倉庫管理システムの種類と会社で比較、導入のポイントを徹底解説

2023.08.21
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
倉庫管理システムの種類と会社で比較、導入のポイントを徹底解説
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

倉庫管理システムを導入して、倉庫内の業務を効率化したいとお考えの方もいるのではないでしょうか。倉庫管理システムは、在庫管理以外にも業務フローの管理などに活用できます。

自社に適した倉庫管理システムを見つけるには、各システムの特徴や比較する際のポイントを理解しておくとスムーズに選定できます。
本記事では、倉庫管理システムの特徴から選び方のポイントを解説します。

「システム開発ハンドブックvol.2 在庫管理システム」では、倉庫管理を含むコストと販売機会の効率化をはかるための在庫管理について、システムの選び方や導入時の注意点などを解説しています。ぜひ、あわせてご確認ください。

目次

自社の在庫管理を最適化したい、在庫管理についてシステム化を計画している方
ぜひ下記の資料から最適なシステムの選び方もご確認ください。

倉庫管理システムとは

倉庫管理システムとは、倉庫内の運営をサポートするシステムです
倉庫内にある商品の入出庫管理や在庫管理、ロット管理などの業務を効率化します

小売業・食品業・製造業・運送業・医薬品業など様々な業種で導入されています。

最近はインターネット環境が整っていれば利用できるクラウド型、いわゆるSaaSの倉庫管理システムを導入する企業が増えています。

倉庫管理システムの機能

倉庫管理システムには、倉庫管理業務を効率的にするための機能が実装されています。
主に以下の6つの機能があります。

  • 入荷管理
  • 出荷・出庫管理
  • 在庫管理
  • 棚卸
  • 帳簿・伝票・ラベルの発行
  • 返品管理

倉庫管理システムと在庫管理システムとの違い

倉庫管理システムは在庫管理システムと混同されがちです。

倉庫管理システムは倉庫管理における効率を向上させることが目的で、倉庫内の在庫だけでなく、人員配置や設備・資材管理も行います。

一方、在庫管理システムは、自社の在庫を適正に維持・管理するのが目的です。
対象範囲は店頭やバックヤードなど倉庫外の在庫も含みます。
また、実際には手元にない移動中の在庫まで管理が可能です。

倉庫管理システムと基幹システムとの違い

基幹システムは、生産から販売・納品・会計などの業務を管理し、効率化や生産性を促進するシステムです。
つまり事業の根幹をなすシステムといえます。

倉庫管理システムとの違いは、対応する業務範囲です。

基幹システムは経営に関わる業務全般を対象としているため、総合的に管理運営するシステムです。
一方、倉庫管理システムは倉庫内の業務を対象としているため、対象範囲は限定的になっています。
また倉庫管理システムは、基幹システムよりも専門的になるため、倉庫の管理業務において、より細かな業務も管理できます。

倉庫管理システムを導入するメリット

倉庫管理システムを導入すると、次の4つのメリットが得られます。

  • 人為的ミスによる損失を抑えられる
  • 人材不足に対応できる
  • 倉庫内の把握が容易になる
  • 情報をリアルタイムで管理できる

順番に解説します。

人為的ミスによる損失を抑えられる

倉庫管理業務で起こりがちなのが、人為的なミスです。
倉庫業務は確認項目が多く、目視で管理されるケースが多く見られます。

人が作業する以上、どんなに注意していても入力ミス・移動ミスなどが発生するでしょう。
ミスが発生すると、入出庫が遅れたり、在庫数が合わなかったりにつながる恐れがあります。

しかし倉庫管理システムには、ハンディーターミナルを使った自動照会など、人為的なミスを防止する多くの機能が搭載されています
さらに照会後は、自動的に在庫データへ反映されるため、入力ミスもなくなるでしょう。
また入力作業が発生する際、入力ミスが生じたらそのミスをアラートしてくれる機能があるシステムを導入すれば、より安心できます。

このように倉庫管理システムによって、人為的なミスを減らし手戻りなどの損失を回避できるのです。

人材不足に対応できる

現在の日本は、超高齢化と言われ現役で働く人の数は減少しています。
そのため、さまざまな業界で人手不足が問題になっています。
人手不足の問題は、倉庫管理を行う小売業・製造業・運送業なども例外ではありません。

システムの導入によりある程度の作業を自動化できるため、少人数でも対応が可能です。

通常業務とは違う作業が発生した場合、業務フローが複雑になることもありますが、人手不足により教育まで手が回らない企業もあるでしょう。

教育体制が整えられないまま、エラーが発生すると修復されるまで、業務の停止を強いられる可能性があります。
すると顧客からの信頼低下につながるなど、損失リスクが上昇します。
倉庫管理システムを導入すれば、難しい業務も簡略化や標準化できるため、人手不足の対策になるでしょう。

