ChatGPTとRPAの違いや関係性、連携方法を徹底解説

2023.11.06
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
ChatGPTとRPAの違いや関係性、連携方法を徹底解説
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

昨今、業務の自動化や効率化に役立つツールとして、ChatGPTに注目が集まっています。
「ChatGPTとRPAについて詳しく知りたい」「ChatGPTとRPAの連携で業務を効率化したい」と考えている担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ChatGPTとRPAに関して以下の内容を解説します。

  • ChatGPTとRPAのメリット・デメリット
  • ChatGPTとRPAの活用事例
  • ChatGPTとRPAの連携方法

また、RPAと連携できるツールやおすすめのRPAツールも紹介します。
ChatGPTとRPAに興味があり活用を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

目次

ChatGPTとは

ChatGPT(チャットGPT)とは、Chat Generative Pre-trained Transformerの略で、AIの技術を使ったチャットサービスです。
アメリカでAIの開発を行う企業OpenAIにより、2022年11月からサービスが公開されています。
回答の精度が非常に高く、自然な対話ができると話題になっているサービスです。

ChatGPTをビジネスで活用する上でのメリットと課題をそれぞれ解説します。

ChatGPTのメリット

ChatGPTはこれまでのチャットサービスと比較して、より自然で滑らかな文章を作成できるツールです。
そのため、メールや企画書の作成など多くのビジネスシーンにおいて自動で文章を作成し、業務を効率化できるでしょう。
生産性が向上し、コストの削減にもつながる点が大きなメリットです。

また、ChatGPTはインターネット上の膨大なデータを学習しているAIでもあります。
専門知識やビジネスアイデアに関する質問の回答も得られるため、情報収集の手段としても利用可能です。

ChatGPTの課題

ChatGPTの課題として、以下の3つが挙げられます。

  • ChatGPTが回答した情報が正確とは限らない
  • 正しい文章を完璧に作成できるわけではない
  • 情報漏えいのリスクが存在する

精度が高いとはいえ、ChatGPTが回答した情報や作成した文章がすべて正しいとは限りません。
時事的な内容に関しても最新の情報を提供してくれるとは限らないため、注意が必要です。

また、ChatGPTにはユーザーが入力したデータを学習する特徴があります。
個人情報や機密情報を入力すると第三者への回答に使用される恐れがあるといった点もデメリットと言えるでしょう。

ChatGPTの活用事例|自動化できる業務

ChatGPTはさまざまな場面で活用できるツールです。
本記事では、特にビジネスにおける活用事例を4つ紹介します。

  • マニュアルの作成
  • メールの作成
  • 自動応答サービス
  • SEO記事の作成

ChatGPTの基本的な使用方法がわかればすぐに活用できるため、ぜひ参考にしてみてください。

マニュアルの作成

業務ごとにマニュアルを用意すれば作業効率が上がりますが、作成に手間がかかる点が課題です。
ChatGPTを活用すれば、マニュアルの構成や更新の手間が省けるでしょう。
業務に関するマニュアルを作成したいと指示し、以下の内容を箇条書きにすると自動でマニュアルが作成できます。

  • マニュアル作成の条件
  • 業務の目的
  • 作業の手順
  • 注意点

また、Orange Moon株式会社ではマニュアル自動作成ツール「ManualForce」を提供しています。
ChatGPTのAPIを搭載しており、パソコンによる作業を画面録画すればChatGPTが台本や説明として自動でマニュアル化できるサービスです。

メールの作成

ChatGPTは、メール文章の作成も自動化が可能です。
例えば、「プロジェクトに関する打ち合わせの時間が来週、〇月〇日の〇時からに決定したことを担当者の〇〇さんに伝えるメール文章を作成してください」などと指示します。
細かな修正を加えれば、すぐにメール文章を作成できるでしょう。
いくつかの要件を伝える場合、箇条書きでまとめる作業もChatGPTの得意分野です。

自動応答サービス

電話やチャットによる問い合わせへの対応にも、ChatGPTを活用できます。
自動応答サービスとして業務を自動化できれば、人件費の削減も期待できるでしょう。
マニュアルに基づいた対応が行えるため、人的なミスを防いでトラブルやクレームも減らせます。

株式会社IVRyが提供しているコールセンターシステムの「IvRy(アイブリー)」など、ChatGPTを利用したツールの導入も有効でしょう。

SEO記事の作成

ChatGPTは、SEO記事の見出しや本文の作成にも活用できます。
SEO記事は、検索キーワードや関連キーワードに関する情報を網羅して多くの人に読まれることが重要なポイントです。
以下のような作業をChatGPTに任せることで効率化できるでしょう。

