【ベトナム赴任・駐在】必要な事前準備を現役駐在員が解説

最終更新日:2026.03.24
ベトナム情報
中垣圭嗣
ベトナム赴任・渡航
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みなさんこんにちは、Wakka Inc.ラボマネージャーの中垣です。

近年は日本企業が海外に進出し、現地に駐在員を派遣するケースは珍しくありません。
進出先に選ばれる国はさまざまですが、ベトナムは特に高い人気を誇ります。

実際、2025年時点では、日本企業のベトナム進出は5,458件となり、4年連続で増加しました。
多くの企業が拠点を設置し、従業員をベトナムに駐在させていることが分かります。

一方で2026年は、労働許可証(WP)・ビザ制度・税制・最低賃金の改定など、ベトナム赴任時の実務に直結する制度変更が進んでいます。

「手続きは簡単になったはずなのに、判断はむしろ難しい」

上記のような声が増えている今、ベトナム駐在は準備の見直しが必要になりやすい時期に入りました。
制度面の変更を把握していなければ、トラブルを招いたり、海外進出が滞ったりするリスクが高まります。

本記事では、ベトナム赴任・駐在に関する重要な情報について解説します。
現地に駐在する予定の方はもちろん、ベトナム進出を検討している企業の方も、ぜひ参考にしてください。

Wakka Inc.ではベトナム赴任が決まっている方に向けて、赴任渡航前(2カ月〜直前)&海外引越し前(2カ月〜直前)の項目がすぐに分かる『チェックリスト』を提供しています。

目次

WaGAZINE読者さま限定!

ベトナム赴任・駐在準備チェックリスト赴任渡航前と海外引越し前に必要な手続きがすべてわかる

ベトナム赴任やベトナムへの引越しが決まっている方にオススメ

ベトナム駐在前に最低限準備すべきチェックリスト

駐在前に最低限準備すべきチェックリストを用意しておくと便利です。
より詳しくチェックするためには、赴任渡航前チェックリストを準備してご活用ください。

主なチェック項目
☑ 予防接種
☑ 日本の緊急連絡先と現地大使館/領事館の連絡先の準備
☑ パスポートの準備
☑ ビザ(査証)の確認
☑ 航空券の手配
☑ クレジットカード&紙幣の準備
☑ 海外旅行保険への加入
☑ 携帯電話・スマートフォンの設定確認
☑ 引越しの準備

ベトナム駐在前に準備しておきたい5つのこと

さて、それではチェックリストの中身について解説していきます。
駐在前チェックリストの中から、以下の5つの項目に絞って紹介します。

  1. 予防接種について
  2. 日本の緊急連絡先と現地大使館/領事館の連絡先について
  3. 海外旅行保険への加入について
  4. ベトナムでの生活における治安情報について
  5. ベトナムへの引越しの準備について

1.予防接種について

東南アジア滞在に限らず、多くの国での駐在・滞在ではしっかりと予防接種を受けることが重要です。

特にベトナムへの駐在で気を付けたいのは「破傷風」「A型肝炎」「B型肝炎」「日本脳炎」「狂犬病」の5つです。
最低限これら5種類の予防接種を済ませておけば、ある程度安心して滞在できます。

予防接種の費用については所属先企業が負担してくれるケースが多いですが、ご自身の健康に関わることですので、赴任前に必ず接種時期や申し込み方法について自身で確認しておきましょう。

また、ベトナムではデング熱が流行する時期がありますが、デング熱については予防接種や予防薬は存在しません。
そのため、長袖を着たり、虫よけスプレーをしたりするなど、虫に刺されないようにすることが最善の予防方法です。

当社の駐在員の中にもデング熱に罹ったことがあるスタッフが存在しますが、症状は重かったり、軽い発熱だけで済んだりする場合もある一方、回復までにかなりの日数を要することがあります。
場合によってはデング出血熱と呼ばれる重症病態になることもあり得ます。

ヤブ蚊に常時気を付けるというのは非常に難しいですが、十分に注意して滞在しましょう。

2.日本の緊急連絡先と現地大使館/領事館の連絡先について

ベトナムに限らず、海外渡航の際にはスマートフォンの紛失や盗難の危険性があります。
そのため、渡航前には日本の緊急連絡先(家族や親戚、パートナーなど)と現地大使館/領事館の連絡先を必ずメモしておくなどの準備が必要です。

