ネットショップの乗り換え手順!移行費用と失敗を防ぐ方法を解説

最終更新日:2024.10.26
EC開発
安藤 大海
ネットショップの乗り換え手順!移行費用と失敗を防ぐ方法を解説
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こんにちは。Wakka Inc.のWebディレクターの安藤です。
ネットショップの乗り換えを検討しているけれど、乗り換えの手順や費用を確認してから進めたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
乗り換えの手順や費用がイメージできないと、スムーズに作業を進めるのは難しいでしょう。

本記事ではネットショップ乗り換えの手順や構築方法ごとの費用と注意点を詳しく解説しています。
ネットショップの乗り換えを成功させ、事業を拡大したいと考えている方にとって、お役に立てれば幸いです。

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目次

ネットショップを乗り換える方法

ネットショップの乗り換え方法によって特徴や費用が異なります。
それぞれの特徴を理解して、ネットショップ乗り換えを進めましょう。

ネットショップを乗り換えるには、主に以下の方法があります。

  • 別会社のASPに既存データを移行する
  • フルスクラッチで新たにショップを移行する
  • パッケージでショップを構築しデータを移行する

順番に解説します。

別会社のカートASPに既存データを移行する

カートASPとはアプリケーション・サービス・プロバイダの略であり、Web上で提供されるソフトウェアを利用しネットショップを構築することです。
構築が簡単にでき、費用も抑えられるため利用している人も多いでしょう。

現在使用しているASPから別会社のASPに乗り換える方法は、サービスの契約とデータ移行のみで済むため、時間や費用を抑えられます
方法は新たにASPを契約し、その後データを移行します。

データ移行を自社で行えば費用を大幅に抑えられますが、難しい場合は業者にデータ移行の代行依頼も可能です。
ASPを変更すると、ネットショップのデザインやユーザーインターフェースが変わりますが、独自ドメインを引き継げば検索順位に影響が出にくいです。
乗り換え先のASPを選ぶ際は、費用やASP独自のルール、サポート体制などをよく確認して選定しましょう。

フルスクラッチで新たにショップを構築しデータを移行

フルスクラッチで新たにショップを構築し、データを移行するのもネットショップの乗り換え方法として有効です。
フルスクラッチとは0からオーダーメイドで開発して、オリジナルのネットショップを構築する方法です。

実際に売上が高いネットショップはフルスクラッチで構築されていることが多いといわれています。
フルスクラッチはデザインや機能も自由でカスタマイズ性が高いため、ユーザーの購買体験における価値を向上させられます。
一方、0からネットショップを開発し、その後データ移行もするため構築費用やランニングコストは高くなる傾向があります。

事業を拡大したい場合や、コストや労力をかけてでも理想のネットショップを構築したい企業は向いているでしょう。
売上が高いネットショップがフルスクラッチで構築している理由を次の記事でわかりやすく解説しているため、気になる方はご覧ください。

パッケージでショップを構築しデータを移行する

ネットショップを乗り換える方法にパッケージでショップを構築しデータを移行する方法もあります。

パッケージとはネットショップに必要な機能をパッケージ化して、ダウンロードできるサービスのことです。
短時間でネットショップを構築でき、ASPと比較すると拡張性が高くカスタマイズ性に優れている特徴があります。

ベンダーによって初期費用は異なりますが、ASPと比較して導入や維持管理のコストは高くなります。

ネットショップの乗り換えで移行できるもの

ネットショップの乗り換えを行う前に、乗り換え時に移行できるものと、移行できないものには何があるかを知っておくことは重要です。
はじめに、ネットショップ乗り換え時に移行できるものについて解説します。

  • 顧客情報
  • 商品情報
  • 売上データ

一般的にデータはCSVファイル形式を一括でダウンロードし移行します。

顧客情報

顧客情報は移行可能です。顧客の基本情報や購買情報などがこれに含まれます。
ただし、ASPによっては顧客情報を抽出できないものもあるため、注意が必要です。

例えば会員パスワードは暗号化されているため抽出できない可能性が高いです。
どうしてもパスワードの移行が必要な場合は、パスワード認証ロジックを新しいネットショップに移植すれば、そのまま使用できます。
しかし、ベンダーに依頼するなど手間や費用などの問題でハードルが高いため、別の方法がいいでしょう。

多くのネットショップ事業者はサイトの引越しが終わったら、会員にパスワードの再登録を依頼しています。

商品情報

商品情報も移行可能です。
商品の名前・商品番号・商品の説明文など前のネットショップで作成した商品情報は、基本的にすべて移行できます。
旧サイトの商品項目と新サイトの商品項目をそろえてから入力すると、商品データの意向がスムーズにできるでしょう。