  • キーワードや関連情報のリサーチ
  • ペルソナの設定
  • 見出しや構成の作成
  • 独自性のある記事の本文案作成

RPAとは

RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティックプロセスオートメーション)の略で、業務を自動化するソフトウェアです。
データの入力やチェック作業などパソコン上で行う作業の手順を記録し、自動的に実行します。
業務の効率化に役立つツールとして注目されているのがRPAです。
仮想知的労働者を意味するデジタルレイバーとも呼ばれています。

RPAをビジネスで活用する上でのメリットと課題をそれぞれ解説します。

RPAのメリット

RPAは、さまざまな作業を自動化するツールです。
特に単純な作業を行う手間が省けるため、業務を効率化できる点が大きなメリットと言えるでしょう。

人の手で行う作業と比較して、ミスを減らしたり正確性を増したりする効果も期待できます。
単純作業はストレスの多い業務のため、業務の負担を軽減できるでしょう。
また、人件費の削減にもつながります。
作業を24時間止めずに行えるため、生産性を向上させつつ従業員を別の作業に充てることが可能です。
RPAは小規模な現場や細かな作業ごとにでも活用できるため、柔軟に導入して業務を自動化させられます。

RPAの課題

RPAの課題として、以下の4つが挙げられます。

  • 導入にはコストがかかる
  • システム障害やバグなどにより作業が停止するリスクがある
  • 情報漏えいのリスクが存在する
  • 作業の誤りに気付かない可能性がある

ChatGPTは無料でも利用できますが、RPAには導入や利用にコストがかかります。
作業の自動化によるコストメリットと比較して導入する必要があるでしょう。

また、システムに作業を任せることでエラーや情報漏えいのリスクが存在する点もデメリットと言えます。
自動化した作業も定期的にチェックやメンテナンスを行う必要があるでしょう。

RPAの活用事例|自動化できる業務

RPAもChatGPTのようにさまざまな場面で活用できるツールです。
本記事では、特にビジネスにおけるRPAの活用事例を3つ紹介します。

  • 会計データの集計や処理
  • 勤怠管理データの集計や処理
  • 受注・発注業務

RPAの基本的な使用方法を理解し、有効に活用しましょう。

会計データの集計や処理

経理部門における入金や支払などの処理は、RPAを活用しやすい業務です。
以下のような業務は定期的に繰り返すことが多いため、RPAの活用による自動化が有効と言えるでしょう。

  • インターネットバンキングにログインする
  • 口座の入出金データを確認する
  • 各部門の売上や経費を計上する
  • 入出金データを会計ソフトに入力する
  • 交通費の申請を処理する

Excelや会計ソフトで会計データを集計している場合も、RPAを活用すれば自動で処理できます。
交通費の申請処理に関しても、最短ルートの確認やデータの入力、清算業務を自動化できるため、業務を大幅に効率化できるでしょう。

勤怠管理データの集計や処理

人事部門が行う勤怠管理や給与の計算などもRPAにより自動化しやすい業務です。
具体的には、各社員が入力した勤怠情報を集計し、残業時間や有給休暇の日数、社員ごとの給与を計算するといった活用が可能です。

また、残業時間が多い場合や休暇の取得が足りない場合に検知し、社員や管理者に通知を送ることも可能です。
人事部門ではほかにも、人事考課の集計や異動があった際の人事データの照合、採用面接における結果の集計などにも活用できます。

受注・発注業務

営業における受注や発注に関する事務手続きもRPAにより自動化しやすい業務です。
見積書や請求書、納品書、契約書などさまざまな書類を作成する必要があるため、業務を効率化してより営業活動に時間をかけられるでしょう。

例えば、以下のような流れを自動化できます。

  • 取引会社から注文書が送られてくる
  • 注文書の内容に基づき受注システムに入力し、請求書を作成する
  • 取引会社に請求書を送付する

また、商品在庫や納期の確認や管理もRPAに任せられるでしょう。

ChatGPTとRPAは相互に補完する関係にあるツール

ChatGPTとRPAは、組み合わせて使うことで自動化できる業務の範囲がより広がります。
それは、互いが補完関係にあるツールであるからです。

それぞれ役割が異なるため、仕組みを理解した上で活用することが重要です。
ChatGPTとRPAの違いや連携方法を解説します。

ChatGPTとRPAの違い

ChatGPTは指示や問いに対してAIや言語処理の技術により文章を生成するツールであり、RPAはパソコン上で行う操作などを自動化するツールです。
テキストの出力を自動化するのがChatGPT、手順の決まったパソコン操作を自動化するのがRPAといった違いがあります。

また、基本的にChatGPTは自由に利用できるサービスであるのに対し、RPAはツールを導入して作業手順を登録する必要があるサービスです。
ただし、有料のRPAはベンダーによるサポートを受けられるといったメリットがあります。

