販売管理をExcel(エクセル)で始めるには?基礎から応用まで徹底解説!

最終更新日:2025.07.02
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
販売管理をExcel(エクセル)で始めるには?基礎から応用まで徹底解説!
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

事業を成長させるためには、日々の売上データ、在庫管理、顧客情報などをきちんと管理することが不可欠です。
しかし、専門的なシステムよりもランニングコストを抑えたいものの、Excelでどのように管理すればいいのか、何から手をつけていいのか分からない、とお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、Excelを使った販売管理の基礎から、無料テンプレートを使った具体的な実践方法まで解説します。
さらにExcelをより便利に活用するための関数やマクロの活用方法もご紹介しますので、ご参考になさってください。

目次

DXプロジェクトに関わる経営者・リーダー層の方へ

失敗しない社内体制の構築から開発リソース確保までを網羅して解説しています。

販売管理の概要と役割・目的

販売管理とは、商品やサービスの取引に関するあらゆる情報を整理・統制し、業務全体の流れをスムーズに行うことを目的とする仕組みです。
一例としては、どういった商品を・どのような顧客に・いつ・どれくらい・いくらで提供したのかといった、販売実績の記録などが挙げられます。

加えて、代金の請求や回収のタイミング、仕入れ費用の支払い状況なども管理対象となります。
販売管理の主な目的は、企業の収益構造を見える化し、どの商品がどれだけ利益に貢献しているかを把握できるようにすることです。

また、業務上の記録を正確に行うことで、納品忘れや発注ミスといったトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
以上のことから、現在ではすでに多くの企業が販売管理を活用しています。

販売管理の目的

販売管理の主な目的は以下の通りです。

目標説明
売上向上顧客ニーズを的確に把握し、適切な商品を適切なタイミングで提供して売上の増加を目指す
顧客満足度向上迅速かつ正確な対応、スムーズな取引を通じて顧客満足度を高め、リピート率の向上につなげる
在庫最適化需要予測に基づいた適切な在庫管理を行い、過剰在庫や欠品を防止し、コスト削減と機会損失の最小化を図る
業務効率化販売に関する情報を一元管理し、業務プロセスを自動化することで、担当者の負担を軽減して効率的な業務遂行を可能にする
経営判断の迅速化売上・顧客・在庫などの情報をリアルタイムに把握し、的確な経営判断を迅速に行えるようにする

販売管理に含まれる主な役割

販売管理に含まれる主な役割は以下の通りです。

項目詳細目的
売上管理見積管理、受注管理、売上実績管理、請求管理、入金管理など売上状況の把握、売上予測、収益性分析
顧客管理顧客情報管理、顧客対応履歴管理、顧客分析など顧客ニーズの把握、顧客満足度向上、リピート率向上
在庫管理入庫管理、出庫管理、在庫数管理、棚卸管理、在庫分析など在庫状況の把握、過剰在庫・欠品防止、在庫コスト削減
仕入管理発注管理、入荷管理、仕入実績管理、支払管理など適切な仕入量の確保、仕入コスト削減、サプライヤーとの良好な関係維持

Excel(エクセル)でできる販売管理の範囲を理解しよう

Excelは汎用性が非常に高いため、販売管理業務においても幅広い範囲で活用できます。
以下では、Excelで対応可能な主な業務範囲として、売上管理・在庫管理・仕入管理について解説します。

売上管理

Excelでは売上管理も可能です。売上管理は顧客への見積もりから受注、そして売上実績まで管理します。

具体的には、以下のような管理ができます。

管理項目記録内容
見積管理見積日・顧客名・商品名・数量・単価、見積費用などを記録し、見積もり状況を管理する
受注管理受注日・顧客名・商品名・数量・単価・受注費用などを記録し、受注状況を管理する
売上実績管理売上日・顧客名・商品名・数量・単価・売上金額などを記録し、売上実績を分析する

在庫管理

Excelによる在庫管理では、商品の入庫から出庫、そして現在の在庫状況まで把握します。

以下のような管理が行えます。

在庫管理説明
棚卸管理定期的な棚卸の結果を記録し、実際の在庫数と帳簿上の在庫数との差異を把握する
在庫調整棚卸の結果や、破損・紛失などによる在庫数の変動を記録し、在庫数を調整する
在庫分析ABC分析などを用いて、在庫の回転率や滞留状況を分析し、適切な在庫量を維持するための判断材料とする

