海外進出の課題とは?失敗する理由や解決策などを紹介

2024.02.18
事業拡大開発
Wakka Inc. メディア編集部
海外進出の課題とは?失敗する理由や解決策などを紹介
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

近年は、規模を問わず、海外進出に踏み切る企業が増加しています。
なかには海外進出で活路を開き、多大な成功を収めた企業も現れるようになりました。

他方で、海外進出を実現するにはさまざまな課題をクリアする必要があります。
しかし、「何から手をつけていいかわからない」「そもそもどのような課題があるかわからない」と思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では海外進出で発生する課題と失敗する理由、その解決策と成功の秘訣について解説します。

企業の海外進出を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

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海外進出の主な課題

海外進出は国外に新たな拠点を築く経営戦略です。
そのため、さまざまな課題が想定されます。

本章では海外進出の主な課題をそれぞれ解説します。

必要な資金の確保

海外進出はパートナーの確保・拠点の設立など、さまざまな取り組みを行います。
加えて、売上の低迷や為替の変動なども想定されるため、十分な資金がなければ海外進出が頓挫するでしょう。

海外進出は成功すれば企業の売上を増加させる一方、さまざまなリスクが伴う経営戦略です。
そのため、リスクに対処できる余力を持つためにも、余剰資金は確保しましょう。

他方で、中小企業のように財務基盤が不安定だと、資金の確保は簡単ではありません。
融資だけでなく、各種補助金・助成金を活用するなど、さまざまな手立てを考える必要があります。

販路や流通経路の確保

現地で事業を展開させるなら、販路や流通経路の確保も欠かせません。
海外進出は国内とは異なる市場への進出でもあるため、既存の販路や流通経路だけでは限界を迎える可能性があります。

販路や流通経路の確保は、現地の調査やパートナーとの連携で対応するものです。
ただし、慣れない環境では国内より時間やコストがかかることを想定する必要があります。

また、現地や他国の企業と競合するため、国内以上に競争が激化するリスクも無視できません。

市場の把握

現地の市場の把握は、海外進出を成功させるうえで重要な課題のひとつです。

海外の市場は、生活習慣・文化などの違いにより、国内とは違う動きを見せます。
もちろん、商品やサービスに対するニーズも異なるでしょう。

したがって、国内と同じ方法で商品やサービスを提供しても、売上が伸び悩む恐れがあります。

海外での成功を目指すなら、現地に詳しいパートナーと協力し、市場の動向を徹底的に調査しましょう。

コミュニケーションの壁

海外に進出する以上、コミュニケーションの壁はさまざまな場面で立ちはだかるでしょう。

世界的に見ても日本語が定着している国はほとんどなく、国によっては英語すら通じないケースもあります。
また中国やベルギーのように地域によって言語が異なっている国もあるでしょう。

スムーズに進出するうえでは、使用されている言語を把握し、現地でのコミュニケーションに対応できる人材の確保は欠かせません。

商習慣や法規制への理解

海外では日本と商習慣や法規制が異なる点も理解する必要があります。
当然ながら、海外は言語だけでなく文化や宗教など、さまざまな要素が日本と異なります。

何気ない言動や、日本特有のビジネスマナーなどが、タブーになっている国もあるでしょう。
もし現地の商習慣を理解しないまま交渉を行うと、商談が破談するリスクがあります。

海外進出する際は、商習慣や文化などを学ぶブリーフィングを行い、現地への理解を深めましょう。

また、海外では日本とは異なる法規制が適用されている点にも注意しなければなりません。
国によっては日本で扱える商品・サービスが提供できなかったり、予告なしで貿易に関する法規制が改正されたりする場合があります。

そのため、国際弁護士や税理士など、現地の法規制に詳しいパートナーを必ず確保しましょう。

海外進出の重要性

昨今の日本では大企業だけでなく、中小企業でも積極的に海外進出を目指す事例が増加してきました。
これは、現在の国内市場の動向が関係しています。

本章では国内企業が海外進出する背景と、海外進出の現状について解説します。

海外進出が増加している背景

企業の海外進出が増加している背景には、日本国内の少子高齢化による国内市場や内需の縮小があります。

日本は少子高齢化の影響によって労働人口が減少しており、最低賃金の上昇率の減少も手伝って消費が落ち込んでいる状況です。
現状のままだと、国内市場のみで事業を展開していても、企業の成長が低迷する恐れがあります。

他方で、海外はアジアやアフリカなど、経済成長の著しい国が増えており、人口増加によって急速に拡大している市場が登場しています。
加えて、インターネット・IT技術やインフラの発展で、以前より現地との情報のやり取りは容易になりました。

そのため、海外進出で市場を開拓し、新たなビジネスチャンスの獲得を目指す企業が増加しています。

日本企業の海外進出の現状

海外進出に乗り出す日本企業は増加傾向にあり、2021年には日本企業の海外拠点数は7万を越えました。

日本企業の進出先として最も多い地域はアジアであり、とりわけ中国には3万以上の拠点が設置されています。
また、経済発展が著しいインド・タイ・ベトナムなどでも多数の拠点が設置されるようになりました。