また、パスポート紛失など何かしらの大きなトラブルが起きた場合には、まずは現地の大使館/領事館へ連絡をするようにしてください。
連絡先情報は、在ベトナム日本国大使館駐日ベトナム大使館外務省海外安全局などのホームページでご確認ください。

3.海外旅行保険への加入について

予測不能な病気や事故に備えて、ベトナム駐在前には必ず医療保険や海外旅行保険に加入しておきましょう。

日本では健康保険に加入していることで医療費の自己負担額が抑えられますが、ベトナムにおいては、保険未加入の状態で病院での治療を受けた場合、高額な医療費を請求されるリスクがあります。

例えば、風邪の診察や処方薬の費用だけでも、日本では考えられないほど高額になるケースもあるでしょう。
また、けがなどで1日入院しただけでも、約10万円前後の費用が請求されることがあります。

通常、保険料は所属企業が負担してくれるケースが多いですが、駐在前に必ず医療保険の加入方法について所属先企業の対応や自身の加入している保険について確認しておきましょう。

企業によっては、滞在先の国で提供されている日系企業向け保険サービスを利用している場合があります。
こうした保険サービスには、現地での日本語窓口を用意したり、通院時や入院時に通訳サポートが付く保険も存在します。

海外旅行保険は、万が一の際の大きな支えとなる重要なサービスであるため、しっかりと確認・検討しておきましょう。

4.ベトナムでの生活における治安情報について

基本的なことですが、海外駐在前には赴任先の治安情報を知っておくことが大切です。

治安情報を調べるうえで基本となるのは、外務省の海外安全ホームページです。
危険情報の掲載だけではなく、感染症の状況やスポット・広域情報、現地の日本大使館・総領事館からの最新の安全情報が閲覧できます。

大使館からの安全情報には直近で邦人が被害に遭った詐欺事件といった細かいものから、大使館・領事館の休館情報といった情報まで幅広く掲載されているため確認しておきましょう。

なお、ベトナムの治安は決して悪くなく、海外の中では比較的安全な国と評価されています。

外務省の海外安全ホームページでも、ベトナムの治安状況は総じて安定していると評価しています。
反政府組織・テロ組織も少なく、現地人でさえも近づかないような危険地帯がほとんどないためです。

ベトナムなら、現地で一般生活を送る分には、リスクは少ないと判断できます。
ただし、政治・社会情勢の変動によって治安が悪化する可能性はゼロではないため、不安を覚えるなら外務省の海外安全ホームページを参照してください。

加えて、大きな犯罪は少なくても、軽犯罪の件数は日本より多いため、『スリ・置引き・ひったくり・賭博』などには十分に注意しましょう
当社駐在員の中にも、スマートフォンをバイクに乗った2人組にひったくられた者もいます。

また、数は少ないですが、現地駐在員の中にはひったくりに倒されて大怪我をした日本人も存在します。

外務省はハノイ・ホーチミンで軽犯罪が多発する地域を、以下のように発表しました。

場所地域
ハノイ【スリ・ひったくり等盗難被害多発地域等】
ホアンキエム湖周辺
旧市街
ドンスアン市場
ハンガイ通り
統一公園周辺
キムマー通り
リンラン通り
ダオタン通り
大規模ショッピングモール
バスターミナルなど

【置き引き被害多発地域等】
ホアンキエム湖周辺
旧市街
ホテルロビーやレストラン
大規模ショッピングモール
空港
列車
バス内など
ホーチミン【ひったくり被害多発地域】
グエン・フエ通り
パスター通り
ドン・コイ通り
ハイ・バー・チュン通り
トン・ドック・タン通り
チャン・フン・ダオ通り
レ・ライ通り
レ・タィン・トン通り
ベン・タイン市場周辺など

【スリ被害多発地域】
グエン・フエ通り
ベン・タイン市場等の市場
ドン・コイ通り
ハイ・バー・チュン通り
レ・タィン・トン通り
大規模ショッピングモールなど

【置き引き被害多発地域等】
市内の公園
ホテルロビーやレストラン
大規模ショッピングモール
空港
列車
バス内など

出典:ベトナム安全対策基礎データ|外務省海外安全ホームページ

上記の場所で行動する際は、貴重品の扱いに注意しましょう。
そもそもベトナムに限った話ではありませんが、こうした軽犯罪に巻き込まれないようにするためには、「貴重品やスマートフォンを無防備に扱わない」「知らない人に容易についていかない」など基本的な対策や心構えが重要です。