売上データ

売上データはネットショップ運営で重要な情報のひとつです。
ネットショップの乗り換えでは売上データを移行できます。

しかし売上データもネットショップの構築方法やベンダーによって形式が異なるため、移行にかかる時間や費用などを確認しましょう。

ネットショップの乗り換えで移行できないもの

ネットショップ乗り換え時に移行できないものは、ベンダー独自のサービスやASPのドメインなどがあげられます。

ベンダー独自のサービス

ベンダー独自のサービスは意向が難しいです。
例えばアパレル分野のASP上で独自の商品を作成し、販売できる機能があったとします。

移行先のASPやパッケージなどにその機能を移行し、まったく同じ機能やサービスを利用するのはできないです。

どうしても同じような機能を利用したい場合は、フルスクラッチなどで似たような機能を開発すると良いでしょう。

ASPのドメイン

会社オリジナルのドメインを使わずにASPのドメインを使用していて、乗り換え先でも同じドメインの使用はできません。

新規ドメインを取得するか、乗り換え先のドメインを使用するかを選ぶ形になります。
ドメインが変わる場合はサイトの検索順位が変動する可能性があります。
その際は再度SEO(検索エンジン最適化)の対策が必要です。

ネットショップを乗り換える手順

ネットショップを乗り換える際の手順を解説します。

乗り換えでは以下の手順が想定されます。

  1. 目的を決める
  2. 要件を定義する
  3. 引越し先を選定する
  4. サイトデザインを制作
  5. 既存データの移行
  6. 各種設定をする
  7. テスト運用して問題がないか確認する

1.目的を決める

はじめに目的を決めます。
目的が定まれば、予算や乗り換えの方法なども決定できるからです。
ベンダーに問い合わせる前に、「なぜ乗り換えをするのか?」や「どのようなネットショップを作りたいのか?」を整理しておきましょう。

ネットショップを乗り換える目的は何かを決め、プロジェクトメンバーと共有しておくと、認識の相違が起こりにくく、プロジェクトをスムーズに進められます。

またリニューアルの前後で成果が出ているかを計測できるように、目標も立てておきましょう。

2.要件を定義する

次に要件を定義します。
目的と同様に要件が定まっていないと、どのようなものを作るかが明確になりません。

目的をもとにネットショップのページ構成はどうするか、機能はどのようなものを実装するのかなどを決めます。
機能などを決める際に、ユーザーにどのような体験を提供し、購買価値を向上させるのかなどユーザー目線の機能を検討することもポイントです。

3.引越し先を選定する

目的と要件が決まったら、主にベンダーや乗り換え方法を検討し引越し先を選定します。

引越し先を決めるうえで下記がポイントです。

  • 必要な機能が揃っている
  • 実際に使いやすいか
  • 費用対効果は十分か
  • 機能の拡張性はあるか
  • 目的に沿った運用ができるか

すべて満たしている必要はありませんが、長期的に付き合いができそうか、目的を達成できそうかなど基準を設けて探しましょう。
ユーザーの利便性につながり、成約率向上に影響するため乗り換え先とともに決済種別の選定を行うと良いです。

4.サイトデザインを制作

目的や要件をもとにネットショップの開発デザインを考えます。

ユーザーにとって使いやすいデザインになっているかが、売上を左右するためユーザー第一を心がけて設計しましょう。
旧ネットショップのデータを参考にしたり、ベンダーと相談したりしながら進めると、客観的な視点を持てて利便性を高められます。

5.既存データの移行

次は既存データの移行を行います。
前述した顧客情報や商品情報・売上データなど、基本的な情報の他に移行するものとして次のものがあります。

会社概要や特定商取引に基づく表記や利用規約、プライバシーポリシーなども移行対象です。
乗り換えに伴ってデータや表記の変更がある場合は、作り直すのに手間や時間がかかるため、データ変更作業の時間見積もりもしっかりと行いましょう。

6.各種設定をする

既存データの移行まで完了したら、次はネットショップの設定を行います。
支払い方法、決済の代行会社との紐付けやレビューに関する設定などです。

また上記以外にもユーザーの利便性につながるもので、気になったものなどの細かい設定もします。
しかしこの段階で設定を完璧にしようとして、作業が進まなくなってしまうことには注意が必要です。

テスト運用や本格的な運用を通して、発生した課題を改善し続ける方が重要です。

7.テスト運用して問題がないか確認する

設定まで終了すると、ネットショップは使える状態になっていますが、最後にテスト運用をして問題がないか確認をします。

商品検索・選択から決済までの注文の流れを実施し、管理画面に受注データが正確に反映されているかやユーザー側の画面で購買体験に改善点はないかを見ます。
また各システムとの連携、運営スタッフの動きなどの確認も必要です。
そして他にも商品情報やショップガイドなどに誤字脱字がないかなども、テスト運用時に確認しておくと良いでしょう。

テストをして問題があれば、改善をし再度テスト運用を行います。

テスト運用で問題がなくても本格的な運用後に問題が生じるケースもあります。
そのため実際にリリースしてからユーザーの反応や意見などを収集し、改善し続けるのがネットショップ運営で大切です。