仕入管理

Excelでできる範囲には仕入管理があります。仕入管理は商品の発注から入荷、そして仕入実績の管理をすることです。

具体的には、以下のような管理が可能です。

管理項目記録内容
発注管理発注日、発注先、商品名、数量、単価などを記録し、発注状況を一覧で把握する
入荷管理入荷日、入荷先、商品名、数量、検品結果などを記録し、入荷状況を管理する
仕入実績管理仕入日、仕入先、商品名、数量、仕入費用などを記録し、仕入実績を分析する

初心者でも簡単Excel(エクセル)販売管理シートの作り方【テンプレート付き】

Excelで販売管理を始めたいものの、何から取り組めば良いか分からない方も多いのではないでしょうか。
本章では、初心者でも簡単にできるExcel販売管理シートの作り方を、テンプレート付きでご紹介します。

基本のシート作成から、関数を使った自動化、そして応用的なデータ分析までステップバイステップで見ていきましょう。

ステップ1:まずは基本の在庫管理シートを作成

販売管理の基本となるのは、在庫管理です。まずは、現在の在庫状況を正確に把握するためのシートを作成しましょう。

以下の項目を基本として、必要に応じて項目を追加しましょう。

項目説明
商品コード商品を識別するためのコード
商品名商品の名称
在庫数現在の在庫数
仕入単価商品の仕入れにかかった単価
販売単価商品の販売価格
備考商品の状態や特記事項など

上記の在庫管理シートを定期的に更新することで、常に最新の在庫状況が把握できます。

Excelには、在庫数を自動で計算できる関数も用意されているため、ぜひ活用してください。

ステップ2:売上管理シートで販売状況を把握

次に、商品の販売状況を把握する売上管理シートを作成します。
売上管理シートは、売上の推移や売れ筋商品を把握するために重要なシートです。

以下の項目を基本として、必要に応じて項目を追加しましょう。

項目説明
日付販売日
商品コード販売した商品の商品コード
商品名販売した商品の名称
販売数量販売した商品の数量
販売単価商品の販売価格
売上金額販売数量×販売単価で計算
顧客ID顧客を識別するためのID
備考販売に関する特記事項など

上記の売上管理シートを作成することで、日々の売上状況を把握しつつ、売上分析に役立てられます。

Excelには、売上金額を自動で計算する関数や、グラフを作成する機能などもあるので活用してみましょう。

ステップ3:仕入管理シートで入庫状況を記録

在庫管理と売上管理に加えて、仕入管理も重要です。
仕入管理シートを作成すれば、商品の入庫状況や仕入コストが一目で把握できます。

以下の項目を基本として、必要に応じて項目を追加しましょう。

項目説明
日付仕入日
商品コード仕入れた商品の商品コード
商品名仕入れた商品の名称
仕入数量仕入れた商品の数量
仕入単価商品の仕入れにかかった単価
仕入費用仕入数量×仕入単価で計算
仕入先仕入先の名称
備考仕入に関する特記事項など

仕入管理シートの作成によって、仕入状況が簡単に把握できます。
また、在庫管理や売上管理と連携させることで、より効率的な販売管理が可能になります。

上記のテンプレートを活用し、自社の販売管理の効率化にお役立てください。

【応用編】ピボットテーブルでデータ分析をレベルアップ

Excelには、ピボットテーブルと呼ばれる強力なデータ分析機能があります。
ピボットテーブルとは、大量のデータを集計・分析・可視化する機能です。ピボットテーブルは、売上データや在庫データをさまざまな角度から分析でき、販売戦略の改善に役立ちます。

例えば、ピボットテーブルを使うことで商品別の売上ランキングや顧客別の購入履歴、地域別の売上状況なども簡単に分析できます。
ただ、ピボットテーブルを活用するためには、用途に応じた使い方を知らなければなりません。

しかし、一度マスターすればデータ分析の幅が大きく広がります。
Excelのヘルプ機能やインターネット上の情報を参考に、ぜひピボットテーブルの使い方を習得しましょう。

販売管理をExcel(エクセル)で行うために欠かせない関数・マクロ活用術とは

Excelでの販売管理をさらに効率化するには、関数とマクロの活用が不可欠です。

以下では、業務効率を飛躍的に向上させるための具体的な関数とマクロの活用術をご紹介します。

販売管理をExcel(エクセル)で行うための必須関数

販売管理において、以下の表に記載した関数はまさに必須ツールです。

それぞれの関数がどのような役割を果たし、どのように活用できるのかをマスターしましょう。

関数名説明使用例
SUMIF関数特定の条件に合致するデータの合計を算出する特定の商品カテゴリの売上合計を計算する際に役立つ
VLOOKUP関数指定した検索条件に基づいて、別の表からデータを抽出する。商品コードを入力するだけで、商品名や単価を自動的に表示できる
COUNTIF関数特定の条件に合致するデータの個数をカウントする特定の商品が何回売れたかを数える際に使用する