参照:ベトナム安全対策基礎データ|外務省海外安全ホームページ

5.ベトナムへの引越しの準備について

荷造りや手続きなど、ベトナムへの引越しには事前の準備が必要です。
一般的に引越し準備は2〜3カ月前から始めることが推奨されています。

近年では、ベトナムへの引越しに対応している日本の業者が多数あるため、まずはWebサイトなどで情報を調べて比較検討してみましょう。
調査をしてみると、各社が海外への引越しに対応したサービスを展開していることが分かります。

ベトナムでも、現地でサービスを展開している日系企業もあります。
こうした引越業者からアドバイスをもらいながら、当社で用意している引越しチェックリストを利用して準備を進めていくとスムーズに進められます。

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ベトナム駐在前に検討したいこと

ベトナム駐在前に検討しておきたい主な事項は、以下の通りです。

  • クレジットカードやデビットカードの準備
  • 日本のインターネットバンキングについて
  • 海外転出届について

それぞれについて、順番に解説します。

クレジットカードやデビットカードの準備

駐在前に、日本国内で有効期限が十分にあるクレジットカードやデビットカードを所有しておくと安心です。

ベトナム国内でクレジットカードやデビットカードを新たに作成することも選択肢に入りますが、作成条件が厳しい点には注意が必要です。
所属企業が取得した労働許可証・収入を証明する書類などをカード会社や銀行から求められます。

こうした煩雑なやり取りを省略するうえでも、日本の銀行から引き落とされるクレジットカードやデビットカードを持っておくと良いでしょう。

ベトナムで加盟店舗数が多いのは、「Visa」「Mastercard」などのクレジットカードであり、同様にデビットカードも利用できます。
旅行会社・レストラン・大型の食料品店は一般的に国際的なデビットカードやクレジットカードを利用できますので買い物や決済で困ることはほとんどありません。

日本のインターネットバンキングについて

駐在前にインターネットバンキングを開設しておきましょう。
インターネットバンキングを開設しておくと、ベトナムで口座を開設した後に、オンラインで海外送金ができるようになります。

オンライン海外送金には、Wise」といった送金サービスがあります。

こうしたサービスの特徴は、実際の為替レートに近いレートと比較的低い手数料で、日本の銀行より安く海外へ送金できるという点です。
本人確認を含む送金手続きはすべてオンラインで完結できるので手軽に利用できます。

ほかにもオンライン海外送金サービスは多数あるので、必要があれば自身にあったものを赴任前に検討しましょう。
もし、滞在が長期になればなる場合は、こうした手数料の安い送金手段を持っておくとコストを抑えられます。

海外転出届について

長期で海外駐在する予定がある場合は、住んでいる市区町村の窓口へ海外転出届の提出を検討する必要があります。
転出届を提出すると、日本では「非居住者」扱いとなります。

ただし、この「非居住者」扱いになると注意しなければならないポイントがあるため、その主な内容をご紹介します。

除票となる

現在の住所にある住民票は「除票」となり、住民ではなくなります。
住民税の課税対象外となるため、まずは赴任期間をふまえて勤め先の総務・人事部へ事前にご確認ください。

海外転出届提出その他の影響

税金(住民税)や年金など、さまざまな分野に影響が及びます。
住民票と紐づいているマイナンバーカードはそのままでは使えず、海外で引き続き利用する場合は国外継続利用の手続きが必要です。

また、転出届を提出するにあたって持っていかなければいけない書類関係も多数あります。
それぞれの書類を作成する際は、スケジュールに余裕をもたせておきましょう。

状況にもよりますが、赴任2カ月前ぐらいから「お住まいの市区町村窓口」へご相談することをおすすめします。

住居の準備

赴任後の住居は現地で快適な生活を送るうえで非常に重要です。
まずは、所属先企業で住居が用意されているか確認しましょう。

独身の方・単身赴任の方・家族帯同で赴任する方の場合で、住居の形態は大きく変わります。
ベトナムでの駐在員の多くがコンドミニアムかサービスアパートを利用していますが、まれに一軒家などを借りて住んでいる方もいます。

