ハイブリッドアプリ開発とは?基礎知識やフレームワークを徹底解説

2023.10.09
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
ハイブリッドアプリ開発とは?基礎知識やフレームワークを徹底解説
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

ハイブリッドアプリをご存知でしょうか。
Webアプリとネイティブアプリの特徴を併せ持つ開発手法で、Webサイトを作成する技術によりiOSやAndoroidのアプリを開発できます。

本記事では、ハイブリッドアプリ開発について以下の内容を解説します。

  • ハイブリッドアプリのメリット・デメリット
  • ハイブリッドアプリに必要な開発言語
  • ハイブリッドアプリ開発の事例
  • ハイブリッドアプリ開発に利用できるフレームワーク

「ハイブリッドアプリ開発に興味がある」「コストを抑えてアプリ開発を行いたい」と考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

目次

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ハイブリッドアプリとは

ハイブリッドアプリとは、Webアプリとネイティブアプリの2つの特徴を併せ持ったアプリを指します。
Webサイトの構築に用いるHTML5・CSS3・JavaScriptなどで開発されます。

Webアプリとは、ブラウザ上で動作するアプリです。
マルチプラットフォームとも呼ばれ、iPhoneやAndroid、Windowsなどさまざまなデバイスで利用できます

一方、ネイティブアプリとは特定のデバイスに依存するアプリです。
特定のプラットフォームに合わせて専用で開発されるため、カメラやGPSといったOSの機能を活用できます。

2つの特徴を併せ持つハイブリッドアプリは、OSに搭載されたWebViewで動作します。
コンテンツはWebの仕組みを読み込んで動作するため、さまざまなデバイスに対応しつつOSの機能も利用できるのです。

ハイブリッドアプリ開発のメリット

ハイブリッドアプリ開発のメリットは、以下の3つです。

  • 低コストでアプリ開発ができる
  • デバイスの機能が使用できる
  • メンテナンスの負担を減らせる

ネイティブアプリを開発する場合、OSに合わせてそれぞれアプリを開発する必要があります。
ハイブリッドアプリであれば、デバイスに依存せずにアプリを開発できるため、一度の開発で済み開発コストを削減できるでしょう。

さらに、カメラやプッシュ通知などデバイスの機能も活用できる点が魅力。
Webアプリでもデバイスの機能は活用できますが、実装工程が煩雑になりがちです。

さまざまなデバイスに対応しつつ、比較的手軽にデバイスの機能を活用できるのは、ハイブリッドアプリならではのメリットです。
なお、アプリのリリース後もOSのバージョンに合わせて個別に修正する必要がないため、メンテナンスの負担も減らせます。

ハイブリッドアプリ開発のデメリット

ハイブリッドアプリ開発のデメリットは、以下の3つです。

  • ネイティブアプリと比べて動作が重い
  • 使用できる機能が制限される
  • 細かな仕様変更に対応しにくい

プラットフォーム専用に開発されるネイティブアプリと比べると、動作が重くなる点がデメリットです。
ネイティブアプリは各デバイスに最適化されているため、最小限の処理でアプリ動作が可能です。

その点、ハイブリッドアプリはWebの仕組みを読み込んで動作するため、動作が重くなる傾向にあります。

また、複数のデバイスに対応するため、使用できる機能が制限されるケースもあります。
実装したい機能によっても異なりますが、機能面を充実させたい場合は、ネイティブアプリの方が適しているかもしれません。

なお、ハイブリッドアプリ開発ではフレームワークを使用して開発するため、仕様変更の自由度も高くありません。

ハイブリッドアプリとPWAの違い

PWA(Progressive Web Appllication)とは、Webアプリとネイティブアプリの特徴を併せ持ったアプリです。
ハイブリッドアプリと似ていますが、アプリの提供方法が異なります。

ハイブリッドアプリPWA
提供方法アプリストア経由で提供Webサイト経由で提供
特徴OSに依存せず動作が可能
低コストでアプリを開発できる
アプリストアを経由しないため自由度の高いアプリを開発可能
インストールの必要がなく、ユーザーが利用しやすい
開発コストPWAよりも安いハイブリッドアプリよりも高い

一番の違いは、アプリストアを経由するか否かです
アプリストアを経由するハイブリッドアプリは、そこから新規ユーザーの獲得が望める反面、開発の自由度が低め

一方、PWAはアプリストアの審査がないため自由度の高い開発が可能です。
PWAは自社で集客する必要があるうえに、ハイブリッドアプリよりも開発コストが高い点が特徴です。