倉庫内の把握が容易になる

倉庫内の把握が容易になるのも倉庫管理システム導入によるメリットの1つです。
倉庫内の在庫の場所を個別に管理できるため、製品や部品を探すときも収納するときも、短時間で把握できます。

倉庫内の在庫の特定が短時間で行えれば、次の作業まで早く進められ、全体業務の効率向上につながります

情報をリアルタイムで管理できる

倉庫管理システムは情報をリアルタイムで把握できます。

例えば、倉庫内の製品や部品の動きがリアルタイムで更新され、作業の進捗を把握できるなどです。
他の倉庫や取引先情報と連携すれば、各倉庫の状況をどこにいても把握可能です。
これにより倉庫管理業務において統括してマネジメントしている方は、トラブルにもいち早く気づけるでしょう。

また業務上のトラブルが起こった際に、どこでトラブルが発生したのか、記録して共有できるようにすると、失敗を倉庫に関わる全従業員が学習し、再発防止策もスムーズに浸透します。

倉庫管理システムを導入した際のデメリット

倉庫管理システムを導入した場合に、少なからずデメリットも存在します。
倉庫管理システムを導入した場合に生じるデメリットは以下の通りです。

  • 開発方法によって多くのコストが発生する
  • 従業員の教育を必要とする
  • 期待している効果が得られないケースがある

順番に詳しく解説します。

開発方法によっては多くのコストが発生する

倉庫管理システムに限らず、システム開発は構築方法によって多くのコストが発生する恐れがあります

例えば、パッケージ型のシステムであれば、初期費用こそかかりますが、導入後の運用コストは抑えられます。
一方、クラウドで提供されるSaaSは、初期費用・ランニングコストを抑えられますが、システムを使い続ける以上半永久的にコストが発生します。

後に詳しく解説しますが、開発方法によってコストに差が生じる点には注意が必要です。

従業員の教育を必要とする

倉庫管理システムは開発が完了しても、即座に導入できるとは限りません。
実際に倉庫管理システムを扱う従業員を含め、組織全体が倉庫管理システムについて理解する必要があるからです。

もし従業員がシステムの扱いについて理解していない場合、十分な導入効果を得られない可能性もあります。
そのため、システムを導入するにあたり、従業員に導入研修をするためのスケージュールを確保しておくことをおすすめします。

期待している効果が得られないケースがある

システムを導入しても、理想としている成果を得られないケースがあります。
なかでも、倉庫管理システムの導入目的が曖昧な場合に、効果が出ないことが多いです。

導入目的が不明瞭だと、業種と合っていない機能のシステムを選んでしまったり、活用方法を誤ったりといった状況になってしまいます。

しかし、「さまざまな業務に対応可能な汎用性の高い倉庫管理システムを選ぶ場合は、どうなのか?」と考える方もいるでしょう。
その場合も同様に、利用目的の明確化が必要です。
たとえ汎用性が高いシステムを選んだとしても、企業によって使い方が異なります。

使い方が自社の業務に適合できれば、導入の効果を得やすくなります。
システムを導入して何を解決するのかを明確にしてから、システムを検討しましょう。

倉庫管理システムにおけるSaaS製品の選定ポイント

近年、業務を管理するシステム全般で、クラウド上で利用できるSaaSシステムの導入が増えています。
SaaS製品は自社でシステムを1から開発する必要がなく、導入にかかる手間やコストを抑えられるためです。

SaaS製品の種類が多く、何を選べばいいか迷う方もいるでしょう。

倉庫管理システムにおけるSaaS製品の選定ポイントを紹介します。

タイプ別に比較する

倉庫管理対応する企業のタイプによって種類が変わるため、運用目的に合わせてタイプを選びましょう
例えば次の3つのタイプが存在します。

  • さまざまな業界に対応できる汎用タイプのシステム
  • 特定の業界・業種での運用に適しているタイプのシステム
  • 小規模の事業者でも利用しやすいタイプのシステム

汎用タイプは倉庫管理の業務において、基本的に行う業務は網羅しています。
そのため、業種を気にせず導入が可能です。
幅広い業界に対応していますが、自社独自の業務フローへの対応は難しく、カスタマイズ性は低い可能性があります。

特定業種に適しているタイプは、同じ業種の業務フローを想定して開発されているため、適合しやすいです。
しかし、業界によってはシステムの仕様が複雑になることもあるため、相場が高い場合もあります。

