いま注目されるベトナムのスタートアップ企業5選

2021.11.21
ベトナム情報
中垣圭嗣
いま注目されるベトナムのスタートアップ企業5選
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みなさんこんにちは。Wakka Inc.ベトナムラボマネージャーの中垣です。

いまベトナムは世界のトップ企業の投資先として注目されていて、米国のApple社がデータセンター設立で10億ドルの投資を表明したり、Apple社のサプライヤーとして有名なFoxconnが複数の工場を建設したり、大きな転換点を迎えています。

実はベトナムの人口は9,734万人でアジアの中では日本・フィリピンに次ぐ7番目に人口の多い国となっており、さらにあまり知られていませんが、科学・技術・工学・数学の理数系人材育成に熱心な国家なので魅力的な市場として海外企業の投資先に選ばれるケースが多いようです。

加えて最近ではベトナムのテック系ユニコーンのVNG社が米国で上場を検討したり、ベトナムから世界に羽ばたこうとするベンチャー企業も出始めています。

今回は、ベトナムの注目スタートアップ企業についてご紹介したいと思います。

Wakka Inc.では、ベトナムでの法人設立の支援をしています。
ベトナム法人設立における基本STEPや人材採用の基本手法について知りたい方は「ベトナム法人設立マニュアル」をご覧ください。

目次

ベトナム版LINEの『VNG』

VNG_company

引用元:VNG Corporation

VNGはメッセンジャー・無料通話アプリ『Zalo』を軸として、決済サービス『Zalo Pay』や音楽・映画配信、ゲームなどを提供する会社で月間5,200万アクティブユーザーを抱えるベトナム大手スタートアップのうちの一つです。

現在ではコンシューマー向けのサービスだけではなく、EC事業者用のプラットフォームや事業者向けのクラウドサービスまで幅広く手掛けています。

まさにLINEのようにコミュニケーションアプリでネットワーク外部性を活かしてユーザー獲得しつつ、決済やEC・音楽など周辺領域を抑えにいく非常に強いビジネスモデルです。

ちなみにZaloはVNG社のサービスブランド『Zing』とベトナム語の『Alo(もしもし、という意味)』の造語と言われています。

ベトナム版Amazonの『Tiki』

tiki

引用元: Tiki.vn

『Tiki』は元々2010年に英語の書籍を販売するサイトとしてスタートした企業です。

現在では月間サイト来訪者数3500万人超のベトナム大手ECサイトの一つとなっており、日用品からバイクまで送料無料で購入できて、配送も数日で届くという便利なサービスを提供しています。

最近では米国の大手保険会社AIA社からの出資を受けて家電の設置を請け負う『Tiki pro』や生鮮品を宅配する『TikiNgon』などのサービスも展開しています。次のベトナムのユニコーン企業とも言われています。
ちなみに「Tiki」はベトナム語の「Tìm kiếm(検索する)」と「tiết kiệm(節約する)」の造語だそうです。

ベトナム版PayPayの『M_Services』

momo

引用元:MoMo<

2013年にベトナムでのモバイルウォレット企業として設立されたM_Services社はベトナム最大級の決済サービスMoMoを提供しています。ベトナムでは現金決済がまだメジャーな手法ですが、それにもかかわらずMoMoはMAU2,600万いると言われています。

ベトナムのコーヒーチェーン最大手のハイランズコーヒーでの決済やホーチミンの大手スーパーの決済などでも使えるので、ベトナムに駐在される方は便利に使えるサービスです。さらにMoMoは複数のサービスをバンドルするスーパーアプリになることを目指しており、送金機能やローン、保険、航空券などの各種チケットサービスなどの開発も進めていると言われています。なお、MoMoの名前の由来はモバイルマネーの略です。

ベトナム版Uberの『Be Group』

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引用元:Be Group

ベトナムといえば言わずと知れたバイク大国です。国内のバイク保有台数は6,200万台で全世帯の9割がバイクを所有しており、ベトナム人サラリーマンの8割がバイクで通勤していると言われています。

そのようなベトナムを歩いていると、よく黄色と濃紺のストライプの制服を着たライダーが走っているのを目にすると思います。これはBe Groupの配車アプリサービスに登録しているライダーです。BeGroupは2018年に創業された企業でバイクの配車アプリ『beBike』と自動車の配車アプリ『beCar』を展開しており、累計900万ダウンロードされ市場シェアの16%を獲得しています。

ただ、他の国でもいえることですが配車アプリは既存のタクシー会社から反発されやすい傾向にありますので、Be GroupはUberのような個人事業主を束ねる配車サービスではなく、既存事業者とのパートナーシップを通じてMaaSサービスプロバイダーになることを目指していると言われています。

ベトナム版メルカリの『Cho Tot』

引用元: Cho Tot

2012年に創業されたCho TotはメルカリのようなC2Cプラットフォームで、MAUが1,000万いると言われています。

そして驚くべきことに、C2C売買のプラットフォームですが、他との違いは『現金決済の場合、販売手数料無料』で『直接売り手に電話連絡できる』仕組みとなっており、さらに中古品だけではなく、新品のスマホや生鮮品、求人、不動産まで幅広く取引されたりしていることが挙げられます。

また、近くに住む人の直接取引の場合、電話で直接確認した後に、商品を持っていってその場で現金の授受をして取引完了ということも可能だったりします。

なお、ビジネスモデルとしては売り手の商品の広告費用や販売サポートで稼ぐモデルとなっていて、例えばプラットフォーム内でのバナー広告や現金取引以外のSMSキャリア決済、カード決済などで収益を上げています。

ちなみに、サービス利用の際はベトナム語でやり取りする必要がありますが、現地で安く不動産を借りたい時にはCho Totの不動産カテゴリで探してみると掘り出し物物件が多くあったりしますので長期滞在予定の方はチェックすると良いでしょう。

なお、Cho Totはベトナム語で『良い市場』という意味です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。日本に住んでいるとあまりベトナムのニュースが伝わってくることはほとんどないと思います。

ただ、ベトナムは人口1億人近くで平均年齢が32歳と人口ボーナス期を迎えており、さらに国を上げてIT人材の育成・起業の支援をしているため、どんどん新しいサービスが生まれてきていて海外のVC・CVCなども積極的に投資したりしています。

オフショア開発やラボ型開発拠点を設けることで、ベトナムの有力ベンチャーで経験した優秀な人材の獲得や、伸びゆくベトナム市場参入の足掛かりにするというのも次の会社の成長につながる施策になると思います。

Wakka Inc.では10年以上のベトナムオフショア開発・ラボ型開発・現地子会社設立のサポートをしている会社ですので、もし興味がありましたら気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。