いずれも一長一短があるため、自社が開発したいアプリ要件やユーザーのニーズに合わせ、適切な手法を活用すると良いでしょう。

ハイブリッドアプリに必要な開発言語

ハイブリッドアプリを開発するのであれば、以下3つのプログラミング言語は最低限必要となるでしょう。

  • HTML
  • CSS
  • JavaScript

それぞれどのような言語なのか解説します。

HTML

HTML(Hyper Text Markup Language)はWebサイトを作成するために使われ、基本とも言えるプログラミング言語です。
具体的には、Webサイトを構成する見出しや文字のフォント、色や装飾といった要素を指示する言語で、Webサイトの構造を定義します。

HTMLは、タグと呼ばれる印を使用することで、さまざまな指示が与えられる仕組みとなっています。
Web制作ツールを必要とせずにWebサイトを作成できるのがHTMLの大きな特徴です。

CSS

CSS(Cascading Style Sheets)は、Webサイトのサイズやレイアウト、文字装飾などを行えるプログラミング言語です。
HTMLにも同様の機能がありますが、より高度な装飾を行いデザイン性を高められるのがCSSの役割です。

HTMLで装飾を行うとコードが複雑になるため、HTMLで基本構造を作成し、CSSで装飾を行うことでメンテナンスもしやすくなります。
また、デバイスごとに適切な装飾ができる点も魅力の言語です。

JavaScript

JavaScript(ジャバスクリプト)は、Webサイトに動きを付けるプログラミング言語です。
多くのサイトは、HTMLとCSSに加えてJavaScriptを使って作成されています。

Webサイト上でアニメーションを動作させることで、より視覚的にわかりやすいページを作成できます。
スマートフォンアプリやゲームなどにも活用しやすいでしょう。

なお、Javaと呼ばれるプログラミング言語も存在しますが、JavaScriptとは異なります。

ハイブリッドアプリの開発事例

ハイブリッドアプリは多くのサービスで利用されています。
本記事では、ハイブリッドアプリの開発実例を4つ紹介します。

  • Gmail
  • Instagram
  • Amazon
  • クックパッド

開発事例を知ることで、どのようなアプリを開発すべきかがわかりやすいでしょう。

Gmail

Gmailは、Google社が提供している無料のメールサービスです。
特に有名なハイブリッドアプリであり、世界最大の規模を誇るメールサービスでもあります。

2004年にベータ版として開発・リリースされ、2009年に正式版に移行するまではベータ版のままで運用されました。
JavaScriptを活用することで、従来のメールサービスと比べて操作しやすいインターフェイスを構築したのがGmailです。

ハイブリッドアプリの特性を活かし、スマートフォンやパソコンなどあらゆるデバイスでメールを利用できます。
また、連絡先の登録やメール検索などさまざまな機能が活用でき、アカウントも自由に作れるため、プライベート用とビジネス用などで使い分けているユーザーも少なくないでしょう。
多くのビジネスシーンで15億人以上のユーザーに利用されているのがGmailです。

Amazon

Amazonは世界規模のオンラインショップサービスです。
世界で最も影響力を持つ企業とも言われており、さまざまな商品やサービスを提供しています。
ハイブリッドアプリによる開発で、Webサイトとアプリの両方を運営しているのが特徴です。

シンプルで使いやすい商品ページと独自の物流網による即日配送が強みとなり、日本のEC市場でもトップクラスの売上を誇ります。
各デバイスに合わせてデザインを適応させているため、Webサイトやアプリなどから快適にショッピングを楽しめるでしょう。また、Amazon Primeをはじめとするサービスも多くのユーザーから利用されています。

クックパッド

クックパッドは、レシピを投稿したり検索したりできる料理サイトです。
「HTML5」と呼ばれる言語が使われており、スマートフォンのカメラ機能を活用したり、気に入ったメニューを保存したりなど、ネイティブ機能を利用する点にハイブリッドアプリの強みが発揮されています。

料理名だけでなくキーワードや食材などで検索できるため、状況に合わせて知りたいレシピ情報がすぐに調べられるでしょう。
作った料理を投稿して共有したり評価やコメントをもらったりもできるため、料理を楽しむためのアプリとして人気を得ているサービスです。

ハイブリッドアプリの開発に利用できるフレームワーク一覧

フレームワークとは、アプリを開発するための機能や設計のパターンが用意された枠組みのことを指します。
以下に紹介するようなフレームワークを活用することで、よりハイブリッドアプリを開発しやすくなるでしょう。
本記事では、4つのフレームワークを紹介します。

  • Flutter
  • Monaca
  • Ionic
  • Xamarin

開発したいアプリに合わせてフレームワークを利用するのがおすすめです。

Flutter

Flutter(フラッター)は、Googleが提供しているフレームワークです。
iOSとAndroidの両OSに向けたアプリの開発が可能で、あらゆる画面に対応したアプリを構築できます。

Dartと呼ばれる開発言語を使用しますが、JavaScriptをベースにして構築された言語のため、JavaScriptが理解できていれば習得しやすいでしょう。
Dartさえ習得できれば複数のプラットフォームに対応できるため、開発にかかるコストも削減できます。