小から中規模の事業者も利用しやすいタイプもあり、価格を抑えられるのが特徴です。

料金形態を確認する

料金形態も確認してSaaSシステムの選定を行いましょう。
予算と合っているかや、費用対効果が見込めそうかなどを吟味します。
また、無料のトライアルができるかも見ておくと良いでしょう。

セキュリティの高さを基準に選ぶ

SaaS製品は、システムの根底をベンダー企業が管理するため、どのようなセキュリティ対策が施されているかを確認すべきです。
製品・ベンダー企業によってセキュリティレベルや内容が異なるためです。

セキュリティレベルを判断する際は、プライバシーマーク」や「ISO」などセキュリティの認証規格を取得しているかが1つの判断基準になります。
自社が求めるセキュリティ基準を超えているシステムを選びましょう。

機能を比較して選ぶ

倉庫管理システムのSaaS製品は、一般的に利用して困らない基本的な機能は実装されています。
必要な機能をすべて洗い出したうえで各製品の比較に進みましょう。

機能面で確認しておきたい点は次の3つです。

  • 他のシステムやソフトウェアと連携できるか
  • 簡単に操作できるか
  • 機能をカスタマイズできる範囲

SaaS製品は一般的にカスタマイズ性が低いと言われていますが、中には要望に応じたカスタマイズが可能な製品もあります。
機能の拡張性がある程度あると、導入後に追加したい機能が出ても、製品の選び直しや乗り換えをせずに済みます。

倉庫管理システムのベンダーを選ぶ際に見ておきたいポイント

倉庫管理システムはSaaS製品のようなクラウド型のみではなく、ベンダーに開発を依頼するものもあります。

ベンダーに依頼するタイプは、SaaS製品に比べて、導入費用が高い傾向があります。
またベンダーによっても価格は異なるため、ベンダー選びは大切です。

倉庫管理システムのベンダーを選ぶ際のポイントを解説します。

専門性の高いチームがあるか

専門性の高いチームがあるかはベンダーを選ぶうえで大切なポイントです。

専門性があるベンダーに依頼できれば、想定しているシステムを高い確度で実現できるからです。
また、すでに運用実績があるシステムがベースとなることで、納期が短くなり、価格も抑えて開発できます。
そして初期の不具合やエラーが少ないのも、専門性の高いチームがいるベンダーならではです。

倉庫管理システムの開発実績があるかを確認したうえで、要件を相談しましょう。

サポート体制が整っているか

システムを開発したら終わりではなく、実際の業務でシステムを活用し、長期的な運用が必要です。
システムの不具合や運用方法について相談できるかは、スムーズな運用で重要です。

特に導入初期は、操作や新しい業務フローになかなか慣れない場合もあります。
そのようなときにシステムの操作について相談できると、問題を迅速に解消できます。

ベンダーを選ぶ際はサポート体制が整っているかを確認しましょう。
また場合によっては、サポートが有料になることがあるため、どこまでサポートしてもらえるか、サポート範囲の確認も大切です。

倉庫管理システムを本格導入する前に気をつけたいポイント

倉庫管理システムは導入する前の準備をしっかりと行えるかによって、スムーズに導入できるかを左右します。

本格導入する前に気をつけるポイントは次の3つです。

  • 導入目的を明確にして社内に共有する
  • 運用後の体制・業務内容の変化を考慮する
  • 現場の従業員とコミュニケーションを綿密に行う

導入目的を明確にして社内に共有する

システム導入をスムーズにし、成果を出すのに導入目的の明確化が重要です。
目的が不明確のままだと、経営側も従業員側もシステムが使えるのか否かの評価や判断が難しくなります。

導入の目的は何で、何を目指しているか、を明確にして、従業員にわかるように共有しましょう。

運用後の体制・業務内容の変化を考慮する

倉庫管理システムに限らず、業務に関係するシステムを導入すると、チーム体制や業務内容が変化します。

上記の変化を考慮せずに、導入すると、現場の従業員は混乱してしまいます。
スムーズに導入できないと、システムを利用するモチベーションが下がったり、想定の成果を出せなかったりと「導入しない方が良かった」となりかねません。

新システムの導入により、業務フローや内容が変わる場合は、研修やテストを行うと導入後の変化にも対応できるでしょう。

また、システム導入後に新しい業務フローへスムーズに移行するためには、システム選びの段階から、導入後の計画を立てることをおすすめします。

現場の従業員とコミュニケーションを綿密に行う

倉庫管理システムを本格的に導入する前に、現場の従業員とコミュニケーションを取り、現場の課題を吸い上げておきましょう。
現場と経営側の考えの相違による、倉庫管理システム導入が失敗するのを回避するためです。

