験不足やスキル不足による小さなエラーなどの課題などが発生しがちです。

当初、可読性を高めるために細かいところまで綿密にコーディングをし、
コーディングを何回も推敲するといった習慣は現地にはありませんでした。

そのため、日本ではあまり発生しないような品質トラブルが発生することがありました。

弊社の人材教育内容について

Wakka Inc.ではオフショア開発でよく発生する3つの課題(文化の違い、コミュニケーション、品質)を防ぐために
様々な教育プログラムを採用しています。

ここでは、実際に運用している人材教育を幾つかご紹介していきます。

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1.エンジニア教育プログラム

ベトナムはIT教育が盛んでベースとなるスキルやマインドが高い人材が多い市場です。
さらに会社としてシステム開発の品質を担保するために、全社員共通のエンジニア教育プログラムを用意しています。

これは、エンジニアを早期に育成・教育するプログラムです。

基礎教育〜実践教育まで3ケ月間の集中教育を実施し、
その後、3ケ月毎のフォローアップ教育を実施することで、
20ケ月でミドルエンジニアになることを目指す教育内容となっています。

2.ITコミュニケーター向けIT基礎知識向上セミナー

オフショア開発の言語の課題をクリアするためには、
システム開発と日本の文化を理解しているITコミュニケーター(通訳)が欠かせません。

Wakka Inc.では通訳・翻訳精度向上の為、
基本情報処理技術者試験の範囲を参考にしたカリキュラムを利用して
IT基礎知識向上に取り組んでいます。

ITコミュニケータのIT基礎知識向上は通訳・翻訳精度を向上させることになり、
相手が理解しやすく正しく伝えることができるようになる重要な役割の品質向上施策となります。

また、IT用語や業務用語など通訳・翻訳業務に必要な知識を
社内のナレッジデータベースへ蓄積して共通で活用しています。

ITコミュニケーター間で共通して使用することで、
レベルの揃った精度の高い翻訳/通訳を実現する事を目的としています。

3.プロジェクトマネジメント向上セミナー

一般的にオフショア開発ではプロジェクトマネジメントが上手くできないことで
失敗してしまうケースが多々あります。

Wakka Inc.のプロジェクトマネジメント向上セミナーでは
PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)ベースの教育を行う事でプロジェクト管理の基礎知識を学びます。

プロジェクトを適切に管理マネジメントする上での基本的な考え方や手法などを纏めたセミナーで
Wakka Inc.の品質管理の向上を支えるスタンダードなセミナーです。

お客様と共にプロジェクトを成功へ導く為に能力開発だけではなく、
日本文化における進捗管理の定義や日々の進捗率のレポート方法なども学びます。

進捗管理、プロジェクト管理に関する業務能力の向上に直結する充実した教育内容となっています。

4.報告書、資料作成スキル向上セミナー

オフショア開発の仕事の中では、上司や同僚へ渡す為の資料や報告書を作成する事が多くなります。
その際に報告が上手くいかないと開発遅延やミスが発生します。

そのため、このセミナーでは相手に伝わり易い書き方を身につけたり
報告やレポートでは担当する仕事の内容や経過、結果を明確に記載し、
また業務上知った大切な情報などは、相手に対して素早く正しく伝えるマインドを養成したり等、
業務に活かす教育内容となっています。

5.ソフトスキル向上セミナー

ソフトスキルは、報連相・コミュニケーション力・交渉力・調整力・プレゼンテーション力など
ヒューマンスキルが中心の教育内容となっています。

特に定期報告やチームワークなどの日本企業のスタイルの教育から
ビジネスマナーのコースを社内で頻繁に行っております。

文化の違いを埋めるセミナーを頻繁に行うことにより、デイリーミーティングに遅れないといった小さなことから約束・時間を守り、限られた時間を有効に活用できるチーム体制を備えています。

人材教育によって改善できたこと

弊社では人材の育成するために、社員一人一人にあった教育カリキュラムに加え、
研修プログラムを社内で独自開発し、定期的に人材教育を実施していきました。

その結果、社員一人一人の能力向上に繋がり、
能力のある人材が増えたことで、様々な業務をこなす人材の育成に成功しました。

また、目標として掲げている事業の多角化を実現しただけでなく、
社員の長期休みの取得が可能にもなり、業務の生産性が向上することができました。

■人材教育によって改善できたこと
・エンジニアは不明点を自分で判断せず、常にQ&Aを意識して確認を行うことができるようになった。

・自社のカルチャーや社員一人一人のレベルに合った研修内容を設けることができ飛躍的な成長促進になった。

・社員一人一人の意識改革や主体性の発揮を促進させることができた。

・年齢や性別に関係なく、個々の才能や自己実現欲求を高めることができた。

・社員一人一人の才能や情熱を最大限に活かす後押しをする場面を持つことができた。

弊社ではお客さまの成功に向けて、日本とベトナムのエンジニアが一丸になって強力なサポートできるよう
これからも人材育成に注力していきたいと思います。

まとめ

ベトナムの国策として進めるデジタル化やSTME教育を積極的に推し進めています。

その背景もあり、ベトナム人は高いITスキルを持つ人が多く、日本と近しい勤勉さや真面目さが特徴で
オフショア開発は日本に劣らない品質の提供など多くのメリットがあります。

しかしコミュニケーションの取り方や文化の違いに戸惑ったり、
エンジニアの質や経験値に不安を感じたりもするでしょう。

その問題に対して、チームビルディングや日本とベトナムの考え方の違いを埋めるような
人材教育を効果的に行うことで従業員が持ち合わせる能力やスキルを最大限に活かすことができます。

ベトナムのオフショアラボ型開発を検討されている方にとって、
当社の人材育成の手法が参考になれば幸いです。

また、弊社のホーチミンにある当社システム開発拠点では、
総勢100人に上るスタッフがこうした様々な教育を経て、日系企業を中心とするプロジェクトに関わり活躍しております。

スキルの高い開発チームがあなたの会社の成功に向かって伴走しますので、
開発を検討されている方は、まずは気軽にご相談ください。

弊社の事例・ノウハウについて詳しく知りたい方は「資料ダウンロード・ウェビナー一覧」もぜひご覧ください。

この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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