ChatGPTとRPAの連携方法

ChatGPTとRPAを連携させることで、より業務の自動化を進められます。
具体的な活用方法として、以下のような使い方が考えられるでしょう。

  • RPAで自動化する作業の手順やロジックをChatGPTに質問して作成する
  • RPAで自動化している作業の内、カテゴリーの分類や要約など非定形の処理をChatGPTが対応する
  • 問い合わせ対応の回答案にChatGPTを活用して効率化し、その後に発生するルーティンワークをRPAが行う
  • 売上や経費のデータをRPAがまとめ、ChatGPTにより分析して改善方法を提案させる

ツールを活用する際は社外秘の情報を扱うことも多いため、セキュリティ対策を講じた上で最終チェックを人の手で行うことが重要です。

RPAと連携できるChatGPT以外のツール

RPAはパソコン上での操作を自動化できるツールです。
ChatGPT以外にもさまざまなツールと連携して自動で操作できるため、より幅広い業務を効率化できるでしょう。
一方、連携システムにトラブルが発生した場合に業務が止まるといったデメリットも存在します。
重要な業務が止まるリスクが存在するため、復旧の準備や対処法を決めた上でツールを活用するようにしましょう。

本記事では、RPAと連携できるシステム・ツールの一例として以下の3つを紹介します。

  • チャットボット
  • ERP
  • OCR

それぞれどのようなツールなのでしょうか。

チャットボット

チャットボットとは、顧客からの問い合わせに対してチャット形式で自動返信するシステムのことです。
事前に想定される質問とその回答を用意するシナリオ型と、ある程度の内容を学習させたAI処理技術を使って回答するAI型に分けられます。

チャットボットとRPAを連携させれば、質問に対して回答するとともに自動で作業を進めることが可能です。
例えば、チャットボットに入力された内容を基に顧客の登録情報や商品の配送状況などをデータから抜き出し、顧客にメールを送るといった使い方ができるでしょう。
また金融機関では、チャットボットに入力された情報から本人確認を行う手続きを行うことも可能です。

ERP

ERPとは、Enterprise Resource Planningの略で、統合基幹業務システムとも呼ばれるものです。
企業における会計や人事、生産、物流などの情報を一元管理できます。

ERPは企業の基幹業務を一元管理するため、情報量が多くなり処理に時間がかかるといった課題がありました。
そこでRPAを連携して活用すれば、膨大な量のデータ処理も自動化して管理できるでしょう。

OCR

OCRとは、Optical Character Recognitionの略で、手書きや画像のデータから文章を抽出してデジタル化できるツールです。
精度の高いOCRであれば、あらゆる文字情報をテキストデータに落とし込めます。

OCRとRPAの連携により、手書きの文章を読み取って社内システムに入力する作業を自動化できます。
ペーパーレス化の作業や帳票の入力作業など、多くの業務を効率化できるでしょう。

ChatGPTや他のツールと連携できるおすすめのRPA3選

RPAツールにはさまざまな種類がありますが、中でも他のツールと連携しやすいものを3つ紹介します。

  • AUTORO
  • Blue Prism
  • NICE Robotic Process Automation

今後ツールの導入を検討している企業の担当者は、ぜひ参考にしてみてください。

AUTORO

AUTOROは、オートロ株式会社が提供しているRPAツールです。
クラウド型のサービスであり、ソフトウェアをインストールする必要がなくブラウザからすぐに利用できます。
テレワークにも活用しやすいツールと言えるでしょう。

外部システムとの連携もスムーズで、反射チェックや採用スカウト、広告レポートなど幅広い業務を自動化できます。
導入前セミナーを開催しているため、初めてツールを導入する企業でも安心して利用できるでしょう。

参照:AUTORO

Blue Prism

Blue Prismは、Blue Prism株式会社が提供しているRPAツールです。
業務の自動化と管理をひとつのプラットフォームで行えるため、組織全体の業務を統率しやすいでしょう。

さまざまな外部ツールとも連携し、金融サービスや保険業、ヘルスケア、製造業など幅広い業務に活用できます。

参照:Blue Prism

NICE Robotic Process Automation

NICE Robotic Process Automationは、ログイット株式会社が提供しているRPAツールです。
コンタクトセンター向けに特化しており、オペレーターを支援するアテンド型ロボットと全自動型ロボットの2種類を用意しています。

アテンド型ロボットにはコールアウト機能が搭載されており、オペレーションのミスを防止する役割を果たします。
コールセンターにおける多くの事務作業も自動化できるでしょう。

参照:NICE Robotic Process Automation

ChatGPTとRPAを連携して業務の効率化に役立てよう

基本的にChatGPTは指示や問いに対して自動で文章を生成するツールであり、RPAはパソコン上で行う操作を自動化するツールです。
それぞれ役割が異なるため、連携して活用すればより幅広い業務を自動化できるでしょう。

本記事を参考にして、自社の業務に適した活用方法を見つけてください。

ChatGPTを活用したソフトウェアの開発や事業開発について興味ある方は、ぜひWakka.incにご相談ください。ご希望に合わせた最適なソリューションをご提案します。

この記事を書いた人
Wakka Inc. メディア編集部