サービス開発の手順とは?費用相場と3つの課題、対応策を解説
こんにちは。Wakka.Incメディア編集部です。
サービス開発の担当者として、これから開発に携わる人に向けた本記事では、次のような疑問を解消します。
「サービス開発を進める手順や必要な費用相場は?」
「自社のノウハウでサービス開発が実現できるのか?」
本記事では、サービス開発の概要と手順、開発費用の相場を解説します。
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サービス開発とは
サービス開発では顧客に求められるニーズに応え、価値を提供する役目があります。
IT業界では、インターネットを利用した多種多様なプログラムを組み合わせて、開発・提供されるサービスそのものを指します。
市場の変化が激しい近年では、トレンドや顧客ニーズに合わせ様々なサービスが登場しています。
本章ではサービス開発の概要を紹介します。
サービス開発のよくある例
世の中には実にさまざまなサービスが存在します。
代表的なサービスとその特徴を表にまとめました。
分類 | 特徴 | 具体例 |
---|---|---|
コミュニケーション | メールやSNS、チャットなどコミュニケーションや情報交換に使用される | Chatwork Instagramなど |
動画配信 | 映画やドラマ、アニメなど映像をメインにコンテンツ配信するサービス | Amazonプライム Netflix dアニメストアなど |
マッチング | 人や物など検索でマッチした相手との連絡・取引・情報交換など結びつきを提供する | メルカリ 食べログ ペアーズなど |
決済 | データの送受信による、決済処理ができるサービス。 | PayPay 楽天ペイ LINE Pay |
業務効率 | 業務の生産性向上を目的として、様々な企業で導入が進むサービス | Googleカレンダー Trello Zoom |
ECサイト | ネットショッピングができるサイトのことを指し、決済機能を有する場合もある | BASE Shopify |
予約サイト | 飲食店や宿泊施設など、インターネットを介して気軽に予約できる | 楽天トラブル じゃらん トリバゴなど |
オンラインゲーム | インターネットを介したオンラインで楽しめるゲーム全般を指す | MMORPG FPS・TPS アクションなど |
サービス開発と事業開発の違い
ビジネスシーンにおいて、サービス開発と事業開発が混同されるケースがしばしば見受けられます。
ただ、厳密にいうとサービス開発と事業開発では、実施目的が異なります。
事業開発は、自社商品を売るためにどのような施策を打てば効果的なのか考え、アプローチ方法や長期的に顧客満足度を満たせる方法を企画すること。
変化の激しい顧客ニーズに対応するためには顧客の声を聞き、顧客にどのように満足してもらえるか実践と検証、改善を繰り返して施策を質の高いものに押し上げます。
対して、サービス開発は顧客一人ひとりに魅力的な価値提供を目指し、商品やサービスの開発・提供をすることです。
サービス開発とシステム開発の違い
システム開発は、サービスが正常に動作するための基盤づくりを指します。
例えば、スマホアプリやインターネットが不要なシステム(ゲーム機、家電製品などの組み込み系機器など)。
他にも、事業会社などで導入される仕事効率化を目指したシステム開発が該当します。
サービス開発は顧客ニーズを満たすために提供されるプロダクトそのものです。
サービス開発のプロセス
サービス開発では、事前に正しい開発フローを理解しておけば、開発で生じた事象を自社のノウハウとして蓄積できます。
ここでは、サービス開発の6つのプロセスを紹介します。
1.企画立案
企画立案では、目的やサービスの概要を決めます。
達成に必要なアイデアを実現可否は関係なく、たくさん出していきましょう。
次に、アイデアから課題解決につながる案をピックアップして企画書にまとめます。
企画書には課題をはじめ、ターゲットや機能などサービス開発の方向性を記すと良いでしょう。
複数人で開発を進めると、どうしても方向性にズレが生じがちです。
企画書でサービス開発の方向性を定義することで、方向性のズレを回避でき、途中段階での軌道修正もしやすくなります。
2.要件定義
要件定義とは、提供するサービスの具体的な機能や開発フローなどを設定することです。
次のようなポイントを抑えておくと、開発がスムーズになるため、事前に検討しておきましょう。
- 必要な機能
- 使用する技術
- 具体的な工数
- 納期
サービス開発で生じるトラブルの多くが、要件定義が不十分なために起こる発注側・開発側の認識のずれです。
開発が始めると、エンジニアは要件定義に従って作業を行うため、詳細に定義しなければ成果物の品質に関わります。
また、開発後に想定していた成果物とズレていることが発覚した場合、手戻りにより大きな損害を被る恐れがあります。
