海外法人設立時に活用したい補助金・助成金|選び方や申請方法も解説

最終更新日:2024.11.21
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Wakka Inc. メディア編集部
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

海外に法人を設立し、新規事業の展開や拡大を目指す企業にとって、資金調達は大きな課題のひとつです。
多額の初期投資が必要な上に失敗するリスクもあるため、思い切った決断ができないこともあるでしょう。

しかし、資金調達に補助金・助成金を活用できれば、初期投資の負担を下げられ、リスクを減らすことも可能ではないでしょうか。

そこで本記事では補助金・助成金の活用について、下記のポイントを解説します。

  • 補助金・助成金の概要
  • 補助金・助成金の選び方と申請方法
  • 海外法人設立時や海外ビジネスの発展に活用できる補助金・助成金

海外進出をお考えの方は、ぜひとも本記事を参考にしてください。

目次

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【基礎知識】補助金・助成金の概要

補助金や助成金は、新規事業の展開や事業拡大、海外進出などの活動に対して必要な資金の一部を援助するものです。
主に政府の省庁や地方自治体などの公的機関が主体となって実施しています。

基本的に返済は不要であるため、金融機関からの融資よりも有利な条件で受給できますが、受給条件として事業計画や経過報告の提出などが求められるため、戦略的に活用すべきでしょう。

補助金と助成金の違い

補助金と助成金にはいくつかの違いがあります。

  • 管轄機関の違い
  • 審査の厳しさ
  • 申請期間の長さ

それぞれ簡単に見ていきましょう。

管轄機関の違い

補助金は、主に政府や地方自治体が実施している制度で、経済産業省が管轄しています。
助成金の場合は管轄する機関によって目的が異なります。

厚生労働省が管轄する助成金は雇用の維持や人材育成が主な目的です。
一方、地方自治体や財団などが管轄する助成金は事業推進や拡大の支援を主な目的としています。

審査の厳しさ

補助金を得るためには、応募してから審査に合格しなければなりません。
それに対して助成金の方は、受給要件を満たしていれば審査を受けることなく受給できます。

申請期間の長さ

補助金は募集期間が1か月などの短期間に限定されるケースが多いのですが、助成金は申請期間が長期に設定され、いつでも申請できるものが多くなっています。

補助金・助成金を活用するメリット

補助金や助成金を上手く活用すれば、次のようなメリットが得られます。

  • 事業に必要な資金の負担が軽減される
  • 返済や利息の心配がない
  • 事業の信用力が向上する

それぞれ簡単に見ていきましょう。

事業に必要な資金の負担が軽減される

新規事業の立ち上げや海外進出の際には多額の資金が必要です。
補助金や助成金を活用できれば、初期投資にかかる資金の負担が大きく軽減され、より安定したスタートが切れるでしょう。

また、資金が提供されることで事業のリスクを軽減できるため、より積極的な戦略を展開しやすくなります。

返済や利息の心配がない

金融機関からの融資を受けるのとは異なり、補助金や助成金は基本的に返済が必要ありません。
そのため、長期にわたる返済や利息の負担について考える必要がなく、事業の推進に専念できます。

事業の信用力が向上する

公的機関からの援助を受けていると、事業の価値が認められて信用力が向上します。
なぜなら、助成金の場合は受給条件を満たすことが求められ、補助金の場合は審査を通過する必要があるためです。

つまり、補助金や助成金を受給しているなら、事業の優位性や将来性が認められたことになるため、事業の価値向上につながります。

補助金・助成金を活用する際の注意点

補助金・助成金を活用する際には注意点もいくつかあります。
主な注意点は以下のとおりです。

  • 複雑な手続きや審査が必要
  • 利用目的が制限される
  • 受給後の報告義務がある

それぞれ簡単に解説します。

手続きや審査が必要

補助金や助成金を活用するには、申請手続きのために書類の整備が必要です。
そのために多くの複雑な作業が求められ、時間と労力がかかります。

補助金の場合は募集案件に対して事業計画などを提出し、審査に合格しなければなりません。

利用目的が制限される

補助金や助成金を受給するためには、募集案件の目的に沿っている必要があります。
そのため、利用目的が制限される場合が多く、逸脱した使い方ができません。

案件を選ぶ際は、自社の利用目的が合っているかをしっかり見ておく必要があるでしょう。

受給後の報告義務がある

申請した補助金・助成金が交付されたあとも、資金の使用状況や事業の推進状況などについて報告が求められます。
報告義務を果たしていないと受給できないことがあるため、注意が必要です。