今後も国内市場の縮小は続くため、企業の海外進出は増加すると予測されています。
加えて経済成長を続ける新興国の登場により、進出先も多様化すると考えられるでしょう。

参照元:海外進出日系企業拠点数調査|外務省

海外進出が失敗する理由

以前より難易度は下がったものの、海外進出は必ずしも容易な戦略ではありません。
大企業でさえも海外進出に失敗し、多額の損失を発生させた例は多くあります。

本章では、企業が海外進出に失敗する理由のうち、代表的なものを解説します。

人材の確保や育成ができていない

人材の確保や育成の失敗は、海外進出を頓挫させる原因になり得ます。

海外進出は、現地の言語や商習慣・法規制の知識だけでなく、グローバルな視野でビジネスに取り組める人材が欠かせません。
また、現地の文化や風土に対する適切な理解も必要でしょう。

他方で、現地の事情に合わせるあまり、自社の理念や強みなどが損なわれる恐れもあります。
現地のルールやカルチャーへの適応は必要ですが、あまりに現地に合わせすぎると日本企業であるメリットが失われかねません。

そのため、海外進出では現地の事情に明るい人材だけでなく、自社の理念や強みを適切に伝えられる人材の確保・育成も重要です。

現地調査が不十分

日本と異なる国へ進出する以上、現地調査は十分に行わなければなりません。

進出する地域の市場の動向や、競合の情報などを的確に把握しない状態で進出しても、販路や需要などの確保ができず、売上が低迷する恐れがあります。
加えて、現地の文化や風土を理解していなければ、現地採用のスタッフとコミュニケーションがうまく取れず、業務が停滞するでしょう。

海外進出を成功させるうえでも、現地に関するデータの収集や、現地の視察は不可欠です。
ただし、単一的な視点で調査を行うと、情報に偏りが生じやすくなり、現地の情報を正確に把握できなくなります。

調査をする際は複数の調査方法を活用し、多角的な視野で分析しなければなりません。

また、調査担当者と現場責任者を同一にするか、現地調査の際に両者が必ず同行する形式を取りましょう。
両者が情報を共有する際の認識の齟齬を防止できます。

適切なパートナーがいない

現地で適切なパートナーを見つけられなかった企業は、海外進出に失敗するリスクが高まります。

海外進出では、現地の状況を把握したうえで販路を拡大したり、異なるルールで取引をしたりしなければならないため、現地での事業展開をサポートするパートナーは欠かせません。
パートナーが不在のまま、自社のみで海外進出を成功させた例は稀です。

他方で、海外進出で現地企業のようなパートナーを得たとしても、理念や戦略への理解などがないと上手く連携できません。
そのため、海外進出のパートナーには、スキルやノウハウだけでなく、自社の理念や戦略への理解があるかも確認する必要があります。

現地の意見を取り入れられていない

海外拠点で現地の人材を雇用するなら、現地の意見は適切に取り入れましょう。

海外は日本と言語だけでなく、商習慣や法規制など、さまざまな面が異なります。
成功体験を元に、日本でのやり方をそのまま実施する企業もありますが、海外でのビジネスやマネージメントでは通用しない可能性があります。

そのため、現地の人材の意見やアドバイスを積極的に取り入れ、現地のやり方に柔軟に対応しなければなりません。

環境の変動

海外でのビジネスは、政治的・地政学的な要因で環境が変動するリスクを考慮しなければなりません。

海外では独自のカントリーリスクを有している国もあり、進出する際は発生するリスクを把握し、対策を講じる必要があります。
とりわけ政治情勢は事業の継続に直接影響するリスクがあるため、入念に確認しましょう。

また、日本と気候帯が違う国では、自然災害によるリスクも無視できないものです。
現地のパートナーと協力しながら、販路や流通経路の保全を含めた事業計画を立案しましょう。

海外進出の課題と解決策

海外進出にはさまざまな課題が生じるため、適切な解決策を練る必要があります。
そもそも日本と異なる国に進出する以上、海外で国内と同じやり方が通用するとは限りません。

海外進出の課題は現地の拠点との連携や、現地に対する適切な把握が不可欠です。
それぞれの解決策のポイントについて、順番に解説します。

文化や価値観の違いを踏まえたマネージメント

現地でスタッフを雇用する際は、文化や価値観の違いを踏まえたマネージメントを実践しましょう。

海外には言語だけでなく、日本と異なる生活習慣・宗教・歴史的な背景などがあるものです。
日本ならではのやり方を押し通すような、現地の文化や価値観を無視したマネージメントは、拠点内に軋轢を生む恐れがあります。

そのため、海外進出の際は、自社の理念や強みは守りつつ、現地にローカライズしたマネージメントを心がけましょう。

適切なローカライズを実践できれば、現地の文化や価値観を理解し、適切にビジネスに取り入れられる人材を育成するきっかけになります。
また、現地の文化や価値観を理解する企業だとわかれば、現地の採用も集まりやすくなり、事業展開に役立つ人材の確保も実現できるでしょう。