企業が用意した住居に住む場合、所属企業の福利厚生やルールに従う必要があるので注意しましょう。

現地での住居はさまざまな選択肢があるので、事前に現地の日系不動産仲介会社などに問い合わせをしておくとスムーズに探せるはずです。

ベトナム駐在準備タイムライン

駐在前に準備すべきチェック項目や検討すべきチェック項目をまとめています。
以下のタイムライン表を参考にしてみてください。

ベトナムの住みやすさについて

本章では、ベトナムの住みやすさについて資料を交えながら解説します。
ベトナムでの生活やビジネスのイメージを具体化しておけば、実際に現地を訪れたときのギャップを減らせます。

Expat Insider2025での評価

駐在員が住みやすい・働きやすい海外居住地をランキングにした『Expat Insider 2025』では46カ国中5位となり、ベトナムの住みやすさが高く評価されました。

特に「Personal Finance(個人の家計・生活費に関する部門)」では1位を獲得しており、物価の手ごろさや生活費の安さが高く評価されています。
生活スタイルによりますが、駐在中に得られる収入で生活物資の購入は十分まかなえるため、高い物価で生活が圧迫される心配はほとんどありません。

加えて、ベトナム人の国民性がフレンドリーであることもあり、現地での生活を楽しんでいる駐在員も多いようです。

実際、『Expat Insider 2025』の「Plan to Leave?(離国予定はある?)」の質問では、31%が「don’t know yet(まだまだこれから)」、30%が「want to stay forever(ずっと離れたくない)」と回答しています。
それだけ多くの駐在員が現地に愛着を持っていることがうかがえる結果です。

総合して、ベトナムは物価の安さ・生活のしやすさで高く評価されており、進出先・駐在先としては適した国だといえるでしょう。

参照:Expat Insider 2025

※Expat Insiderは、世界最大級の駐在員コミュニティであるInterNationsが毎年実施している調査で、170以上の国・地域に住む1万人以上の外国人を対象に、生活の質、定住のしやすさ、海外での働きやすさ、家計状況などの項目を評価し、ランキング化したものです。

日本人にとってのベトナム

日本人にとっても、ベトナムは駐在先・進出先として非常に魅力的な国です。

ベトナムは親日的な国として知られており、ハノイやホーチミンには日本人向けの飲食店や商業エリアがあるなど、日本人にとって非常に暮らしやすいのが特徴です。
日系スーパーが出店しており、日本の食材なども比較的簡単に手に入ります。

また、先述したようにベトナム人はフレンドリーで、日本語教育にも力を入れています。
大学だけでなく、初等・中等・高等教育機関でも実施されており、近年はITエンジニアの育成の一環としても日本語教育に力を入れるようになりました。

現地でのビジネスにおいても日本語を理解できるスタッフが対応するケースも多く、コミュニケーション上の齟齬が生じにくい点も魅力です。

日本人が駐在するうえで、ベトナムは相性が良い地域と評価できます。

参照:ベトナム(2023年度):国際交流基金 日本語教育 国・地域別情報

まとめ

本記事では、ベトナム赴任・駐在準備に関する基礎知識として、基本的な情報をまとめました。
しかし、所属先企業・業界・そのときの状況によって駐在や赴任にはさまざまな注意点などがあるかと思います。

たいへんなことも多い海外赴任ですが、みなさんが新たな土地で素晴らしい出会いや経験に恵まれることを願っております。

今後もベトナム赴任に関する情報を発信していく予定ですので、公的機関の情報とあわせて安全で確実な準備ができるように、ぜひブックマークしていただければ幸いです。
公的機関の情報については、『【随時更新】ベトナム入国 最新渡航情報まとめ』で詳しくまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください。

また、Wakka Inc.ではベトナム視察を目的にしたIT企業さま向けに、無料でオフィス案内をしております。
これまで延べ50社以上の視察を受け入れてきました。

ベトナム現地のIT企業の活動を間近に体験していただけますのでぜひお気軽にお問い合わせください。

WaGAZINE読者さま限定!

ベトナム赴任・駐在準備チェックリスト赴任渡航前と海外引越し前に必要な手続きがすべてわかる

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この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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