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ECサイトの乗り換えにかかる費用

ECサイトの乗り換えにかかる費用を構築方法ごとに分けて解説します。
それぞれの構築費用・初期費用などは大まかに次のとおりです。

構築方法初期費用月額費用費用合計維持費用売上規模(目安)
ASP無料〜数十万円無料〜数万円0〜数十万円0円月間100万円以下
パッケージ数百万円〜数万円〜数十万円数百万円〜数十万円月間500万〜1億円
フルスクラッチ数千万円〜0〜数十万円〜数億円数十万円月間2億円以上

ネットショップ乗り換え時の注意点

ネットショップの乗り換えで注意する点は以下の6点です。
乗り換え作業をスムーズに進めるためにも理解しておきましょう。

  • 乗り換えの目的と目標を決定
  • 社内で要件の合意形成
  • コストとリスクの把握
  • データ移行のミスに注意
  • ユーザーサイト移行を周知
  • 検索エンジン最適化(SEO)

乗り換えの目的と目標を決定

乗り換えの目的と目標を明確にしましょう。

ネットショップの乗り換えの手順でも説明したとおり、乗り換えの目的が定まっていないと乗り換え先やベンダーを選定できず、プロジェクトの進捗が滞ってしまいます。

また目標が明確でないと戦略を立てられず、成果が出にくいネットショップとなってしまいます。
目的を決定したら、ネットショップ乗り換え責任者と運営担当者とで目的を共有し、認識を擦り合わせましょう。

社内で要件の合意形成

ネットショップの乗り換えを進めるうえで、社内で要件の合意形成は大切です。
ある程度ネットショップの要件が決まってから、認識のズレによって機能や要件の追加などが起こると、作業のやり直しが発生してしまい、リリースが数か月単位で遅れてしまうからです。

例えば決済手段・決済の代行会社が、経営と現場の認識の相違によって急遽変更するなどが起こると、乗り換え作業は大幅に遅れてしまいます。

要件を定義する段階で、関係者の合意が得られるようにコミュニケーションを取っていきましょう。

コストとリスクの把握

乗り換え時のコストとリスクの把握も重要です。
乗り換えにかかるコストを把握すると、段取りに役立ちます。
またリスクに関する情報を知っておけば、事前に対策を立てられるため進捗を遅れることなく管理できるのです。

ネットショップの乗り換えを進める際に、どのようなリスクが生じるか書き出し準備を進めましょう。

乗り換えの費用でも説明したように、構築方法によって開発費用は異なります。
ネットショップの乗り換えには、上記以外にも運営担当の人件費や乗り換えに前後に関わる人の労力などがかかります。
目に見えるコストだけでなく、隠れたコストも可能な限り把握しましょう。

データ移行のミスに注意

ネットショップの乗り換えでデータ移行のミスが起こると、乗り換え後にトラブルにつながる恐れがあるため注意しましょう。
商品データや会員情報、会員情報に紐づくショッピング情報など移行に抜け漏れがないかを確認しておくべきです。
データを移行する際にチェックリストの活用や、2人体制で確認を行うなど事前にミスが起こらない仕組みを整えましょう。

ユーザーにサイト移行を周知

ユーザーへネットショップが移行する旨の連絡は非常に重要です。
ユーザーへサイトの移行を周知する理由は2つあります。

  • パスワードをユーザーに再登録してもらう必要があるから
  • ユーザーが他のサイトに流出するのを防ぐため

パスワードはデータ移行時に暗号化されて抽出できないため、ユーザーにパスワードを再設定してもらうのが効率が良いです。

またサイトが移行することを知らないユーザーは、サイトが閉鎖したと勘違いしてしまい離れてしまう可能性があります。

ユーザーへの周知はメール、旧サイトのトップやニュースなどユーザーが気づきやすいようにさまざまな手段で知らせると良いです。
またユーザーのログイン頻度などを参考にして、リリースする日から逆算し周知を開始すれば、効率良くユーザーに知ってもらえるでしょう。

検索エンジン最適化(SEO)

ネットショップを乗り換えてドメインが変わる場合は、検索順位が変動する可能性があります。
そのため一時的に旧サイトと比べて集客数が減少してしまうことも少なくありません。

SEOは専門的な知識と長期的な戦略が必要なため、外注したり専門的な人材を雇用したりすると効率的です。

ネットショップを乗り換え事業を拡大しよう

ネットショップの乗り換えは準備が大変な一方で、事業を拡大できるチャンスでもあります。
乗り換えによってユーザーに新たな体験や価値を提供でき、満足度やファン獲得につながり、売上を上げられるのです。

ユーザーの購買体験を向上させ売上を最大化させたいなら、独自のネットショップを構築でき、カスタマイズも自由に行えるフルスクラッチ開発がおすすめです。
独自のサービスを提供できるため競合との差別化もできるでしょう。

またネットショップを乗り換える際は、目的や目標を明確にし長期的な戦略を立てましょう。

乗り換えが完了したら、定期的に目標を振り返り戦略を改善しながら運用をすることがポイントです。

●料金目安もわかるECサイト構築ガイド
>新規事業などでECサイトを構築する場合のガイドを作成しました。目的や売上規模に応じたEC種別選定や最適な構築手法についての診断を受けることができます。

この記事を書いた人
安藤 大海

学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。

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