現場の意見を聞かずにシステムを決めてしまい、現場の課題が解決されず効率が良くならないなどの事例も少なくありません。
現場と経営側、両者の理想を100%叶えるのは難しいかもしれません。
それでも、システム選定前に現場の意見を聞き、可能な限り反映することで、より成果が得られやすい形となるのです。

実際に導入されている倉庫管理システムを紹介

倉庫管理システムで実際に導入されているシステムを紹介します。

COOOLa

COOOLa」は、株式会社ブライセンが提供している倉庫管理システムです。
株式会社ブライセンは国内・海外・業種を問わず、全方位型の倉庫管理システムとして豊富な機能を提供しています。

COOOLaは自社開発のため汎用的な機能に加え、本当に必要な部分だけを柔軟にカスタマイズ可能です。

また、多様な言語に対応しており、日本語以外にも中国語・英語・ベトナム語も設定可能です。
そのため近年注目を集めている越境ECにも対応できます。

他にも多彩なオプション機能が用意されており、要望に合わせたシステムを構築可能です。

参考:株式会社ブライセン COOOLa

mylogi

mylogi」はアートトレーディング株式会社が提供している倉庫管理システムです。

mylogiはECサイト運営に特化したシステムで、自社サイトやモールなど複数のECサイトの商品を管理できます。
ECサイトとAPIによる連携が可能で、受注管理と倉庫管理を同システム内で一元的に管理できるため、業務効率が向上します。

複数のECサイトを連携しているのにもかかわらず、業務フローが複雑になることはなく、作業ごとにボタンを押すのみで処理できるのも特徴です。
また、帳票も柔軟にカスタマイズできるため、企業独自のルールにも対応できます。

参考:アートトレーディング株式会社 mylogi

Xble

Xble」は、シーオス株式会社が提供しているクラウド型の倉庫管理システムです。

元々パッケージ型として、医薬品・流通・小売・食品など多岐にわたる業種で、開発されていたものをクラウド型にリリースしました。
豊富な開発経験と実績が反映されているため、実用的な仕様となっています。

スマートフォンに表示される指示に従って作業するのみで、システム操作の知識がない人でも活用できる操作性が特徴です。

参考:シーオス株式会社 Xble

倉庫管理システムにおける開発・導入の価格相場を解説

さらに導入のイメージを明確にするため、システムの種類と相場価格について解説します

クラウド型の相場価格

クラウド型は、1からシステムを開発する必要がないため導入費用を抑えられます。
初期費用は高くても50万円程度です。
月額費用は5万円〜20万円ほどかかります。

またクラウド型では、システムのアップデートやサーバーの保守をベンダー側が対応してくれる点が特徴です。

ただし、機能のカスタマイズに限界があるため、搭載機能が自社の要件にしっかりと適合できるかを事前に確認しましょう。

オンプレミス型の相場価格

オンプレミス型は自社専用のサーバーとシステムを構築するため、導入費用やランニングコストが高額になりがちです。
オリジナルなソフトを構築でき、機能の拡張性も高いため自社の要件を満たしたシステムを構築できます。

オンプレミス型の導入費用は数百万円〜数千万円ほどです。
サーバーとシステムの保守などメンテナンス費用として、月額数十万円かかります。

パッケージ型の相場価格

パッケージ型はすでに開発が完了しているシステムをソフトウェアとして購入し、インストールして使用するタイプです。
カスタマイズ性は追加で費用が発生しますが、要望に合わせて相談できます。

パッケージ型の導入費用は、500万円程度でオンプレミス型と比較すると費用は安いです。
カスタマイズ費用は内容に応じて変動しますが、10万円から提供している企業が多いようです。

倉庫管理システムの導入に迷ったらプロに相談しよう

倉庫管理システムは、入出庫や倉庫内の在庫管理を円滑にします
他のシステムと連携すれば、多岐にわたる業務を一元的に管理できるため、さらに効率が上がり、生産性も向上します。

種類によって導入費用が異なるため、複数社見積もりを出して比較すると良いです。

しかし、自社にどの倉庫管理システムが適しているかわからない場合は、倉庫管理システムの開発実績が豊富なプロに相談しましょう。

倉庫管理を含む在庫管理システムの導入方法を手早く知りたい方は下記の資料を無料でダウンロードできます。お気軽にご覧ください。


自社の在庫管理を最適化したい、在庫管理についてシステム化を計画している方
ぜひ下記の資料から最適なシステムの選び方もご確認ください。

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