以上の関数を組み合わせることで、より高度な分析も可能になります。

また、SUMIF関数とCOUNTIF関数を組み合わせて、特定した商品カテゴリの平均売上額を算出できます。

在庫管理に役立つ関数

在庫管理を効率化するためには、INDIRECT関数とOFFSET関数の活用が効果的です。

関数名説明使用例
INDIRECT関数文字列で指定されたセル参照を、実際のセル参照として扱うシート名をセルに入力することで、参照するシートを動的に変更できる
OFFSET関数指定したセルから、行数と列数を指定して別のセルを参照するある商品の在庫数の推移を、過去のデータから抽出する際にも役立つ

上記の関数を使うことで、複雑な在庫管理表も柔軟に管理できるようになります。

マクロによる自動化で作業効率UP

マクロを活用することで、繰り返しの作業を自動化し、大幅な時間短縮を実現できます。

以下の活用例を参考に、実際の業務にご活用ください。

機能説明
データのインポートCSVファイルなどのデータを、Excelシートに自動的に取り込む
レポートの作成指定した期間の売上データを集計し、グラフを作成する
在庫の自動調整定期的に在庫数をチェックし、発注が必要な商品を自動的にリストアップする

マクロを組むにはVBA(Visual Basic for Applications)の知識が必要ですが、一度作成すれば、以降の作業効率は大幅に向上します。

【注意点】関数・マクロ利用時のエラーと対策

関数やマクロを利用する際には、エラーが発生する可能性もあります。

以下の表では、よくあるエラーと対策について記載しています。

エラーの種類説明対処法
#N/AエラーVLOOKUP関数などで、検索値が見つからない場合に発生するIFERROR関数を使って、エラー発生時の表示を制御できる
#VALUE!エラー計算に使用できないデータ型が入力された場合に発生しますデータ型を確認し、適切な形式に変換する必要がある
マクロのエラーVBAコードに誤りがある場合に発生するデバッグ機能を使って、エラー部分を特定し、修正する必要がある

エラーが発生した場合は、エラーメッセージをよく確認し、原因を特定することが重要です。

また、事前にバックアップを取っておくことで、万が一の場合にもデータを保護できます。

DX進め方ガイドブック

DXプロジェクトを検討している担当者の方に向けて、失敗しない社内体制の構築から開発リソース確保までを網羅して解説しています。

Excel(エクセル)で販売管理を行うメリット

Excelで販売管理を行うことには、手軽に始められる・カスタマイズ性が高いなど、多くのメリットがあります。

本章では、Excelで販売管理を行う主なメリットについて解説します。

初期費用を抑えることができる

Excelは多くの企業や個人で使用されており、新たにソフトウェアを購入する必要なく始めることができます。
中小企業や個人事業主にとって、初期費用を抑えられる点は大きな魅力です。

他の販売管理システムを導入する場合、初期費用や月額費用が発生することを考えると、Excelは非常に手軽な選択肢と言えます。

自由にカスタマイズできる

Excelは、関数やマクロを駆使することで、自社の業務フローや管理項目に合わせて自由にカスタマイズできます。
売上管理表・顧客管理表・在庫管理表など、必要な帳票を自由に作成し、自社独自の販売管理システムの構築も可能です。

例えば、特定商品の売上分析に特化したグラフを自動作成したり、顧客の購入履歴に応じて自動的にランク分けを行うことも可能です。

テンプレートが豊富

インターネット上には、無料でダウンロードできるExcel販売管理のテンプレートが数多く存在します。
テンプレートを活用すれば、ゼロから販売管理表を作成する手間が省けるので、すぐに販売管理が始められます。

また、売上管理・顧客管理・在庫管理などさまざまな種類のテンプレートがあるため、自社のニーズに合わせての選択も可能です。

メリット詳細
無料で利用可能多くのPCにインストール済のため、追加コストなしで開始できる
カスタマイズ性が高い自社の業務フローに合わせて自由にカスタマイズできる
テンプレートが豊富豊富なテンプレートを利用することで、簡単に販売管理を始められる

Excel(エクセル)で販売管理を行うデメリット

Excelは手軽に始められる販売管理ツールですが、規模が大きくなるにつれて、いくつかのデメリットが顕在化してきます。

本章では、Excelで販売管理を行う主なデメリットについて解説します。

データが増えると動作が遅くなる

Excelは大量のデータを処理することを想定した設計ではありません。
そのため、データ量の増加に伴い、ファイルの読み込みや保存、関数の計算などの処理速度が低下することがあります。