補助金・助成金の選び方

政府の省庁や地方自治体など、多くの公的機関などからさまざまな補助金や助成金制度が提供されています。
本章では、自社に適した補助金・助成金を選ぶための方法を紹介します。

補助金・助成金の探し方・選び方

補助金・助成金の情報を知るためには、便利な情報サイトがいくつかあります。
自社に合った案件が募集されていないか、定期的にチェックしておくのがおすすめです。

資金調達ナビ by弥生

会計ソフトの弥生が提供する情報サイトです。
資金調達の検索ができるほか、資金調達について学ぶ、創業計画をつくるといった、新規事業の立ち上げや海外進出の際に役立つコンテンツが提供されています。

J-Net21

参照:J-Net21

独立行政法人の中小企業基盤整備機構が運営する、中小企業経営をサポートするページです。
助成金の検索のほか、企業・創業に関するガイドや、ビジネスの課題を解決するQ&Aなど役立つコンテンツも参考になります。

ミラサポplus

中小企業庁が提供する日本政府の公式サイトで、中小企業向けの補助金・給付金に関して総合的に支援しています。

補助金・助成金を選ぶ際の注意点

情報サイトなどを参考に、さまざまな補助金・助成金から自社に適した案件を選ぶためには次の点に注意しておきましょう。

  • 目的と合っているか
  • 対象期間が合っているか
  • 申請要件を満たしているか

情報サイトなどで検索した募集要項には、申請要件が書かれています。
目的や募集期間、対象者や地域のほか、会社規模や事業形態などが記載されているため、自社に適した案件かよく確認した上で申請しましょう。

サイトによっては、申請要件を指定して検索できる場合もあるため、その場合は自社に合った要件を指定して検索するのがおすすめです。

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海外法人設立時に活用できる補助金・助成金

本章では、海外法人を設立し、海外進出を目指す際に活用できる主な補助金・助成金を紹介します。

JAPANブランド育成支援事業

JAPANブランド育成支援事業は、経済産業省の中小企業庁が実施している補助金制度です。
海外への進出や、海外展開を想定した事業展開を目的に、新商品・サービスの開発や改良、ブランディングなどの取り組みを行う場合に経費の一部が補助されます。

補助金額の上限は500万円、補助率は補助対象経費の2/3です。
ただし、採択3年目以降の事業、又は国内販路拡大部分については1/2になります。

技術協力活用型・新興国市場開拓事業

本事業は、日本企業の海外展開を促進し、開発途上国において現地人材の育成や製造拠点・販売拠点の確立などを支援する制度で、敬座産業省が委託先の事業者を公募しています。
開発途上国における民間企業などの人材育成を官民一体となって実施し、現地の産業技術水準向上や経済発展を図るのを目的としています。

公募期間として、例年1月中旬~2月中旬の約1か月が設けられています。
事業の実施期間は、契約締結から翌年3月末までの約1年です。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上補助金は、国内の雇用の多くを占める中小企業や小規模事業者が、生産性向上や持続的な賃上げに向けて取り組む下記の内容を支援します。

  • 革新的な製品・サービスの開発
  • 生産プロセスなどの省力化のための設備投資・システム構築

中小企業庁及び独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施しています。

グローバル枠として、海外への直接投資、海外市場開拓(輸出)、インバウンド対応、海外企業との共同事業などに取り組む事業への支援も実施しています。
補助金額の上限は3,000万円、補助率は中小企業が1/2、小規模事業者は2/3です。

