製造業における受発注システムとは?導入メリットや選び方も解説!

最終更新日:2025.05.20
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
製造業における受発注システムとは?導入メリットや選び方も解説!
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

少子高齢化による人材不足の解消や業務効率の改善を目的に、近年さまざまな業界でDX推進が注目されています。製造業においてもDX推進の一環として受発注システムの導入が進んでいます。

なかには、
「受発注システムの導入メリットを知りたい」
「自社に適した受発注システムの選び方を知りたい」

こういった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では製造業における受発注システムの導入メリット・デメリット、失敗しない選び方を解説します。受発注システムを導入して自社の課題を解決したり、売上の向上を目指したりしたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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目次

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製造業の受発注システムとは

受発注システムとは、従来メールや紙媒体などアナログで行っていた受発注業務をデジタルに置き換え、効率的に管理できるツールです。
あらゆる業界で活用されており、製造業に特化した受発注システムも存在します。

受発注システムにはさまざまな機能が搭載されており、ヒューマンエラーの防止や生産性の向上に効果的です。

使用する際には、取引先にシステムの導入を求めたり、対応の同意を得たりする必要があるため、双方のメリットを丁寧に説明しなければいけません。
また、システム導入を効果的に行うためには、自社の課題を明確にして適したシステム選びが必要です。

受発注システムが搭載する主な機能

受発注システムの搭載機能は、製品によっても大きく異なります。ここでは、多くの製品が搭載する基本的な機能を表にまとめました。

機能名称機能内容
在庫管理機能商品の在庫数や入出庫情報をデータで管理できる
受注管理機能顧客から受注した注文を一元管理できる
出荷管理機能商品の出荷処理を行い、適したタイミングで出荷指示書を発行できる
発注管理機能発注処理や発注履歴、納期の確認ができる
請求書管理機能納品書から正確に請求書を作成でき、履歴も確認できる
発注書管理機能発注データをもとに発注書や伝票を作成できる
データ出力機能受発注に関わるデータをPDFなどのフォーマットで出力できる
メール機能商品を受注した際には、自動で確認メールやお礼のメールを送信できる
システム連携機能在庫管理システムや、販売システムなど使用している他システムと連携できる

自社の課題や効率化したい業務工程から求める機能を精査して、導入する受発注システムを慎重に選びましょう。

製造業が抱える受発注管理の課題

エクセルや紙を使った受発注業務は、さまざまな課題に直面しています。代表的な課題は、以下の3つが挙げられます。

  • 業務工数が多くなる
  • 注文時間が限られ機会損失が生じる
  • 業務が属人化する

多くの製造業が抱える代表的な課題を確認して、システムを導入する際の参考にしてください。

業務工数が多くなる

エクセルや紙で受発注業務を行う場合、必要な業務工数が多くなります。業務工程が細分化されると、結果的に従業員の負担が増えるでしょう。

電話やFAXで注文を受け付けてシステムへ手入力をしたり、見間違いや転記ミスをした際の確認作業が生じたりするなど、ムダな業務が生じます。
業務工数が増えることでヒューマンエラーのリスクも高まるため、注意しなければいけません。

注文時間が限られ機会損失が生じる

注文時間が限られて機会損失が生じるのも、エクセルや紙で受発注業務を行う際に直面する課題です。基本的に注文を受け付ける場合、従業員のいない時間帯は対応ができません。

従来の方法では従業員が営業時間内に電話やFAXで対応するため、そのほかのタイミングで注文したい顧客を取りこぼしてしまいます。本来獲得できたはずの契約を取りこぼさないためには、システムを活用し、いつでも受注できる体制を構築することが大切です。

業務が属人化する

エクセルや紙を使った管理では、業務が属人化するリスクが高まります。

例えば、業務の進め方や進捗状況がうまく共有されず、特定の従業員しか状況を把握していないケースは多く企業で見受けられます。
各工程を担当する従業員が急きょ休みになった場合に作業を進められなかったり、転勤や退職の際に引き継ぎが円滑に行われなかったりする恐れもあります。

引き継ぎ作業に時間が掛かる場合は、業務に遅れが生じる可能性もあるため注意しましょう。属人化を防ぐため、受発注業務をシステム化してマニュアルを整備すべきです。

製造業で受発注システムを導入する6つのメリット

製造業において受発注システムを導入すれば、以下のメリットを得られます。

  • 1.業務を効率化できる
  • 2.あらゆる発注への対応力が向上する
  • 3.適正在庫を保てる
  • 4.ヒューマンエラー・トラブルを防げる
  • 5.営業時間外の対応により機会損失を防止できる
  • 6.ペーパーレス化の推進になる