特に複数のシートを連携させたり、複雑な関数を使用したりする場合には、そういった傾向が顕著に現れます。

リアルタイムでの共有や編集が難しい

Excelには複数人で同時に編集したり、リアルタイムで情報を共有したりすることが難しいといったデメリットがあります。
なぜなら、Excelファイルは基本的にローカル環境で作業することを前提としているからです。

クラウドストレージなどを利用して共有することもできますが、ファイルの競合やバージョン管理の問題を引き起こすリスクがあります。

ミスや属人化の発生リスクがある

Excelは、自由度が高い反面、入力ミスや計算式の誤りなどが発生しやすいなどのリスクがあります。

また、特定の担当者しかファイルの構造や関数を理解していない場合、担当者が不在になった際に業務が滞ってしまう問題も発生しやすくなります。

デメリット詳細
動作の遅延データ量が増加すると、ファイルの読み込みや計算に時間がかかり、業務効率が低下する
共有・編集の困難さ複数人での同時編集やリアルタイムでの情報共有が難しく、コミュニケーションコストが増加する
人的ミスのリスク入力ミスや計算式の誤りが発生しやすく、データの信頼性低下を招く可能性がある
属人化のリスク特定の担当者しかファイル構造を理解していない場合、業務遅滞のリスクがある

Excel(エクセル)の販売管理でできること・できないこと

Excelは手軽に始められる販売管理ツールとして多くの中小企業や個人事業主に活用されています。

しかし、Excelには得意なことと不得意なことがあり、そういった部分を理解したうえで使い方を見極めることが重要です。

Excel(エクセル)できること

  • 売上の集計・分析
  • 顧客管理の一元管理
  • 簡易的な在庫管理
  • 請求書・納品書の下準備

まずはExcelでできることを見ていきましょう。

売上の集計・分析

売上データを入力すれば、関数やピボットテーブルを使って簡単に集計や分析が可能です。

月別売上や商品別売上などをグラフ化もでき、視覚的な管理にも優れています。

顧客情報の一元管理

顧客リストをExcelで管理すれば、氏名・住所・連絡先などを一元的に把握できます。

簡易的な顧客管理台帳としても機能し、メール配信やアプローチの履歴を追うことも可能です。

簡易的な在庫管理

在庫の入出庫を手動で入力することで、在庫数の把握もできます。

小規模なビジネスでは、取り扱う商品数や在庫数が限られているため、Excelでの手動管理でも作業負担が大きくならず、十分に対応可能です。

請求書・納品書の下準備

Excelを利用することで、請求書や納品書のテンプレートを作成でき必要な情報を入力するだけで書類の作成が容易になります。

印刷やPDF出力にも対応しているので、帳票類の作成に活用できます。

Excel(エクセル)できないこと

  • 複雑な在庫連動
  • 多人数でのリアルタイム共有
  • 高度なセキュリティ
  • 会計システムとの連携

次にExcelでできないことを紹介します。

複雑な在庫連動

複数の商品や拠点にまたがる在庫管理や、リアルタイムな在庫の自動更新には対応できません。

商品数や拠点数が増えると、手動での在庫入力や管理作業が煩雑になり、入力ミスや更新漏れが発生しやすくなります。
そのため、規模が大きくなるとExcelでの管理には限界があります。

多人数でのリアルタイム共有

Excelファイルは基本的に単独での使用が前提です。
そのため、複数人が同時に作業を行うと、データの競合や上書きのリスクが生じる可能性があります。

クラウド上での共同編集も可能ですが、スムーズな運用には課題が残る場合があります。

高度なセキュリティ

パスワード設定など最低限のセキュリティ対策は可能です。

ただし、アクセス権限の細かな設定や操作履歴の記録といった高度な管理は難しいため、情報漏洩のリスクがあります。

会計システムとの連携

Excel単体では、会計ソフトや他の業務システムとの自動連携が困難なケースが多く、データ入力や転記を手作業で行う必要があります。

そのため、業務の効率化といった点では限界が出てきます。

Excel(エクセル)の販売管理からシステムへ移行すべきタイミング

Excelでの販売管理は手軽に始められる反面、業務の規模や複雑さが増すにつれて限界が見えてきます。

以下のような課題が出始めたら、販売管理システムへの移行を検討しましょう。

データ量が増加し、Excel(エクセル)の動作が遅くなってきた

売上や在庫、顧客情報などのデータが増えると、Excelの動作が遅くなることがあります。
さらに、ファイルが破損するリスクも高まり、業務に支障をきたす可能性があります。