参照:Flutter(フラッター)

Monaca

Monacaは、アシアル株式会社が提供しているフレームワークです。
クラウド技術を活用したアプリ開発のプラットフォームであるため、インターネット環境さえあればハイブリッドアプリを開発できます。

Monacaを利用するメリットは、ほかにもさまざまです。

  • JavaScriptを使って開発できるため、言語学習のハードルが低い
  • 国産のフレームワークでありサポート体制も整っているため、疑問を解決しやすい
  • 無料トライアルが実施されている

また、全国生活協同組合連合会や長野銀行、三井住友フィナンシャルグループなど多くの導入実績があるフレームワークでもあります。

参照:Monaca

Ionic

Ionic(アイオニック)は、Drifty社が提供しているフレームワークです。
開発言語はJavaScriptがベースとなっているため、JavaScriptの習得によりハイブリッドアプリを開発できます。

デザインを調整する機能が豊富なため、簡単な操作でおしゃれなアプリデザインを自由に作成できるのが特徴です。
チェックボックスや入力フォーム、タブなども設定しやすいでしょう。

参照:Ionic(アイオニック)

Xamarin

Xamarinは、Microsoft社が提供しているフレームワークです。
同じくMicrosoft社が提供しているオープンソースの開発者プラットフォーム「.NET」を使用し、さまざまなOSに対応したアプリを開発できます。
ひとつのコードを作成すれば、iOSとAndroid、Windowsのアプリを同時に作成できるため、開発コストの削減が期待できるでしょう。
また、オフラインアプリの開発にも強いフレームワークです。

ただし、2024年5月にサポートが終了する点には注意が必要です。
以降は、後任となるサービス「.NET MAUI」を利用することになります。

参照:Xamarin

ハイブリッドアプリ開発に関するよくある質問

最後に、ハイブリッドアプリ開発に関してよくある質問として以下の4つを紹介し、回答します。

  • ハイブリッドアプリの開発に使われるWebViewとは?
  • ハイブリッドアプリを開発する方法は?
  • ハイブリッドアプリはオフラインでも利用できる?
  • 無料で使えるハイブリッドアプリの開発環境はある?

ハイブリッドアプリ開発に関する理解を深め、目的に合ったアプリの開発に役立ててください。

ハイブリッドアプリの開発に使われるWebViewとは?

WebViewは、アプリ内にブラウザの機能を埋め込むことでWebサイトを表示する機能です。
ハイブリッドアプリを開発する際にWebViewを利用するためのコードを書き加えれば、アプリ内でもWebページを表示できます。

WebViewによるWebサイトの表示を行う場合は、アプリストアの審査が不要になる点も大きなメリットです。

ハイブリッドアプリを開発する方法は?

ハイブリッドアプリは、以下の流れで開発します。

  1. アプリの企画や設計、どのようなネイティブ機能を利用するかを決める
  2. アプリの開発に使うフレームワークを選定する
  3. アプリを制作し、アプリストアにリリースする

事前にアプリ制作の目的をはっきりさせておかなければスムーズに開発が進まず、余計なコストがかかります。
短期間で開発を進め、リリース後にユーザーの声を反映させながら改善するアジャイル型の開発も有効でしょう。

ハイブリッドアプリはオフラインでも利用できる?

ハイブリッドアプリはオフラインでも利用可能です。
Webアプリはオフラインで利用できないため、優位性があると言えるでしょう。

一般的なアプリと同様、デバイスにアプリのデータをダウンロードするため、インターネット環境がない場合でも利用できます。ただし、オフライン環境で利用できる機能には制限がある点に注意が必要です。

例えばマップアプリは、オンライン環境であれば店舗詳細を検索できたり、GPSで現在地から目的地までのナビゲーションを利用できたりします。
一方オフライン環境では、データのやり取りができないため、マップ(地図)としての機能しか利用できません。

オフライン環境では機能の制限が生じるため、要件定義の際にどのような機能をオフラインに対応させるのかを明確にしておくと良いでしょう。

無料で使えるハイブリッドアプリの開発環境はある?

本記事でも紹介したフレームワークのMonacaには、無料トライアルがあります。
また、Framework7やKendo UIといった無料のフレームワークもあるため、コストをかけずに開発したい場合は利用するとよいでしょう。

ハイブリッドアプリを利用して自社に適した開発を

ハイブリッドアプリは、Webアプリとネイティブアプリの2つの特徴を併せ持ったアプリです。
マルチプラットフォームで且つネイティブ機能も利用できるでしょう。

自社アプリの開発を考えているのであれば、ハイブリッドアプリによる開発を検討してはいかがでしょうか。
本記事で紹介したフレームワークを活用して開発するとよいでしょう。

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