例えば、リリースが遅れてサービス提供者に不利益を与えたり、最悪サービス開発自体が進められなくなったりなどです。
未然にトラブルを防ぐためにも、細かく要件定義を行い、開発側と打ち合わせを繰り返すことが大切です。
3.設計
サービス開発を始めるにあたって、完成イメージを確立する役目が設計です。
設計には基本設計と詳細設計の大きく2つに分けられます。
基本設計では、要件定義の情報をもとに画面設計やシステム構成、データベース設計など基本的な仕様をまとめていきます。
詳細設計では、搭載する機能の内部仕様を詳細に定義付けをします。
主に開発側が搭載機能の実現に向けて、細かな仕様を決める工程です。
4.開発
開発は設計書をもとに、プログラム言語を駆使して実際にサービスを構築します。
代表的なプログラム言語を事前に把握しておき、スムーズな開発を目指してください。
使用言語 | 特徴 |
---|---|
HTML | 正式名称はハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ(Hyper Text Markup Language)と呼ばれ、文章構成やテキスト作成などを操作する。 |
CSS | カスケーディング・スタイル・シート(Cascading Style Sheets)が正式名称。HTMLで作成されたテキストや画像などの装飾(文字を大きくする、色を変えるなど)を施す。 |
JavaScript | Webサイトやシステムに使われるプログラミング言語。Webサイトに動きをつけたり、データの処理をしたり、幅広い動作を実現できる。 |
Java | プログラミング言語のひとつ。実行環境に依存せず、Web開発やサーバ上で動作する開発に適した言語。アプリケーションから基幹システムなど汎用的なプログラム開発で使用できる。 |
Ruby | オブジェクト指向スクリプト言語。プログラム言語のなかでも自由度が高く、汎用性が高い言語。日本人が開発した経緯もあり、日本語で多くの情報が共有されている。 |
PHP | オープンソース型のスクリプト言語。Web開発に適した動的な言語。例えば、問い合わせフォームやショッピングカートなどの機能を備えたWebサイトの開発に使用されやすい。 |
Python | 複雑な数値計算が必要なシステムや分析作業を得意とする。大規模なWebサービスにも使用され、柔軟なデータ処理の実現が可能。 |
5.テスト
テストは、実装を終えたサービスが想定動作を実行できるか確認する段階です。
プログラムを組み上げたら、リリース後の環境を想定した擬似環境で実際にシステムが機能するか検証してください。
リリース後にシステムに不備が出ないよう、網羅的に複数のテストが実行されるのが一般的です。
代表的なテストの種類を次のように紹介します。
テスト名 | 内容 |
---|---|
単体テスト | プログラム単体のテストで動きの確認をする |
結合テスト | インターフェースやフロントエンドとバックエンドなどシステム同士の親和性を確認する |
総合テスト | 納品前の総合的に行われる最終テスト |
受け入れテスト | 納品後に想定通りの動作が実行されるか確認する |
6.運用・保守
サービス開発では、リリースしたら終了というわけにはいきません。
リリース後の運用では、運用ルールの逸脱防止のために定期的なメンテナンスが必要です。
保守では、安定した稼働を継続するため、障害発生の改善と復旧作業、サービス改善の提案が求められます。
サービスを長期的に利用してもらうためにも、顧客からフィードバックが得られる仕組みを築いておきましょう。
サービス開発の費用相場
サービス開発に必要な費用相場をサービスと機能別に紹介します。
搭載する機能によって開発費用は異なり、中小規模企業をはじめ大手開発会社やラボ型開発など委託先によっても費用が変動します。
事前にサービス開発に必要な費用相場を理解しておきましょう。
サービス別
サービス別に、開発を外注した場合の費用相場と特徴を紹介します。
種類 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
マッチングサービス | 100〜500万円 | 検索やチャット、決済、メッセージなど多機能性が求められる。搭載機能が多くなる分、費用も高くなりやすい |
予約管理サービス | 80〜500万円 | 決済や複数店舗のデータ管理、勤怠管理と予約情報の連動など幅広い機能を求められる |
ECサービス | 60〜400万円 | 商品掲載数の規模によって費用が変動するため、商品数の規定や規模感を考える必要がある |
オンラインゲームサービス | 800万円以上 | 脚本やキャラクターデザインなどクリエイターの報酬や権利関係など思案する要素が多く費用も高額になりやすい |
コミュニティサービス | 100〜500万円 | チャット機能やコミュニティ独自の機能など、高いカスタマイズ性が求められるため、搭載機能によって費用が変動しやすい |