そうなる前に、データベースを基盤とした販売管理システムへの移行を検討するのが現実的です。

複数部署や担当者間での情報共有がスムーズに行えない

Excelファイルは、ローカル保存や個別のクラウド共有を前提としていることが一般的です。
そのため、複数の担当者が同時に作業するのは難しくなるので、販売管理システムへの移行がおすすめです。

データの整合性や更新のタイミングにずれが生じると、トラブルや作業ロスにつながる恐れがあります。

入力ミスや集計ミスが頻発してデータの信頼性が低下している

手作業によるデータ入力や関数の設定ミスは、販売データの精度を大きく損なう要因です。
こうした問題が続くと、経営判断に影響を与える恐れもあります。

自動計算や入力チェック機能を持つシステムなら、こうしたリスクを大幅に軽減できます。

より高度な分析やレポート作成が必要になってきた

経営や営業戦略の見直しでは、商品別の収益性分析や売上傾向の予測など、より詳細な分析が必要となってきています。

こうした分析には、大量かつ複雑なデータ処理が必要となる場面も少なくありません。
Excelでの対応には限界があるため、販売管理システムを導入し、業務の迅速化を図る必要があります。

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販売管理システムを選定する際のチェックポイント

システムを導入する際は、単に便利そうだからといった理由ではなく、自社の業務に合ったものを選ぶことが重要です。

以下のチェックポイントを参考に検討を進めましょう。

自社の業種・業態にフィットしているかどうか

販売管理は、小売・製造・卸売など業種によって求められる機能や管理の仕組みは異なります。
したがって、汎用的なものではなく、自社の業務フローに最適化された機能を持つシステムを選択することが重要です。

適切なシステムを導入することで、運用開始後の活用度や業務効率に大きな差が生まれます。

導入形態が自社の運用スタイルに合っているか

販売管理システムにはいくつかの導入形態があり、それぞれに特徴があります。

まずは、どのような運用スタイルが自社にあっているか確認しておきましょう。

形式説明特徴
オンプレミス型自社サーバーにインストールして運用する形式。カスタマイズ性が高く、機密性の高い業務に向いているが、初期費用や保守管理の負担が大きくなりがちになる
パッケージ型一定の機能がセットになって提供される形式。コストを抑えながらも、ある程度の業務ニーズに応えられるため、中小企業に適している
クラウド型インターネット経由でサービスを利用する形式。初期費用が少なく、場所を問わずアクセスできる利便性が魅力。アップデートやセキュリティ対策もベンダーが行ってくれる

機能と費用のバランスが取れているか

多機能な販売管理システムは一見魅力的に映りますが、使わない機能にまでコストをかけるのは非効率です。
まずは、自社にとって本当に必要な機能を明確にすることが重要です。

以上の点を踏まえたうえで、業務規模に見合ったコストで導入できるかどうかを慎重に判断しましょう。

導入後のサポート体制は整っているか

システムを導入する際は、トラブル発生時や運用中の疑問に迅速に対応してもらえるサポート体制があるかどうかも重要なポイントです。
なぜなら、サポートが不十分だと業務遅滞のリスクが高まるからです。

さらに、電話・チャット・メールなど、複数の問い合わせ手段が用意されているメーカーのシステムをなるべく利用しましょう。

スマートフォンやタブレットからも利用可能か

営業担当者や現場スタッフなどは、社外で販売情報を確認する機会が多々あります。
そういった場合は、スマートフォンやタブレットに対応しているかどうかを事前に確認することが重要です。

モバイル対応のシステムであれば、外出先でもリアルタイムに情報を共有でき、業務の効率が向上します。

まとめ:Excel(エクセル)販売管理を使いこなして業務効率化を目指そう

本記事では、販売管理の基本からExcelを活用した販売管理の方法、さらに関数やマクロの活用法まで解説しました。
Excelは無料であることや、自由にカスタマイズできるなど大きなメリットがあります。

特に小規模事業者や、コストを抑えて手軽に販売管理を始めたい場合には、Excelでの管理は有効です。
本記事でご紹介したテンプレートや関数、マクロの活用方法を利用することで、初心者の方でもExcelで販売管理を容易に始めることができます。

まずは基本の管理表から作成し、徐々に自動化や分析を取り入れて、業務効率化を目指しましょう。
本記事が、皆様の販売管理業務の効率化に貢献できれば幸いです。

DX進め方ガイドブック

DXプロジェクトを検討している担当者の方に向けて、失敗しない社内体制の構築から開発リソース確保までを網羅して解説しています。

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