導入する際の参考になさってください。

1.業務を効率化できる

受発注システムを導入すれば、多くの作業工程で業務効率化が実現します。なぜなら、手作業で行なっていた業務をシステムの活用で自動化でき、従業員の負担軽減に直結するためです。

受発注業務に注いでいたリソースを、営業や製品開発などのコア業務に投入できるのもメリットのひとつです。

2.あらゆる発注への対応力が向上

受発注システムは、さまざまな発注ニーズに応えられる機能が搭載されています。
例えば、即日注文やロット単位の割引設定などです。

顧客の要望に対し、柔軟に対応できるため信頼関係を築きやすいでしょう。あらゆる発注に対応できる点を強みにして、新規の取引先へのアピールポイントにも使えます。

3.適正在庫を保てる

受発注システムの活用は、適正在庫の維持にもつながります。
受発注システムなら仕入れや出荷の際も正確に記録できるため、在庫状況をリアルタイムで管理できます。

在庫状況をリアルタイムで管理できるため、余剰在庫を抱えたり、欠品が起きたりする心配もありません。複数店舗やネット販売などオムニチャネル戦略を展開する場合でも、在庫を一元管理できると対応がスムーズです。

4.ヒューマンエラー・トラブルを防げる

受発注業務においてヒューマンエラーやトラブルはつきものですが、システムの導入によってこれらの発生を防止できます。
システムによる業務の自動化で手作業のミスをなくせたり、取引先に正確な情報を伝えられたりするためトラブルを未然に防げます。

納品の遅れや金額の不一致が起きた際には顧客の信頼を損なう恐れもあるため、システムの導入でミスを防ぐ仕組みを構築しましょう。

5.営業時間外の対応により機会損失を防止

受発注システムなら夜間・休日を問わず対応できるため、機会損失を防げます。
従来の対応方法では休日や夜間帯に注文したいニーズを満たせず、購入を断念する顧客も一定数存在しました。

オンライン注文なら顧客も好きなタイミングで手軽に行えるため、購入するハードルも下がります。受発注システムの導入では業務効率化に加えて、機会損失を防げるのも大きなメリットです。

6.ペーパーレス化の推進

受発注システムの導入でペーパーレス化を推進できます。これまで紙媒体でやり取りしていた書類をデータ化できるため、紙やインクの消費量を抑えられます

また、従来の方法では印刷紙やインク代が掛かるだけでなく、保管場所も確保しなければいけませんでした。ペーパーレス化を推進できれば、コスト削減に加えてスペースの確保も実現できます。

製造業で受発注システムを導入するデメリット

システムの活用によって受発注業務にさまざまな恩恵をもたらしますが、デメリットも少なからず存在します。あらかじめデメリットを理解しておけば、導入後の失敗を回避できるでしょう。

具体的なデメリットは次のとおりです。

  • 導入コストが掛かる
  • システム操作に慣れる必要がある
  • 取引先の同意が必要になる

順番に解説します。

導入コストが掛かる

受発注システムの導入には当然ながらコストが掛かります。
初期費用だけでなく、現在ではクラウド型で月額コストが掛かるタイプも多く存在します。

導入するシステムによってコストに大きな差があるため、自社の課題をもとに費用対効果の適切なシステムを選ぶことが大切です。

受発注システムによっては初期費用が不要なタイプや、低コストで抑えられるサービスも展開されています。自社に必要な機能が把握できていればスムーズなシステム選びもできるため、自社課題の明確化は最優先事項です。

システム操作に慣れる必要がある

つい見落としがちですが、システム導入後の定着作業には多くの時間と労力がかかります
なかでも、システムの導入経験が少ない場合は、運用フローの策定や研修などに多くの時間を要します。

ただ、その間も受発注業務は発生するため、業務が停滞しないようあらかじめ準備しておくことが大切です。なお、システムの提供会社によっては、導入支援サービスを受けられる場合もあります。

定着作業に不安を抱えている場合は、導入支援サービスが受けられる提供会社を選ぶと安心です

取引先の同意が必要になる

受発注システムを導入するデメリットには、取引先の同意が必要になる点も挙げられます。
受発注システムを活用する際に、取引先へシステムの導入や業務フローの変更を依頼しなければいけないケースが多いです。

取引先の理解を得るため双方のメリットを丁寧に伝えて、ルールや業務フローをわかりやすく提示しましょう。具体的なメリットや使いやすいシステムの提案によって、円滑に同意を得られる可能性が向上します。