現地に合わせたマーケティング

海外の市場やニーズを見据えた、現地に合わせたマーケティングも有効な解決策です。

そもそも日本と異なる地域では、自社の商品やサービスをそのまま提供しても成功するとは限りません。
現地の文化や価値観を理解し、現地に合わせてマーケティングすることで、商品やサービスが受け入れられる可能性は高まります。

例えば現地の習慣に合わせて、商品やサービスの機能をローカライズしたり、宣伝に現地の人気タレントを起用するなどの方法は、現地の受容を促進する手立てになります。

他方で、現地に合わせたマーケティングは、十分な調査があってこそ成立するものです。
資料やデータのリサーチに加え、現地の状況をつぶさに視察し、住民とコミュニケーションを取るなど、入念な調査を実践すれば、よりマーケティングの確度を高められます。

現地のパートナーとの信頼関係の構築

海外進出をサポートする現地のパートナーとは、必ず信頼関係を構築しましょう。

現地の企業をパートナーとする場合、商習慣や経営方針などの違いで齟齬が生まれるリスクはあります。
しかし、事業展開に必要なノウハウや、自社にないスキルを提供してもらううえでも、現地のパートナーとの緊密な関係は欠かせません。

現地のパートナーを選択する際は、ただ自社の経営方針を押し付けるのではなく、互いに価値観をすり合わせていけば、緊密な協力関係を構築できます。

海外進出の成功の秘訣

課題に対する適切な解決策を講じるだけでなく、いくつかの秘訣を押さえておけば、海外進出を成功させやすくなります。
課題への対処と合わせて実施すれば、海外進出が成功する確率を引き上げられるでしょう。

それぞれの秘訣について、順番に解説します。

補助金や支援機関の活用

昨今は企業の海外進出をサポートする補助金や支援機関が多く、活用すれば資金の確保や、進出に必要なノウハウの取得などが可能です。

とりわけ中小企業であれば、中小企業庁・JETROなど、さまざまな支援機関のサポートを受けられます。
さらに、サポートには補助金の提供だけでなく、現地のパートナーとなるサポート企業の紹介や販路開拓の支援などが含まれています。

ただし、補助金や支援機関のサポートを受けるには、設定された要件をクリアしたり、審査を受けたりしなければならない場合があるため、申請前に必ず確認しましょう。

現地の商習慣やマナーの学習

あらかじめ商習慣やマナーなど、現地でビジネスするうえで欠かせない知識の習得は重要です。
海外でビジネスをするうえで、商習慣やマナーを身につけていなければ、商談が破談するだけでなく、不必要なトラブルを招くリスクがあります。

商習慣やマナーなどを学ぶ際は、現地のパートナーや海外進出の支援機関の協力を得ましょう。
専門家から知識を得たり、実際のコミュニケーションを通じて学べば、より深く相手の文化や価値観を理解できます。

社会貢献活動やイベントへの参加

現地の社会貢献活動やイベントへの参加は、海外で事業展開するうえで有効な取り組みです。

社会貢献活動やイベントに参加すれば、現地の人々との交流を通じてネットワークを形成するきっかけになるだけでなく、情報収集・企業のブランディングにもつながります。
また、現地での知名度が上がれば、それだけマーケティングもしやすくなるでしょう。

撤退時のプランの作成

海外進出をする際は、万が一に備えて撤退時のプランも作成しましょう。

そもそも海外進出はリスクのある経営戦略であり、失敗すれば企業は多大な損失を被ります。
しかし、撤退すべきときに撤退ができないと、損害を抑えられず、国内の本社が影響を受けるリスクすら生じるでしょう。

また、進出当初はうまくいっていても、政治情勢の変化や自然災害などの不確定要素で突然撤退を強いられる状況もあり得ます。
そのため、万が一撤退せざるを得ない状況に備えて、撤退する際のプランの構築は必要です。

特に「撤退を判断する基準」「撤退する際の手順」などを決定しておけば、海外進出に失敗しても損害を最小限に抑制できます。

課題をクリアして海外進出を成功させよう

昨今の日本は国内市場の縮小に伴い、規模を問わず、海外進出を目指す企業が増加しました。

しかし、海外進出は必要資金の確保や、現地のパートナーとの連携など、解決すべき課題が多くあります。
また、言語だけでなく、現地の商習慣や法規制などへの理解も不可欠です。

海外進出を成功させるなら、現地の調査を十分に行ったり、現地に合わせたマーケティングをしたりするなど、適切な解決策を実施しましょう。
また、補助金・支援機関の活用や、現地での社会貢献活動やイベントへの参加なども有効な取り組みです。

課題こそ多くあるものの、海外進出の成功は企業のより成長するきっかけになります。
ぜひ海外進出の課題をクリアする際は、本記事を参考にしてください。

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ITベンチャー企業を中心にベトナム進出支援を手掛けてきました。エンジニアの採用支援から法人設立・運営サポートまで一気通貫で対応可能です。まずはサービス資料からという方はこちらから。

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