ライブ配信サービス | 120〜2,500万円 | リアルタイムに動画配信できるサービス。求められる機能は目的によって異なり、搭載機能数や内容によっては高額化する |
サービスの規模や搭載する機能によっても費用は変動します。
サービス開発を外注する場合は、複数社で見積もりを取り、自社にあった開発会社を選定すると良いでしょう。
追加機能別
サービスごとによくある機能の他、追加機能が発生する事態を考慮してください。
想定した機能では、実現が難しい状況も考えられるため、事前に機能追加を見越した設計をする必要があります。
実際に機能追加が発生した場合、追加料金はどれくらい必要になるのか相場感を把握しておきましょう。
機能内容 | 費用相場 |
---|---|
外部アプリとの連携 | 5〜40万円 |
ログイン機能 | 10〜20万円 |
通知機能 | 10〜100万円 |
決済機能 | 20〜50万円 |
メッセージ機能 | 20〜40万円 |
位置情報機能 | 10〜25万円 |
機能追加が発生した場合、決して安くない金額になることが理解できるでしょう。
企画立案・要件定義の段階でしっかり必要な機能を検討してください。
サービス開発で多くの企業が直面する3つの課題
サービス開発を進める際、多くの企業は以下の課題に直面するでしょう。
- 開発期間の長期化によるニーズ離れ
- 想定していた成果物と実物のズレ
- サービス開発に必要なエンジニアの不足
本章では、上記3つの課題をそれぞれ紹介します。
開発期間の長期化によるニーズ離れ
企画立案の段階では需要のあるサービスでも、開発に多くの時間を費やすと市場トレンドを逃す恐れがあります。
特にWebサービスは、1年前に新しいと感じられた場合でも、市場の変化に伴い翌年には衰退するケースも見られます。
移り変わりの激しい顧客ニーズに対応するためには、スピード感を意識した開発が大切です。
近年では、サービスの完成度よりもスピードを意識したアジャイル開発が注目されています。
市場トレンドを逃さないためには、スピード感のある開発手法を取り入れると良いでしょう。
想定していた成果物と実物のズレ
サービス開発でプロダクトを外部委託で開発するのであれば、開発会社との綿密な打ち合わせを重ねて、自社が実現したい内容を明確に伝える必要があります。
どれだけ、企画段階で顧客に喜ばれるプロダクト設計をしても、実現できなければ意味がありません。
開発会社と細かな詳細を詰めきれずに開発を進めてしまうと、想定していた成果物と完成品にズレが生じます。
事前に開発の趣旨を伝えるのはもちろん、予算や搭載する機能をはっきりさせておく必要があります。
さらに、開発会社との連携を密にとり、意図を明確に伝えて認識のズレが生じないようにしてください。
サービス開発に必要なエンジニア不足
経済産業省のIT人材需給に関する調査によると、2030年には45万人ものIT人材が不足すると発表されています。
急速なIT需要に人材供給が追いついていない状況です。
IT人材不足は今後さらに深刻化することが推測されるため、企業は対応に迫られています。
サービス開発におけるリソース不足の解決方法
ここでは、リソース不足な状況を解決する方法をご紹介します。
業務の一部を外部へ委託
自社のサービス開発のリソース不足を解消する方法は、外部委託によるアウトソーシングや派遣契約などがあります。
しかし、外部委託なら自社でエンジニアを採用するほどコストはかかりません。
人件費の節約にとどまらず、エンジニアが主要業務に集中して取り組めるメリットがあります。
自社エンジニアの育成
エンジニアを外部委託に頼りきりになれば、自社の人的資産はいつまで経っても整うことはないでしょう。
成長期のエンジニアが即戦力になるまで、自社のノウハウを教えて育成する必要があります。
今後は即戦力を確保しながら将来の人的資産を教育によって向上させる動きが求められます。
ラボ型開発を取り入れる
外部委託によるコスト削減と自社エンジニアでの人的資産の確保、この両方を実現する方法が「ラボ型開発」です。
ラボ型開発は、海外の企業や関連会社に業務委託して社外に専属チームをつくる開発手法。
これまでの成果物ベースで短期的な契約の請負契約とは違い、開発期間で契約を結べるのが特徴です。
また、指揮権は発注側にあるため、想定外の仕様変更にも契約期間内であれば柔軟に対応できるのが大きな魅力でしょう。
【まとめ】サービス開発はリソース不足の解消で成功させる
サービス開発において、顧客ニーズを満たした価値あるサービスを届けるには、自社の力だけではリソース不足に陥るのは必然と言えるでしょう。
自社のノウハウや技術ではサービス開発が難しい場合、外部委託に頼ることをおすすめします。
wakka.Inc.のラボ型開発では、国内外問わず優秀なエンジニアが専属チームを組み、開発を支援します。
少しでも興味があれば、wakka.Inc.のラボ型開発について詳細な資料をご用意しているので、是非ご利用ください。