製造業における受発注システムの選び方

受発注システムは搭載する機能や料金体系の他に比較ポイントが多く、さまざまなタイプが展開されています。
受発注システムを選ぶ際には、次の項目を意識しましょう。

  • 1.対応する業務範囲で選ぶ
  • 2.特化型か汎用型で選ぶ
  • 3.自社に適した提供形態で選ぶ
  • 4.サポート体制の充実さで選ぶ
  • 5.操作のしやすさで選ぶ

取引先も巻き込んで依頼することを忘れず、慎重に選びましょう。

1.対応する業務範囲で選ぶ

受発注システムを選ぶ際は、対応する業務範囲を意識することが大切です。なぜなら、システムによって内包する業務範囲が大きく異なるためです。

例えば、受発注業務と生産工程を連携されるのであれば、個別にシステムを導入するのではなく、両業務を内包した生産管理システムを導入するという選択も可能です。

また、関連業務で既存システムが稼働しているのであれば、機能が重複しないよう受発注業務に特化した製品が良いかもしれません。

システムの適切な業務範囲は、現状の課題や業務体制によっても異なるため、まずは自社の業務フローを可視化し必要機能を明確にすることが大切です。

2.特化型か汎用型で選ぶ

受発注システムは、特化型か汎用型かで選ぶ方法もあります。
業界特有の商習慣に対応した特化型、多くの業種でも活用できる汎用型があるため、自社に適したタイプの選択が求められます。

自社に適したタイプを選択することによって、過不足なくシステムを活用できるため機能追加など余計なコストが掛かりません。受発注システムを導入する際には、特化型か汎用型かを確かめておきましょう。

3.自社に適した提供形態で選ぶ

システムの提供形態によって特徴や料金体系が異なるため、欠かさず確認すべきです。主な提供形態は次の3つが挙げられます。

  • クラウド型
  • パッケージソフト型
  • オンプレミス型

それぞれの特徴を解説します。

クラウド型

クラウド型は、オンライン上のサーバーで提供されているシステムでインターネットを介して利用するタイプです。
クラウド型の受発注システムは短期間で導入できる特徴があるため、すぐ採り入れたい場合に向いています。

インターネットを介して利用できるため、使用場所を問わず離れた場所でも注文内容を確認できる強みがあります。
クラウド型なら比較的低コストなため、試用活用をする場合もおすすめです。

パッケージソフト型

パッケージソフト型は、汎用型で既製品の受発注システムが当てはまります。標準的な機能が搭載されており、比較的安価で提供されています。

すでに完成しているシステムなため、動作する環境があれば運用までがスムーズなのも特徴です。
独自性の高い業務には不向きであるため注意が必要です。

オンプレミス型

オンプレミス型は自社に適したシステムをフルスクラッチで構築して、社内サーバーや通信環境を置いて運用するタイプです。一からシステムを構築するため、独自性を高められるメリットがあります。

導入後に機能のカスタマイズや、外部システムとの連携にも柔軟に対応できます。
導入から運用までに時間やコストが掛かるものの、自社に適した理想のシステムを構築したい場合にはおすすめです。

4.サポート体制の充実さで選ぶ

導入後の急なトラブルに備えて、サポート体制は事前に確認すべきです。サポート体制が手薄で対応が遅くなった場合、取引先に迷惑をかけてしまう恐れがあります。

システム会社によっては、電話やチャットのみの対応もあれば、出張サービスを行う場合もあります。
システム障害や機械トラブルは起きる前提で準備しておけば、万が一の際にも安心です。

5.操作のしやすさで選ぶ

受発注システムを扱うのは現場の従業員であるため、操作のしやすさも重視しなければいけません。
従来の受発注業務をデジタルに置き換えるため、操作が複雑では現場への浸透が遅れて業務に支障をきたす恐れもあります。

デジタルが苦手な従業員でも直感的に操作できるシステムを選んだり、サービスの試用期間を活用したりするのも有効です。システム導入のタイミングで業務遅延を起こさないために、操作のしやすさは重視すべきです。

製造業に受発注システムを導入して生産性の向上を目指そう!

今回は製造業における受発注システムのメリット・デメリットから、自社に適した選び方まで解説しました。
少子高齢化が加速する中、製造業においても人手不足が深刻化しています。

受発注システムを導入すれば、業務の自動化や正確な情報共有が可能になるため、人手不足の有効な解決策になります。
製造業に受発注システムを導入して、理想の業務フローを実現させ売り上げの向上を目指しましょう。

この記事を書いた人
Wakka Inc. メディア編集部
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