海外ビジネスの発展に活用できる補助金・助成金

本章では、海外ビジネスの発展を目指す際に活用できる主な補助金・助成金を紹介します。

海外展開・事業再編資金

参照:海外展開・事業再編資金案内|日本政策金融公庫

海外展開・事業再編資金は、日本政策金融公庫が実施している中小企業事業です。
経済の構造的変化などに適応するために海外の地域における事業の開始、海外展開事業の再編などに取り組む中小企業者を支援し、設備資金及び長期運転資金を融資しています。

融資限度額は直接貸付が14億4千万円、代理貸付が1億2千万円で、基準利率(年率)は上限2.5%です。

中堅・中小企業向け融資

参照:中堅・中小企業向け融資|株式会社国際協力銀行(JBIC)

中堅・中小企業向け融資は国際協力銀行(JBIC)が主体となり、民間金融機関との協調融資によって実施している融資です。
新興国市場で独自に事業拡大を目指す中堅・中小企業の資金ニーズを支援するのを目的としています。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、販路の拡大や生産性の向上を目指す小規模事業者に対して、経費の一部を補助金として支援する制度です。
持続的な企業の発展を目指す小規模事業者を支援するのを目的としています。

海外進出に特化した補助金ではありませんが、対象者の条件を満たせば海外でビジネスを発展させるためにも活用できるでしょう。
補助金の対象者は、次のいずれかに該当し、さらに資本金などの要件を満たす必要があります。

  • 商業、サービス業(宿泊業、娯楽施設を除く):常用する従業員5人以下
  • 宿泊業、娯楽業:常用する従業員20人以下
  • 製造業その他:常用する従業員20人以下

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補助金・助成金の申請の流れ

補助金や助成金を受給するためにはどのような手続きが必要か。
本章では、補助金や助成金を申請する際の流れを解説します。

手続きを進める際の参考にしてください。

申請する案件を見つける

まずは、自社の目的に合った募集案件を見つけます。
政府の省庁や地方自治体のサイトに公開される公募や、情報サイトを検索してチェックしておきます。

特に、補助金は定期的に募集されるものが多いのですが、募集期間が限られているため、申請すると決めたら応募時期を逃さないようにしましょう。

必要な書類を準備する

応募する案件を決めたら必要な書類を準備します。
募集要項や申請書類の書式などは、PDF形式などでサイトに公開されていることが多いため、ダウンロードして使用しましょう。

申請に必要な書類が多く、準備がたいへんな案件もあります。
そのため、必要な申請書類の種類や量をあらかじめ確認しておき、余裕を持って準備を進めるのをおすすめします。

申請する

募集要項に記載された申請方法で申請します。
窓口での申し込みや書類の郵送が必要な場合もありますが、最近では所定の書式にしたがって電子ファイルで申請するケースが多くなっています。

また、政府機関が実施する補助金の場合、gBizIDプライムアカウントが必要なケースがあるため、あらかじめ取得しておくと良いでしょう。

事業を開始する

補助金・助成金の交付が決定したら、申請した内容で事業を開始します。
事業開始前に概算払いが可能な補助金もありますが、多くの場合はかかった費用が確定してから事後の精算となるため、事業に必要な資金は別途調達が必要です。

報告書を提出する

補助対象期間、助成期間が終了したら、事業を実施した結果をまとめて報告書を提出します。
また、補助対象の費用については、かかった費用を計算して精算払いの申請が必要です。

審査の結果、提出内容に問題がなく受理されれば、補助金が支払われます。

自社に適した補助金・助成金を見つけて海外進出に有効活用しましょう

補助金や助成金にはさまざまな案件があり、中堅企業・中小企業の海外進出や事業再構築に活用できるものもあります。
多額の資金が必要な海外法人設立などに補助金・助成金を活用できれば、初期費用や事業リスクを抑えて安定した事業展開が可能になるでしょう。

申請する補助金や助成金を選ぶ際には、

  • 自社の目的と合っているか
  • 自社が事業を実施したい期間と合っているか
  • 申請要件を満たすことができるか

などに注意して、自社の事業に適したものを見つけるのがポイントです。

ぜひ、補助金・助成金のメリットを活かして海外進出を有利に進めてください。

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